日本人のための憲法原論

著者 :
  • 集英社インターナショナル
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レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797671452

作品紹介・あらすじ

西洋文明が試行錯誤の末に産み出した英知「憲法の原理」を碩学が解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • まるで講釈師のように憲法を語り尽くします。聞き手役(担当編集者)もいます。

    この本は、憲法の条文を引っ張ってああだこうだ定説を語るものではありません。
    憲法が出来上がるまでの経緯(バックボーン)を使って「なぜ」「どうして」という存在意義を”講釈”してくれるのです。
    そこが他の憲法入門とは毛色が違くて値打ちがあるところ。

    憲法の条文を使って言説を垂れる政治家や活動家が後を絶えませんが、「なぜ」「どうして」憲法はあるのかということを市民に認識されるよう編まれた本と読み取ることができます。
    正しい認識を持って初めて憲法を論議しようというわけです。

    記述は大変平易ですし、予備知識もあまりいりません。社会人だけでなく中高生にも広く読まれてほしい一冊です。

  • 痛快すぎて爽快。
    感心を通り越して感動。
    ここまで面白く憲法、経済、歴史、宗教、などを統一して分かりやすく本にできるのは小室直樹氏以外いないと思う。
    まさにカルヴァンの予定説のように人を変える力を持っている本。
    是非読むことをお勧めします。

  • 深い見識から、本質をズバッと突くところがすごい。
    憲法が生まれた背景、思想、宗教や経済との関係性など、勉強になるところが多い。
    憲法は、国家を縛るための法律である。国家権力は悪であるという概念だ。
    憲法は、宗教と関わりがある。それは「契約」という概念だ。神との契約、ルソーの社会契約説がバックボーンになっている。
    しかし、日本にはこの宗教的なバックボーンがなかった。そこで、天皇を神として生まれたのが、明治の大日本帝国憲法だった。
    民主主義、資本主義、憲法。形はあるが、精神が抜けている。
    いま必要なのは、新しい時代にマッチした深い哲学だ。
    主義を超え、形を超え、真の人間主義を取り戻す思想が求めれらている。

  • 憲法の話と思いきや、
    "原論"なのでそのもととなる
    昔の世界各国の法律の歴史みたいな内容になっている。
    法律というより歴史本を読んでいるようだった。

  • 憲法はどのようにして生まれ、どういう考え方をするのか。その概念と背景にある思想と歴史がすっきりと見通せる一冊。
    憲法を理解するためには、ヨーロッパの歴史とキリスト教(プロテスタンティズムの予定説)が分かっていないとダメだということ。特に予定説が理解できれば憲法だけでなく民主主義や近代資本主義がどのようにして生まれたか捉えることができる。
    結局、憲法があることが大事というわけじゃなくて、憲法を使って私たちは何をするのか?が重要なんだということです。

    しかし、分厚い。編集者との会話形式で話が進むのでところどころ回り道や駄文がある。全体に法思想史の話なので読んだからと言って実用で役に立つというわけじゃない。重いので通勤通学時に持ち運びできません。書き方も、もうちょっとコンパクトにまとめることができたと思うんだけど。でも、この一冊読み通せば、憲法についての巷の俗説・嘘・妄言に騙されません。憲法ってなに?と思っている人は是非とも読んで欲しい一冊。

  • これは、素晴らしい本。内容の濃密さに比し、理解のし易い、小室直樹氏の大作。

  • この本は、憲法の文言を解釈することを目的とするものではなく、憲法がどのような背景(精神文化、宗教、英雄の出現などの歴史的変遷からの影響)から発生し、どのように変遷してきたか、そして何のために憲法が作られ、今まで存在するのかなどを、著者独特の視点から解説。一般日本人に足りていない史観を得るのに非常に重要な本であると思う。ただし、最後のまとめが、「だから、みんなで考えよう」的であるのは残念。

  • その無味乾燥な憲法学を学び教える憲法学者が数年前に平和安全法制関連法案(いわゆる安保関連法案)は「違憲である」と表明した。憲法学の中身は知らないが憲法学者の飯の種であることはわかる。憲法で飯を喰っている以上、憲法を金科玉条と奉(たてまつ)り解釈の違いを訳知り顔で解説し、学問の世界で徒弟関係を構築しているのだろう。もちろん彼らに国家の行く末を案じるような責任感はない。日本の憲法学が憲法を殺したとの指摘はあまりにも重い。
    https://sessendo.blogspot.com/2018/08/blog-post_27.html

  • 目から鱗が山済み。橋爪さんの師匠である小室さんの素晴らしい本。世界の見え方が変わります。

  • 東2法経図・開架 323.01A/Ko69n//K

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著者プロフィール

小室 直樹(コムロ ナオキ)
1932年東京生まれ。京都大学理学部数学科卒業。大阪大学大学院経済学研究科、東京大学大学院法学政治学研究科修了(東京大学法学博士)。この間、フルブライト留学生として、ミシガン大学、マサチューセッツ工科大学、ハーバード大学各大学院で研究生活を送る。2010年逝去。著書に『ソビエト帝国の崩壊』(光文社)、『「天皇」の原理』(文藝春秋)、『日本の敗因』(講談社)、『日本人のための宗教原論』(徳間書店)、『日本人のためのイスラム原論』(集英社インターナショナル)、『小室直樹の資本主義原論』『日本人のための経済原論』『数学嫌いな人のための数学』『論理の方法』(以上、東洋経済新報社)ほか多数。

「2015年 『小室直樹 日本人のための経済原論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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