コンサルを超える 問題解決と価値創造の全技法

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799323144

感想・レビュー・書評

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  • 【総論】
    部下をもち指導することが多くなったことで体系的な問題解決手法の知識が必要となり、本書を手に取った。著者がマッキンゼー、ボスコンで合計20年のキャリアがあることもあり、問題解決の基本となるWhy-What-Howやフレームワーク、2軸展開の手法がわかりやすく纏められていることに加え、CSV(Creating Shared Value)等の最新の経営戦略に触れることができ、気づきの多い良書であった。また、コンサルをやっていると戦略の領域に近づけば近づくほど「3つのバランス」を唱える方に会うことが多かったが、本書を読んで納得できた。戦略を扱う人種は意識・無意識にかかわらずwin-winを見つけ出すシステム思考で全体最適を考え意思決定を行っているのかもしれない。

    【気づき】
    ■問題解決は「Why not yet」がキモ
    著者曰く、問題解決は下記の順で論理展開を行う

    ①何が問題か(What)
    ②なぜ、それが問題なのか(Why)
    ③なぜまだそれができていないのか(Why not yet)
    ④それができるようになるためには、どうすればいいか(How)

    ・この中でも③が特に重要でありストーリーでいう「さび」にあたる。なぜ本来やるべきことができないのか?これこそが問題の本質となり、そこが見えるとそこに対するHowが答えになる。
    ・定義された「問題」は成長の機会に昇華されることも忘れてはならない。短期的な問題はとりあえず解決するにせよ、そこからヒントを得て、次の成長のネタを見つけることのほうが課題設定として重要となる。
    ・問題の本質、解決する答えもすべて自分の中にある。すなわち、「正しい答え」を見つけるのではなく、自分らしい答えを見つけることが重要。
    ・危機と機会は表裏一体のため、それをどう生かすかの答えは自分たち自身の中にある。その会社の癖、会社らしさに併せてゴールに導くことが本筋。
    ・何をもって問題解決とするかは時間軸の置き方によって全く異なる、結果、何にフォーカスするかが異なる。

    ■MECEはダブりOK
    ・ダブる部分にこそ、新しい発見がある

    ■マトリックスパワー(2軸の取り方)
    ・最もダメな軸の取り方は、同じ動きをする軸や相互に影響しあっている軸をとってしまうこと。
    ・X軸は手段、Y軸はその目的を示す。また、軸をとる際には2つの異なる概念を別の軸上に捉えなおすことで二律背反だと考えられた2つのポジションを両立させる可能性がでてくる。
    ・例えば、品質とコストは長い目でみると決してトレードオフの関係ではない。時間軸の概念を入れると、短期的にはコストが利益を食う可能性があるが、一方で将来的な大きな利益を生む可能性もある。

    ■7Sフレームワーク
    ・ストラテジー(戦略)、ストラクチャー(組織構造)、システム(仕組み)【ハードS】
    ・スタッフ(陣容)、スキル(能力)、スタイル(行動様式)、シェアードバリュー(価値観)【ソフトS】
    ・ハードSが手段、ソフトSが目的
    ・システムが変わることでスタイルが変わり、結果、スキルやスタッフが違うところで蓄積され、それらを通じて中核となるシェアードバリュー(価値観)が変わってく。
    ・人が動く大きな動機は3つ。達成感、危機感、使命感。
    ・お金さえあればだれでも持てるようなものは組織の力ではない。外から誰でも持ってこられるようなコモディティ化したものは内在化する必要がない。

    ■共通価値の創造
    ・今後、企業は社会課題に主体的に取り組むことで、社会価値と経済価値を高い次元で実現する企業活動を狙うべき。それをCSV(Creating Shared Value)と呼ぶ。
    ・また最近のESG議論ではマルチ・ステークホルダとの関係を考えることが推奨される。E(環境)、S(社会)、G(組織統治プロセス)。3つのバランスをとることで株価を最大化できる。

    ■経済のトレンド
    ・事業投資の対象が、所有と消費から、共有と循環への経済そのものが大きくシフトしている。

    ■システムダイナミクス(複雑系科学)
    ・本来、複雑に絡み合っているのがシステムであり、その関係の複合性、多重性をあるがままに考察しようとするのが「システム思考」
    ・どちらかをとる(or)でなく、両方をとる(and)ことが構成要素全体がwin-winになるような形を目指すということ
    ・要素分解ではなく統合に向かうという発想は、日本や東洋の循環思想に通じる。いろいろな要素がかかわり合いながら、全体としてバランスを保っているという考え。

    ■働き方改革(自己成長)
    ・インパクトがあって自分らしい能力が生かせるものを優先させる
    ・独自性があるからといって自前だけで全部やりきらないで他力を活用することも大切。
    ・チームメンバーを育て、自分でなくてもできる状態を作る。
    ・逆に自らの独自性が発揮できない業務は、外部の知恵を徹底的に使い倒す。
    ・このようなレバレッジの発想が仕事量の効果的なスリム化につながる。
    ・自分でしかできないところは磨きをかけつつ、それを再現性のプロセスに落とし込む。その結果、標準化、共有化が進んでいく。
    ・業務を外に委託する際にも、自社との業務フローを統合するためには、IFの標準化が求められる。
    ・①業務の重要度の見極め、②自分固有の業務かどうかの判断、③業務フローの標準化。これら3つを行うことで優先度の高い業務量を絞り込むことが可能となる。

