「最前線の映画」を読む (インターナショナル新書)

著者 :
  • 集英社インターナショナル
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本棚登録 : 317
レビュー : 21
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797680218

作品紹介・あらすじ

『この世界の片隅に』『ワンダーウーマン』『哭声/コクソン』……最新ヒット作に秘められた「暗号」を解読する! これを読めば、あの映画が10倍も100倍も面白くなる! 町山映画塾、開講です!

感想・レビュー・書評

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  • 町山さんが、最新の映画を語る。
    惹きこまれるエッセイ、もしくは短編小説を読んでいるような気分になる。

    私は紹介されている映画1本も観ていなかったが、読んでいて非常にワクワクした。

    それは町山さんの豊富な知識をベースに映画を多面的にとらえ、そして本質をはずさない語り口。

    スコセッシの沈黙。
    原作が語りたかったカトリックと弱さの関係が見事に二重写しになる。

    ワンダーウーマン。
    ただのアクションものかと思っていた。思い込み、偏見は禁止ですね。女性監督の深い思いの詰まった、画期的傑作。

    どんな映画も映画製作側の思いが多くちりばめられている。それを感じ取れるか否かで、映画の楽しみも何倍にもなるのだなーと。町山さんがうらやましくなった。

  • 私は自他ともに認める映画ファンである。よって、ここに取り上げられているここ2年間に映画館にかけられた作品20のうち、15作品を観ている。もちろん威張ることじゃない。「えっ? 15作品しか観ていないのか?この注目作品ばかりのラインナップなのに!」という人もいるのが、映画ファン世界の奥深い所であるからだ。

    実は、その人たちにも読んで欲しい、と思いこの紹介文を書く。おそらく、その人たちこそ、読んで欲しい。映画をキチンと観れば、町山さんの指摘の幾つかはとうに分かっている場合もある(『メッセージ』の娘を産んだワケ等々)。過去の映画をいかにリスペクトしているかも、私よりも詳しい映画ファンから観れば、とうに気がついていた場合もあるだろう(『ラ・ラ・ランド』の引用映画の数々)。それでも『ブレードランナー2049』『エイリアン:コヴェナント』の寓意の数々は、作品や過去の作品からだけでは絶対導き出せないはずだし、『沈黙ーサイレンスー』に至った、スコセッシ監督と師匠のエリア・カザン監督の罪と赦しの話は、知るには価値がある知識だと思う。「あれはそうだったのか!」とビックリしたのは、『ルック・オブ・サイレンス』の飛び跳ねる豆の映像のワケである。固い殻の中に入っている正体が、インドネシアの過去と現実に照射されている。

    町山智浩さんが珍しく「映画史を変えた傑作」と書く『ワンダーウーマン』。主演のガル・ガダットが実はイスラエル兵役経験者で平和主義の作品にはふさわしくはないという批判に対しても、上手いこと反論している。作品に即して、あの台詞やあの演技の「深読み」を、こういう風にするのだな、ととても勉強になった。

    また、アカデミー外国語映画賞を獲ったアスガル・ファルハディ監督の『セールスマン』をキチンと理解するには、アメリカ古典演劇「セールスマンの死」とイランの国情の常識が必要不可欠ではあるが、この解説でやっとガッテン行った。私は、ほとんど劇場パンフレットは買わないことにしている。ネットで基本的な知識と、映画評は手に入るからだ。しかし、ここにはお金を出しても惜しくはない、作品に対する知識がある。
    2018年2月14日読了

  • 見てない映画の批評を読むとたいてい面白くないのですが、町山さんのは毎度面白い。それをどどどっとまとめた新書。これ、お勧めです。
    映画評というのではなく、そういう映画がなぜ作られたのかという文化や社会について語られているのがいいのでしょう。映像の文法の話もちらっと出ますが、そこに眼目がないところがいいんじゃないんでしょうか。面白いです。

