イノベーションのDNA 破壊的イノベータの5つのスキル (Harvard Business School Press)

  • 翔泳社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798124711

感想・レビュー・書評

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  • イノベーションのDNA
    クリステンセンの最新作で、破壊的イノベータに関す長年の研究を元に敷いている著作である。

    前半はイノベーションを起こすために重要な要素となる力の解説。

    大企業が破壊的イノベーションを起こすことができないのは、発見力ではなく実行力に優れた人材を経営層に選び出すためだという。
    発見力を持つことこそ、イノベーションを起こすには重要な要素であるのだと。
    ではその発見力とは、どんな力なのか。
    豊富な事例と共に、イノベータ、経営者に対する質問でそれを裏付けようとしている。

    その一、関連付ける力
    ジョブスの有名なStanford大学卒業式におけるスピーチでも触れていたConnecting Dotについて、彼は結果としてそうなったという言い方をしていたと思う。
    この本で言っているのは、それを能動的に出来る力が重要だということ。
    本当に新しいものを産み出すのは、ごく限られた機会でしかなく、世の中のイノベーションの殆どは既にあるものを結びつけて産み出される。
    SFDCのベニオフが新しいサービスを生み出し続けている思考や、フィレンツェに君臨してルネサンスを起こしたメディチ家の統治、そして現代のメディチ効果の最たる場であるTEDなど、物事を関連付けるための場を設けることがイノベーションに繋がっている。
    Diversityの尊重がよく言われるが、まさに多様性を場として提供して、その中から物事を関連付けてイノベーションに繋げるということそのものなのだろう。

    その二、質問力
    クリティカル・シンキングやトヨタの五つの質問でも散々、言われていることである。
    Devil's Advocateという考え方もあるし、物事の本質は適切な質問によって突き詰めることが肝要である。
    そして破壊するための質問の仕方についても、ヒントを列挙している。

    その三、観察力
    片付けるべき用事に着目して、そこに有用なサービスや製品を考えることが重要である。
    だから用事を片付けるところをつぶさに観察せよと。
    タタのナノを生み出した経験やインテュイットのクイッケンに繋がる観察などなど。

    その四、ネットワーク力
    外部の専門家、TEDのようなアイデアネットワーク、企業の方向性に余計な影響を与えないように経営者個人の私的ネットワークを活用するなど、特に異なる社会的ネットワークの重要性を説く。
    これもまた多様性の重要さを表している。

    その五、実験力
    産み出したアイデアを実際に試して見ること。
    Amazon.comのベゾスが当初より続けてきたビジネスモデルの実験の数々、ともかく実証実験でアイデアや試作を検証すること、などなど。


    後半はイノベーションを起こすための破壊的組織、チームのDNAについて。
    人材(People)、プロセス、哲学(Philosophy)の3つの枠組みが重要。

    前半で述べた要素に溢れた人材を揃え、実験を進めるためのプロセスを整備して、哲学に沿った組織運営をする。
    哲学として重要なのは、
    1,イノベーションは全員の仕事である
    2,破壊的イノベーションにも果敢に取り組む
    3,適切な構造をもった少人数のイノベーション・プロジェクト・チームを数多く用いる
    4,イノベーションの追求においては「スマーつ」・リスクをとる
    だという。

    イノベータの性格をよく表している有名なAppleのCM「Think Different」は、こういう哲学に則った経営をするために他とは違うことをやなくてはならないと言っているのだが、単に市場に対してだけではなく、社員に向けて発したメッセージとして意識していたというのが大変興味深かった。

    よく言う20%ルールの用い方も、プロセスとして最後のところまで持っていけるような運用をしなければ役に立たないという話もあった。
    有名な3Mの例を上げて、イノベーションの適用範囲が技術、製品アイデアまでであり、業務改善にまで踏み込めていないから折角出てきたアイデアが死んでしまうケースがあるとしていた。
    3Mはこういった活動では古典的な成功例として上げられることが多かったので、これには驚いてしまった。


    こうやって読んでくると、これらは最近良く耳にするSmall Vector的な考え方そのものではないのだろうかと感じてしまう。
    つまり失敗を恐れず、少しづつでもイノベーションのアイデアを試して見ること、そして結果を観察してはFeedbackをかけること、こういうSilicon Valley型の開発スタイルこそ、本当のイノベーションを起こすための枠組みということだと納得する。

    またこの本で言われているイノベーションの起こし方、DNAの育成の仕方は共感できることも多く、自分としても実践に組み入れてきたつもりでいることが多く取り上げられている。
    しかしいまだ十分な結果を出せていないことを基に振り返れば、実際に実を結ばせるためには、もっと横断組織的な活動に昇華させること、明確なプロセスとして根付かせること、そして継続してしつこくやる続けることの重要性をしかと頭に叩きこんで進んでいかなくてはならないと改めて思い知った次第である。

