ビジネスモデル・ジェネレーション: ビジネスモデル設計書 ビジョナリー、イノベーターと挑戦者のためのハンドブック

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  • / ISBN・EAN: 9784798122977

作品紹介・あらすじ

戦略的思考を視覚化した画期的なフレームワーク「ビジネスモデルキャンバス」を使った斬新な発想法。9年の歳月をかけて製作、45カ国、470人による実例を掲載。新しいビジネスモデルを創造するための実践ガイド。

感想・レビュー・書評

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    1.本を読む理由
     →最近の社内講義でビジネスの作り方をやっていてこの本が紹介された。前はビジネスモデル図鑑とか読んでいて、事業開発を志していたのに、、、ってなった。初心に戻ってもう一度読んでみる。
    2.読むことでもたらされるメリット
     →ビジネスモデル図鑑は「出来上がっているビジネスの仕組みを整理する」ツールだったけど、こちらは「これからビジネスを作る際の検討」にも使えそう。シンプルで重厚な分、応用は聞きそう。チェックリスト的な使い方ができそう。
    3.読んだ後、どんな姿になっていたいか
     →ビジネスを検討する際に、このフレームワークを活かして具体的にビジネスをイメージできるようになりたい。

    〇Canvas

    ・ビジネスモデル構築の9ブロックn23
    ①顧客セグメントn27
     ニーズ、チャネル、関係性、収益性によってセグメントを分ける。
    ・マス市場
     例:家電業界
    ・ニッチ市場
     例:車部品メーカーと自動車メーカーの関係
    ・細分化
     顧客のニーズや課題によって、セグメントを分ける
    ・多角化
     ニーズの大きく異なる顧客セグメントに展開する
    ・マルチサイドプラットフォーム
     複数の独立したセグメントを持つ。
     例:フリーペーパー業界は、広告主と読み手の2種類の顧客がいる

    ②価値提案n29
    ・新奇性
    ・パフォーマンス
     ただ、技術成長は止まりつつあるか
    ・カスタマイゼーション
    ・「仕事を終わらせる」
     ロールスロイスは、ジェットエンジンの販売だけではなくメンテナンスも請け負うことでシェアを席巻。航空会社は飛ばすことに集中できた。
    ・デザイン
    ・ブランド
    ・価格
    ・コスト削減
     ASPなど
    ・リスクの軽減
     保険など
    ・アクセスしやすさ
     投資信託やカーシェアとか
    ・快適さ/使いやすさ

    ③チャネル(コミュニケーション、流通、販売)n33
     認知度、企業の価値評価、顧客への価値提供機会、購入後のカスタマーサービスの機会につながる
    ・チャネルタイプ
     自社orパートナー、直接(営業、ウェブ販売)or間接(自社ショップ、パートナーショップ、卸売業者)
    ・チャネルフェーズ
     認知→評価→購入→提供→アフターサービス

    ④顧客との関係n35
    ・パーソナルアシスタンス
     人のやり取りがベース。直接販売やコールセンターなど。
    ・専任のパーソナルアシスタンス
     最も深く親密な関係。プライベートバンキングや、プライベートジム
    ・セルフサービス
    ・自動サービス
     セルフサービス+IoT。自分のプロフィールを入れると、自分に合ったサービスが提供されたり、Amazonのレコメンド機能など。
    ・コミュニティ
     商品やサービスを通じて、ユーザーコミュニティに入れる。ユーザー同士で問題解決や、企業との相互理解が進む。
    ・共創
     食べログはユーザーにレビューの作成をお願いし、YouTubeはユーザーにコンテンツ制作を依頼する。ユーザーと共創することによってサービスを豊かなものにしている。
    ⑤収益の流れn37
     顧客はどんな価値にお金を払うのか?
     収益の流れには、Ⅰ一見客による取引収益、Ⅱ既存の客への価値提案・カスタマーサポートによる継続支払いからなる2次収益、の二つがある。
    ・資産の販売
     家電や本など
    ・使用料
     ホテルや運輸など
    ・購読料
     継続的なサービスへの支払い
     ジムの月額費用や、Spotifyなど
    ・レンタル/リース
     貸し手は同じ試算で何度も収益を上げられ、借り手は期間を区切って安く利用できる
    ・ライセンス
     システムや特許技術などの知的財産を利用することへの払い
    ・仲介手数料
     クレカの収益構造もこれ
    ・広告
    ⑥リソースn41
    ・物理的リソース
    ・知的財産
     ブランドや知的所有権、特許や著作権、パートナーシップ、顧客データベースなど
    ・人的リソース
     知的集約的でクリエイティブな産業で特に重要。また製薬会社などのビジネスモデルでは、経験を積んだ科学者とスキル豊かな営業部隊といった人的リソースによって成り立っている。
    ・ファイナンスリソース
     現金や融資限度額、優秀な社員を雇うためのストックオプション等。

