痛快!憲法学―Amazing study of constitutions & democracy

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  • 集英社インターナショナル
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レビュー : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797670318

感想・レビュー・書評

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  • 表紙のおねーさんにだまされるな、中身はゴツいよ。ひでぶ!

  • 憲法がそもそも何のため、誰のためにあるのかわかった。世界の国々が民主主義へ到り、維持していく歴史の中で、今の日本のことを考える視点が少しはできたかもしれない。

  • 小室直樹先生が、“馬鹿弟子”の島地勝彦さんを、何とか言ひながら、憲法について解説する本である。
     何だか知らないけど『北斗の拳』からの絵がばこばこ出てくる。
     小室先生の解説へ、島地勝彦さんがぼけたり頷いたりダジャレ飛ばしたりそこそこのレトリックをかましたりして読者に理解をさせる。けっこう面白い。

  • 入門書であろうけれども十分!

  • (誰だったかな?お薦めで手に取る)憲法学の本を勉強のために読んでみるか、最初はやっぱりぴんとこないな、辛いなと思っていたが、その後歴史、資本主義、政治の話に遡り語られ、多くの話に目から鱗の気持ち。今までざっと知っていた歴史の中にそんな事情が有ったとは!
    数年後にでもまた再読したい一冊。

    【学】
    資本主義が始まって以来、経済学はアダムスミスの自由放任路線こそが王道と思われていた。大恐慌で失業者が増えても、賃金が下がれば、再雇用されると。しかしながら、労働組合が最低賃金の保証を唱えていたので、そうはならず、失業者が多い状況は変わらなかった。
    そこでケインズの登場。好景気下では上記が当てはまるが、そうでないときは通じない理論。「有効需要」経済の規模は国民総需要の大きさによって決まる。

    明治政府が考えたのは、天皇を唯一絶対の神にすること。神の前、即ち天皇の前では皆平等にして、階層階級を無くした。これがあり、初めて日本に資本主義が生まれてきた。
    二次大戦後、世界中で民主主義国家を目指したが、失敗に終わりすぐに独裁者が現れ前時代の階級制度も変わらないままであった。
    明治維新になって古くから有る神社は政府の手によって破壊された。その後、天皇を中心とする天皇教のために徹底的な神社管理が行われた。


    明治政府はなんとか日本人に資本主義の精神を定着させるために二宮金次郎を使った

    終戦の判断は天皇が決めたが、それは政府が実質的に機能停止になっており政府が自ら天皇の判断を仰いだため。戦前の日本で天皇に政治責任があったとするのはどうみても暴論、戦前の日本はあくまで立憲君主制であった

    ドイツ・ヒットラーはミュンセン会議で領土を拡大、平和主義のイギリス、フランスは戦争するくらいならとチェコスロバキアを平和主義の生け贄にした。冗長したドイツはさらに第二次大戦へと向かう。
    これを研究していたケネディのお陰で、キューバ危機の時にソ連に「戦争も辞さず」と言う態度をとったので、核戦争を回避する事が出来た。
    平和を守るためなら、戦争も辞さずと言う固い決意が必要

    アメリカは選挙を長くすることによって、大衆が熱狂すると言う状況を起こりにくくした。選挙戦が長ければ、ぼろが出やすく英雄になりづらい。

    未だに中国でもアラブでも近代資本主義、近代民主主義は生まれていない。その原因を探っていけば、人間同士の「契約の絶対」がないという問題にぶち当たる。日本も企業としてはずいぶん契約書にシビアになったが、その精神が日常一般におよぶエートスにはなっておらず、政治の公約を見ても「場合によっては、契約を破ってもしかたない」と思っている

    資本主義でも民主主義でも根っこにはキリスト教がある。キリスト教の神があって初めて人間は平等だと言う概念が生まれ、労働こそが救済となると言う考えから資本主義は出来た。また契約という概念も資本主義、民主主義には欠かすことが出来ないが、日本人にはなじみが薄かった。

    サンフランシスコはドイツ人ズーダー氏の農園で金が見つかった事により出来る。多くの砂金をねらったモノが押しかけ、ズーダー氏の所有地は不法占拠され荒らされてしまった。ズーダー氏は裁判を起こし勝が、裁判所ごと襲われ、アメリカ政府は何もしてくれなかった。

    刑事裁判とは、警察が間違って被告を裁いていないか確認する裁判。99%以上有罪という現実があるが、裁判官は本当に仕事をしているのかね?

