日本進化論 (SB新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797399868

作品紹介・あらすじ

注目の2人による今後日本に必要な発想とは

みなさんは、「平成」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
「バブル崩壊」「失われた20年」「二流国への転落」……。
決してポジティブとはいえないイメージを抱いている方も少なくないでしょう。

その認識は、本当に正しいのでしょうか。
たしかに、平成の間に失われたものや、反省すべき点はたくさんあります。
しかし、そこに囚われるあまり、現在の日本が抱えている問題の本質や、
その解決の糸口が意外なところに潜んでいることに、多くの人は気付いていないのではないでしょうか。

たとえば最近、「ベーシックインカム」についての議論をよく目にします。
「そんな財源はない」「あくまでも理想論であって、夢物語だ」といった反論をする人もいます。
しかし実は、現在の日本の一部の地域では、「ベーシックインカム」と同様の状況が、既に生まれているのです。

平成の次の時代を、我々はどう生きていくべきなのか。
今の日本が抱えている課題と、この先の未来に向けての解決策を、
その分野のプロフェッショナルの方の力も借りながら、考えてみました。
(「はじめに」より一部抜粋)

感想・レビュー・書評

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  • 2018年7月に、「平成最後の夏期講習(社会科編)」というニコニコ動画の番組とそこで展開された議論のまとめを元に、落合陽一氏が加筆してまとめた本。
    「人生100年時代を考えるための社会保障基礎講座」と銘打ち、社会を取り巻く課題とその解決策を、ポリテック(政治と技術)の必要性に触れながら探っていく。
    人口減少地域におけるインフラの必要性を限界費用と絡めて解説したり、高齢者問題については、高齢者の力をうまく活用していく解決策や、日本と似た人口構成のデンマークと比較して行政効率化の問題を指摘したりしている。さらに、育児の責任を親だけに押し付けず、社会で支える必要性、一律の学校教育から多様な教育にシフトする必要性のほか、well-beingの観点からスポーツを取り上げてもいる。

    どこかで聞いたことのあることが多いが、この講習が行われた平成最後の夏時点では、目新しいものも多かったに違いない。教育の多様化、オンライン化などは、コロナ禍により一歩前進したかもしれないが、いまだ進捗がない課題も多い。
    技術は進化しても、政治の進化が見られないのが日本が向上する上で最大のネックなのではないか。

    夏期講習で考えを深めるためのステップは参考になった。
    問題を共有→ 未来にあるべき姿のために、向かうべき方向は?→ そのためのアクションプラン→ プランを実行するために、今ある課題は(制度か技術か)?

  • メモ
    ------------------
    ・「ポリテック」的な視点が政治に不可欠の時代

    ・会議中のPC、スマホNG
    →日本だけ(テクノフォビアが強すぎる国)

    ・「限界費用ゼロ化」が次世代ビジネスのPOINT
    →原材料費、人件費をテクノロジーでカバー
    →プラットフォーム的な視点

    ・少子高齢化国だが「デンマーク」はGDP↑↑(日本はDOWN)
    →テクノロジーの積極的導入が肝

    ・「シルバー民主主義の国」日本
    →若者の投票率ほぼ最下位、
    →「高齢者向けの政策」ができるのは必然(政治家は当選したいから)
    ------------------

    「日本社会のこれから」を考えた時
    .
    必ずしも良いことばかりではないです

    「バブル崩壊」の後、日本は大きく経済が変わり、世界的に見たら
    .
    「二流国」に変わりつつある、、
    .
    この動きはもう変わらないのでは?
    .
    と少なからず思っていました

