教育×破壊的イノベーション~教育現場を抜本的に変革する

  • 翔泳社
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レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798117737

作品紹介・あらすじ

学校教育をめぐるさまざまな問題、満たされないニーズ、局所的に起こっているイノベーション、それらをすべて「破壊的イノベーション理論」で見事に体系づけ、説得力のある説明を与える。

感想・レビュー・書評

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  • 教育業界を変えたいと思っている人は必読の本。
    2008年に書かれたとは思えないほど内容は色あせず、今も参考に示唆が多く含まれた、まさに名著だ。
    クリステンセンは著書「イノベーションのジレンマ」において、業界をリードするような優良企業が行う合理的で正しい経営判断が、破壊的技術が作り出す新しい成長市場への参入機会を失わせるという理論(イノベーションのジレンマ)を説いた。

    なぜ優良とされている企業・サービスが、新規参入者にとって変わられてしまうのか。またそれを未然に防げなかったのかを、極めて説得力の高い形で説明している。

    本書、教育×破壊的イノベーション 教育現場を抜本的に変革するは、それを教育業界に当てはめた作品だ。


    教育の手法改良として、「全ての生徒に対して一つの教授方式を用いる」ことを前提にした「持続的イノベーション」と、「一人ひとりの生徒が異なる学び方をする」ことを前提にする「破壊的イノベーション」がある。

    後者(教育の個別化)を前提とした製品・サービスとしてコンピュータを利用した教育方式があり、最初のうちは、既存の教育ニーズを満たすことができない。

    コンピュータを利用した教育方式が、その力を発揮するためには、それを「一人ひとり異なる進度と異なるプロセスで学ぶ」という「無消費」への対応として、まず活用する必要がある



    上記は解説で本書のメッセージを要約しているものだ。

    Edtechが語られる際に、必ずと言っていいほどあがる「教育の個別化」。

    それはなぜ既存の教育関連の組織ではおこりづらいのか。

    コンピュータ(テクノロジー)を武器にした新規参入者がどこから手をつけるべきかを書いている。

    またクリステンセンは、本書の中で2015年にはコンピュータを通じた教育が大きなシェアを持つようになると明確に断言している。

    新たなサービスで教育を変えたい、変革を起こしたいと考えている人。

    そんなに大それていなくても、少しでも教育をよくしていきたいという方にはぜひ読んでほしい本だ

    http://edtech-media.com/2013/03/11/%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%AE%E9%9D%A9%E6%96%B0%E3%81%AB%E8%88%88%E5%91%B3%E3%81%AE%E3%81%82%E3%82%8B%E4%BA%BA%E3%81%AF%E5%BF%85%E8%A6%8B%EF%BC%81%E6%95%99%E8%82%B2x%E7%A0%B4%E5%A3%8A%E7%9A%84/

  • 積ん読解消プロジェクト

    教育を改革する上で重要かつ今までにない視点の提示。
    コンピュータベースの教育がどのように行われるべきか。

    一定納得な面もあるんだけど、スッキリはしない。

    一斉教授型の授業体系が限界を迎えていて、個別支援型の教育を進めていくことが重要であることは疑いないこと。その際に、コンピュータが有効なツールであることも間違いはない。ただし、それはあくまで有効なツールの一つであるということ。コンピュータの有効活用無くして教育の改革なしというのは極論だろう。

    コンピュータをどのように学校教育に浸透させていくかを説くのに、産業における破壊的イノベーションを持ち出すことも、一定の説得力はもちつつ、絶対の理論でもない。

    日本ではとかアメリカだからとか言うのは避けたいけど、そういう側面も踏まえて見るといいかも。

  • ”クリステンセン氏の「破壊的イノベーション」を教育に用い、「無消費」に対応する。

    ・人によって学び方は違う → ★コンピュータを用いた学習の個別化、モジュール化を進めるべし”

  • 'イノベーションのジレンマ'の著者が、教育改革のアプローチにつき論説している。製造業における、既存企業の持続的イノベーションと、新興企業の破壊的イノベーションの例を参照しながら、教育の現場でも、なぜ、学習意欲の停滞や落ちこぼれ問題への対策が進まないか、を分析している。破壊的イノベーションは、それまで需要がなかった'無消費'の市場から始まるが、技術の進歩に伴い、持続的イノベーションが主流の市場を侵食していく。一枚岩的な全体教育から、生徒中心の個別教育の実現に向けて、製造業での同じアプローチが有効になるだろう、と主張している。組織と管理への深い洞察、大胆な取組みが示唆されている。

  • カスタマイズと標準化の狭間で揺れている項目があります。明細書作成です。

    一件一件こまめに相手にしてると時間がいくらあっても足りないですし、標準明細書を作ると、ここの案件に応じた明細書作成がやりずらくなります。

    現状出した答えは、標準化できる部分は徹底的に時間を省く、個々の案件対応になる部分は徹底的に時間をかける、です。時間を省くところは、化学系なら図面、構造システム系なら材料に関する記載、時間をかけるところは、課題とクレーム、と言ったところでしょうか。

