日本進化論 (SB新書)

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レビュー : 99
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797399868

作品紹介・あらすじ

注目の2人による今後日本に必要な発想とは

みなさんは、「平成」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
「バブル崩壊」「失われた20年」「二流国への転落」……。
決してポジティブとはいえないイメージを抱いている方も少なくないでしょう。

その認識は、本当に正しいのでしょうか。
たしかに、平成の間に失われたものや、反省すべき点はたくさんあります。
しかし、そこに囚われるあまり、現在の日本が抱えている問題の本質や、
その解決の糸口が意外なところに潜んでいることに、多くの人は気付いていないのではないでしょうか。

たとえば最近、「ベーシックインカム」についての議論をよく目にします。
「そんな財源はない」「あくまでも理想論であって、夢物語だ」といった反論をする人もいます。
しかし実は、現在の日本の一部の地域では、「ベーシックインカム」と同様の状況が、既に生まれているのです。

平成の次の時代を、我々はどう生きていくべきなのか。
今の日本が抱えている課題と、この先の未来に向けての解決策を、
その分野のプロフェッショナルの方の力も借りながら、考えてみました。
(「はじめに」より一部抜粋)

感想・レビュー・書評

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  • これからの日本に必要となる「概念」を書いた本です。
    「概念」なので、実現するための細かな方法については割愛されています。

    読んでいたらふと昔、受験対策で読んだ「現代の論点」を思い出しました。

    横文字がなかなかわからず、深くは読み込めませんでしたが、シルバー民主主義のところは少し共感します。
    高齢者をおきざりにせよ、とは思いませんが、今までの常識を守り続ける政治方法では、これからの社会変化には対応できません。

    「テクノロジーでも代替できる仕事を人間に薄給で任せるのではなく、人間は人間にしかできない仕事に集中して労働生産性に見合った賃金の引き上げを行うべきです。」
    という部分は、同感です。

    保育園無償化よりも、保育士さんの労働環境を改善が先です。
    高齢者施設を増やす前に、介護職や看護士職の労働環境改善が先です。

    増税しなくても、データ化などでコスト削減・削れる部分はたくさんありますから、本当にそちらから実行していただきたいです。

  • 【まとめ】
    「ポリテック」(政策×テクノロジー)という大枠のもと下記のテーマについて書かれている
    ・働き方
    →「AI+BI」的な働き方と「AI+VC」的な働き方。障害も障害出なくなる(過去から今の視力のようにテクノロジーによる解決)
    ・高齢社会
    →コミュニティで支え合う社会。高齢社会をいかに受け入れ、みんなで見守り、共に発展させていくか
    ・子育て
    →やはりコミュニティ。単一の家族だけで解決しようとしない。信用は可視化されている
    ・教育
    →教師はあくまで専門職(社会や稼ぎ方を知らない)。学校でなくても学べる場は増えた。美学の追求
    ・財政
    →将来の社会保障費の増大はGDP費で見るとそこまで大きい問題ではない。しかし、少子高齢化の中でいかにコストダウンを行うかは重要(テクノロジーの活用)。シルバー民主主義
    ・スポーツ
    →Well Being(健康×人との繋がり)を促進する。より政策的に取り組みやすい社会を。

    【感想】
    一言でまとめると、
    日本の社会課題を悲観しせず、ポジティブに解決策を"皆んなで"練って、協力して取り組もうということでいいのかなと。
    社会課題について、非常にわかりやすくまとめられており、それぞれに知識を持ちながらも、バラバラの職につく方々の議論内容も面白い。

  • 【モノはつくらない】
    日本はハードだけがテクノロジーで、ソフトは邪道でハードより下位に位置しており、良いハードがないとソフトの意味がないと思っています。

    ー リアルな物体 ー
    ものづくりは最も重要でこれを軽視すると衰退すると、今までの日本ではそう洗脳されてきました。ある意味正しい部分はありますが、ものづくりはスピードという点では不利になります。

