ふたりの絵本 結婚。 (新風舎文庫)

  • 新風舎
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レビュー : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797490879

感想・レビュー・書評

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  • ぼろぼろ泣いた。

    ケッコン、なんて、じぶんはぜんぜんしたくないし、する気もないし、憧れもしない。
    だけど、古本屋さんでこれを見かけて買ったのは、ラクガキみたいなシンプルな絵と、そこに添えられた短い文章にものすっごい惹かれたから。

    あとがきまで読んで、単純に「結婚っていいね」っていう話ではなくて、この絵本に描かれてる作者夫婦は離婚してるのを知った。
    それだからこそ、余計にこの絵本に書かれてることに泣けちゃう。

    もともとは妻さんに送った私的な絵本の手紙だったそうで、その後、人の勧めで出版して、絶版するたびにちがうところから再出版。
    そのさいごの(いまは絶版みたい)出版社からでてる文庫をわたしは買ったんだけど、3度目の出版の初版から2年で3版目、の文庫だった。

    さいしょの出版のときには、別居してたんだって。
    その後、離婚しちゃって、元・妻の人とは連絡をとりあいながら、ふたりの子どもと会ったりする関係になって。

    いまも絶版のままじゃもったいない、っておもう。
    アマゾンだと古本でまだ手にはいるみたいだから、人に勧めたいなー、って、ものすごいおもう。
    新刊で買えれば、結婚する友だちとかに贈りたいのに。

    けっして、きれいなラブストーリー、じゃない。
    さいしょは作者(夫の人)の片想いで、だいすきでだいすきで、ラブレターを書いたけど反応なくて、それが偶然の結果、結婚するまでに至って。
    子どもも生まれて、仕事も順調。
    だけど、結婚してから、仕事がおもしろくなっていく反面、妻は子育てでつかれていって、だんだん結婚生活がつまらなくなって、家に帰りたくなくて、そのうち他所の女の人がよく見えて、その女の人と過ごす時間がたのしくて。
    そういう、作者が誠実な夫でなくなっていく過程もちゃんと書かれてる。

    別居や離婚の話もでるようになって、妻は笑わなくなって。
    そんなときに、仕事がいそがしいある日、妻から電話があって。
    それも夜の11時。

    [引用]
    なんだか
    つかれたから
    花を買ってきて。
    [引用ここまで]

    妻は、仕事で2日も帰ってこれないでいた夫の人にそうたのんだの。
    こんなに仕事がいそがしいのにまたわがままか、って、夫の人はさいしょはムシするけど。
    だいたい、そんな時間に花屋なんて開いてないし。

    夫の人はそれでも、仕事を終わらせてから、コンビニに寄る。
    でも、花なんて売ってなくて、「花をさがしたけどうってなかった。」って言い訳することにした。

    そこから、けっきょく、花を買うんだけど。
    その花を買って帰ると、妻は子どもと寝てて。
    だから、その横にかざったら、妻が起きて。

    花をみた妻が、うれしそうに笑って。

    花を買わないで帰るつもりだったのに、妻にどうしても花を見せたくなって、タクシーで夜中の街をさがしまわったのね。
    やっとみつけた花屋さんで、あかるい花を花束にしてもらって。

    その花をみて、妻が笑って。

    夫の人は、それで泣きそうになる。
    妻をどれだけ好きだったか、じぶんのきもちをおもいだしたのね。
    妻をまだまだ好きだとおもったのね。

    [引用]
    時はすぎさるけれど
    思い出してみたい

    そんな事が
    ぼくの中に しっかりと
    きざまれていたんだ
    [引用ここまで]

    この絵本では、花を買った夜はまだ子どもはひとりだけみたいで、そのあと、もうひとり生まれたのかなー。
    (そこはもう書かれていない)
    だけど、そのあとに、別居して離婚して。

    この「花を買って帰った夜」があっても、「夫婦」がこわれていっちゃったことがショックで、かなしかったけど。
    すきですきでたまらなかった人と結婚して、子どもも生まれて、家族になれたのに、きらいになったわけじゃないのに、いっしょにいれなくなって、家族ばらばらになっちゃう。
    そういう「愛しあうふたり」の関係の変化、を他人がわかりきることなどムリだけど。

