「最前線の映画」を読む (インターナショナル新書)

著者 :
  • 集英社インターナショナル
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本棚登録 : 181
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797680218

作品紹介・あらすじ

『この世界の片隅に』『ワンダーウーマン』『哭声/コクソン』……最新ヒット作に秘められた「暗号」を解読する! これを読めば、あの映画が10倍も100倍も面白くなる! 町山映画塾、開講です!

感想・レビュー・書評

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  • 私は自他ともに認める映画ファンである。よって、ここに取り上げられているここ2年間に映画館にかけられた作品20のうち、15作品を観ている。もちろん威張ることじゃない。「えっ? 15作品しか観ていないのか?この注目作品ばかりのラインナップなのに!」という人もいるのが、映画ファン世界の奥深い所であるからだ。

    実は、その人たちにも読んで欲しい、と思いこの紹介文を書く。おそらく、その人たちこそ、読んで欲しい。映画をキチンと観れば、町山さんの指摘の幾つかはとうに分かっている場合もある(『メッセージ』の娘を産んだワケ等々)。過去の映画をいかにリスペクトしているかも、私よりも詳しい映画ファンから観れば、とうに気がついていた場合もあるだろう(『ラ・ラ・ランド』の引用映画の数々)。それでも『ブレードランナー2049』『エイリアン:コヴェナント』の寓意の数々は、作品や過去の作品からだけでは絶対導き出せないはずだし、『沈黙ーサイレンスー』に至った、スコセッシ監督と師匠のエリア・カザン監督の罪と赦しの話は、知るには価値がある知識だと思う。「あれはそうだったのか!」とビックリしたのは、『ルック・オブ・サイレンス』の飛び跳ねる豆の映像のワケである。固い殻の中に入っている正体が、インドネシアの過去と現実に照射されている。

    町山智浩さんが珍しく「映画史を変えた傑作」と書く『ワンダーウーマン』。主演のガル・ガダットが実はイスラエル兵役経験者で平和主義の作品にはふさわしくはないという批判に対しても、上手いこと反論している。作品に即して、あの台詞やあの演技の「深読み」を、こういう風にするのだな、ととても勉強になった。

    また、アカデミー外国語映画賞を獲ったアスガル・ファルハディ監督の『セールスマン』をキチンと理解するには、アメリカ古典演劇「セールスマンの死」とイランの国情の常識が必要不可欠ではあるが、この解説でやっとガッテン行った。私は、ほとんど劇場パンフレットは買わないことにしている。ネットで基本的な知識と、映画評は手に入るからだ。しかし、ここにはお金を出しても惜しくはない、作品に対する知識がある。
    2018年2月14日読了

  • 見てない映画の批評を読むとたいてい面白くないのですが、町山さんのは毎度面白い。それをどどどっとまとめた新書。これ、お勧めです。
    映画評というのではなく、そういう映画がなぜ作られたのかという文化や社会について語られているのがいいのでしょう。映像の文法の話もちらっと出ますが、そこに眼目がないところがいいんじゃないんでしょうか。面白いです。

  • こんなに深くは考えられないので、私は私で観よう!

  • 昨年の映画話題作「ラ・ラ・ランド」「ブレードランナー 2049」「ベイビー・ドライバー」など20作品を取り上げ、隠された秘密などを解き明かすことで新たな映画の魅力を探る。再見する際のマニア的楽しみがある。‬

  • 挙げられている映画20本のうち、18本は公開当時に劇場で観ています。と、自慢したいところだけれど、本書を手に取るのはそれ以上の人ばかりかも。残りの1本はDVDで観て、もう1本はこの先も観ないつもりだったホラー。しかし本書を読んだら、そういう解釈があるのかと気になり、観たい気持ちが沸々と。こんな解説書を読むと、知らずに観るよりもいろんな知識を持ったうえで観るほうがより楽しいよなぁと思う半面、何も知らなくても楽しめたらええやんと開き直ったりも。いずれにせよ、「上から」なところ皆無の町山さんの解説、大好きです。

  • ダンケルクとワンダーウーマンが興味深かった。日本人にはわかりにくい背景を教えてくれるのが町山さんの映画評のいいところ。

  • 観たものだけを拾い読み。

  • 観ていない作品も多かったけど、観る前の予備知識的な情報が満載で、これを読んで映画を観たくなった作品もあった。

  • ”最前線”とあるように近年、公開されたばかりの映画の例によってものすごい知識と分析力による解説。
    この中で観た映画は、”ブレードランナー2049” ”沈黙ーサイレンスー” ”ラ・ラ・ランド” ”ダンケルク” ”メッセージ” ”ムーンライト”の5本。

    著者の解説を読んで観たくなった映画
    ・イット・フォローズ
    ・セールスマンの死
    ・哭声/コクソン
    ・サウルの息子
    ・マンチェスター・バイ・ザ・シー
    ・ベイビー・ドライバー
    ・エル ELLE

  • 観た映画は二本だけだったにも関わらず、面白く読んだ。

    どれも深い考察とプロならではのリサーチによる情報が満載だ。
    「ラ・ラ・ランド」だけは、観てから読もうと未読のまま。
    今後観る予定の映画もあったが、予備知識として参考にするつもり。
    マーティン・スコセッシ監督の「沈黙ーサイレンスー」など、
    映画をみる前に触れておきたいいくつものエピソードがあった。

    映画の楽しみ方は人それぞれたくさんあり、
    映画を読むという楽しみも、映画を楽しむ方法の一つ。

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プロフィール

1962年生まれ。映画評論家。1995年に雑誌『映画秘宝』を創刊した後、渡米。現在はカリフォルニア州バークレーに在住。近著に『激震!セクハラ帝国アメリカ言霊USA2018』(文藝春秋)、『「最前線の映画」を読む』(集英社インターナショナル)、『今のアメリカがわかる映画100本』(サイゾー)などがある。

「2018年 『町山智浩の「アメリカ流れ者」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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