    私自身今の日本が落ちていくことを「知っていながら」も

    「何すれば良いの?」と放置していただけでした

    著書の中に「若者が今すべきこと」の1つが記述されていた様な気がしました

    「投票に行くこと」です。

    「シルバー民主主義の国日本」と言われるくらい、

    現在の政治は「高齢者優先の政策」ばかりです

    著書の中に「高齢者の投票率が高い以上、

    寄り添う形を取らざるを得ない政治家たちは

    新たなテクノロジーに関連する政策は導入しづらい」

    とありました。完全に盲点でした

    今の政治家が悪いではなく問題は
    .
    私たち「若い世代の政治意識」にもあったのです

    これからの日本を担う私たち20代は

    もっと「世の中の仕組み」に敏感になるべきだと思いました

    ※私たちが「投票」に行かないから「日本はダメ」になります

  • 「ポリテック」という、政治(Politics)に技術(Technology)を組み合わせて、日本の社会問題を解決しようという提言の本。
    いろいろ海外と比べたデータがでてきて、日本は技術利用がうまくいってないのだなと感じた。人口減少社会になるのだから、うまくITなどの技術をいかして、生産性を高めていく必要があるのだろうなと思う。
    そういえば、主要国の中で唯一日本は、Ph.D(博士課程)の取得にお金がかかるらしい。博士までいく人って、ある程度お金のある家庭じゃなきゃいけないのだろうな。さすがに、本当に優秀な人だと奨学金でまかなえると思ってるのだけど、どうなんだろう…。
    後、日本は諸外国と比べて認知症の患者が多いらしい。これも初めて知ったのだけど、どうしてなのだろう。ただたんに、高齢者の割合が多いから、そうなってるだけか? 精神病の患者の15%ぐらいは精神病院に入れられてるらしく、それはヨーロッパでは考えられないことらしい。海外ではどういう対策をしているのだろう。
    教育については、多様性を育んだほうがいいとのこと。そういう意味では、音楽の授業ではリコーダーよりは鍵盤楽器を習得させたほうが音楽的素養は身につけれるはずだとのこと。そういわれてみればそうかもしれないと思った。大人になってからはリコーダーに触る機会はほぼないけど、ピアノだったらあるかもしれないし。小学校低学年のころは鍵盤ハーモニカを使ってた記憶があるけど、学年があがると使わなくなったような。まあ、リコーダーのほうが軽くて合奏にも適してるからいいのかな。

  • これからの日本に必要となる「概念」を書いた本です。
    「概念」なので、実現するための細かな方法については割愛されています。

    読んでいたらふと昔、受験対策で読んだ「現代の論点」を思い出しました。

    横文字がなかなかわからず、深くは読み込めませんでしたが、シルバー民主主義のところは少し共感します。
    高齢者をおきざりにせよ、とは思いませんが、今までの常識を守り続ける政治方法では、これからの社会変化には対応できません。

    「テクノロジーでも代替できる仕事を人間に薄給で任せるのではなく、人間は人間にしかできない仕事に集中して労働生産性に見合った賃金の引き上げを行うべきです。」
    という部分は、同感です。

    保育園無償化よりも、保育士さんの労働環境を改善が先です。
    高齢者施設を増やす前に、介護職や看護士職の労働環境改善が先です。

    増税しなくても、データ化などでコスト削減・削れる部分はたくさんありますから、本当にそちらから実行していただきたいです。

  • 幅広くいろんなテーマについて書いていておもしろかったです。「ボリテック」という言葉も初めて知りましたが、たしかにテクノロジーで効率化や合理化を図ることは大事だと思いました。デジタル庁もできますが、技術の使い方は、間違ったことに使わないように、しっかり考えながら進めることが大事だと思います。

  • 人口減少や超高齢社会などといった日本の課題をテクノロジーを駆使して解決することを論じた本。ニコニコ生放送の「平成最後の夏期講習」をベースに書かれたもの。

    本書を読むことで、日本が抱える問題とどう向き合うべきかを考えさせられます。日本の課題を解決できる時間はそんなに長くないのです。

  • 発売されて1年半。

    まだ1年半なのか、もう1年半なのか。

    私にはもう1年半が過ぎてしまったと感じる。

    日本が直面している世界が経験した事のない超高齢化、少子化に伴う労働人口の減少に、世界人口が増え続けている中での人口減。

    人口統計を見れば日本がたどり着く未来は見えていた。

    多くの著名人も含め、これらの問題に日本がどう向き合っていくのかは随分以前から議論されてきた。

    そう、議論されてきただけ。

    テクノロジーはとんでもないスピードで進化し、それによって10年前には夢物語だった未来が手の届くところにある。

    日本が抱える課題にいかにテクノロジーを使い対応していくか。

    本気で向き合わねばいけないデッドラインはすぐそこまで来ている。

    説明
    内容紹介
    【発売1カ月で4刷、90000部突破のベストセラー】
    注目の2人による今後日本に必要な発想とは

    みなさんは、「平成」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
    「バブル崩壊」「失われた20年」「二流国への転落」……。
    決してポジティブとはいえないイメージを抱いている方も少なくないでしょう。