  • イノベーターがイノベーション出来た理由について、各イノベーターを多角的な視点で分析した本。
    破壊的イノベーションは、
    関連付ける、質問力、観察力、ネットワーク力、実験力。
    読むのに時間が掛かるが、読み応えがあり自分のスイッチがオンになる本。

  • イノベーションのジレンマに比べて、非常に読みやすかった。
    イノベータDNAとは、
    関連づける力・質問力・観察力・ネットワーク力・実験力
    を指す。
    全ては行動から始まる。やってるうちに分かってくるとは誰しも経験があるだろう。
    私にとっての教科書代わりにもなりそうな本だ。

    この本の付録には、子供にイノベータのスキルを育むヒントが載っている。子育ての参考にもなるのではないだろうか。

  • レビューはブログにて
    http://ameblo.jp/w92-3/entry-11210443575.html

  • 人と違う行動をすることにより、人と違う思考になり、結果、世界を変える。そのために必要な5つの力。組織としての哲学の必要性。
    勉強になりました。

  • 創造性は生まれより育ち。部屋にこもるより、様々な人とアイデアを出し合い、新興企業を訪問して観察し、新製品を試して分解し、試作品を人に見せ、毎日10回は自問する方が独創力が高まる。

    過去ではなく、現役の現在の多数の人たちを調査した結果というのが説得力あります。

  • イノベーターに備わる素質を紹介。質問力、実験力、ネットワーク力、そして繋げる力。机にかじりついているだけではなく恒に何かを探究していることが問われる。HBRということで期待したけど、若干もの足りない気がした。

  • --
    イノベーションのジレンマを読んでいる際に友人から、
    「最新刊の"イノベーションのDNA"という本が出版されている」
    と言われ、その3分後にIPhoneからAmazonにアクセスし、購入した本。

    第一章:破壊的イノベータのDNA
    第ニ章:発見力その1 - 関連付ける力 -
    第三章:発見力その2 - 質問力 -
    第四章:発見力その3 - 観察力 -
    第五章:発見力その4 - ネットワーク力 -
    第六章:発見力その5 - 実験力 -
    第七章:世界で最もイノベーティブな企業のDNA
    第八章:イノベータDNAを実践する - 人材
    第九章:イノベータDNAを実践する - プロセス
    第十章:イノベータDNAを実践する - 哲学
    結論 - 行動を変え思考を変え世界を変えよ。

    イノベーティブなCEOに共通する要素は、
    「質問」「観察」「実験」「アイデア・ネットワーキング」の4つに関わる行動への
    頻度、積極性が高いことがあるようだ。
    現在、私が業務を行う上で直面している課題はどれも、これら4つの要素が
    低いから起こっているように思う。
    特に質問、実験力についてはまだまだ不十分だと思われるので、
    先輩の行動を観察しながら何が足りないのか具体的に観察しリストアップしていこうと思う。
    ここで基本となる思想は
    「常に先の先を見て行動する」「数値レベルで物事を理解する」「一度に覚えられるのは3つまで」
    という概念だと思う。
    今一度、これらを基にして自分が所属するプロジェクトの資源、プロセス、価値基準を見つめなおし仕事を行なっていきたい。

    読むのに1.5週間かかった。

  • 破壊的イノベーションを生み出す企業を統率するリーダーの行動習慣について解説されています。
    著者いわく、破壊的イノベーションを生み出す企業は必ず破壊的イノベータによって統率されているとのこと。その破壊的イノベータの行動習慣は、関連付ける力、質問力、観察力、ネットワーク力、実験力。
    これまで全く関係ないと思われた事項を関連付ける。ユーザの潜在的欲求を掘り起こす本質をついた質問を投げかける。試作品の利用をつぶさに観察する。専門性の異なる従業員をつなぎ合わせる。実験を通して新しいアイディアを生み出していく。
    このような習慣を取り入れているそう。リーダーが全ての能力を持ち合わせていることはまれだそうで、個別の能力を補ってくれる部下を見つけているそうです。
    これらの能力は私たちがイノベーションを起こす活動にも参考になるものばかりでした。

  • 長年の膨大なリサーチには関心するが、「イノベーションのジレンマ」で受けたような「目から鱗が落ちる」ようなサプライズはなかった。
    本書で書かれているイノベーターのDNA(特質)を伸ばすような教育をするようにしないと日本の未来は危うい。

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