ロシア革命史入門 (インターナショナル新書)

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  • 集英社インターナショナル
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797680072

作品紹介・あらすじ

200年に及ぶ帝政を打倒し、世界初の社会主義国を樹立したロシア革命の本質は「反戦運動」だった! 二月革命勃発から100年を迎える今年、まったく新しい視点で20世紀最大の社会実験の実体を捉え直す。

感想・レビュー・書評

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  • 早大卒業後、世界史日本史原発問題など幅広い分野で執筆を続ける広瀬隆さんは、
    ちょうど100年前に起こったロシア革命をくわしく調べるうちに
    いろいろなことに気づかされ、膝を叩いて興奮したそうです。
    おかげさまで私も。

    「この無慈悲な戦争(第一次世界大戦)を終わらせ、
    貧しい庶民に充分なパンを与えるために起こったのがロシア革命であった」のだ。

    「ロシア革命と同時期の日本人が、日露戦争と第一次世界大戦の勝利に歓喜し、
    日の丸を打ち振って軍国主義に突進したのに対して、
    ロシア人が戦争に反対して、その結果、政府を倒して革命を起こしたという史実は、
    きわめて重要な出来事だと思わないか?」

    しかし革命の成功から72年後の1989年にベルリンの壁が崩壊、東西冷戦が終結した後、
    ソ連が行った暴虐の歴史が次々と明るみに出されます。
    「正しくおこなわれた革命」の成功後に、そこに誕生した共産主義の独裁国家が、
    完全に道を誤ったことに原因があったのです。

    レーニンはロシア革命成功までの期間に国外逃亡や流刑を経験しますが、それは意外に穏やかな生活だったよう。
    彼は理論については並外れた知識の持ち主でしたが、
    産業界と国家行政機関で働いた経験がなく、労働者としての体験もありませんでした。
    農業の実態もまったく知りませんでした。
    彼の独裁は、自分が生涯をささげて成し遂げた「共産主義革命の成功を死守する」ためならいかなる手段でもとる、
    ということが目的だったのです。

    ではスターリンは?
    共産主義どころか、帝政を崇拝し、ロシア帝国を建国した“偉大なイワン雷帝”を自分の目標としていた!
    レーニンの時代からロシア・ソ連の70数年の全期間を通じて
    多い数字で2000万から4000万もの人間が粛清されたともいわれています。

    しかもロシア革命は、ロシアから貴族を一掃したのではありません。
    桁違いの人数が粛清されたのは、大部分が農民であり、
    ロシア貴族の多くは家財をもってフランスやドイツなど西ヨーロッパへ逃亡してしまったのです。
    内戦の中で、懐に大金を持つ貴族たちは十分な余裕をもって脱出でき、
    また革命後に愛国心から革命政府に参加した者もかなりの数あり、
    一方で革命政府が求めた人材も「階級闘争」どころか、
    かつてロシアを支配した経験豊かな貴族階級の知識人だったのです。
    これがマルクス主義?

  • ソ連があった事態に革命について書いた書物と、その崩壊後に出てきた資料をミックスして論じられているという本。この方の文章を読むにはいつも若干の留保が必要と感じている。ボルシェビキが政権を取って以後の庶民の虐殺数は、ナチスのホロコーストの数をはるかに上回っている。本当か?と正直言いたくなる。が、革命の理想が諸事情で独裁に暗転していく様はたぶんその通りなんだろうと思った。

  • 「東京に原発を」で知られる広瀬隆さんがロシア革命を論じるというのを楽しみにしましたが、ロシア人民の反戦の機運が革命を生んだとしていたにもかかわらず、スターリン以上に革命直後のレーニンによる粛清や秘密警察の設立によって悪夢の70年が築かれたことがわかる、何とも気分の悪い一冊でした。

  • ロシア革命の流れがわかりやすい。レーニンけっこうひどいな。。

  • 今年がロシア革命100周年ということと、著者が広瀬氏だったため購入。
    ロシア革命の一連の流れがよく理解できる。
    革命が単なる左翼主義運動ではなく、国際規模の反戦運動が昇華したものだった。
    そして、その流れに乗った政権取得までのレーニンの行動は指導者として認めることができるものの、政権取得後とその維持のための非常な弾圧手法にゾッとさせられた。レーニン政権時の5年間は、かの1930年代のスターリン大粛清を上回る規模という。
    共産党独裁の維持という手段が、最終的な目的である正常なる国民国家の運営を崩壊させるという逆説。

  • スターリンは何故、独裁に突き進んだのか?
    この本を読んで、素朴に思いました。

  • ロシア革命史入門 広瀬隆 インターナショナル新書

    この革命についてはかなりの間違いを
    吹き込まれて来たことをこの本で知ることができた
    ソ連や中国共産党がマルクスが説いた物的平等を目指しことなく
    独裁の頭の挿げ替えであったことは理解していたが
    レーニンが革命前と後で豹変してしまった過程を見逃していた

    レーニンは革命後の厳しい情勢の中で
訴えて支持されてきた農民や庶民の貧困からの脱却と戦争の即停戦を
権力の獲得と同時にその権力を守るために本末転倒に走り出す
    手のひらをひるがえしたように農民のデモや
    労働者のストライキへの弾圧と逆らう者の粛清へと変貌してしまう
    
それを引き継いだスターリンは裏で欧米と繋がりながら
    仲間の粛清を徹底し私利私欲に精出すのである
    もはや共産主義でも市民の参加による自主的な管理による政治でもなく
    単なる秘密と嘘と暴力による独裁体制でしか無い

    またユダヤ資本の関与を許すことで歪は大きくなり
    バグー油田に関する利権争いについても理解していなかったことで
    ソビエトの問題を歪めて認識してきたようだ

    兎も角民衆が未熟で精神的に目覚めておらず機が熟していなかった
意識が高まることで利権という余剰物に対する
    所有システムの問題点に気付く事から始まる共有システムと
    個々の対等性と自由自在性をお互いに認め合う意識に到達する事から
    始まらなければ自主的な管理による共産も共有も
    過不足のない分配も不可能なのである

  • いっぱい死んでるなあ。

  • 所々日本語が怪しいのと、説明不足感はあるものの、読みやすく分かり易い。
    支配者視点で見た歴史ではマルクス主義者の理論実践と暴走だが、その裏には多くの民衆の意志と犠牲があった。
    「ロシア革命史」であるがゆえ、レーニン伝が紙数の殆どを占め、スターリン時代で終わり。その後は殆ど記述がないので、別の本でソ連崩壊までなぞってみたくなった。…って、ソ連史の本、序盤で挫折してたんだった。

  • 書籍についてこういった公開の場に書くと、身近なところからクレームが入るので、読後記は控えさせていただきます。

    http://www.rockfield.net/wordpress/?p=9131

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