    その認識は、本当に正しいのでしょうか。
    たしかに、平成の間に失われたものや、反省すべき点はたくさんあります。
    しかし、そこに囚われるあまり、現在の日本が抱えている問題の本質や、
    その解決の糸口が意外なところに潜んでいることに、多くの人は気付いていないのではないでしょうか。

    たとえば最近、「ベーシックインカム」についての議論をよく目にします。
    「そんな財源はない」「あくまでも理想論であって、夢物語だ」といった反論をする人もいます。
    しかし実は、現在の日本の一部の地域では、「ベーシックインカム」と同様の状況が、既に生まれているのです。

    平成の次の時代を、我々はどう生きていくべきなのか。
    今の日本が抱えている課題と、この先の未来に向けての解決策を、
    その分野のプロフェッショナルの方の力も借りながら、考えてみました。
    (「はじめに」より一部抜粋)
    内容(「BOOK」データベースより)
    人口減少、超高齢社会、社会保険の破綻…など、ますます将来が見通せなくなっている今、日本を再起動するために、私たちは、何をどう考えるべきなのか。ミレニアル世代注目の論客と、次世代リーダーたちが、日本の本質的な論点と、次の時代への指針を示す。ニコニコ生放送で話題になった「平成最後の夏期講習」を下敷きに、著者が大幅に加筆。
    著者について
    著者 落合陽一氏
    1987年生まれ。メディアアーティスト。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。筑波大学学長補佐・准教授・デジタルネイチャー推進戦略研究基盤基盤長、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学客員教授を兼務。ピクシーダストテクノロジーズCEO。2015年米国WTNよりWorld Technology Award 2015、2016年Ars ElectronicaよりPrix Ars Electronica、EU(ヨーロッパ連合)よりSTARTS Prizeなど国内外で受賞多数。現在、NewsPicks、news zeroなどメディアでも活躍中。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    落合/陽一
    1987年生まれ。メディアアーティスト。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。筑波大学学長補佐・准教授・デジタルネイチャー推進戦略研究基盤基盤長、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学客員教授を兼務。ピクシーダストテクノロジーズCEO。2015年米国WTNよりWorld Technology Award 2015、2016年Ars ElectronicaよりPrix Ars Electronica、EU(ヨーロッパ連合)よりSTARTS Prizeなど国内外で受賞多数。現在、NewsPicks、news zeroなどメディアでも活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 旬な話題を独自の目線で問題を浮き彫りにし、この問題に対して個人、企業、国がどう対応していくべきかが述べられています。


    本当に素晴らしい対策法が盛りだくさんで
    新書とは思えない知識を吸収できました。




    私はあまり読み直しをしませんが、この本は何度も読み直してみたいと思いました。

  • 2021.25

    限界費用ゼロのスキーム、仕事のAI化、非常に勉強になった。
    最新の技術に対して敏感でいたい。
    自分の仕事でもなにか活かせるアイディアがないか、考えるきっかけをもらえた。

  • わかりやすく書いてある。
    私自身そうなのだが、
    ビジネスや社会常識、社会情勢に疎い人にはピッタリ。

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著者プロフィール

メディアアーティスト。1987年生まれ。JST CREST xDiversityプロジェクト研究代表。
東京大学大学院学際情報学府博士課程修了(学際情報学府初の早期修了)、博士(学際情報学)。
筑波大学デジタルネイチャー開発研究センターセンター長、准教授、京都市立芸術大学客員教授、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学特任教授、金沢美術工芸大学客員教授。
2020年度、2021年度文化庁文化交流使、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)テーマ事業プロデューサーなどを務める。
2017~2019年まで筑波大学学長補佐、2018年より内閣府知的財産戦略ビジョン専門調査会委員、内閣府「ムーンショット型研究開発制度」ビジョナリー会議委員,デジタル改革関連法案WG構成員などを歴任。

「2023年 『xDiversityという可能性の挑戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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