キャズム Ver.2: 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論

  • 翔泳社
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798137797

感想・レビュー・書評

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  • 認定プロダクトオーナーコースで紹介されていた本

  • 新商品がどのように市場に浸透していくか、また浸透させていく上での障壁について解説した本

    ハイテクマーケットの話だったがそうでない商品にも応用できそう

  • 2002年キャズムの増補改訂版。

    ハイテクマーケティングの教科書で、事例が2014年のものに刷新されている。

    今や事例は古いが理論は変わらないので、こちらを読んでおくと良い。

    @BizHack1 #キャズムVer2
    https://amzn.to/45ZWbQQ

    2023/09/09

  • 感想
    ABMのターゲット戦略で使えそう
    また会社の成長によって戦略は違うから全マーケティングする人は一回目を通した方がいい。

    まとめ
    最初は攻略地点の決定。
    →ターゲットカスタマーを決定し、「購入の必然性」を導き出すこと。
    次にパートナーや提携先企業と協力してホールプロダクトを構築すること。
    次に競争相手を作り自社ポジションニングすること。
    最後は販売チャネルを選定し、その販売チャネルを動機づけるための価格設定すること。

     

  • いい本。
    バンドがLIVEハウスからメジャーになっていくようなイメージ。そこにある新旧ファンの葛藤や越えられるかがキャズム。
    客層や求められるものも変わっていく。

  • 10年ほど前に読んだのだが、取り上げている事例を最新の企業に入れ替えた改訂版が出たので再読した。
    ハイテク分野のマーケティングではもはや定番の理論だが、自身の理解のために以下にまとめてみる。

    プロダクト、特にハイテクの新規分野におけるライフサイクルは、次の5種類の顧客が主な購入層となる段階がある。

    1,Innovators テクノロジー・マニア
    2,Early Adopters ビジョナリー
    3,Early Majority 実利主義者
    4,Late Majority 保守派
    5,Laggards 懐疑派

    どの顧客間にも溝はあるのだが、特に2と3の間には大きな溝(キャズム)が存在し、ハイテク・プロダクトにとってはキャズムを乗り越えることが生き残れるかどうかの境目である。
    ビジョナリーが購入しようとするのは「変革のための手段」であり、実利主義者は現行オペレーションの「生産性を改善する手段」であり、その違いが必要とされるマーケティング手法が強く求められるのである。

    実利主義者は自身の業界内で行動することが多く、そこでの先行事例や相互の信頼関係を重視して購入を決めるのだが、ビジョナリーやテクノロジー・マニアは業界の垣根を越えて情報交換をすることが多く、業界内で確固たる知名度を得るのは難しい。

    また実利主義者はマーケットリーダーを選ぶ傾向がある。
    それは、その企業が確立したホール・プロダクトを利用できる効率の良さ、その企業周辺に確立されたエコシステムについてくるサードベンダーで形成されるアフターマーケットの利用価値などを選択基準の一つとすることが多いからである。

    これらがキャズム越えを難しくする大きな理由だという。

    ではどうすべきか。
    本書ではニッチマーケティングの重要さを強調する。
    売上を期待できないような小さい分野に手間ひまかけるつもりはない、という姿勢はキャズム越えに対しては致命的であり、この段階に来た時には販売重視の戦略は打ってはいけない最悪の手だという。
    まずは実利主義社に訴えるためのメインストリーム市場における橋頭堡を確保するため、ニッチマーケットをターゲットとすべきなのだ。
    これは顧客を惹きつけるためのホール・プロダクト構築にも効果的である。
    ニッチ市場を制覇するためにホール・プロダクトを用意している時期に、他の市場に対してまで手を広げる余裕などは無いはず。

    ニッチ市場に絞り、そこでのホールプロダクトを成熟させていくことで、その市場における評判・口コミをあげていける確率は大きく向上できる。
    そうすることで、少なくともその市場における実利主義者を惹きつける重要な状況を作り出せるのである。
    そこから隣接する市場、企業へと歩を進めていくことがキャズム越えに必須のステップなのだというのだ。

    前の版でも取り上げられていたが、このステップを忠実になぞったDocumentumはDM市場の巨人となったし、今回の版から取り上げられたSalesforce.com、VMware、Box.comなどの事例はまさに最近の事例であり、普段目にしているこれら企業の動きと合わせることでの納得感が高い。

    いままさにキャズムを越えようとしている3Dプリンタをケース・スタディとして取り上げて、マーケティングの進め方を説明している部分も興味深い。

    キャズム理論そのものは理解した上での再読だったが、取り上げている事例が一々、自身の業務にも近い分野が多くて納得度が高く、改めてキャズム越えに必要な戦術が明確に理解できる。
    一度読んだ方でも、ハイテク業界の関係者は再読する価値が大いにある版である。

  • この本の旧版に当たる『キャズム』はもうずいぶんと前に読んだ。本書『キャズム2』は、そのエッセンスは変えずに、取り上げる企業を最新の事例に変えたものになっている。確かにSalesforce.com、VMWare、Aruba Network、Box、などが新しい成功企業が事例として取り上げられていて、興味を持って読みやすい。また、キャズム理論とは関係なくマジョリティを得た例としてAppleのiPadやFacebook、YouTubeにも言及がある。失敗事例としてもMySpaceやセグウェイの名前が引かれている。

