はるなつふゆと七福神

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
3.28
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  • (3)
本棚登録 : 292
感想 : 74
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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799317631

作品紹介・あらすじ

会社をクビになって自堕落な生活を送る都冬のもとに、小さな老人2人があらわれた!その正体はなんと七福神!しかし、七福神は七福神でも福禄寿と寿老人というかなりマイナーな神様だった…。知名度が低いことを悩む二柱に、ネットを使ったPRを頼まれた都冬。「-お二人の名を広めることが出来たら、私の願い事も叶えてもらえますか?」そうして、都冬と神様たちの可笑しな生活がはじまった…!全国の書店員が選んだ「世に出したい」新作!!本のサナギ賞優秀賞。

感想・レビュー・書評

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  • 献本です。
    全体的に心地よいのが良かった。
    読みやすく、展開も良い。
    子供向けのアニメにしても良いかもですね。

    七福神巡りと住所氏名は、これから行いたいと思う!

  • 主人公の年齢イコールおおよその対象年齢とするならば、ものたりない。
    中学生の設定に変え、学校の図書室の『七福神を楽しく学ぼう』のコーナーに並べた方が似合っているように思う。
    好きな文体とも、面白いとも言い難いが、福禄寿と寿老人というマイナーな神様にスポットを当てるという発想や、サクサクというよりサラサラと読める文体は十分魅力といえるだろう。
    キャラクターについては、仁谷くんが二枚目設定ではいけないのだろうか、マッチ棒みたいな人と思うとあんなシーンがあってもキュンとこなかった。
    神使というそうだが、七福神は動物を連れているらしいというのは勉強になった。鯛や鼠は有名な方だろうが、鹿や鶴もいたとは。そして鹿がひよどり、鶴がおつうという地味にややこしいネーミングの二匹が可愛らしい。
    バウンドプルーフには珍しく「あとがき」があったのだが、エッセイ書いてみては良いのではないかと思った。

  • ブクログで献本をいただきました。ありがとうございます。「ハイ&ロウ」で書評を書くことにする。

    (ハイ)
    ・サクサクッと読める。その割には献本いただいてからアップが遅いと言われそうだが、読者にもいろいろ事情があるんです(←言い訳)。
    ・彼氏なし、失業中の都冬ちゃんの境遇と、パソコンをそこそこ使えるという「設定」はベタだが、共感度高し。七福神たちのファンタジー部分にすんなり入れるのも、都冬ちゃんの現実感覚があればこそ。
    ・荒唐無稽のようで、ちゃんと神様たちの設定や行動原理は、調べて書かれていて、慎重に読めば七福神通になれる?
    ・時々突然説明なしに出てくる郷里(富山)の妹との、方言に戻った会話が、いいアクセントになってる。

    (ロウ)
    ・展開があまりにもオーソドックス。
    ・七福神たちが七福神になるためには、それなりの波乱万丈の歴史があったはずで、それは次の作品にとっておいてもいいのですが、その歴史が垣間見える「深み」のある会話が少し欲しかった。神様と人間を隔てるものとは何なのでしょうか?
    ・せっかく、いくつかのアッと驚く展開を用意していて伏線も幾つか置いてあったのだが、「あゝなるほど」と思うニヤニヤする伏線を張って置いて欲しかった。

  • 著者がゲーム実況者であることから本作を知り購入。難しい表現はなく、すぐに読めます。終始優しい雰囲気なので、疲れた時の甘いもののようにほっこり癒されます。
    私自身、自分のツキとか長所の無さにヘコむことが多いのですが「内角の和」という言葉に元気を貰えました。
    また文庫版に新たに追加されている短編で本編に繋がるストーリーが読めてよかったです。

    余談ですが本作は以前、クイズゲームアプリとのコラボがあり、福禄寿と寿老人は、著者が在籍する実況グループのメンバーがキャラボイスを担当しており、読んでいる間の脳内再生も楽しめました(笑)

  • 夏に献本いただき、すぐに読んでレビューを書くべきところ、遅れてしまいました。お正月になって七福神の縁起がよさそうな本だなと読みました。小説というよりラノベという感じ。主人公の名前が「はるなつふゆ」というあたりからも感じられが、七福神というキャラクタを登場させるとことあたりもラノベを感じさせる。「本のサナギ賞」ということでもあり、まだ、校正段階の本なので、粗削りの部分もあるが、おもしろく読めた。登場人物が多く(七福神+福助など伝統的キャラも登場)、動作描写が分かりにくいところもあるが、これがアニメや映画になったら面白いだろうと思った。若い人には途中でイラストでも入れないとキャラクタが分かりずらいのだと思う。

  • 住所を伝えておまいりに行ったら
    二人の神様がついてきてしまった…!!

