カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで

  • 翔泳社
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本棚登録 : 401
レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798153346

作品紹介・あらすじ

「日本の現場」に寄り添った、アジャイル開発の実践!
現場のストーリーで、開発の神髄を学ぼう

【本書の特徴】
・現場のストーリーから、考え方とプラクティスを一緒に学べる
・1人でも始められる業務改善の手法から、チームマネジメントの手法まで解説
・日本の現場を前提にしているので、実践しやすい
・アジャイルをこれから始める人だけでなく、もっとうまく実践したい人にも最適

【本書に登場するプラクティス】
モブプログラミング / バリューストリームマッピング / ユーザーストーリーマッピング / 仮説キャンバス / ハンガーフライト / カンバン / 期待マネジメント / リーダーズインテグレーション / ファイブフィンガーなど

【あらすじ】
ITエンジニアとしてSIer企業に勤務する江島は、
問題だらけのプロジェクト、やる気のない社員たちに嫌気が差していた。

そんな中、ある開発者向けイベントに参加したことがきっかけで、
まずは自分の仕事から見直していこうと考える。

タスクボードや「ふりかえり」などを1人で地道に続けていると、
同僚が興味を示したため、今度は2人でカイゼンに取り組んでいく。

ここから、チームやクライアントを巻き込んだ、現場の改革がはじまる。

チーム内の軋轢、クライアントの無理難題、迫りくるローンチ……
さまざまな困難を乗り越え、江島がたどり着いた「越境する開発」とは。

【筆者コメント(「あとがき」より)】
良い問いは人を立ち返らせてくれます。
そのような問いは人によって異なるでしょう。

読者のみなさんにとっての良い問いと出会えるよう、
江島(本書の主人公)同様、自分がいる場所から外に出て、
いろいろと見聞きしてみてください。

もちろんこの本があなたにとっての
良い問いになることを願っています。

【目次(抜粋)】
●第1部 一人から始める
・第1話 会社を出ていく前にやっておくべきこと
・第2話 自分から始める
・第3話 一人で始めるふりかえり etc

●第2部 チームで強くなる
・第9話 一人からチームへ
・第10話 完成の基準をチームで合わせる
・第11話 チームの向かうべき先を見据える etc

●第3部 みんなを巻き込む
・第20話 新しいリーダーと、期待マネジメント
・第21話 外からきたメンバーと、計画づくり etc

感想・レビュー・書評

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  • # 書評☆3 カイゼン・ジャーニー | ソフトウェア開発のおとぎ話

    ## 概要
    ネット上での評判がよく,[ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書 大賞2019](https://www.shoeisha.co.jp/campaign/award/2019/result) にノミネートされていたので興味を持って読んだ。

    ソフトウェア開発の現場をよりよくするために,著者の経験を元にしたフィクションのストーリーとその解説を中心とした内容となっている。スクラムやらチームづくりなどについて書かれている。

    ただし,自分にはあまり響かなかった。というのも,第一部であるように,結局,自分の考えに賛同する都合のいい人物の登場により状況が改善するからだ。

    また,チームづくりに関しても小手先のテクニックな感じがしてならなかった。チームづくりに関しては,チームというよりかは人と人とのコミュニケーションについての本のほうが役に立つ気がした。例えば,デール・カーネギーの名著「人を動かす」であったり,先日読んだ「[ 人を助けるとはどういうことか](https://senooken.jp/blog/2019/02/25/)」などだ。

    そもそもスクラムやらこの本で述べられている開発手法については経験したことがなく,おとぎ話のように感じてしまった。一度体験しないと理解できないだろう。

    ## 参考
    > ### p. 044: タスクボードの基本
    > TODOを洗い出すと、すっきりする反面、量が多くなってタスクの全体像が俯瞰しづらくなる。だから、TODOには直近で必要な一定期間分のタスクのみを貼り出すようにして、先々のタスクや気付いたことなんかは、別の場所にためておくようにすると良いだろう。この場所を、Icebox (冷凍庫) といったり、Parking Lot (駐車場) と呼んだりする。優先順位をつけずに、いったん預けておく場所という意味合いだ。
    >
    > タスクには取り組むべき順番がたいていはある。TODOのステージで、上下の並びで優先順位を表現すると良いだろう。

    Kanbordというカンバン方式のタスクボードサービスを使っている。カンバン方式のタスク管理はやり方がいまいちよくわかっていなかった。普通に使うと,TODOが大量に出てしまい,縦に間延びしてしまう。ここでタスクボードの使い方が参考になった。

