独学術 (白取春彦の思考術) (ディスカヴァー携書)

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
3.36
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本棚登録 : 1235
感想 : 121
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  • Amazon.co.jp ・本 (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799312254

作品紹介・あらすじ

哲学・宗教に関する多くの啓蒙書で知られる著者は、自らの経験をもとに真の教養を身につけるには独学しかないと語る。「難しい本は読みきらなくていい」「解説書より原典のほうがわかりやすい」「速読より多読」「外国語学習は『読む』ことが基本」など、既成概念にとらわれない明快な指針が読者に意欲と勇気を与える。また惜しみなく伝授されるノートのとり方や傍線の引き方なども独創的かつ具体的。知識欲に富む読者から熱烈に支持されロングセラーとなった『勉学術』を改題、さらに読みやすい携書としてお届けする。

感想・レビュー・書評

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  • 独学の方法というよりも、独学の姿勢について説いた本

    ・独学とは何か?
    ・疑問を持ち、仮説を立て、検証のために調査をする。
    ・難しい本との向き合い方として、生き物のように、まずは部屋に置き、少しずつ慣らすように読む方法などを説明している。
    ・解説書ではなく原本を読め!
    ・歴史、哲学を理解するために宗教について触れておくべき!

    ・語学学習は「いきなり喋るのは意味がない」「まず読む」文芸書ではなく論文や記事などの簡潔にまとめられたモノを辞書片手に読む。
    (美術でも幼稚園などでクレヨンを使ったお絵描きから始まるが、実は書き直しができないため、油絵よりも難しい。本来ならもっと初心者向きの方法がある事に似ている)

    とても良い事を伝えているのに
    何故か一回読んだだけでは心に入って来なかったのは、「本は買って読め」
    「本は読んで重要な部分に線を引け」
    「図書館の近くに住んでいる方が独学に有利」「インターネットは時間の無駄」「目が悪くなる」など、高圧的に感じたのかもしれない。
    本に線を引くの抵抗があるんだよなぁ…悪い事なのか…

    「必要とれば、家にある本でもすぐ読みたいので、近くの書店で買って読む」というあたりにクラクラした。
    作者の伝えたい事以外のことが気になってしまう。

    要点だけ読むと「どんどん難解な本でも読んで少しずつ理解していけるよ」ということも伝わってきて読書意欲を掻き立てるのだが、なんだか「この読み方、駄目なのか?」と不安にもなる。

  • 良書 辛口の独学法伝授法テキストである
    けっこう、納得感があり、実学という説得力がある。大人は自ら学ぶ。
    税抜き1000円で200頁に満たない本であるが、お買い得感満載でありました。

    気になった言葉は以下です。

    ・学習の本質は「まねび」、上手にまねること。年端もいかない子供がするもの、何も知らないものがとりかかる最初の数歩のこと。つまり、LEARN
    ・独学は、そこをすでに超えている大人がするものである。つまり、STUDYだ。
    ・独学の独とは孤独ということではなく、特定の師をもたないことだ。しかし、多くの師をもつ。本物の最高レベルの師を持つのが独学である。
    ・語学は、自己努力という意味での独学がなければ修得されない。語学学校に行こうが大学に行こうが自分で勉強しなければ、つまるところ何も身につかないのである。

    ・入門書が初心者向けでわかりやすいという保証などない。それよりも、哲学書そのものを読んだほうがずっと手っ取り早い。解説書をよむより、オリジナルを読むほうがはっきりとわかる。
    ・教科書は、説明不足の辞典のようだ。
    ・疑問をもとう。単純に「それはいつから始まったのか」という疑問でいい。
    ・誰にしろ、疑問がなければ知ることはできない。尋ねたり探したりしなければ、本当のことはわからない。
    ・何もかも漫然と眺め、世にあるものいっさいをあたりまえだと受け止めている限り、疑問は出てこない。子供のように、あらゆるものに、「なぜ」という疑いを持たないと知識は得られない。
    ・情報とは、そのつどの状況の一端を伝えているもの。知識は常に有効であり、応用範囲が広く、古くならない。

    ・本当に独学をしている人は何をやっているのか。それは、ただひたすら本を読み考え、知の世界を広げているだけである。
    ・常習的に飲酒する人間が独学どころか、まともなことをやれるはずがない。
    ・独学の障碍になるのは、時間の少なさではなく、感情の乱れや不健康である。
    ・哲学といっても、何か抽象的で専門的な事柄を難しく考えることではなく、実際には生活の中で起きる小さな疑問を追究していくと結局は哲学になるということだ。

    ・最初から難しい本を読んでもいっこうにかまわない。それが、難しい本だからこそ、読む価値がある。
    ・雑多な本を、中途半端な読み方でいいから一度はめくってみる。
    ・経済学の本、哲学の本、宗教書も、小説と同様に、映像を見て理解するように努める。
    ・読書をする時は、イメージをつかむため、辞書、事典、地図を横においてすぐに調べることができるようにする。

    ・理解できない事柄は想像ができない。意味のないものとして、ぼんやり通過していくだけだ。
    ・眺め読みをいてみる、ぱらぱらとめくってみる。半分読めば、中身がだいたいわかるものだ。
    ・本は必ず買うこと。傍線を引いたり、端をおったりできない。書きこめないので、本をノートの代わりにも使えない。
    ・傍線を引くところ、①重要点、②疑わしい点(線の種類、色をかえる)、③数行にわたる文章、当然、傍線は読んでから引く。
    ・書き込みはメモ、語句程度で、あとから振り返ってもわかるように明確に書く。
    ・理解するために、音読する。これを素読という。
    ・たくさん本を読むことによって、速読ができるようになる。いくら読むのが早くても、理解が不十分であれば、何の意味もない。