    そんな不思議系な作品です。
    つふゆは不況の犠牲となり
    職を解雇されてしまい、
    なかなか職を得ることができないのです。

    そんなときにおまいりに行ったらついてきたのですよ!!

    始めはこのマイナーな二人の七福神を
    有名なするための宣伝活動をするのですが
    やがてそこから七福神の権威争奪戦という
    神様は勝手だ!!的な戦いへと都冬は
    巻き込まれてしまいます。

    そんな戦いの中で
    悲しい思いをしたときのリベンジの機会が
    やってきます。
    ちなみに、衝撃の事実が出てくるのです。

    まあ、少しまとまりにかけますが
    ハートフルな作品でした。

  • ブクログの献本企画に当たったので読んでみた本。
    http://info.booklog.jp/?eid=786 

    1/77に選ばれてしまいました。ありがとうございました。

    途中の登場人物や神様たちのお話をうまいこと終盤でまとめてくれていて全体として面白く読ませていただきました。今後もこういったお話の組み立てと軽い感じの文体路線で行くのか、まったく別の作品になるのかわかりませんが、今後も何か書いていただけるのなら楽しみな作家さんだなあと思いました。


    ブログはコチラ。
    http://blog.livedoor.jp/oda1979/archives/4930471.html

  • 私も献本で貰いました。
     事の始まりは失業中の女性「榛名都冬」と七福神との話ですが、出会った最初に「福禄寿」と「寿老人」に主人公が会いますが、その神様に「名前」で笑わるけど、のちに他の七福神も登場します。

  • (2015.08.14読了)(2015.08.07入手)
    主人公は、はるなつふゆさんですが、春夏冬ではなくて、榛名 都冬さんです。
    春夏冬と書くと、秋がないので、飽きない名前という願いを込めて、名づけられたのだそうです。妹さんが、秋菜さんですから、姉さんに抜けてる秋を補っておきたかったのでしょうか。
    榛名都冬さんと七福神の物語なのですが、七福神の名前を全部言えるかといわれると、ちょっとわからないので、ウィキペデイアから以下に拝借しておきます。

    ◆恵比寿
    イザナミ・イザナギの間に生まれた子供を祀ったもので古くは「大漁追福」の漁業の神である。時代と共に福の神として「商売繁盛」や「五穀豊穣」をもたらす神となった。唯一日本由来の神である。
    ◆大黒天
    インドのヒンドゥー教のシヴァ神の化身マハーカーラ神。日本古来の大国主命の習合。大黒柱と現されるように食物・財福を司る神となった。
    ◆毘沙門天
    元はインドのヒンドゥー教のクベーラ神。戦いの神であったが、仏教に取り入れられてから、福徳増進の神としてしだいに民衆に信仰される。日本では毘沙門天(ヴァイシュラヴァナ)と呼ばれる。
    ◆弁才天(弁財天)
    七福神の中の紅一点で元はインドのヒンドゥー教の女神であるサラスヴァティー神。仏教に取り入れられ、音楽・弁才・財福・知恵の徳のある天女となり選ばれた。七福神の一柱としては「弁財天」と表記されることが多い。
    ◆福禄寿
    道教の宋の道士天南星、または、道教の神で南極星の化身の南極老人。寿老人と同一神とされることもある。長寿と福禄をもたらす。
    ◆寿老人
    道教の神で南極星の化身の南極老人。日本の七福神の一人としては白鬚明神とされることもある。
    ◆布袋
    唐の末期の明州(現在の中国浙江省寧波市)に実在したといわれる仏教の禅僧。その太っておおらかな風貌が好まれ、手にした袋から財を出し与えてくれる。弥勒菩薩の化身ともいわれている。