    憲法とは国民に向けて書かれたモノではない。国家権力を縛る為に書かれたモノなのだ。従って憲法に違反できるのは国家だけ。近代法の根底には「権力はとにかく縛り付け、抑えこんでおかないととんでもないことになる」と言う思想がある。

    最後の審判:キリスト教では、世界の終わりにイエス・キリストが再臨し、あらゆる死者をよみがえらせて裁きを行い、永遠の生命を与えられる者と地獄に墜ちる者とに分けるという。

  • 確かに痛快でした。「痛快!経済学」もまあまあおもしろかったのですが、憲法学はさらに痛快でした。現代の日本社会をズッタズッタと切り落としていくという感じです。日本の民主主義はいったいどうなってしまうのでしょう。最後はちょっと尻切れトンボで、天皇の権威を回復したほうが良いのか、それとも別の何かが必要なのか、それぞれ考えろということですが、うーん、どんなもんでしょう。さて、前半から自分の勉強不足で今まで知らなかったことが次から次から出てきました。憲法や刑法など法律はいったい誰に向けて書かれているのか。議会がどのような経緯でできてきたのか。予定説とは何か。契約とは何か。どうして民主主義や資本主義はキリスト教の社会から誕生したのか。そして、民主主義が当初それほど良いものでなかったのはなぜか。カエサル、ナポレオン、そしてヒトラーの共通点はなんなのか。田中角栄の位置づけは。もう一度しっかり読み直さなければ、他人に解説することはできませんが、自分なりには問題意識を持つことができたと思います。もう一度しっかり、日本国憲法も読んでみようと思います。

  • 民主主義(デモクラシー)、戦争、経済、宗教、議会の観点から各国で憲法が成立していく過程を、歴史を紐ときながら解説した名著。
    日本で憲法議論が巻き起こる今だからこそ読んでおきたい。
    ・憲法とはそもそも国民のために書かれたものではなく、国家権力を縛るために書かれたもの。国家と国民との約束事。従って、憲法に違反できるのは国家だけ?
    ・国家をリバイアサンと捉えたホッブスに対いて、国家は国民を守ると捉えたロックは、ロックの勝ち?
    ・憲法と民主主義は何の関係もない?
    ・少年の人権なんて言葉はありえない?
    ・キリスト教(ルター、カルヴァンが広めた予定説。予定説では既に人間の運命は決まっている。)を信じるとどんどんお金持ちになった?
    ・予定説こそが、資本主義、民主主義の原点だ。
    ・キリスト教の神の前ではみんな平等という概念こそが、民主主義の原点。
    ・絶対的な神がいなく、身分制が色濃く残る明治初期の日本で民主主義の定着に成功したのは、天皇こそが現人神であるという天皇教を意図的に再構築したから?
    ・第一次世界大戦後の平和主義こそが、第二次世界大戦の大きな原因?平和のためには戦争さえ辞さない覚悟がでキューバ危機に挑んだケネディ大統領だからこそ、核戦争を回避できた?
    ・憲法第9条第1項は第一次世界大戦後の1928年にケロッグ(米)さんとブリアン(仏)さんで結んだ、ケロッグ・ブリアン協定(不戦条約)のコピー。ケロッグ(米)さんはアメリカの上院議会で明確に、「国際紛争解決の手段としての戦争の放棄」には自衛戦争は対象外と証言しているので、当然日本にも自衛戦争は放棄していないと解釈するのだ妥当だ?

  • 【メモ】
    この本自体絶版だが、愛蔵版として刊行された次の本も同様。
    『日本人のための憲法原論』(集英社インターナショナル、2006年)<http://www.shueisha-int.co.jp/archives/732

  • 憲法って、おもしろいかも!

  • 了。

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プロフィール

小室 直樹(コムロ ナオキ)
1932年東京生まれ。京都大学理学部数学科卒業。大阪大学大学院経済学研究科、東京大学大学院法学政治学研究科修了(東京大学法学博士)。この間、フルブライト留学生として、ミシガン大学、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学各大学院で研究生活を送る。2010年逝去。著書に『ソビエト帝国の崩壊』(光文社)、『「天皇」の原理』(文藝春秋)、『日本の敗因』(講談社)、『日本人のための宗教原論』(徳間書店)、『日本人のためのイスラム原論』(集英社インターナショナル)、『小室直樹の資本主義原論』『日本人のための経済原論』『数学嫌いな人のための数学』『論理の方法』(以上、東洋経済新報社)ほか多数。

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