    「すき」っていうきもちだけで、ハッピーにはなれない、そういう切なさに泣けたの、わたし。
    夫の人は妻に対して、たしかに誠実じゃなくなって。
    子どもに対してだって、けっして「いいお父さん」でもなくて。
    だけど、そういうじぶんを正直に書いてる誠実さが、この絵本にはある。

    妻が子育てでつかれてるとき、じぶんはその家から逃避して、他所の女の人とたのしくすごしてた話を、妻にわたす絵本の手紙に書いてるぐらいに、誠実。
    その誠実さが、妻を傷つけちゃったのかな。
    なんてこともおもったけど、それは他人のわたしの勝手な憶測にすぎないしね。

    とにかく、誠実な文章に、ものすごいシンプルな絵。
    そこに書かれてる誠実な残酷さも、ラブレターになる。
    そういう、きれいごとじゃない、正直な愛、が描かれてる、っておもった。

    ほんとに、ケッコンする気もない独身のじぶんが、読んでて涙がぼろぼろ出てきて、その涙は拭ききれないぐらい。

    なんで、こんなに泣けちゃったんだろ、じぶん。
    って、おもう。

    結婚する友だちに、この絵本、贈りたい。
    新刊じゃなくても、それでも贈りたくなる。

  • あとがきを読まずして、完成し得ない作品である。
    度肝を抜かれた。

    人間が、生物として子孫を残すためのしくみとして
    結婚は有効かもしれないが、
    それを抜きにした場合、結婚とは何なのだと
    自問自答し続ける。

    ナガオカケンメイというひとが、
    これを書いたというのが、また良い。

  • 何度見ても、泣いてしまいます。

    シンプルなイラストに、シンプルな言葉。

    全てが、しっくりきて、私も主人が大好きだなぁと思える本。気持ちは違ってきても、出会った頃の好きで好きで仕方が無い気持ち、それがあれば、それを思えば、私はまだまだこの人が大好きだなぁって。その人と一緒にいられて、奇跡の様に幸せだと思います。私が思う、人を好きになるって、こういう事だなと、言葉にしてもらった気持ちです。

    実際のナガオカケンメイさんのことは、よく知りませんが、いいんです。言葉の力ってこういうもので、私の大切な一冊です。

  • 結婚した年に、なんとなく本屋さんで手にして購入しました。
    短い文となんともいえない絵。

    その絵と言葉に、胸がぐっとなります。

    あとがきに「結婚したから愛しているじゃなくて、結婚しても愛してる。」という言葉に深さがあります。色んな経験をしたナガオカケンメイさんだから言える言葉。

    結婚て、なんなのか。

    答えは一つではない。

  • 人に対しての想いを確認しただけ。なのに、世界に引き込まれ、はらはらして、最後はあたたかい気持ちで涙がでた。
    短い本の中にこれだけの内容を盛り込んこともすごい。
    友だちへのプレゼントとして用意しておきたい.
    ブログにも記事をアップ。http://ameblo.jp/yuuki-wo/entry-10594582506.html

  • 短い言葉でつづられる、作者の奥さん(今は元奥さん)への想い・・。 出会ったころの本当に好きで好きでしょうがなかった想い、結婚して奥さんといるのが楽しくなくなったころの想い、出会ったころの好き好きっという時とは違うけれど、やっぱりこの人のことを愛しているという想い。。 そんな想いがいっぱい詰まっている本です。 最後は涙があふれます。 未婚者にとっては、「作者は結局離婚してるし。。うーーん結婚ってなんなんだろう・・しないほうがいいのかな・・したほうがいいのかな・・」と本当に悩んでしまう作品では? 逆に、既婚者にとっては、結婚生活のなかで、忘れかけていた相手を思いやる気持ちなどを思い出させてくれる。優しい気持ちになる作品(^_^)

  • なんか 切ない。

    最後に泣いてしまいます。

    そしてあとがきのナガオカさんの文章でまた泣いてしまいます。

  • 読み返しています。

  • 友人の結婚式のプレゼントに、ぜひ贈りたい商品。
    個人的には、新潮社版の装丁の方が好きです。

  • 2008/10/10購入。5分で読み終わっちゃうけれども、気持ちの揺れや思いやりが伝わるとてもいい本。幸せな時間は愛おしいものです。

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