    ⑦主要活動n43
    ・製造
    ・問題解決
     コンサルや病院などのサービス業。ナレッジマネジメントや継続的なトレーニングのような活動を必要とする。
    ・プラットフォーム/ネットワーク
     GoogleのWEBサイト運用、Visaのクレジットカード決済における小売店・顧客・銀行に対する活動、マイクロソフトの他社ベンダーとウインドウズOS間のインターフェイス管理など。プラットフォーム管理、サービス供給、プラットフォームプロモーション。

    ⑧パートナーn45
    Ⅰ.非競合企業との戦略的アライアンス
    Ⅱ.競合企業との戦略的パートナーシップ
    Ⅲ.新規事業立ち上げのためのジョイントベンチャー
    Ⅳ.確実な供給を実現するためのバイヤー・サプライヤーの関係
    ・パートナーシップ3つの動機
     1.最適化と規模の経済
     ←通常、コストを下げるために行われ、アウトソーシングやインフラの提供が含まれる。
     2.リスクと不確実性の低減
     ←ブルーレイは、世界的な家電メーカー・PCメーカー・記憶媒体メーカーによって共同開発され市場化したが、ブルーレイ製品の販売についてはメンバー間で競合している。他の分野で競合しながら、ある分野で競合相手と戦略的アライアンスを組むことは珍しくない。
     →旅行会社が共同でハワイ市場を盛り上げながら競合しているようなもんか。
     3.リソースと活動の獲得
     ←特定のリソースや活動を他の企業に頼る。形態のメーカーは他社の開発したOSのライセンス料を支払い、保険会社は代理店に販売を委託している。

    ⑨コスト構造n47
    ・コスト主導
     コストの最小化に集中する。格安航空会社が典型例。
    ・価格主導
     価値を生み出すことに集中。プレミアムな価値提案や高度なパーソナルサービスを提供する高級ホテルなど。
    ・コスト構造の4分類
     1.固定コスト
     ←人件費や地代、設備投資。
     2.変動費
     ←製品やサービスの生産量に比例して変動するコスト。
     3.規模の経済
     ←生産量を拡大するにつれて得られるコスト上のアドバンテージ。
     4.多角化の経済性
     ←同じマーケティング活動や龍柱チャネルを複数の製品で活用できることによるコスト上のアドバンテージ。


    〇Patterns

    ①Un-Bundling Business Models n64
     「顧客ビジネス」「製品ビジネス」「インフラビジネス」は経済、競争、文化という面で根本的に異なっているため、トレードオフを避けるためにも、異なる法人へ分社化するのが理想n66

    ・プライベートバンクの例n67
     上記3つのビジネスがトレードオフになる可能性n68

    ・通信会社の例n69
     インフラと、製品開発と、顧客接点に分ける。今の電力会社の組織改革をさらに進めたもの。EPを割るイメージ?
     インフラ保持はアウトソースする
     →システム保守とかはそうかも
     そして、製品開発(コンテンツプロバイダー)がイノベーションを起こすためには、クリエイティブな才能が必要で、人を引き付ける優れた仕事をするのは一般的に、より小さくダイナミックな組織。n70

    ②The Long Tail n73
     少ししか売れない製品を多様に販売するモデル。
     ヒット商品を大切に育てるモデルと反対のもの。
     ニッチ商品を数多く提供する。低い在庫コストに加え、ニッチコンテンツに興味のある購入者が手に入れられるようにするしっかりとしたプラットフォームが必要。

