ジョイ・インク: 役職も部署もない全員主役のマネジメント

  • 翔泳社
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798148786

作品紹介・あらすじ

全社員が仕事に喜びを感じられる環境を作る

官僚主義や長時間労働、顧客との信頼問題、社員間の関係の崩壊など、
過剰な市場競争のもとでは企業のブラック化を止めるのは困難極まります。
「見える化」やリーン、シックス・シグマなどの解決手法を導入しても、
持続できずにむしろ悪化させてしまうケースがほとんどです。

しかし、米国で最も幸せな職場と言われるメンロー・イノベーションズ社は
「働く喜びの追求」を経営の柱にし、このような問題を解決しました。

本書では同社の創業者かつCEOであるリチャード・シェリダン氏が、
職場に喜びをもたらす知恵や経営手法だけでなく、顧客も巻き込んで
より良い製品を作り、事業を継続させる手法も惜しみなく紹介しています。

【手法の一例】
・階層がない組織: 上司が存在しない
・ペアでコンピュータを共有: 常に二人一組で作業を行う
・ショウ&テル: 二週間ごとに進捗と状況を報告する顧客との合同イベント
・デイリースタンドアップミーティング: 毎朝10時の全員参加の民主的会議
・地下駐輪場を使った仕切りのないオフィスでワイワイガヤガヤ働く
・仕事内容や進行、給料までオープンにして、信頼を生む

こうした手法の一つひとつが社員に安心と成長の機会を与え、
働く喜びと目覚ましい成果を生み出すのです。
人員採用から職場環境、プロジェクト管理まで、すべての業務に
良い変化を起こすための、経営者必携の1冊です。

感想・レビュー・書評

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  • アジャイルの手法を用いると「働く喜び」に繋がりそうだということはなんとなく感じられるのだけれど、いかんせん、物語形式だと、文章がズバッとダイレクトに心に突き刺さるみたいには感じられず若干もったいないことをしたように思う。再読したらもっと刺さる個所が見つかるかもしれない。変化を起こすには小さく(少人数で範囲を限定して)始めるのがやっぱり良さそう。「ストーリーカード駆動の、五日間の繰り返しサイクル」のような「硬い運用システム」を10年以上続けているというのはすごい。

  • エクストリームプログラミングのラクティスをうまく活用し、顧客と開発者に喜びを実現できている。

    人の成長スキルアップ(=スケールアップ)は容易ではない。
    ペアプロをすることでスキルアップを助けるとともに、チームの人数拡大(=スケールアウト)ができる。
    開発者はテーマから離れること(=スケールイン)でドメイン知識を忘れてしまう(スケールダウン)が、
    自動テストを整備しておくことで、専任者がいなくなってもフォロー可能になる。
    これによって変化の激しいビジネス環境に柔軟に対応できる。
    エクストリームプログラミングの重要性を改めて認識した。

    見積もりをコミットにして、見積もった人にやりきるのがプロの仕事だと迫っているようじゃ、見積もりの水増しが横行するだけだし、いつまでたっても開発に必要なデータが得られず、正確な計画が立てられない。
    だから、開発者は懸命に取り組んだがうまくいかなかったことを報告し、その結果に応じて次の計画をどうするか顧客と一緒に考える。

    すべてがおとぎ話のようにうまくいったように描かれているが、実際の取り組みは苦難の連続だったようだ。そしていまだに、多くの組織に共通の問題に対して明確な答えを出せずにいる部分もある。そんな中でもなんとか成果を果たし、喜びに支えられているようだ。

    筆者のような高みにはたどり着けないかもしれないが、こんな経験を読み返し、なんども聞かせてもらいながら、同じような高みを目指して喜びに変えていきたい。
    そんな清々しいモチベーションを感じさせる、まとめ、エピローグが素晴らしかった。

  • 日本でいうサイボウズやソニックガーデンがそうなのかな?アメリカ・メンローイノベーションズ社のカルチャーと開発手法を紹介している。
    スクラムやXPをベースに少しずつフィットする形に変えていったのが分かる。喜びや幸せという言葉はスクラムでも使われる。小恥ずかしい言葉だけど、私は好きだ。


    ■メンロー社からの問いかけ
    喜びに溢れる意図を持った文化とは何か?
    どうすれば壊れた文化を作り替え、喜びにたどり着けるか?
    そうした試みをしながらも利益を出せるのか?

