「再」取得学歴を問う―専門職大学院の教育と学習

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  • 東信堂
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784798912431

作品紹介・あらすじ

在職のまま、または職を辞して主に大学院で学歴を再取得する、本書が「流動モデル」と呼ぶコースを選んだ者は、「固定モデル」即ち就業未経験のまま大学院での学習者と比べ、学習への意識や成果、また大学や社会での評価にどのような差異があるのか-「流動モデル」者の比率が高い主要5領域の専門職大学院における調査に基づき考察を進めた本書は、総じて「流動モデル」者の知識・能力の向上を評価するとともに、現在の専門職大学院や労働市場の在り方についても的確な検討を加えた、わが国初の画期的研究である。

感想・レビュー・書評

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  • 昨年頃から再取得した学歴の効用について関心を持っていた。具体的には、社会人に対する大学院教育は相応の効果があるという、ある程度一般化された研究成果を探していた。その理由は、学歴を再取得した際の評価が、かなりバラツキがあるからだった。各評価者の判断基準・心情は多様であるから当然のことだが、それでも、本書に紹介されているような「大学院での学習を『趣味』とみなされている社風」(p.185)のような例が、意外に多いと感じていた。また私的なことでいえば、昨年の今頃、編著者に論文指導を受けている過程で、「仕事をしながらの修士論文執筆は、『趣味』だからできるのですよ。業務だったらこんなにたいへんなことはできないと思います。」と雑談していたこともあった。再取得した学歴とは、「内発的な動機に支えられた進学」(p.175)と入学後の学修の履歴・記録であり、それ以上でも以下でもないということを一応の自分自身の結論としていた。

    本書では、経営系、法科、IT・コンテンツ系、教職の専門職大学院を研究対象としている。各分野でそれぞれ特徴のある分析結果が示されており興味深い。しかし、分野を問わず、共通事項として、専門職大学院修了者に対しては、「総じて専門職としての社会的評価は高くない」(p.230)という点が指摘され、厳しい現実も実証された。また、「専門職大学院が制度化されても、それが既存の大学や大学院制度との間で明確な差異化がなされていないこと」も課題として挙げられている。逆にいえば、本書の検討から、専門職大学院や専門職学位課程でない修士課程で学んだ社会人に対しても敷衍できる分析結果を読むこともできよう。

  • 日本におけるリメディアル教育需要と、それを社会として受け入れる事がまだまだ一般的でない状況と、変わりつつある状況を分担研究された結晶である学術本。
    企業や組織から研修で派遣という需要がなくなった今、労働者が「起業」のステップの一環で、なけなしのお金を叩いて学ぶ需要。
    ストイックな一面を研究面から垣間見れる。

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