    ・メディア産業から始まったロングテール(NETFLIX)n75
     1.制作ツールの大衆化(誰でも作れる)
     2.流通の大衆化(ネットを通じて)
     3.検索コストの低下(検索とリコメンデーション、ユーザーの口コミ、同行のコミュニティなどの利用)
     によって、ロングテールへのシフトが起こった。
     NETFLIXは、多くのニッチ映画を多数取り揃えた。

    ・万人を作家にしたLulu.com n78
     →動画界にとってはyoutubeのように、アマチュアが政策を発表する場を提供できるプラットフォームを作り儲けるということか。

    ・受身のユーザーを能動的な参加者に変えたレゴn79
     ユーザーがオリジナルのレゴセットをデザインできるようにした。
     既存のリソースのマイナーチェンジを繰り返し、小ロット生産というレゴファクトリーのモデルに順応し用としている。伝統的なマス市場モデルを補完したり代替するものとして、ロングテールモデルを実施する第一歩を踏み出した。

    ③Multi-Sided Platforms n83
     複数の顧客グループを繋ぎ合わせるもの。プラットフォーム上に他の顧客グループが存在する場合のみ価値を持つ。
     例)visa、マイクロソフトのWindowsOS、フィナンシャルタイムズ、Google、プレイステーション、Facebook。
     例えば、ゲームでは十分なユーザーがそのハードを持っている場合のみ、ソフト会社はソフトを開発しようと思う。そのため、卵が先か鶏が先かの議論になりがち。
     この問題を解決するためには、ひとつの顧客セグメントを支援する。先ず一方の顧客セグメントへ低価格ないしは無料のオファーをしてユーザーを引き付け、そのあとにもう一方の再度のユーザーを引き付ける(無料のアプリを提供し、広告で稼ぐみたいな?)。しかし、その塩梅が難しい。SONYのPS3が悪い例。

    ・Wii vs PS,Xbox N89
     PSとXboxは熱心なゲームファンをターゲットに質の高いゲーム機を開発。それを赤字覚悟で消費者に販売し、ソフトを集め、ロイヤリティ収入を得る。消費者を支援し、もう一方の再度であるゲーム開発会社から収益を上げるモデル。
     Wiiは多くのカジュアルなゲームプレイヤーをターゲットに、モーションコントローラーでの「楽しさ」を訴求した。これは新しく強力なチップセットに比べ、ずっと安上がりな技術イノベーションで、ゲーム機販売による補助金はいらなくなった。
     ⅰ低価格の差別化された商品
     ⅱテクノロジーを気にしない新しい未開拓市場に焦点
     ⅲ顧客、ゲーム開発会社両方から収益を得るマルチサイドプラットフォーム
     というゲーム業界の伝統を打ち破るモデルを確立した。

    ・プラットフォーム運営者に進化したApple N91
     単体のデバイスに過ぎなかったiPodがiPhoneに進化したことにより、App Storeを通じてサードパーティのアプリケーションを管理するマルチサイドプラットフォームのビジネスモデルに進化した。

    ④FREE as a Business Model
     フリー戦略。少なくとも一つの顧客セグメントは、無料オファーの恩恵を受けられ、その分の費用は、ビジネスモデルのほかの部分か、他の顧客セグメントによって支払われる。

    ⅰ)マルチサイドプラットフォームモデル(例:広告)N99
     ③で上述したビジネスモデル。
     フリーペーパーのMetroは新聞を無料で提供し、次に交通量の多いエリアや公共交通網において、手配りやセルフサービスのニュースラックで配布。独自の流通ネットワークの構築が必要だったものの、短期間のうちに大量部数を獲得。
     「普段ニュースを見ない若者」が「短い移動時間に楽しめる」ようにと、ターゲットとコンセプトを絞ることで、編集コストも削減した。
    →無料にしたからといって、どうやって広めていくのかはまた別の課題。販売網の確保やターゲット、コンセプトの設定もまた大事。今回は、それがコスト削減にもつながっている。