    ■新しい手法による新しい報酬
    ・プロダクトがちゃんと動き、期日通りに出荷して、トラブルも起きない
    ・こちらの提案を対象ユーザーが楽しんで使ってくれる
    ・組織図上の単なる部署ではなく、本当のチームに所属できる
    ・毎日何かしら新しい学びがある
    ・長い休暇を簡単に取れ、休暇中に呼び戻される心配もない
    ・仕事の成果を誇れる
    ・継続可能なやり方で、繰り返し高品質な成果を得られる

    ■メンローの特徴的なプラクティス
    ・階層がない組織:上司はいない、リーダーがいる。
    ・ペアプロ:常に2人1組で作業する。
    ・計画折り紙:計画シート上に見積もり時間サイズのタスクカードを載せていく。
    ・ショウ&テル:2週間ごとに進捗と状況を報告する顧客との合同イベント。
    ・デイリースタンドアップミーティング:毎朝10時に行う全員参加の民主的会議。

    ■メンローでは非生産的で喜びのない会議を撲滅した
    ルール、官僚主義、階層を予測可能な儀式とストーリーテリングをするイベントに置き換えた。会社にありがちな官僚主義では、ルールによって情報共有と判断力を制限する。超えられない境界を作り上げてしまう。

    ■喜びを可視化するためにビジョンを書き下す
    20⁇年6月1日、今日は・・・。
    では書き始めよう。たっぷりと具体的に記述する。個人のことと世界のこと、両方を書く。自分のことだけではだめだ。自分自身のこと、自分が世界で作り出すのを助けている喜びの結果を書く。個人的なゴールと仕事のゴールの両方についても書こう。

    ■喜びと幸せは同じではない。喜びはより深く、意義があり、目的を持っている。幸せとはある時点における状態の話だ。幸せな状態が連続していなくても、喜びに満ちていられる。

  • 従業員、顧客、そして自分自身の全て人が日々の仕事に喜びを感じる会社を作った人が自分の会社の活動・設備・運営について教えてくれる本です。
    なのですが、見る人からみたら全力でAgileをやっている会社が自分たちのプラクティスを割と詳細に教えてくれる本です。
    Agile関連の本を色々読んでみたけど具体的にどうしたらいいんだろう、ってモヤモヤしている人には物凄くおすすめです。
    「これってXPのことだよね」とか「これってリーンの話だ」など思い当たる箇所が随所に出てきます。
    「Agileって何?」という人には、1つの会社の中で文化がどのように醸成されていくのか、それを守るにはどういったことが必要なのかなどの学びが得られるのではないでしょうか。
    俺もメンローツアー行きたい。

  • アジャイルとかスクラムが意識せず出来るようになるとこんな働き方になるんだなーという体験ができる書籍。昔なら遠い別の国の話に感じたかもしれないが、今なら手が届かないこともないなと読んでいて感じた。いつかメンロー社にも遊びに行ってみたい!

  • 柔軟性は必要に応じて使えるキャパシティを生む: Meet Up 大阪 @ blog
    http://www.meetuposaka.com/article/461175246.html
    見える化が協働を促す: Meet Up 大阪 @ blog
    http://www.meetuposaka.com/article/461175178.html

  • 顧客を選べるかどうかがポイントか。

  • だいぶやられた。自分の近頃を省みて、ふわふわそわそわした心持ちにさせられた。いい本。

    原著がそもそも良いのだと思うのだけど、邦訳品質がとても高く、自然に素直に読みくだせた。訳者の顔ぶれを見ればさもありなん、ではあるけれど。

    Kent Beck が来日講演したときに、繰り返し「誠実であること」について語っていたけど、それを思い出した。
    喜び(Joy)、を社是とすることは、自分(たち) に対してかなりストリクトにエクストリームに誠実じゃないと続けられないだろうなー、と。

  • みんなで学び合う文化を作る。
    この本に早めに出会えればよかったなー、そうすると前職でもっと違う施策をとってだと思う。こういう文化を一から作り、改善が実感できていくのは楽しいだろうなー。

    エースを作らず、皆で必要な無駄を取り入れて成長する
    ペアプロ、デイリースタンドアップミーティングなどなど
    二重投資が実は最短で低コスト、というマインドと自負を持つべきですね。

    あと、ルールと計画に厳格なマネージャーではなく、恐怖によらない説明責任のもと、皆で改善して将来の計画を作っていこう、という雰囲気を作るチーム作りが大事と痛感。
    これを肝に命じて、自分の仕事を見直していこう。だから、今の会社はマネージャーとは言わない。

  • 会社やチームのマネジメント、特にモチベーション高くかつ楽しく働くにはどうするか悩んでいるので手に取った。結果、そのやり方がそのまま使えることはないものの、ヒントとなることは多くあり、週明けから実践しようと思う。文化が1番大事!とのことで、それを分かりやすく築くためにも、タスクの見える化と、プロジェクトのタスク追加に関しての説明責任から手をつけようと思う。素早く失敗していこうかと。

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著者プロフィール



「2016年 『ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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