日本進化論 (SB新書)

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レビュー : 70
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797399868

作品紹介・あらすじ

注目の2人による今後日本に必要な発想とは

みなさんは、「平成」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
「バブル崩壊」「失われた20年」「二流国への転落」……。
決してポジティブとはいえないイメージを抱いている方も少なくないでしょう。

その認識は、本当に正しいのでしょうか。
たしかに、平成の間に失われたものや、反省すべき点はたくさんあります。
しかし、そこに囚われるあまり、現在の日本が抱えている問題の本質や、
その解決の糸口が意外なところに潜んでいることに、多くの人は気付いていないのではないでしょうか。

たとえば最近、「ベーシックインカム」についての議論をよく目にします。
「そんな財源はない」「あくまでも理想論であって、夢物語だ」といった反論をする人もいます。
しかし実は、現在の日本の一部の地域では、「ベーシックインカム」と同様の状況が、既に生まれているのです。

平成の次の時代を、我々はどう生きていくべきなのか。
今の日本が抱えている課題と、この先の未来に向けての解決策を、
その分野のプロフェッショナルの方の力も借りながら、考えてみました。
(「はじめに」より一部抜粋)

感想・レビュー・書評

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  • 【モノはつくらない】
    日本はハードだけがテクノロジーで、ソフトは邪道でハードより下位に位置しており、良いハードがないとソフトの意味がないと思っています。

    ー リアルな物体 ー
    ものづくりは最も重要でこれを軽視すると衰退すると、今までの日本ではそう洗脳されてきました。ある意味正しい部分はありますが、ものづくりはスピードという点では不利になります。

    何をつくるにしてもリアルな物体が存在するため、時間とコストがかかってしまいます。また、初期投資もかかるので、機動性にも欠けます。さらに、資本や機械を投入しているため、うまくいかなかったのですぐに辞めますというわけにもいきません。
    このスピード感の無さが、今の変化を要する、スピードを要する世の中にマッチしません。モノはつくらない、ソフトテクノロジーが先進国経済圏では正となります。
    日本はものづくり信仰が強過ぎたため、ソフトを下級扱いしてきました。しかし、ソフトテクノロジーはリアルな物よりさまざまなモノを生み出せるようになっています。

    モノではなくソフトで世の中を豊かにできる時代です。スマホ本体づくりは、中国、台湾、韓国に任せましょう。彼らの方が安くていいモノをつくります。また、それをつくらなくても、ものづくりをしなくても失うモノはありません。スマホ本体よりも、スマホにどういう中身を入れるかが、重要となります。しかも、その中身をつくる上でかかる費用は、人件費と光熱費だけです。大きな投資は不要です。

    ー 市場開拓 ー
    製品(商品)→金融(株)→ソフト(非物質)と先進国経済の流れが変わってきています。
    モノが飽和したので、先物など無限に広がる金融市場をつくり、次は複製にコストのかからないソフトで市場をつくり出しています。


    ソフトテクノロジーが世の中をものすごいスピードで変化させます。

    いいか、わるいかは別問題ですが・・・

  • いろいろ制約はあるだろうが、こうすれば未来の日本は良くなる、少なくとも衰退はしないという指針を示している。一般の人はもちろん、政治の中枢にいるような人にも読んでもらって意識を改めてもらいたい。

  • 落合陽一さんと小泉進次郎さんが2018年夏に企画したイベントの内容を書籍化したもの。

    この本での一番のポイントは

    『ポリテック』

    ポリティクスとテクノロジーを合わせた造語で、特に日本の政治界ではパソコン持ち込み禁止などテクノロジーの導入が遅れていることからもわかるように、
    社会で新しく出てくるテクノロジーの導入が非常に遅いことが訴えられていた。


    医療や運転、投票、さまざまな分野でAIなどのテクノロジーが進んできている中、規制を取っ払っていく必要性が高い。
    例えば、技術的には自動運転は可能なレベルになっているけれど、日本では許可されていないため導入に至っていなかったりする。
    技術だけでなく法整備を同時に進めていかなければ、真の意味でテクノロジーの効果を得にくく、政治的対応の早い国がどんどん成果を上げ、せっかく良い技術があっても遅れてしまうことになる。


    このようなポリテックの視点で、
    健康、医療、教育、人口減少、地方創生など様々な社会課題について語られており、非常に勉強になった。

  • 日本再興戦略やデジタルネイチャー含め、落合陽一氏の近作で語られる論点と重なる部分が多く新書という形での落合陽一ベストアルバム感がある。

    ただ、第一章のAI+??にまつわる議論こそほぼほぼデジタルネイチャーの内容だが二章以降の論点は新たな視点が多分に含まれており近作をおさえている人間でも一読の価値はある。(平成最後の夏期講習が下敷きになっていることもあり、落合氏以外からのインプットも多い)

    教育、社会保障などまさにポリティクスが直面している課題をいかにテクノロジーで解決するかは、当然答えは見えていないし本書でもあくまで示唆するに留まる。
    本書ではデータをいかに正しく読み解くか、という点についても触れられており(通常、絶対値でのみ語られる社会保障費など)、これからの未来と向き合うための正しい武器を手にするきっかけになる。

    本筋ではないが、各章の結びとしてグラレコが掲載されているあたりに時代性を強く感じた。
    こういう抑えどころが心憎い。

  • Politics(政治)×Technology(技術)=ポリテックが適用されれば、日本の超高齢化社会も乗り切れる。現在は過疎地のところではインフラの整備にベーシックインカムを導入できるほどのお金をかけているらしいし、日本と同じように高齢化が進むデンマークは技術を活用することによりGDPは増加し続けているらしい。日本も既得権益を取っ払い、ポリテックが上手く適用されれば、超高齢化社会も乗り切れるのかもしれないと感じた。

