フランス人がときめいた日本の美術館

  • 集英社インターナショナル
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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797673210

感想・レビュー・書評

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  • (恐らく)幼い頃から日常的に洗練された美を目にしてきたから、きっと日本の美術館に関しても良い目利きぶりを発揮しているのだろう。そんな期待も込めて、厳選された各館に想いを巡らせた。

    著者は穏やかな方で、日本美術への多大なるリスペクトも方々から伝わってくる。日本人読者向けと思っていたが、日本に関心のある外国人にも手に取ってもらえるよう日本の美術館や美術、休館日に至るまでの丁寧な解説ページも設けられている。(元々は英語版が先に刊行されていた)
    (海外では珍しい)期間限定の展示スタイルを季節ごとに変える床の間の掛け軸になぞらえたのには痺れたし、現代アートの解説も今までで一番納得のいくもので正直驚いている。

    自分の中で日本一大好きな「えどはく」や思い出深い「21美」を取り上げてくれているだけで嬉しいしやっぱりテンションが上がる笑 他にお気に入りを見つけられるのも、やっぱり嬉しい。

    弥生・竹久夢二美術館(東京都):
    高畠華宵も夢二もお気に入りのイラストレーター!って豪語する割には行ったことがなかった。夢二が豪華客船のメニューまでデザインしていたとは…今や世界中からの来場者も増えているらしいから、負けていられない!笑

    クレマチスの丘(静岡県):
    ここは初耳。まず目に飛び込むのは広大な自然。アートと景色が渾然一体となり、半日も歩けば心が豊かになっていそう。Photo Museumも気になるけど自然と相性の良い(⁉︎)彫刻は外しちゃいけない気がする。

    樂美術館(京都府):
    心なしか、他とは違う高雅な空気に満ちていた。茶道の茶碗コレクションだが、ろくろを使わない手法というのが一番目を引いた。恥ずかしながら茶器には一切心得がないけれど汗、手捏ねで製作する分どれもオリジナリティーが出ていてお茶を飲む前から既に味わい深い…(何じゃそりゃ)

    那珂川町馬頭広重美術館(栃木県):
    やっぱり建物って大事!設計は隈研吾。歌川広重特有の長い雨を細い杉材で表現したとか、建物を見に行くだけでも価値があると断言できる。(無論広重作品や企画展も)
    建築でこういう楽しみ方もできるのか。

    多過ぎず、少な過ぎず。館のチョイスに著者のセンスが光っていた。どんなに魅力的な場所があってもずっと封じ込めてきたが、そろそろ限界…
    「死ぬまででも良いから全部行きたい!」 

  • 日曜日の朝、BSで必ず見てる番組。
    ガチャガチャした平日のワイドショーより、こういう落ち着いた番組を朝は見たい。

    日本には沢山美術館があるし、それをフランス人の方がお勧めするって面白い。

    行った事ある所、行きたい所、いろいろ。
    最近美術館行けてないな・・・

  • テレビ番組で知って買いました。

    うん?ここが?そーなんだ!日本人の目線と違う彼女の感性も素敵です。
    旅先では、何故か?神社仏閣巡りをしたくなるけど、美術館も忘れずに予定に入れて。


  • 日本美術の歴史と概観から筆を起して、メジャーであり過ぎない且つ訪れる価値のある美術館を、適切で簡潔な解説と、興味を掻き立てられる写真数点とで手際よく纏め上げている。また紹介エリアも東京と京都、東西日本と比較的バランスが良く、伝統文化と現代アートの配分も偏らない配慮が感じられる。装丁含め全体にセンスのある作りは、この人が"ときめいた"美術館なら間違いないだろうと思わせる内容だった。ちなみに文化や芸術の価値は本来普遍的なのだから「フランス人が」というタイトルは逆に著者に失礼で、本書の記述も、外国人ならではというより、優れた美術館案内のキュレーターの筆によるものという印象。この点、日本人の(外国人に賞賛されたい)特殊な満足癖をついた本の売り方ではある。

  •  美術館好きの美術史家が日本の美術館を訪れて、日本の美術館が「バラエティに富んでいる」ことに驚いて、日本の美術館を紹介するために今回の本を書いたと述べている。

     最初の数ページで日本美術に関する簡単な説明がなされている。神道、茶道、陶磁器、漆器、日本画などいろいろなキーワードが登場する。


     紹介されている美術館は、美術館に詳しい方でもないと知らないところも出ている。例えば、ワタリウム美術館。渋谷区神宮前にある、ポップアートを展示する美術館だ。渋谷というとBunkamuraのThe Museumが浮かんでくるがこのような美術館もある。


     滋賀県にあるMIHO MUSEUMは、京都から1時間くらいの山中にある美術館で、「あらゆる文明を代表する偉大な美術品が展示されている」というように、見どころ満載だ。


     この本を手に取って実際に、取り上げられている美術館を訪れてみるのもいいかもしれない。新たな日本発見の旅ができるだろう。


    ワタリウム美術館


    http://watarium.co.jp/


    MIHO MUSEUM


    http://www.miho.or.jp/


    BunkamuraのThe Museum


    http://www.bunkamura.co.jp/museum/

  • ガイドとしても楽しい
    行きたくなる

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