    ⅱ)フリーミアムN103
     多くのウェブビジネスで採用。
     基本の無料サービスと有料のプレミアムサービスの組み合わせ。多くの場合、有料のプレミアムサービスへの移行は10%以下。少数の有料ユーザーが無料ユーザーを支える形になるので、無料ユーザーの追加費用が低いからこそ可能。
     注目すべきは「無料ユーザーにかかる平均コスト」と「有料ユーザーへの移行率」。

    ・オープンソースN104
     アメリカのソフトウェア会社レッドハットはソフトウェアをゼロから作るのではなく、オープンソースのソフトウェアを基盤にして製品を作り、そのサポートをすることで低コスト生産と安全性を両立させた。
     収益は会員費から取っている。
     企業が頑丈でライセンスフィーのいらないオープンソースに興味がある一方で、それを提供、メンテナンスするための法的な責任を持つ企業がいないことに、気後れしていたことに、レッドハットは気づき、入り込んだ。

    ・SkypeってP2PなのかN105
     無料通話は、ユーザーのハードウェアとインターネット通信インフラを活用することによるP2Pという技術を用いている。
     電話会社のように、自分でネットワークを管理する必要がなく、バックエンドのソフトウェアとユーザーアカウントをホストするサーバーを除き、ほとんど管理を要するインフラを持たない。
     Skypeはプレミアムサービスを通じて、固定電話や携帯電話に電話をかける時にだけ彫金が発生するが、それも安い。

    ・保険は逆フリーミアムN107
     保険は、万が一の大損害に備えて、多くの顧客が少額の定期的な費用を支払っているもの。
     つまり、保険料を支払っている多くの顧客が、実際の支払いを受ける少数の人々を支える構造になっている。

    ⅲ)エサと釣り針モデルN111
     いわゆるジレットモデル。最初は損失覚悟の提案をしても、引き続き行われる購入によって利益を生み出そうとする。携帯電話も代表的な例。機種代を実質無料にして、サービス契約をするやり方はもはや一般的。
     その名にもなっているジレットのカミソリにおいてポイントとなるのは、替え刃との深い関係。ジレットは特許によって、競合がジレットのカミソリ本堤への安い替え刃の提供ができないようにした。今日でも、カミソリ本体から潤滑油となるストライプ上のスムーサー、カートリッジ入れ替えシステムまで、1000以上の特許で守られている。プリンターでもよく見られる。
    →たしかに、ハードに載せられるものを横取りされないような防御って必須だよね。

    ⑤Open Business Models
     ほかのパートナーと組織的にコラボレーションして価値を作り出すために使うモデル。
     オープンイノベーションとオープンビジネスモデル。外部の知識、知的財産、製品をイノベーションプロセスに統合することによって、多くの価値を生み出し、優れた研究開発を可能にする。

    ・P&G「アウトサイド・イン」N119
     外部パートナーとの開発割合を15%→50%に引き上げることで、生産性を85%も向上させた。
     内部と外部の研究開発活動を結びつけるために、以下3つの橋を設けた。
     ⅰ技術系の起業家
      P&G内部で抱える問題の解決を外部から探し出すハンターとして活動。
     ⅱインターネットプラットフォーム
      社外の研究者に研究上の問題を開示、解決した人には賞金を与える。
     ⅲP&Gの退職者たち
      退職者からも知識を集める。

    ・オープンイノベーションで社会的価値を創出するグラソスミスクラインのパテントプール「インサイド・アウト」N120
     インサイドアウトのアプローチは通常、利用していない特許や技術などの内部資産のマネタイズが中心だが…。
     薬の開発に必要な知的財産権をパテントプールにおいてほかの研究者が利用できるようにする。これにより、一人の権利保有者によって研究開発がブロックされてしまうのを避けている。
     通常、製薬会社はヒット商品の開発に心血を注いでいて、研究査定ていない病気に関連する知的財産はほこりをかぶっていることが多いが、製薬会社の重要なミッションである、解明されていない病気についての調査にオープンイノベーションを活用している。