  • 昨年の映画話題作「ラ・ラ・ランド」「ブレードランナー 2049」「ベイビー・ドライバー」など20作品を取り上げ、隠された秘密などを解き明かすことで新たな映画の魅力を探る。再見する際のマニア的楽しみがある。‬

  • F.2020/2/26
    P.2018/2/7

  • 鑑賞後に該当作品を拾って読んだり、作品ガイドとして上映や配信を追いかけたりした。ラジオやネットでの解説とかぶる部分は当然あれど、データや裏話の博覧強記は映画の印象を覆すも促すも、深くしてくれる貴重な本。
    もちろん意見として譲れない章もあって、ワンダーウーマンなどは主義主張よりも歴史的な正義の欠落がどうしても納得できなかったりしたものだが、本書ではその監督の主張を手放しで称賛していたりする。ただ鑑賞後に居酒屋で戦わせる議論のような読書感であるため、だから楽しいのだ。
    是非年刊でいいのでレギュラー化してほしい。町山師匠の解説する作品はとにもかくにも面白いから。蓮賀なんちゃらとはそこが圧倒的に違う。

  • 結構見ている◆
    このあとホラー二本も見る予定。

    ◆ワンダーウーマン
    ◆エイリアン:コヴェナント
    ◆ブレードランナー2049
    セールスマン
    マンチェスター・バイ・ザ・シー
    哭声/コクソン
    ◆イット・フォローズ
    ◆ドント・ブリーズ
    シンクロナイズドモンスター
    ◆ラ・ラ・ランド
    ◆ダンケルク
    サウルの息子
    ◆LOGAN/ローガン
    ◆メッセージ
    ベイビー・ドライバ
    沈黙ーサイレンスー
    ◆アイ・イン・ザ・スカイ
    ムーンライト
    エルELLE
    ルック・オブ・サイレンス

  • 【スクリーンの裏側へ】映画評論家として活躍する町山智浩が、『ラ・ラ・ランド』や『インターステラー』など、近年話題となった作品に焦点を当て、隠されたメッセージの読み解きに迫った一冊。映画作品に絡めた時事知識の紹介も豊富に盛り込まれています。

    紹介される映画について詳しくなれることはもちろん、町山氏の紹介を通して映画の一つの見方を学ぶことができるのも本書の魅力。映画は娯楽と知的探求が同時に楽しめるメディアなんだと再確認させられました。

    〜「本当に深い感情は時空も現実も物理法則も超える」ミュージカルで人が突然踊り出すのはそれなんだと彼は言う。「気持ちが心にあふれた時、天国から九十人編成のオーケストラが降りてきて演奏してくれるんだ。それはバカバカしいかもしれないけど、真実なんだ。少なくとも僕にとって」〜

    映画熱にさらに火が付く☆5つ

  • ブレードランナー2049やララランドなどを映画の背後にある文化や影響を与えた文学作品から読み解くエッセイ。かなり面白い。

  • "映画を深読みすると・・・・という本。
    例えば、猿の惑星は人種開放の物語と重ねてみると・・・のように、映画で語られる物語は、何かのたとえとしてとらえると映画の見方も変わってくる。

    ワンダーウーマンは、女性の独立について語られていて、セリフから構成含めてとても良くねられた作品ということに気が付く。

    映画の細部、登場した本や、詩などからも深読みするヒントが隠されていることにも気が付く。何度も繰り返し見たくなる傑作とは、作品そのものの構造化が綿密に構築されているものが多いのかもしれません。"

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著者プロフィール

1962年生まれ。映画評論家。1995年に雑誌『映画秘宝』を創刊した後、渡米。現在はカリフォルニア州バークレーに在住。近著に『映画には「動機」がある 「最前線の映画」を読む Vol.2』(集英社インターナショナル)、『最も危険なアメリカ映画』(集英社文庫)、『町山智浩の「アメリカ流れ者」』(スモール出版)などがある。

「2020年 『町山智浩のシネマトーク 怖い映画』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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