    何をつくるにしてもリアルな物体が存在するため、時間とコストがかかってしまいます。また、初期投資もかかるので、機動性にも欠けます。さらに、資本や機械を投入しているため、うまくいかなかったのですぐに辞めますというわけにもいきません。
    このスピード感の無さが、今の変化を要する、スピードを要する世の中にマッチしません。モノはつくらない、ソフトテクノロジーが先進国経済圏では正となります。
    日本はものづくり信仰が強過ぎたため、ソフトを下級扱いしてきました。しかし、ソフトテクノロジーはリアルな物よりさまざまなモノを生み出せるようになっています。

    モノではなくソフトで世の中を豊かにできる時代です。スマホ本体づくりは、中国、台湾、韓国に任せましょう。彼らの方が安くていいモノをつくります。また、それをつくらなくても、ものづくりをしなくても失うモノはありません。スマホ本体よりも、スマホにどういう中身を入れるかが、重要となります。しかも、その中身をつくる上でかかる費用は、人件費と光熱費だけです。大きな投資は不要です。

    ー 市場開拓 ー
    製品(商品)→金融(株)→ソフト(非物質)と先進国経済の流れが変わってきています。
    モノが飽和したので、先物など無限に広がる金融市場をつくり、次は複製にコストのかからないソフトで市場をつくり出しています。


    ソフトテクノロジーが世の中をものすごいスピードで変化させます。

    いいか、わるいかは別問題ですが・・・

  • いろいろ制約はあるだろうが、こうすれば未来の日本は良くなる、少なくとも衰退はしないという指針を示している。一般の人はもちろん、政治の中枢にいるような人にも読んでもらって意識を改めてもらいたい。

  • 落合陽一さんと小泉進次郎さんが2018年夏に企画したイベントの内容を書籍化したもの。

    この本での一番のポイントは

    『ポリテック』

    ポリティクスとテクノロジーを合わせた造語で、特に日本の政治界ではパソコン持ち込み禁止などテクノロジーの導入が遅れていることからもわかるように、
    社会で新しく出てくるテクノロジーの導入が非常に遅いことが訴えられていた。


    医療や運転、投票、さまざまな分野でAIなどのテクノロジーが進んできている中、規制を取っ払っていく必要性が高い。
    例えば、技術的には自動運転は可能なレベルになっているけれど、日本では許可されていないため導入に至っていなかったりする。
    技術だけでなく法整備を同時に進めていかなければ、真の意味でテクノロジーの効果を得にくく、政治的対応の早い国がどんどん成果を上げ、せっかく良い技術があっても遅れてしまうことになる。


    このようなポリテックの視点で、
    健康、医療、教育、人口減少、地方創生など様々な社会課題について語られており、非常に勉強になった。

  • 日本再興戦略やデジタルネイチャー含め、落合陽一氏の近作で語られる論点と重なる部分が多く新書という形での落合陽一ベストアルバム感がある。

    ただ、第一章のAI+??にまつわる議論こそほぼほぼデジタルネイチャーの内容だが二章以降の論点は新たな視点が多分に含まれており近作をおさえている人間でも一読の価値はある。(平成最後の夏期講習が下敷きになっていることもあり、落合氏以外からのインプットも多い)

    教育、社会保障などまさにポリティクスが直面している課題をいかにテクノロジーで解決するかは、当然答えは見えていないし本書でもあくまで示唆するに留まる。
    本書ではデータをいかに正しく読み解くか、という点についても触れられており(通常、絶対値でのみ語られる社会保障費など)、これからの未来と向き合うための正しい武器を手にするきっかけになる。

    本筋ではないが、各章の結びとしてグラレコが掲載されているあたりに時代性を強く感じた。
    こういう抑えどころが心憎い。

  • Politics(政治)×Technology(技術)=ポリテックが適用されれば、日本の超高齢化社会も乗り切れる。現在は過疎地のところではインフラの整備にベーシックインカムを導入できるほどのお金をかけているらしいし、日本と同じように高齢化が進むデンマークは技術を活用することによりGDPは増加し続けているらしい。日本も既得権益を取っ払い、ポリテックが上手く適用されれば、超高齢化社会も乗り切れるのかもしれないと感じた。

