- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798044767
作品紹介・あらすじ
「自分の眼」でものを見る力を養う39のヒント!おすすめの美術館リスト100。
感想・レビュー・書評
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美術館や芸術そのものを、もっと身近に、気軽に楽しみましょう、という著者からの提案がつまった1冊です。
美術がわからない人など存在しない、知識の有無や世間の評価などは気にせず、自分が見たまま感じたままを大切にすればよい、という著者の言葉が心強かったです。
お寺や神社と同じように、美術館は自分と向き合うことができる場所、という考え方も新鮮でした。
また、「買い付けをするつもりで見る」や「好きな作品をムチ、嫌いな作品をアメの目で見る」、「自分なりのストーリーを作ってみる」などなど、著者が紹介する作品も見方も、本当に好きなように芸術品を楽しんでいいんだ!…といい意味で敷居を下げてくれました。
ついついメディアで話題になる大きな展覧会ばかりに目が行きがちですが、小さな美術館のよさにも改めて目を向けさせてくれました。
調べてみると、自宅から行ける範囲にも今まであまり気にしていなかった小さな美術館がちらほら。
散歩の延長で足を運んでみようかな、と思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
楽しみ方が分からず、自分には見る目がないと思っていた私にぴったりの本だった。
すぐに実践できることばかりで、絵画や彫刻などを見るのが楽しくなった! -
美術館に行くのはもともと好きではあったが、この本に出合ってから(いい意味で)美術館に対する考え方が変わった。これまでは有名作品を見てそれを学ぶといういわゆる”お勉強モード”であったが、もっと別の見方をしてもOKということだ。
一番印象に残ったのは「エア買い付け」で作品をシビアに見るという視点。絵画を見ることはあっても、それを買おうなどとはまあ思ったことはなかったが、「エア」であれば、まさに自由!「買うつもり」で眺めれば「自分の眼」で作品を見られるようになるという”目から鱗”の楽しみ方。それとイヤホンガイドにも注意。すぐに番号ボタンを押していたが、まずは「自分の眼」で見てから。そのあとで解説を聞くことにしよう!
よし、週末は国立新美術館へ行ってみようっと。 -
「平和というのは一面からいえば、日本の庶民のおばあちゃんが、井戸端会議をしながら、ベートーベンの音楽を語り、バッハを論ずることかもしれないね」
学生時代に恩師から聞いたこの一言が、読後に鮮やかに甦ってきた。
芸術や美術は、エリートやお金持ちや専門家だけのものではない。
人間が生きる発露として、止むに止まれる情熱から生み出されてきたものが、時代を超えて残されてきたものだからだ。
だから、気取りは要らない。
美術館の空間そのものを堪能すること。
「わかる・わからない」ではなく「楽しむ」こと。
あくまで「自分の価値観」を大事にする。
「見たまま、感じたまま」が意義ある鑑賞の出発点。
美術鑑賞に「正しい」も「間違っている」もない。
必ずしも「順路」に従わなくてもよい。
作品に個人的な思い出や感情を重ねてみる。
食わず嫌いせずに無節操に楽しむ。
作品に自分なりのストーリーを考えてみる。
五感をフル動員してみる。
見て終わりにせず、鑑賞日記を付けたり、誰かと語り合うなど、見たことを反芻して、自分の中に定着させてみる。
アートは自由だ。
芸術こそ人間のあるべき姿だ。 -
181225-181228
とても良い本でした。
芸術は、作っているあいだは作者のものだけれども、完成して人の目に触れた瞬間、受け手のものになるのだなあと感じました。
そして、その受け取り方は自由なのだ、とも。 -
美術館に行きたくなった1冊でした。勉強のために行ってもよく分からないし、技法も歴史も知らないし、、、と思っていましたが、感じ方は人それぞれで、その感覚を大切にしていきたいと思いました。
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ピア・サポーターズMさんのおすすめ本です。
「「ゴッホ展がやっていたから見に行ったは良いものの、正直ひまわり以外分からなかったし、ひまわりも何が良いのかよくわからない……」
そんなことを思ったことのある方、実は結構いらっしゃるのではないでしょうか。かくいう私もその一人です。随分前にダ・ヴィンチ展に行って、へえ、ふーん、すごい、などと、毒にも薬にもならないような感想を呟いただけで終わってしまった記憶があります。
そして、そんな人ほど美術に関する入門書を読んでは煙に巻かれる、という経験もしていることでしょう。あるいは、ミレーの入門書を読むための入門書を寄越せ、と思ってやまないことでしょう。
そのような悩める方達のための一冊こそが、今回紹介するこの本、「芸術がわからなくても美術館がすごく楽しくなる本」です。
この本では、モネがどうだとか、印象派がどうだとかいう小難しい話は一切なく、「博物館を博物館として捉えて楽しむ」「芸術品を自分で見る、自分が見る」という二つを主題に置き、かつ、非常に親しみやすい内容と気さくな文体で進んでいきます。
事実、本書の一番最初の内容は、私たちをしょっちゅう惑わせる写実派と印象派の違いでもなければ、耳にタコができるほど聞いた美術に関する心構えでもなく、「博物館のカフェに行こう!」です。
ですが、はじめから終わりまでトッポのように同じ調子の内容が続くのかというと、そういう訳でもありません。後半に行くにつれて、筆者なりの博物館や美術品に対する心構えや、美術品を楽しむ際に役立つ実用的なテクニックなどの内容も触れられます。
ただ、それらも非常に気さくに、かつわかりやすく解説してくれるので、置いてけぼりにされたり煙に巻かれるような心配はありません。
さて長々と書き連ねてきましたが、つまるところ、この「芸術がわからなくても美術館がすごく楽しくなる本」という本は、私たちのような、美術館や博物館に興味はあっても展示品はよくわからなくて、入門書にも置いてけぼりにされるような多くの人に寄り添い、味方になってくれる本だと私は思いました。
これが、この本をおすすめしたい理由です。
また、本書は細かく章分けされていて、一つの節が多くても五ページ以内に収まっています。そのため、ターナーがどうだとか、ロマン主義がどうだとかと、長々とまくし立てるような美術入門書よりも純粋に読みやすい、と思ったのも、おすすめしたいポイントの一つです。
それから、この本の巻末にはおまけとして、「おすすめの美術館100」と題された美術館の表がついています。なので、もしこの本を読んで、どこかの美術館のカフェにでも行ってみようか、と思ったのであれば、是非この本を片手に気になった美術館に赴いてみては如何でしょう。」
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https://opac.tenri-u.ac.jp/opac/opac_details/?bibid=BB00524647 -
司書おすすめの本。
作品の解説やキャッチコピーなどにとらわれず、自分の感覚や思い出を頼りに鑑賞することを勧める本。
芸術は本来教養とかを抜きにしてただただ作品を前にして自分の内面がどう変化するかを楽しむものだ、という考えを持っているようだ。
芸術に対するハードルが低くなって良かった。