    たぶん最適値はないと思います。カスタマイズと標準化の間を行ったり来たりしながら、いつか自分が納得のいくところに落ち着くのだと思います。

  • 請求記号 370.4/C 58

  • イノベーションのジレンマが非常に良かったし、今回は教育がテーマということで期待したのだが、期待が大きかっただけに・・・
    しかし、それなりに示唆を受けるところはあった。
    日本と米国の教育環境の差というのもあるからかも知れない。

  • ◆ガードナーの8つの知能
    ・言語的知能
    ・論理・数学的知能
    ・空間的知能
    ・運動感覚的知能
    ・音楽的知能
    ・対人的知能
    ・内省的知能
    ・博物学的知能


    ◆破壊的イノベーションは「無消費」にぶつけなければ成功させることはできない → 技術の善し悪しよりも、用途を選択することが重要
    ・何もない状態よりましな製品をつくり、無消費者に売る


    ◆学校現場でのコンピュータの活用
    ・既存の指導モデルに当てはめて利用しているために効果が限定的

    ◆幼児教育の重要性
    ・知的能力
    ・自尊感情
    ・知的好奇心


    ◆人間の知的能力の大部分が生後36ヶ月の間に決定される
    ・「用向きの話しかけ」よりも「言葉のダンス」(余分な話しかけ)が重要

  • モジュール形式の教育が破壊的イノベーションを起こすという話。
    公教育の場にPCを導入しても教育方法の構造を変えていかないと大きな効果はないという結論を様々な事例を用いながら証明している。

    言おうとしていることはわかったが、実例の話が濃いので「あれ?何の話だっけ」となってしまう瞬間もあった。

  • そもそものクリステンセンの破壊的イノベーションを読むことなく本書をとったが、非常に多様な知見に溢れていた。即座に応用することは不可能であるが、破壊的イノベーションという新しいアイデアは純粋に感銘を受けた。

    特に教育学研究における理性的な批判は私も共感することが多々あった。教育関係者にこそ一読をおすすめする。

  • クリステンセンの本は初めて見たが、なかなか面白い内容だった。

    一枚岩型の既存の教育システムから、生徒一人ひとりの学習スタイルに合わせた教育の提供を行っていく必要性。そして、その教育における破壊的イノベーションを起こすために必要なICT技術についてと、それを使うにはどうすれば良いかについて言及している。

    イノベーションという観点から教育システムを見て、実際の事例も交えながらICTを用いて具体的にどうすれば良いのか、という部分まで踏み込んでいるのは面白かった。

    また、今の学校の制度が悪い、とただ言うだけでなく、どうして改善出来なのか、学校側は改善しようとしているのになぜそれがうまく働かないのか、について議論しているのも良かった。

    ・教育における破壊的イノベーションについて
    ・個人に合わせた教育の提供について
    ・ICTを用いた教育について
    上記のどれかに興味があるのなら、ぜひ読んでおきたい本。

    ただ、文章表現の仕方が若干まわりくどい部分が見受けられたので、そこが残念(翻訳だから仕方ないとは思うけど・・・)。

    個人的には☆3.5ぐらいの評価。

  • 読むべきものとしてずっと気にかけていた本書をようやく読み終えた。なかなか興味深かった。
    コンピュータやインターネットを生徒の個別の要求に答えるものとして積極的に使うべきことを主張している。その実現を2012年か13年頃と予言している(本書発行は2008年)。その成就がKahn Academyなのだろうね。『世界は一つの教室』を読み終えていたので、この2冊のつながりがよくわかった。その意味でも、2冊ともお勧めである。
    後は、この本での提言を自分なりにどう実現していくかだろう。課題をもらった気がする。

  • クリステンセン検索により。

  • コンピューター、ネットワークを本当の意味で活用して、生徒中心の教育に切り替える。個を尊重し、カリキュラムを自由にカスタマイズし、ネットワークを駆使して地域性からも脱却する事が必要であると提言している。その為には教育にまつわる関係組織の変革にまでてをつけなければならないことにまで言及している。

    本書は、クリステンセン氏のイノベーション・シリーズの実践編としてとらえることができる。ドラッカーの『マネジメント』に対する『もしドラ』的な存在。『もしドラ』ほど物語が中心にはなっていないが、学校i教育という身近かつ慢性的な問題を取り上げる事により、イノベーションの考え方がより理解しやすくなっている。

    また、本書の内容は学校教育に留まらず、個の能力を如何に伸ばしていくかという企業内における人材育成の方法にも応用ができると感じた。当然ながら、学校教育変革に付随する組織構造の変革と同様な変革も企業に求められるのであろう。