    ## 結論
    ネット上での評判が良かったので期待していたのだが,自分には合わなかった。こういう開発手法というのは,周りにある程度理解者がいたり,自分が権力を行使できる立場にならなければ,発揮できない。

    こうしたことができるような現場に入ることや,もっと根本的には人とのコミュニケーションの取り方について学んだほうが有益ではないかと感じた。

    パーマリンク: https://senooken.jp/blog/2019/03/05/

  • システム開発における様々な問題を、主人公が成長しながら解決していく物語。
    他の一般的な書籍と違い、物語として読むことができるため、自分の境遇と比較しながら読みすすめることができます。ポイントを逐一紹介しているため、説明はとても分かりやすいです。特に一番最後のあとがきで全てをまとめているのはとてもありがたかった。

    主題は物語ではなく、様々な問題をどうやって解決するかを学ぶことなので、物語の全てが
    ・問題発生
    ・解説
    ・解決策を遂行
    ・うまくいった
    という流れで進みます。1〜2章は解決策を他人が提示するので、まるでドラえもんみたいだと感じましたが、学びを得るのが主題なのでやむを得ないかなと思います。

    主人公が最初に絶望していた割に、本人も周囲も都合が良すぎると感じることもあるにはありますが、そもそも物語の形をとって解説をしている本なので、出来事にリアリティがないことを責めるのもちょっと違うかなと思います。(リアリティ重視で分かりにくいと本末転倒ですし)

    1つだけ不満を言うならば、発生する問題がほぼ全て解決手段の提示ありきで、特にスクラム開発における解決手法を次々と利用していく流れなのですが、手段はともかくなぜその解決策なのか、この問題の本質はどこなのかといった、手段を講じる前の段階を深く掘り下げてほしかったと思います。

    とはいえ、全体的にはわかりやすくまとめられており、読後感も良いのでおすすめです。

  • 新規事業のシステム開発は要求や仕様が明確でない場合がほとんど。
    何を作るか、何故作るかを常に考えるが、
    それが正解かどうかは分からない。
    分からない中でも前に進んでいくために
    アジャイルの考え方は必要だと思う。
    ただ、チーム全員がその考えを持っていることは少なく考えを浸透させるのは難しい。

    この本ではフィクションとしながらも
    事実をベースにしているため
    現場の緊迫感が伝わってきて良かった。
    自分が一歩前に進むきっかけになりそう。

    アジャイルや、事業開発で使うツールや
    その使い方が分かりやすく説明されており
    解説書としても使えそう。

    一人でできること、
    チームで出来ること、
    チーム外部と出来ること、を
    ストーリーと解説を交えて
    記載されているのも読みやすい。


    それで、あなたは何をしている人なんですか?

  • カイゼン・ジャーニーの途中で、むきなおる: Meet Up 大阪 @ blog
    http://www.meetuposaka.com/article/465462539.html

  • 版元の翔泳社の方からいただきました。

    本書は、プロジェクトを前に進めるために、さまざまなプラクティスがストーリーの中で紹介されています。

    ・KPT
    ・カンバン
    ・インセプションデッキ
    ・狩野モデル
    ・合宿
    ・期待マネジメント
    ・ユーザーストーリーマッピング
    etc

    世のプロジェクト、プロダクトマネージャーで悩みがある人には是非手に取ってもらいたい本です。
    自分のもつプロジェクトでの悩みの解決の一歩がかかれてるかもしれません。
    私は書かれてました。

  • 主人公の若手プログラマーがひとりで始めた改善活動が、メンターらの導きによって成長し、改善活動が部署で共有され、他部署、他社を巻き込む流れになっていく。
    そういうストーリーで読ませつつ、ティップスもしっかり解説されている。
    読みやすく、わかりやすい。

  • 開発現場の問題を物語を通して、いろいろな解決手法を用いて、解決していくお話し。

    開発現場でよくあるは問題が取り上げられているため、とても実用的な書籍でした。

  • 最近読んだ本で間違いなくナンバーワン!!現状を打破したい人が読めば確実にモチベーションが上がる。新入社員全員に配っても良いと思える本。

    より詳細なコメントは下記に記載。

    https://fatherofikura.hatenablog.com/entry/本/2019_05

  • ソフトウェア開発の仕事は大変だ。
    毎日夜は遅いし、いつも炎上する。

    それをなんとかしたいと思い、たった1人で行動を起こしてみた。しかし周りは誰も協力してくれない。そして挫折。やはり自分1人で開発現場をなんとかするなんて無理なのか?

