新・冒険論 (インターナショナル新書)

著者 :
  • 集英社インターナショナル
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本棚登録 : 83
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784797680232

作品紹介・あらすじ

誰かがすでにやったことは冒険ではない! チベットの人類未到の峡谷探検、雪男探索、太陽の出ない80日間の極夜行…。冒険の新たな境地を切り開いてきた著者が、現代における冒険の可能性を論じた。

感想・レビュー・書評

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  • 冒険とは脱システム、と言う著者の論展開はそれほど目新しいものではない。旅が日常からの脱出だというのと通底している。それでも、声を上げるのは現代社会があまりにもシステム化され管理されているからにほかならない。分かっているのにそのシステムから抜け出そうとしない、出来ない私であるから、著者の数々の冒険譚を愛読するのだ。

  • 冒険とスポーツの違い、本当の冒険をやりづらい現代。色々とモヤモヤが解決!

  •  本屋で手に取り目次を見ると、本多勝一さんの名前や彼が展開していたパイオニアワーク論が目に入る。僕も学生のころ熱心に読んでいたので、著者がどう解釈して自身の冒険に投影してきたのか、大いに興味がわいた。
     エベレストが初登頂された後は、ルートを変えたり、無酸素で挑戦したりとバリエーションを変えないと、それは冒険とは呼べない。『初』がつかないと冒険とは呼べないのだ。パイオニアワークとはそういうものと理解している。誰も行ったことがない『地理的空白』がなくなった現代で、冒険は難しい。極夜の北極圏を旅する冒険を『発見』した著者のうれしそうな顔をテレビで見た時、冒険で飯を喰うことの社会的な大変さを感じた。
     
      展開されるのは本格的な冒険や探検についての考察だが、僕は社会人が休日に出かける『週末冒険』にあてはめて考える。彼の言う脱システム論は登山をベースに展開されるが、有名なコースやイベントに人が集まるサイクリングを取り巻く状況とよく似ている。同じ日本で起こっている現象なのだから当然の帰結だと感じる。
     自由や創造性を求めた登山は結果を予測しにくく、つまらない登山に終わることも多いとの論旨には大いに同意する。事前に地図だけみて出かけるサイクリングも同じだ。路傍に何を見て、風に何を感じるかで面白さは変わる。
     後に控えるのは著者の最新冒険行『極夜行』だ。さて、どんな冒険だったのか、読むのが楽しみだ。

  • 2018/4/8 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。

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著者プロフィール

角幡 唯介(かくはた ゆうすけ)
1976年、北海道芦別市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、朝日新聞社に入社。同社退社後、ネパール雪男捜索隊隊員。『空白の五マイル』(集英社)で開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『雪男は向こうからやって来た』(集英社)で新田次郎文学賞受賞。『アグルーカの行方』(集英社)で講談社ノンフィクション賞受賞。

「2014年 『地図のない場所で眠りたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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