資本主義はなぜ自壊したのか 「日本」再生への提言

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  • 集英社インターナショナル
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797671841

作品紹介・あらすじ

リーマン・ショック、格差社会、無差別殺人、医療の崩壊、食品偽装。すべての元凶は「市場原理」だった!構造改革の急先鋒であった著者が記す「懴悔の書」。

感想・レビュー・書評

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  • 「新自由主義」反省・懺悔の書 2008年リーマンショックを契機に覚醒
    1980年代「サッチャー・レーガン革命」戦後の大きな政府による先進国病の克服
    収益至上主義は拝金主義となり、「ハイレバレッジ経営」が常態化した
    それを支えたのが「金融緩和」 特に日本の金融緩和が世界へ過剰流動性を供給
    それが福井総裁の退任に合わせてブレーキがかかるや否やリーマンショックとなった
    その過程で「大きな格差」を生じさせたことを元改革派の著者は後悔している
    そしてリーマンショック後の新自由主義経済の破綻を本書で予言している

    しかしながらリーマンから12年間、世界は更に新自由主義を強めてきている
    GAFAに牽引された世界経済は勢いの衰えを見せない
    本年の世界コロナ禍にあっても一時の株価急落はあっても1年を経ずに下落分を回復しつつある
    ただし異例の金融緩和と財政支出が支えている特殊な状況であり
    これをどうランディングさせるか
    まさに本書の問題提起がこれから問われることになる
    しかし本書にはそこまでの展望はなく、著者の個人的懺悔に留まっているのは残念

  • 経済学者では珍しい反省の書。

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  • [private]要精読。[/private]

  • 一番興味を引かれたのが日本、アメリカ、欧州の歴史と宗教観を比較して現在の状況とつなげて考察する部分。しかし、著者の「転向」の理由がはっきり書かれていないように思えるのがちょっと逃げ腰かなという感じ。解決策は極端なベーシックインカムではなく消費税増税分をカバーする大幅な所得控除の拡大というおおむね納得できるものだが、実現可能性は限りなく低いか。

  • 2008年刊。著者は三菱UFJリサーチ&コンサルティング㈱理事長、多摩大学教授(一橋大学名誉教授)。著者が森永卓郎氏、湯浅誠氏、橘木俊詔氏なら驚かない。が、著者はあの中谷巌教授。それ程リベラリズムと平等に軸足を置く内容。特に、北欧の各種制度、キューバの医療制度、ブータンの国民満足度の高比率の評価を読むと、新自由主義的経済理論の首謀者たる著者と同一人物とは思えない。内容より著者がこの発想に至った理由の方が興味深いが、2005年頃からの思索変遷を本書から読み取れるかも。また、上手いフレーズを紡ぐなぁとも思う。
    実のところ、本書の内容は、日本を含めた現状分析、著者の体験的米国論、欧米史学、宗教論、比較文明・文化論が多くを占め、新奇性はない。が、驚嘆するのが、経済学者である著者が、経済学の限界、というよりも悪徳を開陳している点だ。ブータンやキューバを著者が調査したいと思ったのはどうしてか、実に気になる。加え、新自由主義と保守(特に文化面・伝統面の保守)とは理念的に整合しないのでは、との疑問も生じた。
    土地・人間(労働力)・貨幣を取引対象とした場合、これを購入した者は、いかなる支配(搾取・破壊を含む)も正当化される意識を持つという点は、環境破壊意識の希薄化、労働者を非人間的に取り扱う意識、暴力的な富の収奪を是とする意識との兼ね合いで、気に留めておくべき事項である。

  • 世界史上、稀に見る理念国家であるアメリカだからこそ有効だった新自由主義をグローバルスタンダードと解釈し、日本社会を根底から破壊してしまった我々日本人。我々は「文化伝統」「民族的歴史」を背負った共生の思想を持った国に生きているという著者の指摘は適確だ!なぜ我々は資本主義に対して盲目的になってしまうのか、知性・教養がいかに大切なのか教示してくれる至極の一冊でした。

  • 俗説を(論理的根拠なしに)そのまま記載している点、社会保障に関する他国事例があまりにも偏重であった点、本のタイトルであるにも関わらず独自の「提言」が殆ど無い点、に辟易。人に勧められない。

  • 資本主義で得られた価値の増大分は、グローバル化されたことで、途上国や貧困層の困窮という形でもたらされたとする、いわば資本主義の名を借りた植民地主義という考え方は概ね当たっているところがある。

    第2章以降は比較的まともな話も書かれているのに、序章で損をしている。自己満足に浸った緩い左よりの内容かと誤解を受けそうな内容で、正直この部分で読むのをやめようかと思った。

    全体を通して序章に見られるややナルシシストな気持ち悪さがあるものの、前半を耐えれば読めないことはない。ただし議論構築は非論理的な面が否めず、何でもかんでも自説のポスト資本主義に絡めすぎ。エッセイとして読むのが吉。

  • アメリカ型資本主義の基本的価値観と、それがグローバルに広まったとき(つまり今現在)のリスク。
    日本は長い歴史の中で培った日本人らしい感性を大切にしながら、国力の活性を取り戻し、自分たちの資本主義を見出さなければならない、という内容。

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著者プロフィール

株式会社不識庵代表取締役

「2021年 『入門マクロ経済学 第6版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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