恋愛しない若者たち (ディスカヴァー携書 153)

  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (327ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799317693

感想・レビュー・書評

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  • 未婚女性は35歳を過ぎると、その後結婚できる確率は1割あるかないか(総務省)。

    さらに35~37歳を過ぎると、今度は妊娠確率もガクッと落ちる。

    理想が高くなる一方、叶う確率は下がるジレンマ。


    交際相手がいない20代は、
    女性で60%
    男性では76%にも及ぶ(2014年)


    「過去に一度も交際経験がない20代」を見ると、
    女性で23%、
    同男性では41%にものぼる(2014年)


    一方で恋人が欲しい人は
    男女共に約6割(内閣府2015)

    欲しいのに出来ない人がいる実情だ。

    ちなみに恋人が欲しくない人の理由の約半分は
    「恋愛は面倒」

    会いに行けるアイドルの登場
    バーチャルアイドル
    などなど、恋愛の代わりが出現

    「二次元は裏切らない」
    傷つかないで擬似恋愛が出来る時代へ

    アメリカの研究によると
    「女性に限っては、18歳ごろまでに性行為をしてしまうと、高校中退や大学未進学の確率が約2倍に高まる」
    妊娠、快楽、判断力などに影響を与えるのではないかと言われている

    彼氏以外のセフレがいる女性は14%
    交際相手以外セックス経験ありの独身男女は
    男性40%
    女性43%(2015年)

    女性デートDV被害経験は43%(2013年)

    一方で男性側被害も3割あるのは驚きだ。

    束縛、モラハラ、リベンジポルノ
    被害後引きずる女性も多い。

    NOと言えない気持ちを伝える関係の構築が出来ない若者。空気を読み続ける。
    無難に平和を求めすぎる結果、表面上の付き合いに。

    そしてこの環境は若者でなく、大人たちが作り上げた社会の仕組み。

    20代のデキ婚率44%

    男性の年収200万弱は約3割
    この20ー30代の既婚率は3%

    300万円未満では、15%

    300〜800万では30%前後

    男性は、雇用形態と年収が大きく結婚に影響する


    「結婚相手を愛しているか」の問いに
    年収300万円未満の夫婦は48%が 「愛している」年収800~1000万円では33%のみ

    また、毎日キスをしている夫婦の割合や夜の営み(セックス)の回数も、年収が低くなればなるほど多くなる傾向が出た


    告白や入籍が当たり前の文化は日本だけ
    男女ともに恋愛感情を伴わないセックスが4割を超えている
    つまり、日本の恋愛も欧米化しているとも言える

    一方で告白しないと無責任という
    貞操観念が日本には根強く残っている


    ある結婚相談所の調査では、5年間で「夫が11~15歳年上」のカップル(妻)が、13%から38%にまで増えた

    歳の差婚の増加である

    また現代には条件の多いバツイチ男性も多く市場に放出されている
    「初婚より、あえてバツイチ男性を狙う」と豪語する女性が増えていると言う

    年上男性のメリットは
    ・穏やか、包容力、知識、経験、安定


    既婚男女で
    収入を別々で管理しているは43%


    同棲のきっかけは
    何となくいつの間にが33%
    結婚を意識が32%

    お試し婚(同棲)が増えている
    1 結婚ほど身構えず、お試し感覚で異性と共同生活できる
    2 割り勘が前提なら、ルームシェア感覚で家賃や生活費を抑えられる
    3 同棲生活を通じて相手に「情」が生まれたり、自分に自信が持てる

    同棲相手と結婚した男女の約4割が「(同棲が)結婚後への自信につながった」と回答
    続く第2位は「親愛の気持ちが生まれた」(約3割)だった。


    恋愛や結婚のリアルを知る事ができる本書。
    時代は変わっていると感じた。
    結婚の形は、生き方は様々だ。

    求めるものも多種多様だから、今まで通りの普通の出会いでは中々理想には巡り会えなそうだ。
    いかにマッチングするか。


    出会う場所は関係ない。
    いかに、誰と出会うか。
    これが、生涯の幸せに繋がるのではないかと思う。

  •  恋愛の形や結婚の常識も時代によって移ろいでいくものであるとしみじみと感じる一冊。
     新しい結婚への後押しは少し性急すぎる気もしたけど、これからの社会には必要となっていくのかもしれないなと思った。

