「学力」の経済学

著者 : 中室牧子
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2015年6月18日発売)
3.97
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  • レビュー :368
  • Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799316856

作品紹介・あらすじ

ゲームは子どもに悪影響?教育にはいつ投資すべき?ご褒美で釣るのっていけない?思い込みで語られてきた教育に、科学的根拠が決着をつける!

「学力」の経済学の感想・レビュー・書評

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  • 「データを用いて科学的に分析する」と言う当たり前の方法論が日本の教育分野では全く機能してない事実。教育評論家とか子育て専門家が「私はこう思う」と言う意見をあたかも根拠があるかように報道、結果採用されるなど非常に危険な現状を指摘している。
    海外のデータを元に「子供へのご褒美で釣る」のはいいことなのか、「褒めて育てる」べきなのか、また「学力テスト」では何が分かるのか、「少人数クラス」の有効性等々、数々の疑問を確かなエビデンスで答えてくれる納得の行く内容。子を持つ親として、そして教員免許を持つ私としては日本の教育において実験データを駆使した効果のある施策を望む。それをやってなかった恐ろしさを知ったが…

    因みに私は褒めて恐ろしく伸びるタイプです(・ω・)

  • 育児書は私の経験談的主観の本が多く、なるほどなと思うものもあるが、「本とかね?」と思うものも少なくなかった。本書はデータを元にした教育論書で、今までにあまり無かったタイプの育児論書。納得感も大きい。

    ふと、育児についても考えてみた。このような本を読み、育児の事について考えている時間も育児なのだろう。この知識を生かせれば良いな。

    【学】
    ご褒美は「テストの点数」等のアウトプットではなく、「本を読む」「宿題をする」などのインプットに対して与えるべきだ。アウトプットは具体的には何をやればよいのかわからない。

    自尊心が高いと学力が高まるのではなく、学力が高いという「原因」が自尊心を高める結果になっている

    「あなたはやればできるのよ」などと言って、むやみやたらに子供を誉めると、実力が伴わないナルシストを育てることになりかねません。とくに、子供の成績がよくないときはなおさらです。

    「頭のいい子ね」と元々の能力を誉めるメッセージを伝えると子供たちの意欲を失わせることになる。
    一方「よく頑張ったね」と努力した内容を誉められた子は、2回目、3回目のテストでも粘り強く問題を解こうとチャレンジし続けた。

    最近の研究でも、特に苦手教科の克服には、異性同志の教師と生徒の組み合わせの方が有効である

    人的資本への投資はとにかく子供が小さいうちに行うべきだ(小さいうちに、金、時間をかけろ)

    家計が大学卒業までに負担する平均的な教育費は、幼稚園から大学まですべて国公立の場合で1,000万、すべて私立の場合では2,300万に上がる。子供がいる家庭は、年収の40%を教育に使っている

    ペリー幼稚園プログラム
    未就学児に、少人数制で読み書きや歌のレッスンを平日2.5時間実施、家庭訪問し親にも育児アドバイスをしたところ、40歳になっても継続して、所得が高い、逮捕率が低いなどの効果があり、社会収益率は年率7%~10%にも上がる計算になった

    高校を卒業後すぐに働き始めた人と、大学を卒業してから働き始めた人の間には、生涯年収で一億円の差

  • 教育経済学者である著者は、日本の教育政策に科学的根拠が必要だと主張する。米国ではそういったエビデンスベーストポリシーを15年以上前からすでに行なっている。本著で紹介されているのは信頼に足るエビデンスである「ランダム化比較試験」を行った実験が多い。巻末には約100件の参考文献が掲載されており、さすがデータを重要視するだけあると思う。「ご褒美で釣るのはありか」「教育にはいつ投資すべきか」「少人数学級の効果」等、科学的根拠を元に分かりやすく説明されていた。