    あなたにも、そんな経験があるだろう。

    この本は「ITエンジニアに読んで欲しい!技術書・ビジネス書大賞2019」の技術書部門ベスト10を受賞した人気の本だ。

    著者は、ソフトウェア開発のコミュニティ「DevLove」を立ち上げた市谷聡啓氏と運営スタッフでもある新井剛氏。業界では有名なコミュニティだ。システム開発をしている多くのエンジニアが熱心に学んでいる。以前、私も参加して講演を拝聴させていただいたことがある。


    ・プロローグ
    ・第1部 一人から始める
      第1話 会社を出ていく前にやっておくべきこと
      第2話 自分から始める
      第3話 一人で始めるふりかえり
      第4話 一人で始めるタスクの見える化
      第5話 明日を味方につける
      第6話 境目を行き来する
      第7話 二人ならもっと変えられる
      第8話 二人から越境する

    ・第2部 チームで強くなる
      第9話 一人からチームへ
      第10話 完成の基準をチームで合わせる
      第11話 チームの向かうべき先を見据える
      第12話 僕たちの仕事の流儀
      第13話 お互いの期待を明らかにする
      第14話 問題はありませんという問題
      第15話 チームとプロダクトオーナーの境界
      第16話 チームとリーダーの境界
      第17話 チームと新しいメンバーの境界
      第18話 チームのやり方を変える
      第19話 チームの解散

    ・第3部 みんなを巻き込む
      第20話 新しいリーダーと、期待マネジメント
      第21話 外からきたメンバーと、計画づくり
      第22話 外部チームと、やり方をむきなおる
      第23話 デザイナーと、共通の目標に向かう
      第24話 視座を変えて、突破するための見方を得る
      第25話 広さと深さで、プロダクトを見立てる
      第26話 チームで共に越える
      第27話 越境する開発

    ・エピローグ


    本書は、ソフトウェア開発の現場で起きた様々な改善の様子を、ストーリーと解説という形でわかりやすく紹介している。物語形式なのでとても読みやすく、著者の実体験をベースにしているところが特徴だ。

    物語は入社三年目のソフトウェアエンジニアのぼやきから始まる。

    『現場のレベル感はひどく低い。いつもプロジェクトは炎上していて、目論見通りに終わることはまずない。メンバーの士気は低くて、プロジェクトの最初からたいていやる気がない。そんな感じだから仕事はうまくいかず、約束されていたかのように燃え盛り、それがまたメンバーの気持ちを挫いていく。ひどい循環だ。』

    あなたの現場も、こんな感じではないだろうか。

    そんな悩みを抱える主人公が、社外の勉強会に参加する。そしてそこで不思議なセッションに出会い、心を奪われてしまった。

    「これは一体何の話なんだ?」

    懇親会の席で、そのセッションの発表者に声をかけてみた。すると、逆に質問をされた。その「質問」が、彼の人生を変えることになる。

    そして主人公の改善ストーリーは、自分1人でできることから始まり、チームでの取り組みに広がり、他チームを巻き込んだ組織の取り組みへと繋がっていく。

    まるで、一本のローソクに灯った炎が、他のローソクに移って、どんどん明るくなっていくようだ。まさに「改善の旅」。KAIZEN JOURNEYだ。

    私も、現場で新しいことを始めたり、有志を募って勉強会を開いたり、ささやかではあるが改善の旅を続けているが、本書に書かれていることは、現場で迷ったときに、とても参考になると感じている。やろうと思えば、明日からでも始められるノウハウばかりだ。

    しかし実際に、書いてある通りにやろうとすると、なかなか大変なことは事実。「勇気」が必要だからだ。

    現場の改善に「正解」は無いだろう。だから迷うし、こんな出すぎたこと自分がやってもいいのだろうか、と悩む。何かを始める勇気、最初の一歩を踏み出す勇気が、なかなか湧いてこないのだ。

    著者は言う。

    『「今の自分の延長線上に何があるのか」を想像したときに、特に変わりようがないと気づいたとき、行動を起こすことに踏み切れました。』

    あなた自身のこれからを大切に思うなら、行動を起こすしかないのだ。

    行動を起こすといっても、何もいきなり会社を辞めろと言っているわけではない。ゴミが落ちていたら拾うというレベルでも良い、と私は思う。大事なことは、あなたが良いと思ったことを、勇気を出してやってみることだ。そうしないと何も始まらない。

    もしあなたが、現状を変えよう改善を始めてみたが、上手くいかなくて心が折れそうになったなら、ぜひこの本を読み返してみて欲しい。本書の登場人物たちが、あなたの、たったひとりの挑戦を後押しし、力強く応援してくれるだろう。

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著者プロフィール

ギルドワークス株式会社 代表取締役/株式会社エナジャイル 代表取締役/DevLOVEコミュニティ ファウンダー
サービスや事業についてのアイデア段階の構想から、コンセプトを練り上げていく仮説検証とアジャイル開発の運営について経験が厚い。プログラマーからキャリアをスタートし、SIerでのプロジェクトマネジメント、大規模インターネットサービスのプロデューサー、アジャイル開発の実践を経て、ギルドワークスを立ち上げる。それぞれの局面から得られた実践知で、ソフトウェアの共創に辿り着くべく越境し続けている。訳書に『リーン開発の現場』(共訳、オーム社)、著著に『カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで』(共著、翔泳社)がある。
https://ichitani.com/

「2019年 『正しいものを正しくつくる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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