  • マーケティング会社経営者の牛窪恵による、現代の性事情を書いた一冊。

    最近は年齢的に若い人の性事情を知る機会も少ないので、その分析は面白かった。

  • なぜ未婚率がこれだけ増えているのかというテーマに対して、
    平安時代から歴史的にみた結婚に対する考え方の変化、
    男女平等社会である現代と古い価値観のギャップなど、
    幅広い観点から考えた結果とこれからの新しい時代にふさわしい結婚というあり方の提案がされている。

    また、結婚に対して男女が求めるものや年収との関係、恋愛のリスクなど調査した結果が多数紹介されている。

    これらの結果を自分と照らし合わせた結果、
    女性が社会進出し稼ぐ時代になった今、
    金銭的に余裕があり、
    子供がそこまで欲しくない女性にとって
    結婚はメリットがないと感じた。
    むしろ結婚後の離婚やDV、モラハラ、嫁姑問題、シングルマザーなどリスクの方が多い。
    とりあえず誰でもいいから結婚したい、とはどうしても思えない。
    老後の不安や孤独死が最後に挙げられていたけど、
    むしろ結婚相手が認知症になるリスクもあるし
    結婚していたって1人で死ぬこともある。
    死ぬ瞬間のために大して好きでもない相手と生活するなんて耐えられないと思った。

    結論、本書を読んで自分は結婚したいと思ってないことに気づいた。

  • ●いまの若者は、親にしがみついているわけではない。甘えているようで、むしろ親に気を遣っているのだ

    恋愛と結婚は「まぜるな危険」。若者世代も、親世代も、国すらも、結婚に対する考え方を改める時代にきているのかもしれない。

  • まあ…あんまり真に受けないようにしたい本だなぁ…という感じですね! 著者のことは「ホンマでっかTV」などで知ってはいるんですよね。コレ以外にもいくつか著書を読ましていただきましたし…

    まあ、なんというか現代の若者は感情のままに動かないような気がしましたかねぇ…自分の感情に素直になる前にコスパとか? 考えてしまうというか…

    そういう意味ではバブル世代の、浮かれた雰囲気の方がある意味人間らしいというかね、気持ち・感情をそのままに爆発させて生き物っぽく生きてはいるなぁ…という気がしましたね。

    ていうか、恋愛なんて打算的にするもんじゃないと思いますけれども…感情を無視してしまってはそれこそアレですよね、「旦那は要らない、だけど子供は欲しい」みたいな感じになって男は本当に精子バンクになってしまいますよ!!

    今後の日本がどうなるのかは知りませんが…何かと閉塞感漂う世の中ですし…リスクヘッジ?(笑) を考えつつ行動するような若者が後を絶たないんでしょうなぁ…きっと…。

    となるとやはり今後も恋愛には消極的というか、慎重になる若者も増えるでしょうし、少子化も止まらぬでしょう…という見方をしました、僕は。

    さようなら…。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • たくさんのデータと取材をもとに構成された社会学っぽい書籍で大変おもしろかった。
    性にまつわるテーマであるため、どうしても拠り所が『an・an』などといった、n数はいくつですか、対象者は誰ですかという雑誌に頼らざるえない場面があるようで、その点では「極論」だとか「ほんの一部の事例」と評する人がいると思うけれど、若者が以前より恋愛をせず恋人をつくらない事実は、内閣府の「少子化白書」からも間違いないこと。その原因は何かをさまざまな角度から深堀りしていて、ぐいぐい読めるものだった。

    著者の牛窪恵さんは、「おひとりさまマーケット」や「草食系男子」などの言葉を生み出した方で、ネットで検索すると、一部の現象をあたかも全体の傾向のように表現する人だと批判されていることが多い。どうやらTV出演でそういう印象を抱く人がいるようだ。