    p17
    そもそも特定の個人の成功体験を一般化することはとても難しいことです。

    p18
    日本ではまだ、教育政策に科学的な根拠が必要だという考え方はほとんど浸透していないのです。

    転換期となったのは、2001年にブッシュ政権下で成立した「落ちこぼれ防止法(No Child Left Behind Act)」です。

    次いで、2002年に「教育科学改革法(Education Science Reform Act)」が制定されことによって、自治体や教育委員会が国の予算をつけてもらうためには、自分たちの行なっている教育政策にどれくらいの効果があるかという科学的根拠を示さなければならなくなりました。

    p19
    極端にいってしまえば、科学的根拠に基づく教育政策とは、「どういい教育か成功する子どもを育てるのか」といいことを科学的に明らかにしようとする試みです。

    p21
    因果関係は「Aという原因によってBという結果が生じた」ことを意味します。しかし、相関関係は「AとBが同時に起こっている」ことを意味しているにすぎません。相関関係は2つの出来事のうちどちらが「原因」で、どちらが「結果」であるかを明らかにするものではないのです。「相関関係」があるということは、必ずしも「因果関係」があることを意味しません。

    p24
    私たちは、日常生活でもよく「差」という言葉を使いますが、その「差」が単に偶然による誤差の範囲なのかにはあまり注意を払っていません。しかし、統計的に有意な差があるかどうかを確認することは非常に重要です。

    p51
    子どもをほめるときには、もともとの能力だけでなく、具体的に達成した内容を挙げることが重要

    p73
    経済学では、「将来子どもが高い収入を得るだろうと期待して、今子どもの教育に支出する」のは「将来値上がりすると期待して株を買う」のと同じ行為だと考えます。もう少し経済学的に表現すれば、教育から得られる「便益」から教育に支払う「費用」を引いた「純便益」が最大化するように、家計は教育投資の水準を決定しています。
    これが、1992年にノーベル経済学賞を受賞したシカゴ大学のベッカー教授が提唱した「人的資本論」という考え方です。

    p77
    人的資本投資の収益率は、子どもの年齢が小さいうちほど高いのです。就学前がもっとも高く、その後は低下の一途をたどっていきます。そして、一般により多くのお金が投資される高校や大学の頃になると、人的資本投資の収益率は、就学前と比較すると、かなり低くなります。

    人的資本とは、人間が持つ知識や技能の総称ですから、人的資本への投資には、しつけなどの人格形成や、体力や健康などへの支出も含みます。必ずしも勉強に対するものだけではないのです。

    p86
    非認知能力(自己認識、意欲、忍耐力、自制心、メタ認知ストラテジー、社会的適応、回復力と対処能力、創造性、性格的な特性)は、認知能力の形成にも一役買っているだけでなく、将来の年収、学歴や就業形態などの労働市場における成果にも大きく影響することが明らかになってきたのです。

    p91
    人生を成功に導くうえで重要だと考えられている非認知能力のひとつは「自制心」です。

    p92
    もうひとつの重要な非認知能力として挙げられるのが、「やり抜く力」です。

    p113
    クラスの人数が40人を超えると、クラスを2つに分けることを「マイモニデスの法則」という。これの名付け親はマサチューセッツ工科大学のアングリスト教授で、中世ユダヤ人の哲学者マイモニデスが「クラスあたりの生徒数の上限を40人にするように」と提案したことがもとになっている。

    p119「どういう学校に行っているか」と同じくらい、「どういう親のもとに生まれ、育てられたか」ということが学力に与える影響は大きいのです。

    p139
    教育委員会や自治体が、データを外部に公開することを避け、自分たちだけで分析しようとしている例が散見されますが、政策評価は第三者機関が中立性を担保しつつ行うのが望ましいと考えられます。米国では、大学に加えてアーバンインスティテュートやランド研究所、ブルッキングス研究所のような政府から独立した政策系シンクタンクが政策評価においておおいに活躍しています。日本でも同様に、利害関係を持たない第三者機関による政策評価を徹底する必要があるでしょう。

    p139
    南アフリカは、労働力調査や家計調査などの政府統計の個票データをインターネット上で世界中のすべての人に公開しています。この理由について尋ねたところ、「データを開示すれば、政府がわざわざ雇用しなくても、世界中の優秀なエコノミストがこぞって分析をしてくれる」という答えが返ってきました。