    ・課題と解決者を繋げるInnoCentive
     解決すべき研究課題を持つ組織(SEEKER)と問題を解決しようとする研究者(SOLVER)をウェブ上でつなぎ、解決者には賞金を与える。マルチサイドプラットフォームを彷彿とさせるモデル。
     NPO、行政組織、P&Gなどの企業、ロックフェラー財団と取引をしている。


    〇Design

    6つのテクニック
    ①顧客インサイトN133
     顧客視点を持ち、顧客を深く理解することが大切。
     インテルやノキア、Telenorでは、より良い製品、サービスを開発するために、人類学者や社会学者のチームが働いている。消費者市場に係る戦線的な企業の奥で、上級マネジメントが顧客に合い、営業チームと話をし、アウトレットモールに訪問するフィールドツアーを実施ている。特に多額の投資が必要な業種では、顧客との対話が日常のルーチンとなっている。
     しかし、顧客の真のニーズを理解するのは難しい。自動車製造のパイオニアであるヘンリーフォードも、かつて「もし顧客に何が欲しいかと聞けば、より速い馬が欲しいと言われてしまうだろう」と言った。

    ・違法ダウンロードに立ち向かったApple N135
     違法ダウンロードが蔓延し、誰もオンライン上の音楽にお金を払わないだろうと考えられていた当時、Appleは音楽を含むデジタルコンテンツの検索、ダウンロード、視聴のシームレスな方法にお金を払うと見向いており、iTunesとiPodを結合することによってシームレスな音楽体験を作り上げ、市場を席巻した。

    ・「顧客は何が欲しいか?」だけでなく、「顧客は何を無視しているのか?」N136
     将来の成長分野は、既存ビジネスの外側にある。
     easyJetは低所得者にも飛行機での旅行を可能にさせ、Zipcarはシェアカーによって都内で車を持つ人たちの不便を解消した。どちらも航空旅行やカーレンタルといった、伝統的なビジネスから疎外されていた顧客セグメントの上に、新しいビジネスモデルを構築している。

    ・共感マップN138
     ブレストしてビジネスモデルに関係しうるすべての顧客セグメントを書き出す。その中から3つの候補を選び、それぞれの名前を付け、収入・既婚かどうかなどといったでもグラフィックな特徴を与える。そして、下記の質問に答えながら新たな顧客のプロフィールを作る。
    ⅰ何を見ているのか
     生活環境の中で見ているもの(友人やサービス、問題)
    ⅱ何を聞いているのか
     何から影響を受けているのか(友人やメディア)
    ⅲ何を感じ、考えているか
     心の中で起こっていること(本音や感情、熱中すること、夢)
    ⅳどんなことを言い、どんな行動をしているか
     言いそうなこと、公共の場での振る舞い(態度、他人に言うこと、本音と建前のギャップ)
    ⅴ顧客の痛みとは何か
     フラストレーションやニーズを満たすのに障害となっているもの、取りたくないリスク
    ⅵ顧客の得られるものは何か
     本当に必要なもの、成功の基準、目標達成のために取りうる戦略

    ②アイデア創造
     
     

  • 内容は優れているが、デザインやイラストレーションにこだわったが故に、逆に読みづらい。読書に慣れている人にとっては、あちこちに目を移さないと読み進められないのはストレスでしかないし、かえって頭に入らないのではないでしょうか? この点が大きく減点対象だと思います。

