ちーちゃんは悠久の向こう (新風舎文庫 あ 133)

著者 :
  • 新風舎
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本棚登録 : 767
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797495584

作品紹介・あらすじ

「ちーちゃんこと歌島千草は僕の家のごくごく近所に住んでいる」-幽霊好きの幼馴染・ちーちゃんに振り回されながらも、「僕」の平穏な日常はいつまでも続くはずだった。続くと思っていた-あの瞬間までは。怪異事件を境に、ちーちゃんの生活は一八〇度転換し、押さえ込んでいた僕の生活の中の不穏まで堰を切って溢れ始める…。疑いもしなかった「変わるはずがない日常」が音を立てて崩れ落ちていくさま、それをただ見続けるしかない恐怖を描いた、新感覚のジュブナイル・ホラー。世紀末の退廃と新世紀の浮遊感を内包した新時代作家・日日日(あきら)、堂々デビュー。

感想・レビュー・書評

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  • おお…久々にストレートにひひひの恋愛小説読んだかも分からん…。
    でもちゃんと血飛沫は上がってます、ひひひならではのオカルトい青春エンターテインメントや…。
    ちーちゃんと「僕」は一体どうなってしまうのか…。
    あと解説の久美沙織女史が辛口で笑う。

  • ちょっと不気味なホラー。
    作家が若いころの作品なだけあって読みやすく、自身も学生だったため引き込まれた作品。最後まで不思議さを残す感じがよかった。

  • 売ろうかとも…。でもデビュー作だし、角川版出ないし。

  • ライトノベルで内容としては軽いものなんだけど、読みやすいし書き方も結構好き。中高校生が小説読み始めの頃に読んだら、本って面白いって思ってくれそう。

  •  ブックオフで百五円で購入。
     以前、そうですね、わたしが高校生くらいのときに読んだ記憶があって見てみたら二千五年出版だからそうだわたしが中学高校生のときであっていた。
     表紙が懐かしくて手にとりました。
     内容はもうまったく忘れてしまっていて読み進めてみたらざくざくとした文章量にでもそこまでつらくなるほど詰め込まれているわけでもなくさらさら読むことができました。
     ちーちゃんは絶対で、信じなきゃいけない存在だったんだよね。
     幼子たちはみななにかに縋るものだからね。

  • 「ちーちゃんこと歌島千草は僕の家のごくごく近所に住んでいる」―幽霊好きの幼馴染・ちーちゃんに振り回されながらも、「僕」の平穏な日常はいつまでも続くはずだった。続くと思っていた―あの瞬間までは。怪異事件を境に、ちーちゃんの生活は一八〇度転換し、押さえ込んでいた僕の生活の中の不穏まで堰を切って溢れ始める……。疑いもしなかった「変わるはずがない日常」が音を立てて崩れ落ちていくさま、それをただ見続けるしかない恐怖を描いた、新感覚のジュブナイル・ホラー。世紀末の退廃と新世紀の浮遊感を内包した新時代作家・日日日(あきら)、堂々デビュー。

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    日日日の数あるデビュー作の一つ。
    他のデビュー作は『私の優しくない先輩』『狂乱家族日記』『アンダカの改造学』『蟲と眼球』。後ろ二つのシリーズは未読。
    なかなかの速筆らしいので、高校生の時点で文学賞五冠とか出来てしまうらしい。これはこれで、羨ましいを通り越して恐ろしい。

  • 平凡な日常と、非日常の境界なんて曖昧で。
    ちーちゃんは幻想の世界に倒錯するあまりに、こちら側とあちら側が重なって、現実を知ったとしてももう戻れなくて。
    魅入られたまま堕ちるしかなかった。
    どこまでが本当だったんだろうね。
    最後の桜の木の下のアレは、ボロボロに傷つき果てた彼が見た幻だったのかもしれないとも思う。
    幽霊なんか信じない彼にも耐えられない程、そこにあった日常は壊れてしまったのだから。

  • ちょっとホラーのライトノベル。

    あとがきにも書いてあったが、乙一に似てる感じがする。
    同じジャンルの小説ととらえるなら、私は乙一の方が好きかな。
    この小説の作者の方が若さが出てる気がするから。
    ただコレがデビュー作だそうなのでもうちょっと別のも読んでみたい気は十分に起きた。最近の若い作家さんはすごいですねぇ。

  • ちょっとホラーのライトノベル。

    あとがきにも書いてあったが、乙一に似てる感じがする。
    同じジャンルの小説ととらえるなら、私は乙一の方が好きかな。
    この小説の作者の方が若さが出てる気がするから。
    ただコレがデビュー作だそうなのでもうちょっと別のも読んでみたい気は十分に起きた。最近の若い作家さんはすごいですねぇ。

  • 両親が新興宗教にハマリ、家庭崩壊(児童虐待)に陥った家に暮らす「僕」と、
    幽霊好きの幼馴染「ちーちゃん」が織り成す、変わるはずのない「日常」が、
    いとも容易く崩壊する様を描いた作品(裏表紙では「ジョブナイル・ホラー」と定義)。

    本書は特異な多重構造となっており、両親が新興宗教にハマって日常が崩壊した「僕」を核に、
    学校の怪談の謎を解き明かす過程で「悠久の向こう」に足を踏み入れ「日常」から
    ドロップアウトしてしまう「ちーちゃん」が存在。

    個人個人では完全に「日常」が崩壊する二人も、幼馴染という関係性だけは維持し、
    お互いにか細い「日常」を継いでいるが、「僕」は家庭崩壊(父親が母親を撲殺)が
    いよいよ進展する中、その状況に絶望。
    そうした二人とは無縁の、本当の「平穏な日常」に暮らす先輩からの告白を受け、
    現状からの脱出を夢見てしまう。

    ただ、その夢は更なる悲劇を生む。残された「ちーちゃん」は完全に「日常」を失い、
    「悠久の向こう(=幽玄の世界)」へ旅立ってしまう。
    「僕」はパニックに陥り、「ちーちゃん」を探し続ける。
    そして、「僕」は全く予想だにしない形で「ちーちゃん」と再会することに。。。

    ストーリーの細かい部分はさておき、圧倒的なパワーでぐいぐい迫ってくる語り口。
    本書がデビュー作(著者17歳)とは思えない、老成したスタイルで、一読の価値有。
    あとがきで久美沙織が寄せる、辛口(そして深い分析)のコメントも素晴らしいです。

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著者プロフィール

高校在学中に第8回角川学園小説大賞・優秀賞をはじめ、合計五冠の新人賞に輝く。ライトノベル、一般文芸とジャンルにとらわれず執筆を続け、著書に『狂乱家族日記』(エンターブレイン)『私の優しくない先輩』(講談社)。TVアニメ化もされた『ささみさん@がんばらない』(小学館)も執筆。

「2020年 『桃瀬さん家の百鬼目録2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

日日日の作品

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