    研究者は、常に「Publish or Perish(出版か、消滅か)」という強いプレッシャーに晒されていますから、情報量が多く、代表性のあるデータであれば、多くの研究者はそのデータを分析して、論文を書きたいと思うでしょう。南アフリカ政府は、その研究者の性質をうまく利用しているのです。

  • リンゴとオレンジを比べても意味がなくランダム化比較試験が重要であり、日本は教育政策を決める際に経済学的視点が抜けているという主張。
    ・今勉強しておくのがあなたのためを伝えるのが効果が一番高い
    ・目先の利益を用意してインプットを褒める
    ・能力ではなく努力を褒める
    ・小学校就学前の幼児教育がいちばん投資回収率が高い
    ・学力をつける過程で得られる非認知能力(特に自制心とやりきる力)が重要
    ・先生の質が大事

  • 非認知能力の話は、成績や学力が下がったらとりあえず塾に行かせる傾向の多い日本ではかなり軽視されてると思うんですがどうだろう。要するにどれだけ勉強できてもやる気とコミュニケーション能力に欠けてたらなんの意味もないよね、という話なのですが。ご褒美のあげ方や学力テスト、教員免許の話はふむふむ、と納得したしおもしろかった。恣意性云々はさておき、教員や親など教育関係者は一読して損はないかと。

  • 教育経済学という新しい分野から教育のあり方を記している。これまでの教育関連の本は、著者の経験に基づいたノウハウであり、あくまでも著者の主観的な視点で記されている。一方で本書は、「経済学」の一分野であるため、データが神様であり、それらを経済学の理論や手法を用いて分析した結果を示している。
    そういう意味では、他の教育関連の本とは一線を画した名著であると思し、理系の自分としてもこれまでの教育関連本の中で最も信頼に値する内容であると思う。