  • 買ってから2年ほど放置してたのをようやく読む。横長の版型は持ちにくいのよ。
    書名のとおりビジネスモデルを作り出すための方法論がきちっとしたフレームワークのもと展開されている。ビジネスモデルキャンバスを中心的ツールとして、ぼんやりとしたアイデアをいかに形にしていくかとてもわかりやすい。もちろん既存のビジネスモデルの分析にも使える。当時評判が良かったのも頷ける。
    そうした評価はこれまでさんざんされてきたと思うので、気になった点を2つほど。
    ひとつは、中心的ツールであるビジネスモデルキャンバスの扱う領域がかなり狭いこと。環境要因(マクロ経済や周辺産業)はビジネスモデルの設計で当然に考慮すべきだろうが、それらはビジネスモデルキャンバスの埒外に置かれる。ビジネスモデルキャンバスは、あくまで社内の事象しか考慮しない。もちろん、環境要因などを考慮するべきことには文中で言及されているものの、かっちりとしたビジネスモデルキャンバスに比べるとかなりぼんやりしている。考慮すべき事項が明示されず、またビジネスモデルキャンバス内の各要素とどう関連するかはっきりしない。つまり、ビジネスモデルキャンバスが明示的に取り扱うことができるのは極めて狭義のビジネスモデルに過ぎず、その外側は相当程度の補完が必要となる。
    このことは、時間的なビジネスモデルの変化・変革を適切に取り扱うことができないということでもあると思う。環境要因と同様に言及されていることはされているが、環境要因以上に曖昧にしか描かれていない。環境要因が明示的に考慮されないのだから、それに応じたビジネスモデルの変化・変革を扱えないのは当然といえば当然の話。ビジネスモデルの動的な側面を描出することはできず、かなり静的な描写にとどまっている。
    全体的に見て、外部とのインタラクションがフレームワーク内に取り込まれておらず、そのためにビジネスモデル構築の包括的なフレームワークに至っていないように思う。
    もうひとつは、事業活動の過程における創発性や漸進性がほとんど考慮されていないこと。ビジネスモデルキャンバスは、その内部における要素の多くがコントロール可能であることを暗黙の前提にしているように見える。そこには、創発的な戦略の形成や漸進的な変化といったものは存在せず、ひとたびビジネスモデルを設計されればそれは自動的に実行される。こういう視点は、ミンツバーグが言うところの、デザイン・スクールやプランニング・スクール、つまりは20世紀中盤のオールド・スクールにかなり近い。買ってすぐパラパラ眺めたときにそう感じたのだが、今回改めて読んでみてもその印象は変わらない。新しい本ではあるものの、あんがい古臭いパースペクティブに立脚したフレームワークなのだと思う。
    多くの要素を盛り込み過ぎて現実的に利用可能な水準を超過して複雑化してしまえば、それはフレームワークとして役に立たない。それでは本末転倒なのだからある程度刈り込むことは確かに必要だとは思う。しかし、特にひとつめに指摘した点は、ビジネスモデルを構築するうえでは不可避の領域であって、それが取り込まれていないのは問題があると思う。そこのところをしっかり認識したうえで利用しないと、ビジネスモデルを構築するにも分析するにも大きな誤りを犯しかねない。見た目のシンプルさとは裏腹に、実はかなり扱いの難しいフレームワークなんだと思う。

  • ビジネス・イノベーションを起こしたい、ビジネスの生産性をあげたいと考えている人の最良の書です。

    本書は、以下のような構成になっている。
    1. ビジネスモデルを定義し、ビジネスを俯瞰する9つの構築ブロックを俯瞰し議論できるビジネスモデルキャンバスを説明する
    2. ビジネスモデルの基本的な5つのパターンを実例を踏まえ理解する
    3. Jobsのような特別なメンバーではないチームでどうやってビジネスアイデアを孵化させ、ビジネスモデルをデザインするか
    4. ビジネスモデルキャンバスに描いたビジネスモデルデザインの戦略をどう磨き上げるか、古き定番SWOT、ブルーオーション戦略との融合も踏まえ示す
    5. ビジネスモデルのデザインプロセスを示す

    ビジネスプランをどうやって考え、作るのかを記すビジネス本はたーくさんある。吐き気がするぐらいある。全部読んだら吐くか脳みそからミソが溢れるだろう。
    そのほとんどは、ビジネスプランで抑えるべき要点、その要点を考えるマーケティングツールの紹介、ロジカルシンキング・ライティングの説明が多い。
    確かに勉強になる。
    しかし、つまらない、楽しくない。
    イノベーション的なアイデアが起きる気がしない。