    ・教養を身につけるとは、勉強をするということではなく、知識や知恵を現実の行いに生かすということだ。
    ・芸術については、宗教がことのほか強くかかわっている。
    ・世界を理解するためには、聖書を知らなければならない。真の教養の第一は、聖書を読むことである。
    ・同様に、イスラム教では、コーランと、ハディース。仏教で手ごろなのは、スッタニパータ(ブッタの言葉:岩波文庫収蔵)、道元が修行僧向けの修行マニュアルである正法眼蔵をすすめている。

    ・日本語ができなくては、外国語もできない。日本語で表現できる事柄の60%程度しか外国語では表現できない。
    ・持続する意思と、異常な努力なしには外国語は修得できない。言い換えれば、かなりの読書量があり、成績が優秀でなおかつ、日本語における表現がすぐれていなければ、外国語を身につけるのは困難である。
    ・外国語を学ぶのであれば、言葉のセンスがあったほうがいい。言葉のセンスとは、言葉全般についての強い関心である。
    ・学習のコツは、その外国語全体を俯瞰しておくとよい。具体的には文法をまとめた本を二日程度で読み切っておく。
    ・辞書は、例文の豊富な厚いものを買うべきだ。薄っぺらい辞書は上級者向けである。
    ・あと必要なのは熱中である。自分でバカになったのではないかと思えるほど集中して取り組まなければ望むレベルに達することはできない。

    ・読む力を直接育てるのはただ一つ、とにかく読み続けていくということしかない。
    ・外国語は慣れというのは、その外国語に接している時間を多くせよということだ。至極あたりまえのことだ。

    ・どんな事柄も、自分で調べることで新しい側面が見えてくる
    ・調べたい事柄のキーワードをいくつも書き出してみる。
    ・その書物で用いられている言葉や用語をきちんと調べて理解すること、同じ用語であっても、本によって違う意味に使われていることがある。
    ・述べられていることを頭から信じない。疑ってかかる。
    ・フリーノートを用意して、いろいろな疑問や、発想を書き留めておくと便利だ。

    目次は以下の通りです。

    第1章 勉学は独学にかぎる
    第2章 難解な本を読むコツ
    第3章 教養を身につける
    第4章 外国語の独学法
    第5章 考える技術・調べる技術
    あとがき
    携帯版のためのあとがき

  • バッサリと言い切る感じの文章に好感を持てました
    独学だけではなく、本の読み方も書いてあり、自分だけでなくこれからの時代を生きる子供に読んでもらいたいと思う本です

    私は暗記をして勉強してきました
    だから、覚えてないことも多いです
    子供には、始まりがいつからなのか、どうしてそうなったのか 疑問に思ったことから興味のあることを調べて自分の中に知識を入手して欲しいと思いました!!

  • 僕が本好きになるきっかけになった本です。
    僕の好み的に所謂評論文に近いものが好きなので僕にハマった!今の僕の独学の基礎とも言えます!
    中3の時に読んで高2の今でもこの本は神だと思う!
    是非皆さん読んでください。特に最初の
    studyとlearnの差については納得できた。

  • 学ぶことの意義や楽しさを知る

  • 自学こそが本当の学びという主旨には賛成できるけど、偏見に満ち、自己顕示欲ばかりが見える文章にうんざり。
    バングラデシュは貧乏だから見るべき文化がない(p44)、『共産党宣言』は幼稚(p58)、『論語』は中国官僚の処世術にすぎない(p114)、ウェーバーの論は狭い(p154)…。さらに専門家が積み重ねてきた研究を無視して、フロイス1人が書いた本だけを根拠に江戸時代は野蛮な時代だったと決めつける(p98)。
    ヨーロッパ至上主義、ヨーロッパの言語や文化を学んだ自分は高級だといいたいだけだ。しかも自分の印象や好みだけでものを言い、客観的研究の態度とはほど遠い。

  • 文系よりの勉強法に関する本です。
    とくに哲学,宗教,古典に重点を置いて記述してありました。

    「眺め読み」はいいと思いました。
    ただ全体的に少し浅い(ざっくりとした?)印象でした。

    少しあおるような文体なので好き嫌いがあると思います。

  • 独学に対する意識が変わった。
    人生の折り返し地点、独学にハマりたい。

  • 自分の頭で考え、独創的な発想力をつけるのが独学の最終目的...というのが本書のキモになっている。実践したくなったのが「日頃から疑問を持つべし」「本は買って傍線を引きながら多読する」「教養とは知識に裏付けされた配慮ができること」の3点。疑問、多読、教養を身につけることが、知的生活を楽しむコツなんだろう。ただ、著者の上から目線の主張に偏りがあるのが残念だった。「...世界の形成に事実として寄与してきたのは聖書だけである」と断定しちゃうくらいだからなぁ。

  • かなり偏っている。

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著者プロフィール

白取春彦(しらとり・はるひこ)

青森市生まれ。ベルリン自由大学で哲学・宗教・文学を学ぶ。哲学と宗教に関する解説、論評の明快さに定評がある。
主な著書に、ミリオンセラーとなった 『超訳 ニーチェの言葉』のほか、『頭がよくなる思考術』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)、『この一冊で「聖書」がわかる!』(三笠書房《知的生きかた文庫》)、『行動瞑想 「窮屈な毎日」から自由になるヒント』(三笠書房) など多数。

「2023年 『超要約 哲学書100冊から世界が見える!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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