    確かに、今どきの若者(厚生労働省の基準では34歳までを指すが、牛窪さんは平成生まれとかゆとり世代の20代を指していると思われる)のうち、恋愛や性についてコスパの良し悪しを基準に語る人がどれだけいるのかはわからない。しかし、確実に性欲を解消するための商品は「コンビニ」で購入するような気軽さで買えるし、20代で非正規として働いている率が3割を超えている現実から「コスパ」は考えざるえないという状況なのは想像に難くない。
    その状況を牛窪さんは、やや戦略的に過激な言葉で表現している。逆にいえば事象の切り取り方と表現方法、売り方が巧いマーケターで私なんかはその才能に唸ってしまった。すらすら読ませる文章力、なるほどど思わせる論理力もすごい。

    取材に応じた若者たちの事例がどこまで一般的なのか、あるいは特殊なのかは私の限られた人間関係からは見えないものの、セフレやソフレがいようと、超親ラブ族であろうと、「結婚」は特別なものであり、絶対に不要なものであるとは思っていないように感じる。どちらかというとフランスのPACSのような制度による事実婚や、別居婚・週末婚のような多様な結婚の在り方が自他共に認められさえすれば問題はそこまで深刻にはならないのかもしれない。政府はより時代に合う法に改正し、環境整備すべきだ。

    ただ恐れているのは、この「恋愛はコスパに合わない」「結婚は必需品ではなく嗜好品」という言葉がひとり歩きして増長していくこと。私のような分際が何を宣われていらっしゃいますか…という周囲からの厳しい目は重々承知しています。この投稿は自虐だとわかっています!

    最近よく思うのは「本には真実や大切なことが書かれていないのではないか」ということで、どこか人を振り向かせる刺激や中毒性を孕んでいないと本は売れないため、鵜呑みにしすぎてはいけないと自戒の念に駆られます。『星の王子さま』でいうところの「一番大切なものは目に見えない」という話です(が、星の王子さまを引用してくること自体が話の展開として矛盾してますね笑。まあ続きを読んでください)。非日常の世界を繰り広げる「書籍」で語られた金科玉条の言葉たちや、逆に俗っぽくてキャッチーな言葉たち。その連鎖で日常がかたちづくられていることをよくわかっていなければいけない。資本主義社会では、ものを売るために非日常の言葉によってつくられた日常がごくごく当たり前であり、それは避けられないし、一方的かつ全面的に悪とはまったくいえない。いや、資本主義社会でなくとも、人の営みは非日常の言葉で脈々とかたちづくられてきた。

    だから、この本の内容をそのまま鵜呑みにして、はいそうですかはかなり危険だと思う。牛窪さんによるひとつの問題提起であり、調査や議論の種であり、何かの花を咲かすための道具だと位置づける理性をもちたいです。

  • 若者はなぜ恋愛しないのか?

    右肩下がりの経済、簡単に手に入るアダルトコンテンツ、ストーカーなど恋愛のリスク諸々、昔のようにオープンに恋愛するのは難しくなってきている。

    でも、子孫を残すという本能的な欲求がその程度の条件でこうも変わるんだろうか?

    自分は20代だけど、自由な恋愛をしたいと思ってるし、むしろしたくないと言う人の気持ちが分からない。
    データがたくさんでてくるので、いろいろ突っ込みながら読める本です。

  • 少し前と感じる2000年ごろとは、こんなにも働き方等の社会背景が違うものなんだと驚いた。

  • データから今の恋愛や結婚の傾向が見えるのは面白い
    逆転婚を受け入れるほど早く幸せに辿り着けるの部分も納得

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著者プロフィール

世代・トレンド評論家。立教大学大学院ビジネスデザイン科客員教授。インフィニティ代表取締役。マーケティングライター。1968年東京生まれ。91年、日本大学芸術学部 映画学科(脚本)卒業後、大手出版社に入社。フリーライターを経て、2001年4月、マーケティングを中心に行う有限会社インフィニティを設立。トレンド、マーケティング関連の著書を多数執筆するほか、NHK総合「所さん!大変ですよ」、フジテレビ系「ホンマでっか!?TV」、日本テレビ系「ウェークアップ! ぷらす」ほか,テレビのコメンテーターとしても活躍している。

「2020年 『若者たちのニューノーマル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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