    本書は、ビジネスモデルを俯瞰できるフレームワーク「ビジネスモデルキャンバス」を用い、成功してきたビジネスモデルをシンプルに示す。
    とても わかりやすい。ビジネスモデルを考えるモチベーションを上げてくれる。
    ビジネスモデル事例を提示するだけの本を読むと、応用するイメージが難しく、考えるモチベーションがあがりにくい。
    本書におけるビジネスモデル事例はイメージを共有し、理解を促す位置付けであり、ビジネスモデルを考えだすデザイン思考を示すことで、自らのビジネスモデルデザインへの応用がしやすい。考えてみようとするモチベーションを上げてくれる。

    既存ビジネスがうまくいっていない、何が足りないのか、どうすれば生産性があがるのか...。どこから手を付ければ良いのかわからない。
    新しいビジネスを考えたい、イノベーションを起こしたい、しかし私たちはjobsじゃない、Appleみたいな選ばれたチームじゃないから無理だろう...。

    そのようなことを考えている人たちは本書を読んでみる価値がある。

  • ビジネスモデルの図解。
    良書。
    今やっているビジネスをキャンバスにあてはめて
    思考するだけで得るものがとても大きいと思う。

    ビジネスモデルというくくりで手にしたい一冊。

  • 「ビジネスモデルキャンパス」を用いて、新たなビジネスモデルを想像するための本。

    とはいっても、この本はノウハウ集ではなく、ガイドブックや参考書といったもの。なので、まずはこの本のフレームワークを実践するのが重要。そのときのガイドブックとして活用するべき本。

    ただ、本書では、すでにあるビジネスモデルの分析についても記載されています。GoogleやApple、WiiやPSPの違いなど
    本書ではそれらをビジネスモデルキャンバスで視覚化して、わかり易く伝えています。こうして、今あるビジネスモデルをキャンバスで分析することで、まずはキャンバスを使える(理解する)ようにしていくのが第一歩かと思います。
    そして、このキャンバスを使って、いろんなテクニックを使って戦略を練って新たなビジネスモデルを創造していこうという話になります。

    本書では大きく5つの構成となっており
    「Canvas」-ビジネスモデルを記述、分析、デザインするツール
    「Pattern」-ビジネスモデルのパターン
    「Design」-ビジネスモデルをデザインするためのテクニック
    「Strategy」-戦略の再解釈
    「Process」-それらを統合する包括的なプロセス
    といった内容で記載されています。

    また「ビジネスモデルキャンパス」には9つの構築ブロックが記載されています。
    CS:Customer Segment
    VP:Value Propositions
    CH:Channels
    CR:Customer Relationships
    RS:Revenue Streams
    KR:Key Resources
    KA:Key Activities
    KP:Key Partners
    CS:Cost Structure
    このキャンバスがとても重要。

    ぶっちゃけ、本書を1回読んだだけで、使いこなせるとは思いません。やはり実践という意味で、やってみて、議論して、何度も繰り返していくのがいいのではと思います。

    本書の一番の問題点は持ち運び出来ないこと!
    とはいっても、本書自身のビジネスモデルキャンバスのVPが「ビジネスモデルイノベーションに関する、ビジュアル化された実践的で美しい本」ということなので、差別化ポイントなのですね。確かに目立つけど、本が大きくて通勤途中で読むことは出来ない(笑)
    おまけに家の本棚にも入らない(涙)

    この半分の大きさだったらVPは成り立たなかったのだろうか....

  • 人から紹介されて読みました。
    最近ヒットした商品がどのようにビジネスモデルを作っていたのかが、図解されていて、分かりやすかった。
    一度、自分の会社のビジネスモデルを見直して、新たなものを創出してみたいと思った。

  • 最近読んだビジネス書で一番よかった、かつ周囲の人に共有したい本。ビジネスモデルをどう記述するか、それをベースにどうビジネスモデルを構築するか、整理・統合・廃棄していくかという点を書いている本。ソフトだけでも製品(プロダクト)だけでもない時代。ますますビジネスモデルという単位で考える必要がある時代の中で必読の一冊。

  • これから読みます。この手の本はかなりの数読みましたが、ぱっとみ読みやすそうです。

  • ビジネスモデルをどの様に設計し、構築するかを記述したビジネス書

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著者プロフィール



「2015年 『バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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