超訳 論語 (ディスカヴァークラシックシリーズ)

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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本棚登録 : 367
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799312612

作品紹介・あらすじ

危機にこそ、人間の真価がわかる。今この時代に読み直したいまったく新しい「論語」。

感想・レビュー・書評

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  • 抜粋して掲載されており、論語を読むきっかけとしても復習としてもいいと思う。

  • 学びて時にこれを習う、またよろこばしからずや。これが論語の基礎。学習という概念を人間社会の秩序の基礎とする思想。これは偉大な発明だ。

  • この本と著者の選書である『生きるための論語』との併用が、
    好ましいと思います。
    どうして、この著作で語られているような解釈になったか(普通の論語テキストは
    性質が異なります)が、『生きるための論語』に記されています。
    非常に参考になると思います。

    また、著者の『論語』三部作、①『生きるための論語』②『生きる技法』
    ③『あなたが生きづらいのは「自己嫌悪」のせいである。 他人に支配されず、自由に生きる技術』を読むと、

    ①現代でどうしたら幸福に生きられるかという問題提起から、論語をどう解釈し直したか、

    ②現代人が幸福を考える上での8要素(1自立 2友達 3愛 4貨幣 5自由 6夢 7自己嫌悪 8成長)に対して、どう考えるかを提示し

    ③その8要素で、もっともやっかいな自己嫌悪に関して、どう克服するのかの著者の思想(論語をベースにした
    実践哲学)が述べられています。

    この著作の本は、あくまでも、著者の思想のエッセンスを書いたものに過ぎません。
    詳しいことは、この3冊を読むのがベストだと思います。
    なぜ、革命の言葉なのか、その真意がわかります。
    7人のお客様がこれが役に立ったと考えています

  • 安冨歩さんの著書を図書館で探していたら見つけた一冊。
    超訳 ニーチェ は読んだことがあったのでその流れを汲んだ。
    第一文から印象的だった。
    「学ぶことは危険な行為だ。自分の感覚を売り渡すことになるから。学んだことを自分のものにする努力の先に、本当の理解が訪れるその時、真の意味で学んだことを理解する。それが習う、ということであり、まさに悦びである。」
    他にも心に残る一節がちらほら。
    ・他人が自分をわかってくれない、とはどうでもよいこと。自分で自分をわかろうとしないことが問題だ。
    ・君子は自分で自分のありさまを見て人と比べず、小人は人と比べるばかりで自分で自分のありさまを見ない。
    序説で、わかる範囲だけで汲み取れば良い、という筆者の一文があり、気楽に論語という難解なものを読みやすくさせてくれる。
    入り口として手に取るには良質な一冊。

  • これは、本当にスゴい!

    目から鱗がおちまくる。「論語」って、こういうことだったのか!!!
    要するに「学習する組織」と一緒じゃないか!

    誰でも知っている(と思っていた)冒頭の部分から全く違う。

    「何かを学ぶことは、危険な行為だ。なぜならそれは、自分の感覚を売り渡すことになるから。しかし、学んだことを自分のものにするために努力を重ねていれば、あるとき、ふと本当の意味での理解が起きて、自分自身のものになる。学んだことを自分自身のものとして、感覚を取り戻す。それが、「習う」ということだ。それはまさに悦びではないか。学習の悦びは、しばらく連絡もしない旧友が、遠くから突然訪ねてきてくれたような、そういう楽しさではないか。この悦びほど、人間にとって大切なものはない。学習の悦びを知っている人は、それを知らない人を見ると、「なんてくだらないヤツだ」と思ってしまいがちだ。しかし、そういうときにも、心を乱されないでいる人が、「君子」なのだ」

    という調子です。

    大推薦です!

  • 興味はあるけど、原文は読むだけでひと苦労しそう。。。
    と、腰が重い方にこそオススメの1冊。
    かなり砕けた表現になっているので論語の世界を気軽に感じ取ることができます。
    いつの間にか「小人」にならないよう定期的に読み返したい。

  • 他人を批判する暇はない
    君子は自分に能がないことを気にするが、他人が自分をわかっていないことなど気にしない

  • とても重要な本。著者は本書を「私自身が、論語から聞き取った響きをお知らせするもの」と語る。著者のフィルターを通じて、論語が「生の言葉」の形に近くなっている。だから読みやすく、私にとって、論語を考える大変大きな助けとなった。「学習」と「三年の愛」と「喜び(を感じる感覚)」がどれほど大切なものか、気づかせてくれた素晴らしい本のひとつである。

    しかし、読む上では細心の注意も必要となる。己の思考と感覚を流されないようにしないとならない。著者のフィルターを通しているがゆえに、著者の「歪み」と無理解もまた混入していると私には思えるからである。それは決して消し去ることはできないから、致し方ないし過ちでもない。

    また、孔子自身の言葉のなかにも、やはり私には響かないものがあるのだと思う。

    私は、「真理」や「進むべき道」や「本質」などを言語化しただけでほぼ誤りに陥る気がする。仕方なく言語化したとしても、囚われてはいけないし、一層危険が増すからこそ意識を手放さないようにしないといけない。そういう部分で、危うい本でもあると思えた。その刹那を無自覚に通り過ぎないように、と自戒しつつ。

  • 論語を筆者なりの視点で訳している。
    分かる部分もあるし、そうでない部分もあるが、一つの考え方として捉えたい。
    やはり長い時を超えて読み継がれているだけあり、人間の本質や求めるものは変わらないのだなぁと感じる。
    少しでも人間的なレベルが上がるようにチャレンジしていきたい。

  • 装丁が美しく、読みやすい。
    内容的にも学ぶところが多かった。

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著者プロフィール

東京大学東洋文化研究所教授。1963年、大阪府生まれ。
著書『「満洲国」の金融』『貨幣の複雑性』(以上、創文社)、『複雑さを生きる』(岩波書店)、『ハラスメントは連鎖する』(共著、光文社新書)、『生きるための経済学』(NHKブックス)、『経済学の船出』(NTT出版)、『原発危機と「東大話法」』(明石書店)、『生きる技法』『合理的な神秘主義』(以上、青灯社)、『生きるための論語』(ちくま新書)、『満洲暴走 隠された構造』(角川新書)ほか

「2021年 『生きるための日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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