女の機嫌の直し方 (インターナショナル新書)

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  • 集英社インターナショナル
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797680089

作品紹介・あらすじ

男性脳は問題解決型、女性脳は共感型。だから対話はすれ違う。けれども男たちの永遠の謎「女の機嫌」は、脳科学とAI研究で簡単に解き明かすことができる。世のすべての男性に贈る福音の書!

感想・レビュー・書評

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  • 若いときに一緒にいてくれた女性、結婚してくれた妻、躾けられてきた二人の娘たち、今から思うと、なぜあの時あんな対応(態度および発言)しかできなかったのか、ダメだったとは明確に理解できるのですが、では、どのような対応であれば良かったのか、未だにわかっていない私です。

    先週、本屋さんで、「女の機嫌の直し方」という、女性が書かれた本が平積みになっているのを見つけましたが、著者の経歴(人工知能の開発研究者)が気になりました。本来の研究を進めるにあたって、人工知能は男性脳・女性脳であるべきか、両方を完全に平等に扱っていたらプログラムは暴走してしまう等、興味ある内容が書かれています。

    この本は、人間関係を良くしたい(見直したい?)男性および女性のどちらにとっても、為になる内容が書かれています。今まで50年以上生きてきた私、もう一度人生をやり直したいとは思わないようにしてきましたが、もし、この本の内容を理解して若い時からやり直したら、違う人生になっていただろうなと思いました。ただ、それはもう私ではないのですがね。

    過去はやり直せませんが、この本に書かれている内容を上手に活用すれば、知らなかった自分と比較すれば、違う人生が開けると確信しました。そういう意味で、この本との出会いは私の人生を左右する影響力を持った、記念すべきものになりました。

    以下は気になったポイントです。

    ・ヒトの脳の機能を精査していくと、あきらかに男女の脳では、装置としての機能性に差があり、一緒にすることができなかった。事実として、男女脳差は歴然と存在する(p16)

    ・人工知能は第一次(1950年代)、第二次(1980年代)、そして第三次ブームとして2016年から起きている。これから人類は人工知能とともに生きていくことになり、まさに産業革命であり、2016年から続いている社会現象はブームより、人工知能シンドロームと呼ぶのにふさわしい(p17)

    ・男女の対話スタイルが異なる、女性は、ことの発端から語りたがる。男性は、最初にゴール(目的、結論)を知りたがる。話の流れが真逆である、これらが相容れるわけがない(p24)

    ・女性脳の真理演算を推進するためには、共感してあげること、これに尽きる。「あ~わかるよ、彼はそういう口を利くんだ」「そうだね、そういう気持ちだったんだ」共感のコツとは、相手の言葉の反復(p25、31、35)

    ・話し始める時から答えが決まっているのではく、話しながら答えが見えてくる(p25)

    ・経緯を語りだしたときは、気持ちよく着地までもっていくしかない、いきなり結論・問題解決は、対話の破たんを意味する(p30)

    ・男性は、遠くと近くを交互に見て、距離感をつかむ。ものの輪郭をいち早くつかみ、その構造を理解する。女性は、比較的近くにあるものの表面をなめるように見て、針の先ほどの変化を見逃さない(p39)

    ・脳に無駄はない、女性が感情的になるのは、それはその脳にとって必要なことだから(p43)

    ・男性と女性の2つのビューセンサーを搭載することは可能であが、もし双方が同時に答えを出したら、そのどちらを採択したらいいかの競合干渉になる。人に利き手、利き足、利き目があるのは、脳に優位半球があるからだが、それは競合干渉を避けるためという説もある(p45)

    ・男性は脳梁が細めで生まれ、男性脳型のビューセンサーを持ち、問題解決型の対話エンジンを育むが、いくばくかの男性は太めで生まれる。イメージ(右脳)を顕在意識(左脳)に伝えやすいので、科学者・デザイナー等が存在する(p53)

    ・女は4歳にして一人前の自我を持っていて自分の気持ちを語れる、女の子には4歳を過ぎたら、女友達として遇すべき、上から目線の命令語は通用しない(p58)