    本書の内容だが、著者が20年以上前に提唱したキャズム理論によるターゲットの分類 (イノベーター、アーリー・アダプター、アーリー・マジョリティ、レイト・マジョリティ、ラガード)とそのキャズム(アーリー・アダプターとアーリー・マジョリティの間にある障壁)を超えるための方策が丁寧に説明されている。ハイテクビジネスにおいて、アーリー・アダプターとアーリー・マジョリティのニーズが異なり、そのために取るべきアプローチが違うということだ。「両者には共通点が少ないため、アーリー・アダプターがアーリー・マジョリティの適切な先行事例になり得ない」とまでい言う。前者はビジョナリーが先導し、後者は実利主義者が判断するもので、そもそものターゲットが異なるし、求めている製品の特性も異なる。本書の前半はキャズム理論の骨子ともいうべきこの分析に多くが割かれている。
    また、キャズムの超え方として、ターゲットは顧客の数ではなく痛みの大きさをもとに決めるべきであるとしている。最初のターゲットはニッチでもいい。その一番ピンたるターゲットを倒してから、二番目以降のターゲットに広げていけばいいのだ。旧版から続いて事例として採用されているドキュメンタム社が医療事務に最初のターゲットに選定した事例がよい例だ。また、適切に競合相手を選定するべきだというのも当然なのだけれども重要だ。元々の競争相手としての明確な代替事案がなければそこに充てる予算も確保されていないということだからだ。また、そのこととつながっているが、製品に「名前」を付けることの重要性も指摘されている。

    改めて2001年に日本で出版された『キャズム』と簡単に読み比べると、本書の中盤の構成に反映されている「攻略地点の決定」→「侵攻部隊の集結」→「戦線の見定め」→「作戦の実行」という手順、販売チャネルの重視、ホールプロダクトの概念、プロダクト・マネージャとプロダクト・マーケティング・マネージャとホールプロダクト・マネージャの区別の必要性、組織と報酬、など重要な概念は当然ながらそのまま書かれている。上記のビジネスモデル上の概念は何となく意識のうちにあるが、これって昔読んだ『キャズム』に書かれていたことだったのかと思い出すものが多かった。

    『キャズム』後に出版された本の中から、「トルネード理論」と「フォー・ギアズ・モデル」に関する解説が付いて、若干お得感。すでにある程度の知識があったということもあろうが、非常に抵抗なく読めた。ここに書かれていることは今の世の中だと必須のアイテムなんだろうと思う。実行は難しいけど。
    過去自分が関わったVoIPのサービスやAndroid STBはハイテク製品の事例に当たるとは思うが、キャズムの理論に当てはめてどうだったかな、と考えながら読んだ。『キャズム』を読んだことのないのであれば、ぜひ。

  • キャズムを越える→ノルマンディー上陸
    メインストリーム市場での橋頭堡を獲得したい
    一つのマーケットセグメントに絞り込み、ホールプロダクトによる梃子の原理、口コミの効果、マーケットにおけるリーダーシップ
    先行事例を獲得するため、仕様書内のサービスの一つも欠けてはならない。大きなコストがかかるので一点集中したい
    口コミは購入の意思決定に大きな盈虚意があるが同セグメント内で広がる
    実利主義者はマーケットリーダーから買いたい

  • IT営業として比較的未開拓な市場を攻めている自分にとって、大変学びが多かった。
    以下、実践したい事とメモ。

    ◎実践したい事
    ・コア人事/ 事業継承をテーマとしたイベント企画や製品訴求(ニッチマーケティング)を行う
    →MMは、実利主義者と保守派が多くを占めていると予測される
    →Marketing主催の大規模イベントやAI訴求がクリティカルに刺さらない可能性がある

    ・顧客内でビジョナリー、実利主義者、保守派かを見極め、それぞれにアプローチする
    →ビジョナリー : タレマネ機能の連携やAI
    →実利主義者 : 同業界内の事例や弊社のマーケット支持率
    →保守派 : 各社の人事課題に対する弊社の利点(機能の網羅性は推しすぎない)

    ◎メモ
    主な顧客層として、以下5タイプが存在する。
    1. Innovators テクノロジー・マニア
    2. Early Adopters ビジョナリー
    3. Early Adopters 実利主義者
    4. Late Majority 保守派
    5. Laggards 懐疑派

    上記のうち特に2.3に大きな溝(キャズム)が存在している。加えて自分がターゲットとする市場だと3.4のキャズムも目立つと感じた。
    これを乗り切れるかどうかが生存のための鍵となっている。

    ビジョナリーが求めるのは「変革のための手段」であり、実利主義者が求めるのは「生産性を改善する手段」、保守派が求めるのは「利便性と使いやすさ(Not 性能の豊富さ)」だからこそ、それぞれに異なったアプローチが必要となる。

    しかしながら、以下の理由から2.3間のキャズムを乗り越えるのは難しいとされる。
    1. 実利主義者は自身の業界内の選考事例や相互の信頼関係を重視して購入を決めるが、ビジョナリーは業界の垣根を超えて情報を集めることが多く、実利主義者の業界内で確固たる知名度を築くのは難しい
    2. マーケットリーダーを選ぶ傾向が高い(確立されたプロダクト、エコシステム、サードベンダーで形成されたアフターマーケットを優先する傾向にあるため)

    上記に対するアクションとして、まずは「ニッチマーケティング」が重要である。(売り上げを期待できない小さい分野には着手しない思考はキャズム越えの足枷となる)

    ニッチ市場で、実利主義者に訴えかけるようなプロダクト一式を完成させる(ニッチ市場における口コミが、より大きなターゲット市場への橋渡しになる)。


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著者プロフィール

破壊的テクノロジーがビジネスと組織運営に与える影響と企業がとるべき戦略をテーマに、著述と講演を続け、スタートアップと大企業の双方に助言をしている。複数のベンチャーキャピタルを支援するとともに、コンサルティングやトレーニングを手がけるキャズムインスティチュート、キャズムグループ、TCGアドバイザーズの名誉会長を務める

「2017年 『ゾーンマネジメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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