  • 2018年に落合陽一と小泉進次郎とで開催された「平成最後の夏期講習」ニコニコ動画生放送の現場で展開された議論のまとめ。ポリテックという言葉が新鮮。落合陽一の本は所々にデータと引用、絵が入り、パワーポイントの企画書づくりのお手本となるような内容が多い。

    以下メモ。
    ●紙の資料をデジタルに変えたら具体的にどんなことが楽になるのかを丁寧に説明しないと、その恩恵と導入コストをイメージできない。
    ●「新しい技術が登場したから使ってみよう」ではなく「今テクノロジーでこんなことができるから、こんな制度の整備が必要です」という議論を行う。テクノロジーを特別視せず、社会の一部として理解し、相互作用を高めていくための議論や自由度を残すルールづくりをする。
    ●日本は主要国の中で唯一Ph.D取得にお金がかかる国。日本の博士号取得者数は減少するという世界的に見ると異例の事態。
    ●過去に事例のない問題を自ら設定し、その解決を考えていく。誰かから「これを学びなさい」と言われて学ぶのではなく「自分は今、何を学ばなければならないのか」を客観的に考えながら問題を解く。
    ●大学入試が終わった瞬間に、それまでやってきた勉強についての価値観を全て忘れること。学び方の「unlearning」が必要。あらゆる前提は偽の可能性がある、という懐疑的な思考に基づいたマインドセットを身につけられる。
    ●テストで良い点数を取ったり、駆けっこで一等賞になることに価値があると教え込むのが高校までの教育。

  • 日本のことをよく調べていて、合理的なことを言っていると思う。本当にもっとテクノロジーを活用できるエリアは多いと思う。あと個人的には徴教師制のアイデアはすごくよいと思った。

  • メモ
    ------------------
    ・「ポリテック」的な視点が政治に不可欠の時代

    ・会議中のPC、スマホNG
    →日本だけ(テクノフォビアが強すぎる国)

    ・「限界費用ゼロ化」が次世代ビジネスのPOINT
    →原材料費、人件費をテクノロジーでカバー
    →プラットフォーム的な視点

    ・少子高齢化国だが「デンマーク」はGDP↑↑(日本はDOWN)
    →テクノロジーの積極的導入が肝

    ・「シルバー民主主義の国」日本
    →若者の投票率ほぼ最下位、
    →「高齢者向けの政策」ができるのは必然(政治家は当選したいから)
    ------------------

    「日本社会のこれから」を考えた時
    .
    必ずしも良いことばかりではないです

    「バブル崩壊」の後、日本は大きく経済が変わり、世界的に見たら
    .
    「二流国」に変わりつつある、、
    .
    この動きはもう変わらないのでは?
    .
    と少なからず思っていました

    私自身今の日本が落ちていくことを「知っていながら」も

    「何すれば良いの?」と放置していただけでした

    著書の中に「若者が今すべきこと」の1つが記述されていた様な気がしました

    「投票に行くこと」です。

    「シルバー民主主義の国日本」と言われるくらい、

    現在の政治は「高齢者優先の政策」ばかりです

    著書の中に「高齢者の投票率が高い以上、

    寄り添う形を取らざるを得ない政治家たちは

    新たなテクノロジーに関連する政策は導入しづらい」

    とありました。完全に盲点でした

    今の政治家が悪いではなく問題は
    .
    私たち「若い世代の政治意識」にもあったのです

    これからの日本を担う私たち20代は

    もっと「世の中の仕組み」に敏感になるべきだと思いました

    ※私たちが「投票」に行かないから「日本はダメ」になります

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著者プロフィール

落合陽一(おちあい よういち)
メディアアーティスト、研究者。2015年より筑波大学図書館情報メディア系助教、デジタルネイチャー研究室主宰。2015年Pixie Dust Technologies.incのCEO。2017年から筑波大学学長補佐、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学客員教授を兼務。2017年12月からは、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社による筑波大学デジタルネイチャー推進戦略研究基盤 基盤長 及び 准教授を兼務。代表作に、最初の著書『魔法の世紀』、『日本再興戦略』『デジタルネイチャー』など。ほかにも様々な作品と著作に関わる。2019年9月7日、『2030年の世界地図帳』を刊行。

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