    ・テステステロンは、真夜中、闇の中で寝て、朝日とともに起き、一日の終わりに肉体疲労があること、危機にさらされていることで、分泌される(p67)

    ・インターネットが世界の言語スタイルをゆるやかに統一しつつあるが、世界中で一様式になれば、女性脳に統一が進むだろう(p72)

    ・女性は、現世で子供を持たなくても、自身の脳は、子供を持った女性脳から引き継がれた脳であり、過去の関連記憶を瞬時に引き出す能力を、生まれつき持っている。(p77)

    ・わかるよ、というか、わかりたいんだ!という、もうひと押しの言葉が大切。大切な人の心の氷を解かす言葉は、苦しまないと生み出せない(p83)

    ・何十年前のことでも、女性にとっては「過去」ではない、今ここでもう一度傷つく「今」の怒りである(p84)

    ・もしあなたが同じ過去を何度も蒸し返されるのであれば、謝り方が足りない。心から溢れ落ちた一言だけが、心のしこりを氷解する。(p89)

    ・人口知能が最後まで取って代われないのは、安売りのトイレットペーパーとうまく目が合う主婦の感覚である。(p106)

    ・育児をするオスは、生殖ホルモンが出にくくなる=男らしさを奪われる可能性も否定できない(p106)

    ・正解をすばやく出してくれる、行儀のよい優等生なんて、欲しければ人工知能で作るからいい、何としてもはみ出すあなたが楽しい(p107)

    ・女性にモノを売ろうと思ったら、色数やバリエーションを多めに展開し、今だけ限定・あなただけ特別を演出する必要がある(p110)

    ・男の妻である人は、男の母である人が、最も肝に銘ずべきことは、「男のぼっと時間を、できるだけ放っておく」こと(p113)

    ・笑顔をつくると、嬉しいときの信号が脳に起こる、表情や所作は脳の神経信号に、ある程度の影響を与える(p126)

    ・あいずちの「あいうえお」、「あ~そうなの」「いいね、それ」「うんうん、そうなんだ」「え、そうなの?」「お、そうきたか」(p137)

    ・成果でなく、過去時間(あのときの気づきはよかったね、あのときよく努力したよね)をねぎらうのが良い(p141)

    ・女性は待機時間を楽しむ、またデート後の「思い出し」も大事(p144)

    ・気づかなったことを謝ることは、察したい気持ちを伝える言葉なので、愛の言葉に匹敵する。「きみに、そんなことを言われたのが悲しい」(p152、158)

    ・ヤ行音は、長い時間と癒しを感じさせる、「やれやれ」「やっと」「ようやく」「ゆっくり」(p163)

    2017年7月16日作成

  • 心に響くフレーズ
    ①話の腰を折ってはいけない。共感しながら話を聞く。
    ②「共感する」は、ほぼ唯一にして、最大のコツ。
    ③女は共感されたい、男は問題解決をしたい。
    ④女性が一生懸命心を尽くしたこと、人知れず努力していること、「彼女ならではの何か」をねぎらうと、女性は、そのたった一回を何千倍にして心の拠り所にしてくれる。

  • 内容は妻のトリセツに近いが、それで良かった。面白いが、何故だろう、二回目を読むには抵抗があったから。女性への接し方がよく分かる。共感が大事、まず寄り添うこと。

    タイトルからは若干ミーハーな感じを受けるが、著者は人工知能研究者。女性の視点ながら、男性脳もよく理解されている。しかし、内容は特別アカデミックに科学的に論じられるのではなく、経験則に基づく、あるある、が多い。これも女性脳がなせる所だろうか。

    興味深かったのは、この違いをAI、コミニケーション・ロボットの対話エンジンに設計する際に、女性のようなプロセス指向共感型か、男性のようなゴール指向問題解決型の採択が迫られるという内容。確かにロボットに同情されるか、解決を提案されるかは大きな違いだ。男女、やはり別物という事がよく分かる話だった。

