- 本 ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798122977
作品紹介・あらすじ
45カ国のイノベーターによるビジネスモデルのイノベーション実践ガイド
現在世界中で主なコンサルタントと会社によって使用されている実用的な革新のテクニックを披露。3M、エリクソン、デロイトなどの一流企業で利用されています。これまでの時代遅れな概念を捨て去り、価値創成の新しいモデルを掲げたこの本はすべての組織のマーケッターや開発社員、コンサルタント、企業家、およびリーダーにとって読み応えのある一冊です。
ビジネスモデルを9つの要素に分解することで、深いレベルで顧客、販売チャネル、パートナー、収入の流れ、原価構造などが理解できます。また、一般的なパターンを、豊富な事例を元に、すばらしいグラッフィクを用いて詳細に解説。ビジネスモデルの理解、設計、実行を系統的に学ぶことができます。本書はいわば、イノベーションを起すための、革新的かつ斬新な「ビジネスモデル発生装置」です。
感想・レビュー・書評
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買ってから2年ほど放置してたのをようやく読む。横長の版型は持ちにくいのよ。
書名のとおりビジネスモデルを作り出すための方法論がきちっとしたフレームワークのもと展開されている。ビジネスモデルキャンバスを中心的ツールとして、ぼんやりとしたアイデアをいかに形にしていくかとてもわかりやすい。もちろん既存のビジネスモデルの分析にも使える。当時評判が良かったのも頷ける。
そうした評価はこれまでさんざんされてきたと思うので、気になった点を2つほど。
ひとつは、中心的ツールであるビジネスモデルキャンバスの扱う領域がかなり狭いこと。環境要因(マクロ経済や周辺産業)はビジネスモデルの設計で当然に考慮すべきだろうが、それらはビジネスモデルキャンバスの埒外に置かれる。ビジネスモデルキャンバスは、あくまで社内の事象しか考慮しない。もちろん、環境要因などを考慮するべきことには文中で言及されているものの、かっちりとしたビジネスモデルキャンバスに比べるとかなりぼんやりしている。考慮すべき事項が明示されず、またビジネスモデルキャンバス内の各要素とどう関連するかはっきりしない。つまり、ビジネスモデルキャンバスが明示的に取り扱うことができるのは極めて狭義のビジネスモデルに過ぎず、その外側は相当程度の補完が必要となる。
このことは、時間的なビジネスモデルの変化・変革を適切に取り扱うことができないということでもあると思う。環境要因と同様に言及されていることはされているが、環境要因以上に曖昧にしか描かれていない。環境要因が明示的に考慮されないのだから、それに応じたビジネスモデルの変化・変革を扱えないのは当然といえば当然の話。ビジネスモデルの動的な側面を描出することはできず、かなり静的な描写にとどまっている。
全体的に見て、外部とのインタラクションがフレームワーク内に取り込まれておらず、そのためにビジネスモデル構築の包括的なフレームワークに至っていないように思う。
もうひとつは、事業活動の過程における創発性や漸進性がほとんど考慮されていないこと。ビジネスモデルキャンバスは、その内部における要素の多くがコントロール可能であることを暗黙の前提にしているように見える。そこには、創発的な戦略の形成や漸進的な変化といったものは存在せず、ひとたびビジネスモデルを設計されればそれは自動的に実行される。こういう視点は、ミンツバーグが言うところの、デザイン・スクールやプランニング・スクール、つまりは20世紀中盤のオールド・スクールにかなり近い。買ってすぐパラパラ眺めたときにそう感じたのだが、今回改めて読んでみてもその印象は変わらない。新しい本ではあるものの、あんがい古臭いパースペクティブに立脚したフレームワークなのだと思う。
多くの要素を盛り込み過ぎて現実的に利用可能な水準を超過して複雑化してしまえば、それはフレームワークとして役に立たない。それでは本末転倒なのだからある程度刈り込むことは確かに必要だとは思う。しかし、特にひとつめに指摘した点は、ビジネスモデルを構築するうえでは不可避の領域であって、それが取り込まれていないのは問題があると思う。そこのところをしっかり認識したうえで利用しないと、ビジネスモデルを構築するにも分析するにも大きな誤りを犯しかねない。見た目のシンプルさとは裏腹に、実はかなり扱いの難しいフレームワークなんだと思う。 -
内容は優れているが、デザインやイラストレーションにこだわったが故に、逆に読みづらい。読書に慣れている人にとっては、あちこちに目を移さないと読み進められないのはストレスでしかないし、かえって頭に入らないのではないでしょうか? この点が大きく減点対象だと思います。
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ビジネス・イノベーションを起こしたい、ビジネスの生産性をあげたいと考えている人の最良の書です。
本書は、以下のような構成になっている。
1. ビジネスモデルを定義し、ビジネスを俯瞰する9つの構築ブロックを俯瞰し議論できるビジネスモデルキャンバスを説明する
2. ビジネスモデルの基本的な5つのパターンを実例を踏まえ理解する
