老子の教え あるがままに生きる

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799321157

感想・レビュー・書評

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  • 1.昔の時代の人の書籍を読み漁っているのでたまたま目についたから

    2.老子と呼ばれる人は個人名ではなく、卓越した人のことを指しており、中国ではその呼び名が現在にまで影響を及ぼしています。本書では老子からみた世界と人間に対しての本質を説いています。愚かな人間と豊かな人間は何が違うのか、国はなぜ安定しないのか、今現代で起こっている問題は昔から何ら変わっていません。歴史は繰り返されるということも伝えたいのではないかと思います。ならば、かつての歴史はどのように解決してきたのかを学ぶことが本書の意義ではないかと感じます。

    3.悲しいかな。歴史は残念ながら繰り返されるのが人間の性ではないかと思います。安定しない政治、治らない戦争、いっこうに縮まらない貧富の差、どれをとっても昔からずっと抱えている問題です。なぜ、変われないのか、答えは「それを望む人がいるから」だと考えてます。戦争は経済活動でしかないし、富を求めるなら誰かから搾取するしかありません。
    自分はこのような本を読んだ時は「いつも結局そこなんだよな」って落ち着いてしまうので、諦めて終わってしまいます。ですので、自分でできる範囲を救うということを決めて生活するしかないなと思いました。

  • 数年前に安富さんの「超訳論語」を読んで、衝撃をうけた。

    え〜、論語って、そんな話だったのか!!!これまで「論語」だと思っていたのは、権力者が民衆を都合良く支配するためのツールのようなものだったんだ!

    本当に安富さんの解釈の線で「論語」を読んでいいのかなと、何冊か論語関係の本を読んでみると、たしかに安富さんの解釈に繋がって行く可能性がある本もいくつかあった。

    特に、センゲにも影響をあたえたと思われる南懐瑾の「論語別裁」は、かなり近い感じ。

    というわけで、わたしのなかで、論語ルネサンスがおきて、論語を「学習する組織」の文脈、つまり「ダブルループ学習を通じた人と組織の成長」という視点で読むというが、一つのブームになった。

    その安富さんが、「老子」に取り組んだのが本書。

    「超訳論語」と同じ出版社からで、装丁も同じ感じ。色がグリーンで、「超訳論語」のブラウンと並べると美しい。

    「超訳論語」と同じく、とても分かり易い訳文で、す〜と頭に入ってくる感じ。

    「老子」については、もともと「かくあるべき」ではなく、脱力気味に、自由に読んでいたので、安富さんの解釈のものを読んでも、ある意味、衝撃はない。

    あ〜、やっぱそんな感じだよね。

    みたいな。

    解説を読んで初めて、あ〜、そこは従来の解釈とは違うんだな〜、と気付く始末。

    でも、解説を読んで違いに納得はするものの、「老子」という本の全体の印象が変る感じではない。

    「老子」は、分からない文章があちらこちらにあるものの、その基本的なメッセージは単純で一貫しているように思える。

    じゃあ、そのメッセージが本当に身体レベルで分かって、実行できるかというとそれは全く別の話。

    「優れた人は、道理にかなった言葉を聞くと、努めてこれを実践しようとする。
    普通の人は、道理にかなった言葉を聞いても、半信半疑である。
    劣った人は、道理にかなった言葉を聞くと、大笑いする。
    そういう人に笑われないようであれば,道理にかなった言葉だとはいえない」

    ということです。

    「老子」は、昔の本がいくつか発見されていて、実は、前半と後半が当初のものと入れ替わって伝わっているということはほぼ確実だと思われる。

    で、「老子」の後半部分をそういう気持ちで読むと、これが「論語」とかなり近いセンスなんだよね。

    とくに安富さんの訳した「論語」とは、直接つながっていくと思う。

    中国では、表は「論語」で、裏は「老子」と使い分けてこられたみたいな話をきくことがあるけど、使い分けというより、それこそ陰陽みたいな感じで、一体のものとして、実践されてきたのではないかと思った。

    ちょっとした思いつきだけど、「超訳論語」は、センゲの「学習する組織」、「老子の教え」は、シャーマーの「U理論」みたいな関係かも?

    「生きるための老子」みたいな、解説書がでるといいな。

  • 真理に触れる道理にかなった言葉を聞いたときの反応で、その人がどれほどの人物か評価できる。

    優れた人は務めて実践しようとする。
    普通の人は半信半疑である。
    劣った人は大笑いする。そういう人に笑われない
    ようであれば、道理にかなった言葉だと言えない。

    隠れていて名付けられようのない道に従うことで初めて何ごとも善くはじまり、善く成長する

     


    自分には理解できない、腑に落ちない箇所も
    多々あり難しかった。
    歳を重ねた後また読んでみたい。

  • 参考図書

  • 道教の基本は、満足を知ることにあるんだな。きっと。

  • 深かった。何を言っているのか分からないところもある。けれど、すごく「面白い」と感じ、どんどん読み進めたくなる本だった。心が綺麗になり、欲望が少なくなると感じる本だった。
    これが2000年以上前に書かれたものとは、、。

    人間の真理は、いつまでも変わらないのかもしれない。

    柔らかく生きよう、欲深くなく生きよう、自分が偉いと錯覚しないように生きよう、周りを見下さないように生きよう、足るを知れる自分でいよう、と思えた。

    「分かったつもりにならない」
    「執着しない」
    肝に銘じたい。

  • 老子の教えは深い。
    まだまだ私には難解。
    道にそい、水のように柔らかになれるべく過ごす限り。

  • 老子の意訳
    手っ取り早く老子を読みたかった。
    その目的は達したが、もっと読み込みたくなった。
    順番が変わっているのはなんでだろう?

    論語も読みたい。

  • なかなか壮大なことが書いてあるので、後半は軽く読みました。
    こんな風に達観することは難しいけど、よく生きるには感性を豊にすればよいというのは好きなことばになりました。

  • 自然体で生きよ、との教えは決して間違っていないが、個人的には共感も実践もできそうにない。
    何ら大志を抱かず、無為に生きると言うのは人類にとって後退ではないか?
    最後までこの印象が覆ることはなかった。

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著者プロフィール

東京大学東洋文化研究所教授。1963年、大阪府生まれ。
著書『「満洲国」の金融』『貨幣の複雑性』(以上、創文社)、『複雑さを生きる』(岩波書店)、『ハラスメントは連鎖する』(共著、光文社新書)、『生きるための経済学』(NHKブックス)、『経済学の船出』(NTT出版)、『原発危機と「東大話法」』(明石書店)、『生きる技法』『合理的な神秘主義』(以上、青灯社)、『生きるための論語』(ちくま新書)、『満洲暴走 隠された構造』(角川新書)ほか

「2021年 『生きるための日本史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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