冲方丁のこち留 こちら渋谷警察署留置場

著者 :
  • 集英社インターナショナル
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本棚登録 : 115
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797673319

作品紹介・あらすじ

ベストセラー作家に降りかかった妻へのDV容疑。身に覚えのない嫌疑を晴らすために余儀なくされた9日に及ぶ留置場生活。そこから見えてきた日本の刑事司法の問題点と可笑しさを世に問う衝撃の手記。

感想・レビュー・書評

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  • 夫婦間に何があったのか、なかったのかは別問題として、留置所体験&日本の刑事司法の不条理として読ませてもらった。
    http://blogs.yahoo.co.jp/rrqnn187/14747262.html

  • 犯罪学特に代用監獄を学ぶ方には是非手に取っていただきたい一書。ベストセラー作家である冲方丁が妻からの一方的なDV告訴により逮捕され10日間に渡って留置された自己ドキュメンタリー。
    日本の司法のあり方についてよくよく考えさせられるリアリティに満ちています。私が大学で学んだ時から何一つ変わってねー。

  • この国の司法の歪みについては、佐藤優氏の著作の他、かなりの数のノンフィクションを読んでいたので、特に目新しい記述はありませんでした。留QLOくらいですか、知らなかったのは。
    冲方氏の「天地明察」「光圀伝」は傑作だと思っているので本書を拝読しましたが、心に響きませんでした。事情があることは重々承知しますが、妻との関係性や何故被害届が出されたかを明らかにしないで本書がノンフィクションとして成立すると思えません。中途半端で失望しました。

  • 2016年8月集英社インターナショナル刊。逮捕され、拘留されても、裁判が始まらない限り、その理由はわからないということが書いてあって、とても驚きました。冲方さんのケースが、まさにコレで、拘留9日後に不起訴になったので、どうしてこうなったのか、わからないままとか。不思議。でもまぁ理由は、冲方さんが考えついたと書いてあったことなんだろう。

  • 身に覚えがなくても一切信じてもらえず、逮捕された時から犯罪者として尊厳を無視される扱いを受けた著者の体験が恐ろしすぎます。しかも、夫婦の問題でこのようなことが起こるなんて。「2割は冤罪」に平気でいられる人たちが人を裁いているということにも驚きました。このような状況での著者の冷静さとか記憶力の良さとか前向きでいようとする強い気持ちとか、それも驚きです。誰にでもあり得ることとして覚えておくべきことが、たくさん書かれています。

  • 916

  • 2017.1.16読了。社会の不条理は「喜劇」として笑い飛ばす態度こそ、倫理的かつ建設的なのだという逆説。


    国民もまた、司法組織というものに「けしからん」「許せない」「我慢できない」「我々をもっと安心させろ」といった、負の感情を背負わせている。

    「取り調べが可視化された場合、一部の国民が『こんなのは甘い、もっとひどい目に遭わせろ』と言い出しかねないのが怖い、という司法関係者もいる」



    不可思議千万なる現象
    ・無実の証拠となりうる「防犯カメラ映像」の存在を警察に知らせてはいけなかった!
    ・「奥さんが知らない場所で生活して、最低でも半年間は家族と接触しない」という念書。取り交わすと、警察に従順で迷惑をかける人間に非ずという証拠になる!

    裁判所というのはもはや人権を守る最後の砦ではなく、「国家権力を守る最後の砦」だということ(周防正行)

  • 吐き気がする警察・検察・裁判官の実態。ちょっとした悪意と1枚の書類で自分もたちまち同じ境遇に陥る恐怖。非常に重要な告発・風刺の本。取り調べ透明化、留置場実態改善のために国会で取り上げられてもいいし、教科書に載ってもいいと思うくらい。

  • 「天地明察」や「光圀伝」、またはアニメ「PSYCHO-PASS」なんかでご存知作家の冲方丁氏が奥さんへのDV容疑で逮捕って報道がされてしばらく経って、そういやその後どうなったのかなぁと思っていたらその頃の事を本にしてました作家って凄いですねって一冊。

    いや、下手なホラー小説よかより全然怖い。本当に怖い。警察・検察・裁判官などはまぁ当てにはならないよなぁドラマや小説とは違うよなぁとは思っていたけれど、まさかここまで酷いとは思わなかった。話半分としても酷すぎる。

    もうこの国では冤罪は有罪になるのがよーくわかった。あと警察の気分次第で逮捕されて留置所でエタヒニン扱いされるし、供述調書も警察の思うがままで、真実はどーでもよくって淡々と有罪にされていくってのもよーくわかった。

    勿論この本一冊で「警察やべぇ!」って思い込むのはあまりに稚拙だとは思うけれど、でもやっぱり不安になるよねぇ… これを喜劇として笑い飛ばす度量が果たしで自分にあるかと思うとこれまた不安になるな…

    あとはあれね、裁判官ってハンコ屋さんなので、ぺったん。

    確かに逮捕された段階では犯罪者でもなんでもないのに完全に犯人扱いってまぁ警察だけじゃなくって多くの国民の側にも問題あるよね。逮捕=犯人って考え方があまりに浸透していてもう警察の思う壺よ。

    ホント、怖い一冊。
    あと冲方丁先生保科正之の本書いて!!

  • 冲方丁さんが逮捕されたとは存じませんでした。
    多分ニュースだけでみたら、信じてしまっていたでしょう。
    小説や映画と言ったエンタメで知ったつもりになっている公権力は全然違うものだった。
    公権力の恐ろしさを描いた作品もあるけれど、そういう恐ろしさとは違う気がする。
    怖い。

    そんな中でずっとどこか客観的な視点を保てて、話す内容が一貫しているというのがすごい。
    事実だから仕方ないけれど、じゃあ実際なぜこんな事に?という部分がハッキリしない事、そしていまだお子様と会えていないという現実に及ぼした影響が後味が悪いしモヤモヤする。

    こうして発表できる方だからまだマシなのか、これもまた一方だけの意見だから全てではないのか、何が本当なのかわからない。

    自分には無関係と思ってしまうし、どこかで警察を信じている自分がいるが、そういう態度が公権力への圧力とエクスキューズになると思うと…。

    信頼できる弁護士さんを探せるのか
    黙秘する
    サインはしない

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著者プロフィール

冲方丁(うぶかたとう)
1977年、岐阜県生まれ。4歳から9歳までシンガポール、10歳から14歳までネパールで過ごす。早稲田大学第一文学部中退。小説のみならずメディアを限定せず幅広く活動を展開する。
『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、北東文芸賞を受賞し、第143回直木賞にノミネートされた。『光圀伝』で第3回山田風太郎賞受賞。
代表作となる『天地明察』は2011年にコミック化、そして2012年に岡田准一主演で映画化されヒット作となる。2019年1月、『十二人の死にたい子どもたち』が堤幸彦監督により映画化。

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