3. Jobsのような特別なメンバーではないチームでどうやってビジネスアイデアを孵化させ、ビジネスモデルをデザインするか
4. ビジネスモデルキャンバスに描いたビジネスモデルデザインの戦略をどう磨き上げるか、古き定番SWOT、ブルーオーション戦略との融合も踏まえ示す
5. ビジネスモデルのデザインプロセスを示す
ビジネスプランをどうやって考え、作るのかを記すビジネス本はたーくさんある。吐き気がするぐらいある。全部読んだら吐くか脳みそからミソが溢れるだろう。
そのほとんどは、ビジネスプランで抑えるべき要点、その要点を考えるマーケティングツールの紹介、ロジカルシンキング・ライティングの説明が多い。
確かに勉強になる。
しかし、つまらない、楽しくない。
イノベーション的なアイデアが起きる気がしない。
本書は、ビジネスモデルを俯瞰できるフレームワーク「ビジネスモデルキャンバス」を用い、成功してきたビジネスモデルをシンプルに示す。
とても わかりやすい。ビジネスモデルを考えるモチベーションを上げてくれる。
ビジネスモデル事例を提示するだけの本を読むと、応用するイメージが難しく、考えるモチベーションがあがりにくい。
本書におけるビジネスモデル事例はイメージを共有し、理解を促す位置付けであり、ビジネスモデルを考えだすデザイン思考を示すことで、自らのビジネスモデルデザインへの応用がしやすい。考えてみようとするモチベーションを上げてくれる。
既存ビジネスがうまくいっていない、何が足りないのか、どうすれば生産性があがるのか...。どこから手を付ければ良いのかわからない。
新しいビジネスを考えたい、イノベーションを起こしたい、しかし私たちはjobsじゃない、Appleみたいな選ばれたチームじゃないから無理だろう...。
そのようなことを考えている人たちは本書を読んでみる価値がある。 -
ビジネスモデルの図解。
良書。
今やっているビジネスをキャンバスにあてはめて
思考するだけで得るものがとても大きいと思う。
ビジネスモデルというくくりで手にしたい一冊。 -
「ビジネスモデルキャンパス」を用いて、新たなビジネスモデルを想像するための本。
とはいっても、この本はノウハウ集ではなく、ガイドブックや参考書といったもの。なので、まずはこの本のフレームワークを実践するのが重要。そのときのガイドブックとして活用するべき本。
ただ、本書では、すでにあるビジネスモデルの分析についても記載されています。GoogleやApple、WiiやPSPの違いなど
本書ではそれらをビジネスモデルキャンバスで視覚化して、わかり易く伝えています。こうして、今あるビジネスモデルをキャンバスで分析することで、まずはキャンバスを使える(理解する)ようにしていくのが第一歩かと思います。
そして、このキャンバスを使って、いろんなテクニックを使って戦略を練って新たなビジネスモデルを創造していこうという話になります。
本書では大きく5つの構成となっており
「Canvas」-ビジネスモデルを記述、分析、デザインするツール
「Pattern」-ビジネスモデルのパターン
「Design」-ビジネスモデルをデザインするためのテクニック
「Strategy」-戦略の再解釈
「Process」-それらを統合する包括的なプロセス
といった内容で記載されています。
また「ビジネスモデルキャンパス」には9つの構築ブロックが記載されています。
CS:Customer Segment
VP:Value Propositions
CH:Channels
CR:Customer Relationships
RS:Revenue Streams
KR:Key Resources
KA:Key Activities
KP:Key Partners
CS:Cost Structure
このキャンバスがとても重要。
ぶっちゃけ、本書を1回読んだだけで、使いこなせるとは思いません。やはり実践という意味で、やってみて、議論して、何度も繰り返していくのがいいのではと思います。
本書の一番の問題点は持ち運び出来ないこと!
とはいっても、本書自身のビジネスモデルキャンバスのVPが「ビジネスモデルイノベーションに関する、ビジュアル化された実践的で美しい本」ということなので、差別化ポイントなのですね。確かに目立つけど、本が大きくて通勤途中で読むことは出来ない(笑)
おまけに家の本棚にも入らない(涙)
この半分の大きさだったらVPは成り立たなかったのだろうか.... -
人から紹介されて読みました。
最近ヒットした商品がどのようにビジネスモデルを作っていたのかが、図解されていて、分かりやすかった。
一度、自分の会社のビジネスモデルを見直して、新たなものを創出してみたいと思った。 -
最近読んだビジネス書で一番よかった、かつ周囲の人に共有したい本。ビジネスモデルをどう記述するか、それをベースにどうビジネスモデルを構築するか、整理・統合・廃棄していくかという点を書いている本。ソフトだけでも製品(プロダクト)だけでもない時代。ますますビジネスモデルという単位で考える必要がある時代の中で必読の一冊。
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これから読みます。この手の本はかなりの数読みましたが、ぱっとみ読みやすそうです。
著者プロフィール
アレックス・オスターワルダーの作品





