魔道コンフィデンシャル (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)

著者 :
  • 創土社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798830308

作品紹介・あらすじ

第二次大戦の余塵未だ冷めやらぬ1940年代のシカゴ。日本人でありながらマフィアのドンとなった男がいた。その名は衛藤健。別名をモンタナ・ジョー。マフィアのドンたちからは、畏怖の念を込めて「トウキョウ・ジョー」と呼ばれていた。その表情は冴えなかった。それというのも、トウキョウ・ジョーは何者かの視線に悩まされていたからだ。邪悪な気配を帯び、悪意と嘲笑に満ちた視線である。視線と前後してトウキョウ・ジョーは悪夢を見はじめた。夢の中で『ジョー』と叫ぶ声が響く。『地下に行くな、ジョー』…だが悪夢の中でトウキョウ・ジョーはその声を振り切って地下室に続く石段を下ろうとする。悪夢に憔悴したトウキョウ・ジョーは強力な助っ人を雇う。第2次大戦中スパイとして活躍した、その名も「神門刀帯(ごとう・たてわき)」-。

感想・レビュー・書評

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  • クトゥルーXノワールといった趣向のアクション作品。
    ハードボイルド、マフィアもののような語り口が、意外に魔術的世界観とマッチする。読者の興味を惹きつけるための謎めいた序章が、読了後、別の意味合いを持つ構成が素晴らしい。

  • これは『邪神帝国』に連なる一連の作品となる。
    神門帯刀が登場するが、主人公はトウキョウ・ジョーと異名を取る日本人のマフィアで、舞台はギャング盛んなりし頃のシカゴなのだ。
    あえて言うなら、「ギャング」「魔術」「クトゥルー」という三題噺なのだが、これほどかけはなれてみえるものをどのように攪拌して、仕上げているかが朝松健の腕の見せ所。
    しかしながら、従来の朝松健らしい儀式魔術の描写を等修士ながらも、古い儀式魔術そのまんまではなく、新たな色彩を与えているところが大変面白かった。

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著者プロフィール

一九五六年、北海道生まれ。東洋大学文学部仏教学科卒業。
国書刊行会に入社し、ラヴクラフト作品などの企画出版を手掛ける。八六年、『魔教の幻影』で小説家デビュー。オカルト・伝奇小説を中心に幅広く執筆し、近年は室町時代を題に取った作品を精力的に発表している。二〇〇五年、短編「東山殿御庭」が日本推理作家協会賞候補。アンソロジストとしても高い評価を得ている。

「2023年 『一休どくろ譚・異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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