超訳 努力論 (ディスカヴァークラシックシリーズ)

制作 : 三輪 裕範 
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799314210

作品紹介・あらすじ

酸いも甘いもかみわけた人生の達人である露伴から、思う通りにならない人生に悩む人を勇気づけるために贈られた「激励の書」。知られざる名著『修省論』も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 読書理由
    →努力の続けることは疎か、努力を始めることすらできていないことを自覚した。このような時に物事に懸命に取り組むうえで必要な考え方を学びたいと思ったから。

    キーワード
    →努力、幸福、気、高級な感情、過程の短縮、シンプル、人を信じる

    (努力の目的)
    ・努力により充実し発展できる。人生の意義そのもの
    ・能力を拡大→非常時に差がつく
    ・利益のためでなく、真の歩むべき道を見つけるため

    (努力の方向性)
    ・「目の前のことへの努力」と「基礎を作る努力」
    ・結果には運命と人力の両方が関係する
    ・日常生活について関心を持ち、理解し、感じる。
    ・不快な感情が起こったら、相手を理解してよい人だと信じる
    ・新しさや古さに依らず、優れたものを取捨選択をする。

    (努力の仕方)
    ①目標をもつ
    ②学問の正道を歩む
    ③将来の可能性を信じて、限界に挑戦する
    ④自分を卑下しない
    ⑤専門分野を深く追究する
    ⑥自分に合った高い志を持つ
    ⑦時間をかける
    ⑧過程を短縮する工夫

  • 図書館

  • 努力の方向を間違えない=無理な願望に向かわない。間接の努力を欠かさない。
    現状に満足するのは、老境に入った証拠。
    幸福は、惜福(福を惜しみながら使う)が大事。
    分福する=人に分け与える。川に酒を注いで分かち合う。
    好きなことでも努力が必要。
    人生の唯一の味方は努力である。
    人生の意義は努力することにある。
    明確な目標を持って学ぶ。
    仕事だけでなく趣味でも、出来る限り的を絞る。
    病気は予想すべきもの。
    仲の良い夫婦は健康である。
    気が散る、には2種類ある。幾つかの事に心を奪われる事、同時に幾つかのことが気になること。一時一物主義が大事。気が2つになると健康を失う。
    凝る気は大局を見失う、張る気は成功する。
    現在の自分に満足しない。
    知識が私物でないように、感情も私物ではない。
    犠牲になることができるのは、何事からも自由だから。
    老毒(古いものを好む)、壮毒(愚かな振る舞いをする)、自覚毒(なんでも分かった気になっていないか)に気をつける。
    世俗的な満足を超えた理想を持て。
    シンプルに生きる。
    貧乏が苦しめるのではなく、あなたが貧乏に苦しむのだ。
    順当にいくことはいいことだが、逆もまた妙味がある。
    権利と義務は同じことの裏返し。
    過程の短縮を心がける。
    能力は鍛えなければ低下する。
    安易なやり方は精神力が衰える。
    自己啓発は功利主義中心ではダメ。自分を磨くこと。
    自助と互助のバランスが大事。
    互助の欠如は排他につながる。

  • これまでこの手の自己啓発的な本を何冊も読んだが、どれも言い方を変えているだけで同じようなことを言っている。
    幸田露伴という古い時代の人でも現代の著者と同じ事を言っていて、時代や環境が変わっても結局人としてあるべき姿は同じなんだということを理解させてくれた。
    特に努力論の章にそのことがよく現れている。

  • 付箋でマークしたところ

    【自分の能力を引き出してくれる人に従え】

    【努力の積み重ねが天才を生む】
    →そうした個人の優れた才能はいったいどこから来たのかというと、それは、その人の先祖の努力の堆積によるものであり、それがその人の血の中に宿っている。

    自分の努力の結果が子孫で実を結ぶ。その発想はなかったなあ。

    【自分の最高を目指せば世の中に貢献できる】

    【シンプルに生きよう】
    →物質優先主義をあらためてシンプルな生活をしよう

    【人を信じよ】
    →人を信ずることができなければ、何でも自分でやらなければならなくなる。

  • 努力は情熱。
    努力の先は気をはること。
    努力論とあるが、全体の半分。
    残りの半分は、修省論。
    借福に先の分福の先は、植福。

  • 「深…井戸を深く掘れば水が出てくるように、学問も深く探求すれば必ず結果が得られるものだ。
    自分の専門分野を深く究めよ。
    小さくても深い井戸を掘れ。いったん目標を定めたなら、どこまでも深く探求しなければ、水を得ることはできない。」
    非常によい本でした。驚くほど好きな言葉の連続で、気づいたら赤線だらけになっていました。努力は本当に素晴らしいことだと感じる言葉で溢れている本でした。

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著者プロフィール

1867年(慶応3年)~1947年(昭和22年)。小説家。江戸下谷生まれ。別号に蝸牛庵ほかがある。東京府立第一中学校(現・日比谷高校)、東京英学校(現・青山学院大学)を中途退学。のちに逓信省の電信修義学校を卒業し、電信技手として北海道へ赴任するが、文学に目覚めて帰京、文筆を始める。1889年、「露団々」が山田美妙に評価され、「風流仏」「五重塔」などで小説家としての地位を確立、尾崎紅葉とともに「紅露時代」を築く。漢文学、日本古典に通じ、多くの随筆や史伝、古典研究を残す。京都帝国大学で国文学を講じ、のちに文学博士号を授与される。37年、第一回文化勲章を受章。

「2019年 『珍饌会 露伴の食』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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