  • 同著者の「妻のトリセツ」とはテイストが異なり、より「脳科学の専門家」らしい見地から書かれている。
    AIをつくるうえで男女の脳の違いを知った著者が説く、男女の溝を埋める言葉かけがタメになる。

    女性は子の保護や自身の安全への危機意識が高いため、身の回りのちょっとした変化への感度が高い。
    男性は(ときに世界レベルで)全体把握に優れており、身の回りの変化には疎い。

    女性は些細なことにきれているように感じるが、本人にとっては些細ではなく、本人がどう感じるかが重要。
    コトではなく感情を理解して、感情に寄り添うことが必要。

    モノを買う時などの「検討する」とは、男性は比較すること、女性はそのモノを感じつくすこと。
    やたらと他のものも見てみよう、と勧めるのは無駄である。

    妻のことを依怙贔屓することで特別感を与える。

  • 察して欲しい時に察してくれない男性への不満は、脳の構造の違いでそもそも気付いていない
    脳だけの問題でいろいろ片付けいいものかとも思う

  • 読後の腹落ち感がすごい。女性が書いた本だからだろうか…すごく共感。

  • 女性の脳はプロセス、共感を大切にする。
    男性の脳は結果、問題解決を重視する。
    脳の働きが真逆に動くのだから、まずはその違いを理解することが大事なんだな、と。
    私は女性だが、男性ってこういう考え方をするんだなぁと参考になりました。
    科学的根拠がどこまであるかは分からないけど、人工知能の研究者である著者の実体験も含まれていて、リアリティがありました。
    同僚男性に読ませたいわ〜笑

  • 簡単に読めたけど、理屈じゃないところの説明がしっかりしてて、中身にはとても納得。違いがあるんだから、小さなことでいちいち腹を立てたりせずに、ひと言目は共感。
    これでいこう!

  • 女性の脳は「怖い」「ひどい」「つらい」などのストレスを伴う感情が起こったとき、男性よりも何十倍も何百倍も強くストレス信号が働く。そして脳の中に記憶する(残る)
    →二度と同じようなことが起こらないようにするための防衛手段。
    この残った記憶(ストレス信号)を一掃するために、人に話をして共感をしてもらい、安心感を得る。
    だから女性は共感の生き物といわれる。
    共感をしないと、その信号が脳の中に残り続けるため、次に進まない。(一掃されない)

    女性は、右脳と左脳の仕組み上、何らかの危険や先のことを察する能力が備わっている。
    察した時点では根拠提示ができないこともあるらしい。親身に耳を傾けるのも悪くないかも。

    脳の仕組み上、複雑系を愛する女性は、「混沌」に興奮し、「意外性」「特別」が大好き。
    今だけ、あなただけなども好きだし、刺さりやすい。

  • 面白かったです
    ラジオ番組から知りました
    読み進めていくと「へぇ」が積み重なって良かったです

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著者プロフィール

黒川伊保子(くろかわ・いほこ)
1959年長野県生まれ。奈良女子大学理学部物理学科卒業。
(株)富士通にて人工知能(AI)の研究開発に従事した後、コンサルタント会社、民間の研究所を経て、2003年(株)感性リサーチ設立、代表取締役に就任。脳機能論とAIの集大成による語感分析法を開発、マーケティング分野に新境地を開いた、感性分析の第一人者。また、その過程で性、年代によって異なる脳の性質を研究対象とし、日常に寄り添った男女脳論を展開している。人工知能研究を礎に、脳科学コメンテーター、感性アナリスト、随筆家としても活躍。著書に『恋愛脳』『成熟脳』(新潮文庫)、『人間のトリセツ ~人工知能への手紙』(ちくま新書)、『妻のトリセツ』(講談社+α新書)、『定年夫婦のトリセツ』(SB新書)、『息子のトリセツ』(扶桑社新書)、『思春期のトリセツ』(小学館新書)、『恋のトリセツ』(河出新書)など多数。

「2022年 『女女問題のトリセツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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