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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784797674576
作品紹介・あらすじ
「死ぬなら今だよ! ママも一緒に死ぬよ」母はアクセルを思い切り踏み込んだ…
生きているのが奇跡と思えるほどの過酷な現実。それでも母と娘は、生きることを選んだ。
開高健ノンフィクション賞受賞作『誕生日を知らない女の子』から12年。
運命の母娘を追い続けた衝撃のノンフィクション。
(本文)
母・沙織は生まれてすぐ、山奥の寺に兄とともに預けられ、両親は死んだと伝えられていた。
小学校を卒業する頃に、突然、父親が現れ、父親、継母、兄との新しい生活が始まる。
それは、真の地獄の始まりだった。継母からは日常的になじられ、言葉の暴力を受ける。高校生の頃、実の父親からレイプされる――。
沙織は、20代で死ぬことを、人生の目標にしようと心に決める。
沙織の娘・夢には、母から暴力を受けた記憶がない。ただ、「おまえは最悪だ、生まれてこなければよかったのに」と、何度も繰り返し言われる。
「ママの中に、何人かの人格がいる」と娘は感じている。すごく優しいママ、突然スイッチが入って、怒りを爆発させるママ。いつスイッチが切り替わるか、わからない。
娘にとって、小学生の頃から、「家の中で安心できるのは、トイレだけ」だった。
中学2年生の頃、娘は「2年後に死ぬ」と決めた。ずっと「死にたい、死にたい」と思い続けた――。
互いに行違う母と娘の心情を個別に聞き取り、それぞれの心の叫びを綴ったモノローグ。
<目次>
序章 里子村
第一章 お父さん、お母さんって、何?
第二章 劇団家族――沙織
第三章 結婚──沙織
第四章 母になる──沙織
第五章 安心できるのはトイレだけ──夢
第六章 離婚という嵐──沙織
第七章 殺しちゃう前に、死んでくれ──夢
第八章 変わらずに、愛してくれるから──夢
第九章 親と子ではなく、人と人として──沙織
断章 自分がなんとかしてあげたい──滝川惇
終章 ゴールのない物語
黒川祥子(くろかわしょうこ)
1959年、福島県生まれ。ノンフィクション作家。東京女子大学文理学部卒業後、弁護士秘書、ヤクルトレディ、業界紙記者などを経てフリーランスとなり、社会課題や家族の問題を中心に執筆活動を行っている。2013年、『誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち』で第11回開高健ノンフィクション賞受賞。著書に『県立! 再チャレンジ高校』(講談社現代新書)、『8050問題』『心の除染』(集英社文庫)、『シングルマザー、その後』(集英社新書)など多数。
みんなの感想まとめ
過酷な現実を生き抜く母と娘の物語が描かれています。前作『誕生日を知らない女の子』の続編として、母・沙織の壮絶な過去と、それに影響を受けた娘・夢の心情が交互に語られ、虐待の連鎖とその苦悩が浮き彫りになり...
感想・レビュー・書評
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開高健ノンフィクション賞を受賞した、被虐待児たちのルポタージュ「誕生日を知らない女の子」の最終章に登場した沙織さんのその後の話。
前作では、被虐待児だった沙織さんが今は自分の娘に虐待を行ってしまっているというこの最終章が、問題の深刻さを表しており、最も読み応えがあった。
本書は前作よりも女性の生い立ちについて一人称で詳しく書かれており、ドラマだったらやり過ぎじゃない?というくらい壮絶すぎる過去に唖然とした(お寺に捨てられて家庭を知らないで育ち、その後、幼少期のレイプや実父からの性暴力など、、)。
ただただ同情しかなかったのだけど、今回、後半は彼女の娘の視点になるというのが興味深い。娘もやはり記憶を失くすくらいの虐待にあっており、でも母親がそんな環境で育っていたら普通に育てるの無理だよね、でも娘には罪はないのに、、と読んでいてこちらはどの立場に立てば良いのか分からくなった。
ちなみに正直前半の沙織さんのターンのほうが読み応え(というと語弊があるが、、)があり、後半の娘さんのターンは現在進行形ということもあるのか、同じような内容が繰り返し書かれているように感じ、正直もう少し短くても良いような気がした。
よく加害者は被害者だというが、この本を読むとそれがよく分かる。
もちろん暴力はするほうが悪いけど、暴力を振るった人を皆で糾弾するだけでは何の解決にもならないとよく思う。
こうしたら良い、とか明確な答えは見つからないけど、様々な視点に立ち、何で虐待や暴力が行われてしまったか、そういう裏側に思いを馳せるためには、大変貴重な本だと思う。
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著者はノンフィクション作家なのでその名に覚えがあり、ああ何か読んだことがあるなあと思っただけだったのだが、過去に読んだ『誕生日を知らない女の子』の著者で、本書はその続編というべきか、『誕生日を〜』の中に登場した人物へのその後の取材をもとに書かれたものだった。
壮絶な被虐待者である沙織さんは、最初の体験から30年以上経った今もその後遺症に苦しむ人物でもあるのだが、その後授かった娘との共依存の関係にも苦しんでいた。はた目からはやりきれない思いしか湧いてこないのだが、どうにかこうにか、二人がその共依存関係から抜け出しつつあるらしい様子なのはせめてもの救いか。なのに娘の方が、やっと母の呪縛から解き放たれんとしているにも関わらず、別の人物と新たなる共依存関係を作りそうな状況なのが気になる。まあそれも含めて、こういう育ちをしてしまった人物の辿らざるを得ない道ともいうべきか。連鎖は罪深い。
それから、本書の内容ではないところでとても気になったのが著者の文章。失礼を承知で言えば、正直、あまりうまくないというか、わかりにくいというか。取材対象者の逐語表現の箇所はそれはそれでいいと思うのだが、著者が文章を書いている部分は、構成とか時系列とか、もう少し整理して改善できる余地がありそうなんだよね。誰の話なのか、一瞬、ん??と思うこともままあるし、唐突に今の文脈には関係ない著者自身の話が混じったり。それを書きたいなら、それなりの文章の運びがあるよねーと思う。
読みにくくはないのだけど、巧拙で言えば後者な感じです。ごめんなさい。 -
367.6
25/11/24 -
配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01438407 -
壮絶。
不幸は連鎖する。 -
生まれてすぐお寺に預けられ
小学校卒業までここで暮らした滝川沙織さん。
実家に引き取られ実の父親、継母、兄との生活が始まる。
後に継母が家を出たことで地獄が始まる。
P76〈死んだように生きる、生き地獄〉
辛い人生を乗り切るには別人格になるしかない。
2013年刊行の『誕生日を知らない女の子 虐待ーその後の子どもたち』に
登場する沙織さんも53歳になった。
2人の子どもを持つお母さん。
別人格となった沙織さんの元で育った娘、夢ちゃん。
彼女が聡明で、お母さんとの距離も弁えている。
若さゆえの危うさもあるのだけれど、夢ちゃんに救われた気持ちもある。
どうか、沙織さん、夢ちゃん、海くんが幸せでありますように。
前作を読んだときにも思ったけれど
なぜ、どうして、このように残酷なことができるのか。
読み進めるのに時間が掛かったが
この先、沙織さんの人生が輝いていますようにと
願わずにはいられない。
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著者プロフィール
黒川祥子の作品
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