    ・関関係は2つの出来事のうちどちらが「原因」で、どちらが「結果」であるかを明らかにするものではないのです。「相関関係」があるということは、必ずしも「因果関係」があることを意味しません。つまり、読書をしているから子どもの学力が高い(因果関係)のではなく、学力の高い子どもが読書をしているのにすぎない(相関関係)可能性があるのです。
    ・「目先の利益や満足をつい優先してしまう」ということは、裏を返せば「目の前にご褒美をぶら下げられると、今、勉強することの利益や満足が高まり、それを優先する」ということでもあります。実は、子どもにすぐに得られるご褒美を与える「目の前ににんじん」作戦は、この性質を逆に利用し、子どもを今勉強するように仕向け、勉強することを先送りさせないという一つ戦略なのです。
    ・ご褒美は欲しいし、やる気もある。しかし、どうすれば学力を上げられるのかが、彼ら自身にわからないのです。ご褒美は、「テストの点数」などのアウトブツトではなく、「本を読む」「宿題をする」などのインプットに対して与えるべきだということです。
    ・アウトプットにご褒美を与える場合には、どうすれぱ成績を上げられるのかという方法を教え、導いてくれる人が必要であることがわかります。
    ・ご褒美という「外的インセンティブ」を与えると、好奇心や寒心によってもたらされる「内的インセンティブ」を失わせてしまうのではないかと心配します。しかし、こ褒美(外的インセンティブ)が子どもの「一生懸命勉強するのか楽しい」という気持ち(内的インセンティブ)を失わせてはいなかったのです。
    ・自尊心と学力の関係はあくまで相関関係にすぎず、因果関係は逆である、つまり学力が高いという「原因」が、自尊心が高いという「結果」をもたらしているのだと結論づけたのです。ほめて育てても子供の自尊心を高めることは出来ないということです。学生の自尊心を高めるような介入は、学生たちの成績を決してよくすることはないのです。
    ・子供はもともとの能力(頭がいいのね)を褒めると、意欲を失い成績が低下する。一方で努力を誉められた(良く頑張ったわね)子供は成績が向上する。
    ・私たちの推計によると、1日に1時間程度のテレビ視聴やゲーム使用が子どもの発達に与える影響は、まったくテレビを観ない・ゲームをしないのと変わらないことが示されています。一方、1日に2時間を超えると、子どもの発達や学習時間への負の影響が飛躍的に大きくなることも明らかになっています。
    ・「父母ともに勉強するように言う」のはあまり効果がありません。むしろ、母親が娘に対して「勉強するように言う」のは逆効果になっています。逆に、「勉強を見ている」または「勉強する時間を決めて守らせている」という、親が自分の時間を何らかの形で犠牲にせざるを得ないような手間暇のかかるかかわりというのは、かなり効果が高いことも明らかになりました。
    ・とくに苦手教科の克服には、同性同士の教師と生徒の組み合わせのほうが有効であるなど、類似の知見が得られているものがあります。
    ・学力の高い友だちの中にいると、自分の学力にもブラスの影響があるのです。実は、学力の高い優秀な友人から影響を受けるのは、そのクラスでもともと学力の高かった子どものみなのです。中間層やもともと学力の低い子どもたちは、何ら影響を受けないことがわかっています。それどころか、自分のクラスに学力の高い優秀な友人がやってきた場合、もともと学力が低かった子どもには、マイナスの影響があるということを示す研究もあります。学力の高い同級生の存在が、学力の低い生徒の自信を喪失させ、大学への進学意欲を失わせたことを明らかにしました。レベルの高すぎるグループに子どもを無理は、逆効果になる可能性すらあるのです。
    ・ルームメイトから「成績」に対して受ける因果効果はほとんどない一方で、「行動」に対して受ける因果効果は大変大きなものだということがわかりました。その最たるものが飲酒です。
    ・習熟度別学級は、特定の学力層の子供達だけではなく、全体の学力を押し上げるのに有効な政策である。
    ・人的資本投資の収益率は、子どもの年齢が小さいうちほど高いのです。就学前がもっとも高く、その後は低下の一途を辿っていきます。そして、一般により多くのお金が投資される高校や大学の頃になると、人的資本投資の収益率は、就学前と比較すると、かなり低くなります。ただし、人的資本とは、人間が持つ知識や技能の総称ですから、人的資本への投資には、しつけなどの人格形成や、体力や健康などへの支出も含みます。必ずしも勉強に対するものだけではないのです。
    ・社会収益率が7~10%にも上るということは、4歳の時に投資した100円が、65歳の時に6000円から3万円ほどになって社会に還元されているというつことです。現在、政府が失業保険の給付や犯罪の抑止に多額の支出を行っていることを考えると、幼児教育への財政支出は、社会全体でみても、非常に割のよい投資であるといえるのです。
    ・修学前に質の高い幼児教育を受けたことでIQや学力テストで計測される「認知能力」は上昇しても、小学校入学とともに小さくなり、ついに8歳前後で差がなくなってしまう。一方で、「忍耐力がある」とか、「社会性がある」とか、「意欲的である」といった、人間の気質や性格的な特徴のようなもの「非認知スキル」または「非認知能力」と呼ばれる「生きるカ(学歴・年収・雇用などの面)」は、長期的に大きな影響をもたらしました。
    ・非認知能力は成人後まで可鍛性のあるものも少なくないということがわかっています。重要な非認知能力のひとつである「自制心」も、何かを繰り返し継続的に行うことで向上します。たとえば、先生に「背筋を伸ばせ」と言われ続けて、それを忠実に実行した学生は成績の向上がみられました。「背筋を伸ばす」のような意識しないとしづらいことを継続的に行ったことで、学生の自制心が鍛えられ、成績にもよい影響を及ぼしたのでしょう。
    ・もうひとつの重要な非認知能力である「やり抜くカ」は、「心の持ちよう」が大切である。「しなやかな心」を持つ、つまり「自分のもともとの能力は生まれつきのものではなくて、努力によって後天的に伸ばすことができる」ということを信じる子どもは、「やり抜くカ」が強いことがわっています。
    ・きちんとしつけ(非認知能力)をすることよりも、テストで100点をとらせること(認知能力)のほうが大事だという価値観が、私たちの社会に根づいてしまっているようにも感じます。しかし、非認知能力への投資は、子どもの成功にとって非常に重要であることが多くの研究で示されています。非認知能力は、人生のかなり長い期間にわたって、計り知れない価値を持ちます。しか最近では、非認知能力を鍛える手段として、部活動や課外括動にも注目が集まっています。目の前の定期試験で数点を上げるために、部活や生徒会、社会貢献活動をやめさせたりすることには慎重であるべきかもしれません。
    ・「教育を受けることの経済的な価値」を具体的にいうと、「高校を卒業後すぐに働き始めた人と、大学を卒業してから働き始めた人の間では、生涯に稼げるお金に1億円の差がある」ということ。大学に行けば宝くじで1億円が当たるのと同じ価値があるということ。
    ・学力(中3)に与える影響の割合は、「遺伝」「家庭環境」「その他」の順で35%、34%、30%である。教育年数の場合は27%、47%、26%の順であり、所得の場合は30%、41%、29%の順である。