    本書はイノベーションシリーズの中では取り上げられる機会が少ない本であるが、理解を深める副読本としては良書の範疇に入ると思う。

  • 二才半までの「語りかけ」がいかに大切かを検証した本です。一読の価値有りです。

  • 本文が231ページまでと短いこともあってクリステンセンにしてはやや物足りないが,教育に破壊的イノベーションを高度に応用しているのはさすが.教育論というのは政治と同じくおよそ知識の足りない者や現実感覚の薄い者が未熟な論を振りかざすことが多々あるが,この本にはその種のウンザリ感はない.教育について興味・関心のある方には一読の価値があるだろう.☆3.5くらいの評価.

  • えっと、どう言ったらいいんだろう。頭が混乱。やっぱりクリステンセンは産業論なんだよね。「そうね」と納得できる分が半分くらい。

    何がしっくりこないか考えてみる。
    この本はアメリカの学校教育を研究の対象として書かれている。教育の中身の話がしたいのか、新たなビジネスの話がしたいのかがよく分からなくなっていくところである。

    ただ、学習コンテンツをモジュール化していく考え方は決しておかしくはない。しかし破壊的イノベーションを当てはめるときには、もう少し熟考が必要である。

    全く異なる視点と言う意味では読んでみる価値はある。

  • 良書。起業アイディア思いついた。

  • 和図書 372.53/C58
    資料ID 2010105607

  • 破壊的イノベーションの議論を教育に当てはめたらどうなるかの議論。TEDの↓を思い出した
    http://www.ted.com/talks/lang/jpn/sugata_mitra_the_child_driven_education.html

  • イノベーションのジレンマの作者が教育業界をイノベーションのジレンマの視点で捉えた本です。

    そもそもの問題意識としては、個人によって学び方は異なっていて、
    画一的な教育の仕方には問題があり、それを変えていくためにもパソコンを用いた、
    生徒中心の学習ができるようにする必要があるというところにあります。

    でも、今の教育の業界でのコンピュータの利用の仕方は既存の指導の仕方の延長でしかなく、
    まったく違う方法で利用すべきと。

    具体的にはオンラインでのユーザーネットワークとか。
    たとえば、ある生徒が他の生徒の先生になれたりとかっていうのが現実になれるような世界がくるべきであると言っています。

    そのためには破壊的イノベーションを起こす必要があり

    まずは既得権益を奪わないような、無消費の領域
    (コンピューターが中心になっても既存の先生とかがいやがらないような領域)
    でまずはコンピューターの活用をしていき、

    それを広めていくことで、既存の教育のモデルの価値を小さくしてしまい、

    新しい方向にシフトしていくようにしていけばいいし、

    そのためにはどのような体制を組んでいく必要があるのかというところまで述べています。


    個人的にはユーザー間のネットワークで教育ができるような仕組みというのが面白いなと思います。
    この本の例に出てきた、

    「こっちが英語を話すだけで、ただで化学を教えてくれる人を見つけちゃったよ。日本人だってさ。」

    みたいな感じでユーザー間でお互いに補完し合っていけるようなネットワークがあったらいいなと。
    ちょっと調べた感じではeduFireというのがそれに近いのかも。

    どんな仕組みがあるのか少し調べてみようと思いました。

    【引用】

    ・破壊的イノベーションは、他の選択肢が何もないような用途、つまりは「無消費」にぶつけなければ成功させることはできないのだ。

    ・革新的なアイデアは、開発資金を得るために必要な支持を得ようとして有力な集団に働きかけるうちに、集団の関心にあわせて変形される。

    ・むしろ教師は、既存の指導モデルを捕捉し、強化するために、コンピュータを利用しているのだ。そのようなものとして、コンピュータはコストを増大させる一方で、教室での学習体験を大きく変えることができずにいる。

    ・どの製品が正しく製造されたかを知ることができないメーカーが製造ラインの末端から出てきたすべての製品を検査しなくてはならなかったのと同じように、教育関係者もそれぞれのバッチの中の誰が学んだかを知ることができないために、生徒をテストする必要があった。

  • 破壊的イノベーション理論の、教育現場への適用ということで興味深く読んだ。イノベーション=ICT導入というところは短絡に思えた。

    ICT導入が子供にとって良いことなのかどうか検証するという視点で、
    『コンピュータが子どもの心を変える』(ジェーン・M. ハーリー)をお勧めします。

  • 8章までは良かったが、9章がちょっといただけなかった。

    破壊的イノベーションを説明している図はわかりやすかった。

    平行する面で表現しているのが非常にわかりやすかった。
    1つの面の中でいる限りでは考えられないが、より上位から俯瞰するようになるといい!

    どうやら、ブクログでは最初のレビューのようだ!

    2009.3.6

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