図解入門よくわかる最新電気自動車の基本と仕組み (How-nual図解入門Visual Guide Book)
- 秀和システム (2011年2月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798028682
作品紹介・あらすじ
モーターとバッテリー、インバータ、充電インフラ、電気自動車をビジュアルに解説。
感想・レビュー・書評
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電気自動車についての基本と仕組みシリーズ。
内容は、全般の紹介の後、モーター(ネオジムを使った交流同期式)、バッテリー(主としてリチウムイオン)、インバーターと充電器、駆動系、操舵とブレーキ、車体などのパッケージング、快適性と安全、未来と、電気自動車の全体像を書くことに専念していると思う。
基本見開き2Pで左半分を文章で説明、右半分を図などで説明しているので、直感的に理解できると思う。車などに詳しい人というよりは、車はどのような構造でできているか知らない人、全くの初心者でも読めると思う。
その分掘り下げることはできていないが、それはまた別の本を当たるべきだと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
電気自動車といっても、人によってイメージするものは異なると思います。かなり出回っているハイブリッド車もモータ駆動なので電気自動車の一種ですし、昨年から販売されているエンジンのない自動車も電気自動車でしょう。
私は自動車関連部品の会社に勤めているのですが、駆動系が担当なので、現在市場にある電気自動車では影響が出ませんが、この本でも開設されている「インホイールモータ」形式になると駆動系の部品が不要になるので深刻なことになります。
問題なのはそれがいつの時点でやってくるかで、それは乗用車だけにとどまるのか、商用車系まで普及するかという点にあります。
あと会社に勤務するのは13年足らず、これからどのような変化が起きるのだろうかと思いをめぐらした本でした。
以下は気になったポイントです。
・希土類元素は中国で安価に産出されるので世界の97%が中国に偏っているが、埋蔵量では3割程度、希土類元素のネオジムを使った永久磁石がネオジム磁石で日本人の発明(p48)
・ネオジム磁石は120度以上の高温では磁力を失うので、ジスプロシウムを添加することで高温での使用を可能にしている(p58)
・リチウムイオン電池の特徴として、バッテリーの最小単位である1セルの電圧の高さ(4.2ボルト)で鉛電池(2ボルト)の倍以上が可能(p62)
・三菱自動車の i-MiEVは、88セルのバッテリーを使って330ボルトの電圧、日産リーフは、4x48=192セルで、360ボルトを得ている、テスラロードスターは、6831本を使用する(p70)
・夜間電力は2種類あって、「おトクなナイト8:午後11~午前7時までが夜間:9.17円、昼間:28円」と、「おトクなナイト10:午後10~午前8時までが夜間:9.48、昼間:30円」がある(p91)
・インホイールモータ方式でも、減速装置を備えている例(ギヤリダクション方式)がある(p112)
・パワーステアリングは、エンジンの力を利用して油圧ポンプを動かして、油圧でハンドル操作の補助力を出す方式だが、電気自動車では電動パワーステアリングとなる(p124)
・冷房時において、コンプレッサーを回すときに、エンジン自動車ではエンジンの回転を活用するが、電気自動車では駆動用バッテリー電気を使ってコンプレッサー用のモーターを回す(p160)
・暖房時において、エンジン自動車であればエンジンを冷やすための冷却水があり、これがラジエーターで冷やされて熱い湯を使って室内へ導いて暖房になる、電気自動車では電気で湯を沸かして利用する(p160)
・電気自動車では空気を暖めるのではなく、体を直接温めるシートヒータを使って消費電力を抑える考え方もある(p162)
2011/6/5作成 -
電気自動車の歴史や現状、メカニズムや関連技術など広く浅く、中学生でもわかるような解説書。第1章の「電気自動車の基礎」が、歴史や現在の世界のEV事情が分かって、一番役に立つ内容だった。