  • 経済学の視点で教育を見た本。
    巷で言われていることは本当に教育としての効能があるのか科学的に実験し、思考した。

  • 個人的な体験で語られがちな教育の分野に関して、経済学者がデータを基にして、既存の教育に関する通説(ご褒美で子供を釣るのはまずい?ゲームをやると暴力的になる?)の是非を主に統計データから判断しようとするもの。

    要点は以下の通り

     因果関係と相関関係を混同しないように
     短期的かつ行動に対しての報酬(ご褒美)が最も動機づけとしては強い
     ゲームが子供の行動に悪いとは言い切れないゲームは1日1時間程度であれば問題ない。ただし、長時間の場合は悪影響が見られる。
     子どもの学力に影響力が大きいのは学校教育以上に、親の年収と遺伝
     子供の友達(学力が高い子)の影響力は学力が近いときのみ有効。また悪い行動は非常に感染しやすい
     学力以外の非認知特性(自制心、やり抜く力、勤勉さ)は学力以上に重要
     小人数よりも教員の質をあげるほうが費用対効果は高い
     日本の教育に関してはエビデンスに基づいたものが非常に少ない

    ある程度関心があったんで知っていることも多かったし、内容に関しては7~8割がた同意。

    データから通説の是非を検証しようとする姿勢はいいのだが、統計の基本的に見方にそれほど熟知しているわけではないのでどの程度正しいのかはちょっと不明。

    また筆者も言っているがほとんどがアメリカのデータであるだけに日本で同内容のことがいえるかどうかは疑問点が残る。

    ベストセラーだけあって専門的なことを書いている割には非常に読みやすい。

  • 教育をデータで科学した本。
    細かいところでは1つ2つ引っかかったところはあるものの、今まで抱いていたもやもやをデータで説明してすっきりさせてくれた印象。

    特に教育だの人事だのという領域には
    なかなかデータ活用(収集含む)になかなか手が付いていないのが日本の現状だと思うが、
    このような本をきっかけに、今までの思い込みによる問題が解決され、
    いい方向に向かうとよいと思う。

    営業の訪問の際にも(話題が出たら)使いたいものがいくつもあった。

  • 「あとがき」を読んでもわかるように、この本は、「教育経済学」とそのための「実験」「統計調査」の市民権を獲得するための宣伝本といっていい。主にアメリカの教育経済学による実験を多数、カタログ的に紹介している。ここでは、そのデータ(著者が言うところの”エビデンス”)を示すことが重要で、それをどのように解釈するのかはさして重要ではない、というかこの本の主眼ではない、ということなのかもしれないが、それにしても、それぞれのデータに添えられた著者のコメント(解釈?)はお粗末なものが多い。教育問題は、データでなくその人個人の経験にもとづいて語られやすいと著者は言うが、データがあってもそれを解釈する際、結局その人個人の経験が解釈の方向づけをしてしまう。また、実験や調査の設計自体、実験者・調査者個人の経験が色濃く反映しているだろう。このことについて著者は無邪気に無自覚である。教育という社会事象について、ひとつの実験、ひとつのデータ(エビデンス)だけで語れることはない。それも、データのきちんとした解釈してみせることで示すべきではないか。

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