TCP/IPの絵本: ネットワークが面白くなる9つの扉

著者 :
  • 翔泳社
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  • Amazon.co.jp ・本 (183ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798105161

感想・レビュー・書評

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  • TPC/IPの絵本ネットワークって面白い

  • もやもやしていた知識が少し形にしてくれた本。
    絵があると理解が早くてこういう本は実に助かります。

  • PC間のネットワークが始まった当初、
    各々のネットワーク(LAN)は、独自の規則(プロトコル)で通信していた。
    インターネットの拡大により、ネットワーク間での交流が始まると、
    共通言語が必要となり、そこで生まれたのがTCP/IP。

    TCP/IPは5つの階層で構成されている。(TCP/IPファミリー)
    各階層と役割は、以下のとおり
     アプリケーション層:人と機械の橋渡し
     トランスポート層:通信サービスにあったプロトコルを決定
     ネットワーク層:通信相手と経路の決定
     データリンク層:ビット列とフレームの置き換え
     物理層:通信媒体(データリンク内で信号が流れている部分)
    これらを組み合わることで、
    様々な機器・アプリケーションへの対応が可能となっている。

    ネットワークの仕組みは、目に見えない世界であることもあり、
    文字の説明ではイメージが湧かず、わかりにくい。
    このため、絵本という形での解説は、とてもありがたい。

  • TCP/IPにおけるネットワークとは、「ハードウェア部分で同じ通信の仕組みを利用して通信できる範囲」のことをいう。
    現在、一般的に使われているPCは「Ethernet」と呼ばれる通信の仕組みが標準搭載されている。したがって、2台のPCをケーブルで接続すると、Ethernetという共通のハードウェアを使い、通信を行なうネットワークができる。たった2台のコンピュータを接続しただけだが、これでも立派な最小構成のネットワークである。

     続いてEthernetとTCP/IPの関係について触れておこう。PCで広く使われるOSであるWindowsにはTCP/IPが標準で備わっている。
    このことから想像できるように、TCP/IPというのはソフト上の通信のやり取りで、その情報がEthernetというハードウェアの仕組みでやり取りされている。
    TCP/IPでは、このような同じハードウェアの仕組みで通信できる範囲を1つのネットワークと数えるのである。

    Ethernetを備えたPCを3台以上つなぐネットワークを構成する場合には、スイッチングハブ(スイッチ)という装置を用いる。
    スイッチングハブはEthernetの通信を中継する装置であり、ハードウェアの通信の仕組みはEthernetなのでネットワークの形態としてはスイッチングハブを中心とした1つのEthernetのネットワークとなる。

    スイッチングハブのほかにルータという装置が登場している。スイッチングハブはEthernetしか接続できない。それに対し、ルータはEthernetのほかに別のハードウェアの通信の仕組みを備えていて、デジタル専用線などを接続できる。
    つまり、スイッチングハブは1つのEthernetのネットワークを構成したり拡張したりする装置だが、ルータはネットワークとネットワークを接続する装置である。
    このようなネットワークを拡張したり、ネットワーク間の接続に用いる機器を「インターネットワーク機器」と呼ぶ。

    TCP/IPの情報が、異なるネットワークを経由して目的のコンピュータと通信する仕組みを理解するには、プロトコルとTCP/IPを使った通信の階層を理解しなければならない。

     プロトコルというのは、どのようなタイミングで、どのような情報を伝達し、その情報によってどのような動作をするということを取り決めた通信の約束事である。そしてTCP/IPの通信は、大きく4つの機能階層に分けられ、それぞれの機能階層にプロトコルがある。

     TCP/IPの機能階層は上から
    アプリケーション層、
    トランスポート層、
    インターネット層、
    ネットワークインターフェイス層となっている。

    一般にTCP/IPと表記されるのは、この機能階層の中心であるトランスポート層とインターネット層でTCPとIPを使うからである。

    機能階層間では、プロトコルごとに規定されている制御情報を格納するヘッダと、相手に届けるデータを連結したPDU(Protocol Data Unit)と呼ばれる単位でデータがやり取りされる。
    一般的には、
    TCPのPDUは「セグメント」、
    IPのPDUは「パケット」、
    ネットワークインターフェイス(Ethernetなど)のPDUは「フレーム」と呼ばれている。

    ブラウザに表示したいホームページのアドレスを入力すると、そのホームページのアドレスをWebサーバに送信するために、HTTPの規約に従ったPDUが作られTCPを制御するプログラムに渡される。
    TCP制御プログラムは、受け取ったPDUをデータとして扱い、TCPの規約に従った制御情報をヘッダとして加えたセグメントを作りIP制御プログラムに渡す。
    IP制御プログラムも受け取ったセグメントをデータとして扱い、IPの規約に従った制御情報をヘッダとして加えたパケットを作り、Ethernet制御プログラムに渡す。

     最後に、IPパケットを受け取ったEthernet制御プログラムはEthernetの規約に従ったヘッダ情報にトレーラを加えたフレームを作成する。
    トレーラとは、相手のコンピュータが受信したときに、情報が伝送途中に壊れていないか確認するためのチェックコードのことだ。
    そして、このフレームを構成するビットパターンに応じた電気信号を、相手のコンピュータに伝送するのである。

    さて、受信側のコンピュータは、フレームを受信するとEthernet制御プログラムでトレーラのチェックコードを使って伝送途中でデータが壊れていないかチェックする。
    正常であればヘッダ情報に応じた処理を行ない、IP制御プログラムにIPパケットを渡す。
    IP制御プログラムは渡されたIPパケットの中のIPヘッダの処理を行ない、セグメントをTCP制御プログラムに渡す。
    同様にして、TCP制御プログラムもTCPヘッダ情報の処理を行ない、HTTP サーバプログラムにデータを渡す。最後に、HTTPサーバプログラムは、HTTP規約に従った情報を判断し処理を行なう。

     TCP/IPの階層モデルでは、以上のような手順でプロトコル間の情報を受け渡している。

  • 購入

  •  イラストの割合が非情に多くコミカルな表現がされているため、ネットワークをこれから勉強するという人には最適。逆に多少なりネットワークの世界に足を踏み入れた人にとっては内容が不十分過ぎて物足りなさを感じるので少しでも前提知識があるなら避けたほうが良い

  • まだ、ネットワークの知識がない自分にとっては、絵で理解できて分かりやすかった。やっと、アピリケーション層、トランスポート層、ネットワーク層、データリンク層、物理層の違いを少しは分かった。初心者にはオススメです。

  • ネットワーク・通信について、あまりにも仕組みがブラックボックス過ぎるのは良くないと思い購入。
    これ以上ないくらい読みやすかった。

  • TCP/IPのことを俯瞰するにはちょうどいいと思った。
    これからTCP/IPを勉強する人は、まずこれを読んで全体を把握しておくと勉強しやすくなるかもしれない。

  • 視覚的で分かりやすい。これを読んでから本格的なTCP/IPの本に挑戦するのも良いかもしれない。

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