  • 問題を解決する対象としてしっかり捉えて解決策案と提言を示す本。今の日本にある問題をざっと学べて勉強になった。私も社会課題解決したい。

  • ポリテックは、政治とテクノロジーの造語だが、読み進めるうちに段々と自分の中に浸透していき、腑に落ちた。
    また、このポリテックは名前をつけた時点からスタートとなり、一人ひとりが発信の源で、それを波及させていくことを目指して皆が取り組んでいくべきである。

    ポリテック推進に向けては、日本にはびこる閉塞的かつ後進的なマインドセット、これをどうにかしていかないといけない。

    個人が今までの常識+固定観念にとらわれない柔軟でフラットな視点、つまり、どれほど非常識で受け入れ難い意見であっても、それが誰のものであっても一度は飲み込むことが重要である。

    この否定をしないというルールを胸に秘めて、日々動いていきたい。

  • 去年7月に開催された「平成最後の夏期講習」での議論のまとめ。ポリテック(機能不全を起こしている政治にテクノロジーを取り入れることを問題解決の一つの手段とする)の話。高齢者ドライバーの問題も、介護分野の人手不足も、テクノロジーを導入すれば今より良くなる。残るは法律面の整備。日本は米中に比べ政府が未来へ投資する額が少ない国。日本と似たような人口構成比なのにGDPが伸び続けているデンマークは、既存製品に価値を付与する産業へのシフト、官民一体となった取り組み、各業界がIT技術を介して連携することが国家戦略によって推進されている。

    p45
    (前略)「限界費用」とは、財やサービスをある生産量から一単位多く生産するときに伴う、追加的な費用のことです。要はすでに開発や製作が終わっているプロダクトやコンテンツを量産するときにかかる費用と考えるとわかりやすいでしょう。
    2000年代以降に急成長した事業の多くは、何らかの方法で限界費用を減らすことに成功しています。今後のビジネスの成功を占ううえで、「限界費用ゼロ化」は、必ず抑えておかなければならない概念だと僕は考えています。

    p58
    現在は、国家功労者ではあるが引退層である65歳以上と過去のシニア層に100兆円以上が割かれており、その結果、若者層に十分なお金が回っていません。家族でたとえると、お父さん、お母さんの稼ぎよりも多いお金を、借金までしておじいさん、おばあさんに回し、若い人たちは「雑穀でも食べてしのぎましょう」と半ば見放すような状況になってしまっているのです。

    p75
    同様に、今後はコンテンツ業界に限らず、様々な分野でプラットフォーム的な仕組みが導入されるようになるでしょう。特に3Dプリンタやデジタルファブリケーションといった技術が普及すれば、物質的生産の限界費用も引き下げられるため、20世紀的な大量生産とは違ったビジネスモデルが普及するかもしれません。
    限界費用の低下があらゆるビジネスに影響を与えるということは、これからの働き方を考えていくうえで、しっかりと把握しておく必要があるでしょう。

    p157
    「MOOC」(マッシブ・オープン・オンライン・コース)は、一流大学の人気講師の授業をオンラインで受けられるサービスです。スタンフォード大学教授が設立した「Coursera(コーセラ)」、マサチューセッツ工科大学とハーバード大学が設立した「edX(エデックス)」などがそこ代表格で、両サービスへの登録者数合計は全世界で3000万人以上に達しています。

    p158
    東京大学は2013年9月よりコーセラで2コースの提供を開始し、2018年4月現在、14コース(コーセラ7コース、エデックス7コース)を提供しています。

    p160
    「大学に行かないと会えない人」から「大学に行かないと身につけられない知識」を学べることが大学の特権だったのに、それをオンラインサロンで代替できる時代になっています。

    p185
    政府機能の電子化を進めている国としてはエストニアが有名ですが、デンマークはEUで最も電子化が進んだ国であり、医療、福祉、金融、教育などのIT技術を介した連携が、国家戦略によって推進されています。簡単な事務手続きひとつとっても、なかなか制度が改められない日本は、大いに見習うところがあるのではないでしょうか。

  • ポリテック

  • ポリテク、政治とテクノロジーで変えていく。
    少子化、高齢者などの問題はテクノロジーで解決出来ると作者はいう。
    テクノロジーでこれから先はいろんなことが変わると思う。
    若い人の発想も大事、この本は若い人こそ読んでほしいと思う。
    印象に残った文章
    ⒈ 限界費用ゼロ化
    ⒉ 自ら問題を設定し、その解決を考えていく
    ⒊ Well-being(幸福で健康)という考え方

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著者プロフィール

落合陽一(おちあい よういち)
メディアアーティスト、研究者。2015年より筑波大学図書館情報メディア系助教、デジタルネイチャー研究室主宰。2015年Pixie Dust Technologies.incのCEO。2017年から筑波大学学長補佐、大阪芸術大学客員教授、デジタルハリウッド大学客員教授を兼務。2017年12月からは、ピクシーダストテクノロジーズ株式会社による筑波大学デジタルネイチャー推進戦略研究基盤 基盤長 及び 准教授を兼務。代表作に、最初の著書『魔法の世紀』、『日本再興戦略』『デジタルネイチャー』など。ほかにも様々な作品と著作に関わる。2019年9月7日、『2030年の世界地図帳』を刊行。

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