- Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
- / ISBN・EAN: 9784798830254
作品紹介・あらすじ
西暦20XX年、遺伝子操作監視委員会C部門の調査官である「おれ」は、今をときめくバイオ企業「ライフテック社」の異状を聞きつけ、調査に赴く。そこで待っていたのは研究員たちの夥しい惨殺死体と、魂の抜け殻のようになった、かつての恋人であった。人間のDNA情報イントロンに隠された謎、それはパンドラの箱であり、その謎を解き明かす時、人類は未曽有の危機を自ら招く。「神経超電導化」によって超人化した人類と異形のものたちGOO(グレート・オールド・ワン)との壮絶な戦いが、お互いの存亡をかけて世界中で繰り広げられる。恐竜はなぜ絶滅したのか?進化とは何か?神は存在するのか?その答えの全てが解き明かされる!生命の根源を揺るがす近未来スーパーアクション・バイオ・ホラー『二重螺旋の悪魔』がここに甦る!
感想・レビュー・書評
-
クトゥルー大戦争
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本作は、マルチエンターテイメントとして書かれたということだ。
確かに! ひとつにこれはバイオ工学をテーマにしたSFであり、もうひとつにはハードボイルドだ。
どちらの面からも面白く読める。
しかも、「エンターテイメント」であるため、リズムが良く、ドライブ感も凄い。
でも、一気に読める理由はそれだけではないだろう。
キャラクターの形成が非常に見事だからだ。
彼はもともとバイオ技術者である。ゆえに、問題となっているバイオハザードに対する理解が深い。
次に、彼はハングリーな生い立ちを持っていて、そのためバイオハザードを起こすような功名心を持っているし、コミュケーションが上手ではなく、そのため恋人とうまくいかないという非常に人間的な面を併せ持つ。
そして、特大規模のバイオハザードにも、その影に隠れた宇宙的な陰謀にも、主人公のロマンスにも、全て上手な結末がついている。
上下巻として出されたものが今回加筆されて完全版の一巻とされているため、分厚くなる傾向のCMFでもとくに分厚く重たい一巻なのだが、それでも一気に読めてしまうことは保証したい。