    七福神が、恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋となったのは、江戸期ということです。
    それまでは、「寿老人と福禄寿はともに南極老人星の化身とされることから、この二者は本来同一のものとみなし、寿老人の代わりに吉祥天・お多福・福助・稲荷神・猩猩・虚空蔵菩薩が入れられることがあった。」とのことです。
    この本でも、福助、猩々が登場して、脇役として活躍しています。福助さんの苗字は、叶ということのようで、叶福助として出てきます。苗字があるなんて知りませんでした。
    猩々については、「人の言葉を理解し、人の顔や足を持ち、酒を好む動物とされている」とのことです。
    この本を読むと、七福神とその周辺の神々や妖怪についての知識が増えることは受け合います。日本の伝統的な信仰についての好奇心がそそられること請け合いです。
    黒暗天という敵役のような神?も出てきますが、ネットで調べると、黒闇天で、
    「容貌 醜悪で、人に災難を与えるという女神。吉祥天の妹で、密教では閻魔王 の妃とする。」
    という説明が出てきます。

    物語は、不況で会社を解雇になった榛名都冬さんが、近所の福禄寿と寿老人が祀られている神社にお参りし、願い事を告げる際に住所と名前を添えておいたら、福禄寿と寿老人がアパートに訪ねてきたところから始まります。
    福禄寿は、鶴と亀がついているらしいのですが、鶴だけ連れています。寿老人には、鹿がついています。
    二人の老人は、七福神のなかで、福禄寿や寿老人は、知名度が低いので、ネットで宣伝して、知名度を上げてくれたら願い事を聞いてあげるというので、ブログやツィッターで話題にしてあげます。そのうち、福禄寿や寿老人もパソコンの操作を覚えて、自分で書き込んだりするようになります。
    アクセス数が増えたり、フォロワーが増えたりで、成果が上がっているように見えたので、榛名さんの願いをかなえてくれるのかなと思いきや、就職等についての御利益は、恵比寿のほうが高いとかいうので、そちらに行ってとかしているうちに、恵比寿と大黒天の神様同士の勢力争いの話に移行していって、恵比寿ビールと大黒生のビール戦争みたいになったりして、さらに、妖怪退治の話も絡んできたりで、神々と妖怪の話になってしまった感じです。
    奇想天外な話が好きな方にお勧めです。
    読ませてもらったのは、発売前の見本刷りですので、未校正の部分があるとのことです。正式発売のさいには、誤植は、直っていることでしょう。

    ●はるなつふゆ(24頁)
    「はるなつふゆ?」
    「何事にも飽きないようにと、祖母が付けてくれました」
    ●誤植?(66頁10行目)
    道行く人々に不振な視線を⇒道行く人々に不審な視線を
    ●誤植?(75頁4行目)
    人間代表として誤るべきなのか⇒人間代表として謝るべきなのか
    ●誤植?(145頁8行目)
    互いに掛ける物を述べて⇒互いに賭ける物を述べて

    (2015年8月15日・記)
    内容紹介(amazon)
    サナギ賞審査員の書店員さんから「くだらないけど大好きです!」と好評の日常系ファンタジー
    会社をクビになって途方に暮れていた榛名都冬(ルビ:はるな つふゆ)のもとに突然現れたのは、七福神の老人コンビ、福禄寿と寿老人!
    知名度が低いことを嘆く二柱に、ネットでのPR活動を頼まれた都冬。
    「……お二人の名を広めることができたら、私の願い事も叶えて貰えますか?」
    1人と2柱の奇妙な共同生活が始まった!

  • 献本企画に応募して当選したので読みました。
    なかなか面白かったです。
    七福神については全く興味なかったので、
    何の神様がいるのか知らなかったし、それぞれの特徴なんてさらに知りませんでした。
    色んな要素が詰め込んであるパーティーみたいな文章で、展開を楽しみにしながら読み進める事が出来ました。
    それぞれの神様の個性がはっきりつくられていて、入りやすかったです。ただ、最後まで福禄寿と寿老人の違いがつかめないまま読み終わりましたが…。
    日常と非現実がうまくミックスして最後は壮大なシーンもあり、娯楽映画だなと思いました。
    これを読んだらいろんな寺社に行きたくなるでしょうね。
    あと、私が気づく様な誤字が2カ所ありました。

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