  • 18.9.4
    日経新聞 広告

  • コンサルを目指すわけではありませんが、日々仕事で直面する課題解決に役立てばとの思いで読んでみました。前半に登場する問題解決の章の内容は役立てられそうな印象、後半に登場するフレームワークの活用は自分には難しいと感じます。

    ★★★WHY NOT YET=なぜまだそうなっていないのか? をとかなければならない★★★

  • 4年間戦略コンサルをやってきて、5年目がスタートした今読んで良かった本
    ・これまで体験してきた又は読んできた経営に関する事象又は本の知識が整理される

    ・チョークポイントは何か?
    ・因果関係を結んで根っこを探す

    ・コインの裏返しにしないためには?
    ・why?5回で問題の本質に迫る
    ・why not yet?(なぜ、まだそうなっていないのか?なぜ、まだ、それができていないのか)で会社固有の病気を炙り出す

    ・行動にむすびつけるためには?
    ・空、雨、傘では傘まで言い切る
    ・so what?

    ・通説を疑うためには?
    ・ちょっと悪い子スイッチ、『それって本当?』
    ・あまのじゃくスイッチ、『逆は?』


    ・その上で、目的に最もふさわしい軸を考える目的に最もふさわしい軸は何か?
    ・ロジック(ツリー)や軸は必ず複数考える(書く)

  • とてもスラスラと読めるので気分転換によいかもしれない。この手の本は何冊もあるので、どれか1冊読めばよいと思う。

  • ベーススキルを身に付けたい場合におすすめの良書。
    数回読む価値のある内容。

  • 類書にも書かれていることをまとめた、総花的な内容。

  • マッキンゼーとBCGという二大コンサルティングファームに勤めたことのある著者によるロジカル・シンキングから仮設思考、問題解決に至るまでの思考法をまとめた本。
    コンサル行きたい人は、みな読んでそうな本ですね。

    結構なボリュームではありますが、コンパクトにまとまっていて、
    なおかつ著者自身のオリジナリティが随所で出ているところがグッド・ポイント。
    (有名フレームワークの使い方とその限界を知ることができます。)

    こういう類の本は、読んで終わりではなく、
    その後使ってナンボの世界なので、
    読んで満足することなく学んだ手法を実践し続けることが求められます。
    続編として、練習問題があれば、ナオヨシ!(出なさそうだけど。。)

  • マッキンゼーはファクトベースの結論先行、論理型指導型、ボスコンは情緒・一緒にやりましょう型。
    問題解決の2大要素:分析と構想
    真理よりも心理。正しい答えを出すことよりも、相手を納得させて実行させること。
    えてして企業側が出してきた問題以外に問題がある。

    問題定義と問題の構造化
    コインを裏返しただけではだめ。問題を構造化すると問題点が見えてくる。
    例:エレベータの待ち時間
    問題そのものが解決策になることも
    例:タイタニックの氷山
    5なぜ。
    本質的な問題に出会えたら、除こう!ではなくて、なぜまだできていないかを問う。それこそが本質。
    トレードオフに見えていたものが実は時間軸をずらすとトレード音だったりする。
    えてして答えは人の中にあるもの。
    なぜ→何→なぜ今できていないのか→どのように、で問題の構造化。枝葉は無視する勇気も。

    安田隆二:コンサルだがキリスト教徒。宗教のバックボーンなど価値観をはっきりもつことがこれからのコンサルに大切。

    複雑なのに簡単にしすぎるのもだめだが、システムなのに線形にとらえて物事を単純かしすぎるのもだめ。

  • 考え方の技法やプロセスが完結にまとまっていて参考になる。読んでて結構な熱量や著者の想いが垣間見えて、読み物としても面白い。

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著者プロフィール

名和 高司(ナワ タカシ)
一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授
1957年生まれ。80年東京大学法学部卒業、三菱商事に入社。90年ハーバード・ビジネススクールにてMBA取得。日本人として2人目のベーカー・スカラーを授与される。その後、約20年間、マッキンゼーのディレクターとしてコンサルティングに従事。自動車・製造業分野におけるアジア地域ヘッド、ハイテク・通信分野における日本支社ヘッドを歴任。2010年より現職。14年より日本を代表する約30社の次世代リーダーが参加する「CSVフォーラム」を主催。また、企業における次世代リーダーの育成と実践を支援する組織として、ジェネシスパートナーズとネクスト・スマート・リーンの2社を設立し、代表取締役に就任。現在、ファーストリテイリング、NECキャピタルソリューション、デンソー、味の素の社外取締役のほか、ボストン コンサルティング グループなどのシニアアドバイザーを兼任。主な著作に『学習優位の経営』『「失われた20年の勝ち組企業」100社の成功法則』『マッキンゼー 戦略の進化』『ハーバードの挑戦』などがある。

「2015年 『CSV経営戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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