邪神決闘伝 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)

著者 :
制作 : 高荷義之 
  • 創土社
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本棚登録 : 14
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798830230

作品紹介・あらすじ

187X年。なお無法と暴力がまかり通るアメリカの大西部に、4人の無法者が君臨していた。ひとりは信じ難い連射能力を誇り、ひとりは見えない相手すら射殺、ひとりは射たれても、死なない、そして、最後のひとりは別の自分を造り出す。賞金稼ぎのおれは、ある日、彼らのひとりを仕留めるが、死体は夢のように消えた。彼らは、海底に眠る邪神-クトゥルーの夢が実体化したものだったのだ。おれは道連れとなった奇怪な日本人シノビと、開拓者の妻で残る3人の無法者の行方がわかると主張するポーラとともに、凶悪無慈悲な"夢法者"を追いかける。コルト45、ウィンチェスター73、砂をまいて走る駅馬車とコマンチ族の襲撃、生命を賭けた早射ち決闘、そして、無法の街ダッジ・シティとトゥームストーン。砂塵吹きすさぶ大西部を舞台に、クトゥルーの魔力を身につけたガンマンたちと、"おれ"の拳銃さばき、そしてシノビの"忍法"が、一読眼を離せぬ死闘を展開する。世界に例がない「クトゥルー・ウェスタン」、ここに誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 菊地秀行が西部劇を書いた!という風に話題になっている本作、何を今更と私は思う。菊地秀行は当初から西部劇を書いてきたではないか。たとえば『吸血鬼ハンターD』は、未来または並行世界の地球だけれども、その世界観は明らかに西部劇だ。『魔界都市新宿』はどうか。あまりにも怪美であるため目を奪われてしまうが、これは東京の副都心がいきなりフロンティアになってしまった、というセンス・オブ・ワンダーに充ちた物語だとも言えるのだ。
    であればこそ、クトゥルーという要素が加味されているとしても、正統的な西部劇に着手されたということは、まことにめでたいことだ。菊地秀行の真骨頂ともいえる作品を読むことができるからだ。事実、最初の1行目からこれは面白い。なんといっても、いきなりのガンファイト、そしてそこに登場する「忍者」……この意表を突く展開もいい。
    西部劇は良く知らないんだという場合でも、菊地秀行のエッセンス満載という切り口からどんどん読めると思うし、往年の西部劇大好きという読者なら、絶対に、あちこちでにやりとする演出でいっぱいだ。まあ、ワイアット・アープだの、ドク・ホリディという名前だけでわくわくしてしまうなら、すぐさま読め。絶対に後悔しないから。

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プロフィール

1949年、千葉県生まれ。青山学院大学卒業後、雑誌記者の傍ら同人誌に作品を発表し、82年『魔界都市〈新宿〉』でデビュー。85年、『魔界行』(祥伝社刊)三部作が大ヒット、人気作家の座を不動のものとした。本書は、絶美の人捜し屋・秋せつらの活躍を読切りで愉しめる1年半ぶりの短編集である。ノン・ノベル既刊の「魔界都市ブルース」(シリーズ59巻刊行中)「ドクター・メフィスト」(シリーズ6巻刊行中)『魔海船』(全3巻)や「ナイト・キッド」(祥伝社刊文芸書・シリーズ3巻刊行中)など、著作は400冊を超えた。

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