「幸福学」が明らかにした 幸せな人生を送る子どもの育て方

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799323168

感想・レビュー・書評

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  • 子どもも生まれながらにして人格を持っているという記述が特に印象的でした。

    自分が子育てを行うのはまだまだ先の話ですが、良い子育てとは何か答えがない問題を考えられる本だと思います。

  • 「幸福学」というものをもっと知ってみたいと思って、
    さらに子育てと同時に学べそうだったので、手に取ってみました。

    う~ん、コンテンツ自体は、悪くないんだけど、すぐい満足!という訳でもないちょっと消化不良な感じです。

    おそらく、幸福学に必要な要素や哲学に基づいて、
    その考え方を子育てに当てはめていっているという著者の意図は見えるものの、
    結果として見える子育ての方法論があまりにありきたり過ぎて、
    あるべき子育て(論)をむりやり幸福学に当てはめていった感が拭えない感じがします。
    もっと幸福学の考え方からくるオリジナルな教育に対する考え方とかあれば、
    とても面白い本になってたと思うのですが(まぁ、そんなミラクルなことはないのかも…)。

    結果、幸福学の考えも子育ての考えも、途中で少し出てくるデザイン思考やシステムシンキングの考えもどれも中途半端な構成になっているのが残念です。

    まぁ、これでまず上澄みを勉強したうえで、自分の興味のある分野を他の本やコンテンツで深堀していくというのがこの本の正しい使い方かもしれません。

    内容が悪くないだけに、そして、子育ての考え方も大枠、自分の考え方にマッチしていただけに、ちょっと残念な内容でした。

  • タイトル通りの本。
    ・幸福は「やってみよう!」=自己実現と成長、「ありがとう!」=つながりと感謝、「なんとかなる」=前向きと楽観、「ありのままに!」=独立と自分らしさ、という4つの因子で構成されているという幸福学の考え方を、子育てに応用していく。

    ・第4章のトレーニング&ワークは面白かった。メタ認知、傾聴・対話、マインドフルネスの各トレーニング。ポジティブになるワーク(上を向く、笑顔、呼吸、寝る前に今日あった良いことを思い出す、リセットアイテム、stopネガティブワード等々)、一人でできるワーク(満喫力、感謝の日記、感謝を言葉に出す練習、イラッとした時の練習、心のデトックス等々)、家族の絆が深まるワーク(夢や感謝を書き出してシェア、未来コラージュ、今日のよかったこと3つや挑戦したこと笑ったことなどをシェア、ハグ等々)いろいろあるものです。気恥ずかしいが、ひとつくらい試してみるか?

    ・著者自身の家族についての幸せアピールが強すぎてちょっと萎える。深刻な課題を抱えた家族や親子にも「幸福学」は力を持つのか?ほぼ幸福な人の幸福度や幸福感を高めるためのものなのか?

  • 子どもを幸せにするには親が幸せでいること

    心配して干渉してしまいがちだが、子どもを信じる、見守ること

    そのために傾聴すること
    聴くとは能動的な作業であること

    などが心に残っている。

    実践するための考え方も参考になりました。

  • 脳科学者でロボット研究者の著者が行き着いた幸福学において、子育てにフォーカスした一冊。
    子育ての基本は親が幸せでいることと本書で何度も指摘される。なぜなら幸せは伝染するから。
    親と子は、子供が小さいほど一体感があるため、親が幸せならその幸福が子供に伝染しやすいといえる。
    そして、夫婦ともに幸せでないと家族の幸せはあり得ない。

    当然ながら人は生まれながらにして誰かの親であるわけではなく、子が成長するのと同じように親として少しずつ学び、成長していく。

    では、家族がみな幸福を感じ、心の底からお互いを信頼し合うという、幸福学的に理想の状態に至るに必要なことはなにかというと「夫婦間・親子間の対話」に尽きる。
    上記を踏まえて、夫婦が心がけるべきは、
    ①夫婦で共通の子育てのビジョンを持つ
    ②何があってもポジティブな受け取り方をする
    ③夫婦間、家族間での対話を心がける
    ④怒りの感情をうまくコントロールする

    著者は、幸福学を追求するなかで、物理的な豊かさは人間の本質的な幸福には寄与しないという真理にたどり着く。
    モノやお金、地位のように他人との比較ができるものを地位財といい、健康や自由、愛情などのように他人と比較ができない主観的なものを非地位財という。
    そして、長続きする幸せは非地位財によってもたらされる。

    著者がたどり着いた幸せの4つの因子とは、
    ①やってみよう因子。夢や目標をもち、実現させるための学習・成長意欲が高いこと。
    ②ありがとう因子。他者を喜ばせたり支援すること。家族友人たちとの人との繋がり、感謝を感じること。
    ③なんとかなる因子。物事に対して常に楽観的でいること。自己肯定感が高く、気持ちの切り替えが早いこと。
    ④ありのままに因子。周りや他人と比べずに自分らしくあるがままでいること。

    幸せの要素とは沢山あるように思われがちだが、実はわずか4つの因子から構成されており、それぞれのバランスがとれていることが大切。
    友達の数が多いよりも、多様な友達を持っている人の方が幸せな傾向にあるという。

    子供を褒めるときは、一番になったから凄かったねという結果ではなく、努力して偉かったというプロセスを褒めるべき。
    子育てにおいて怒りの感情はうまくコントロールするように気を付けるべき。時には怒ることも必要だが、感情的にならないよう冷静に注意するように心がける。
    子供への日々の声がけは子供の自己肯定感を左右する。
    子供同士のトラブルは出来るだけ親は介入せず、子供同士で解決できるよう信じて見守る。親が一緒になって喧嘩してはいけない。

    子供は何が得意か見極める必要があるが、何が苦手が見極める必要はない。苦手なことをイヤイヤさせるよりも得意なことをさせた方がパフォーマンスは上がる。これは大人も一緒。
    究極の良い子育てとは、我が子の得意なこと、夢中になれることを見抜き、それを心から信じて支えること。

    親は港であり灯台である。親は子供の航海にはついていけないが、子供が遭難しそうになれば明るく照らし、安心して寄港できる拠り所となるべきである。

    趣味がなく、私生活が暇な人よりもボランティアや趣味の活動を積極的に行っている人の方が幸せというデータがある。
    また、フリーランスとして働く人の幸福度は平均より高いというデータもある。
    子供はあくまでも、両親とは別人格の存在。自分の所有物、一体としたものと捉えてはいけない。

    子供を育てるという一見献身的な役割を果たしながら、自らも成長し、生きる力を育むことこそが幸せなのだということに、多くの人は気付いていない。

  • Audibleで読了。内容はQ&Aを紹介しながら進んでいくので聞きやすいと思います。聞いたことあるような内容も多かったので、新しい情報は特になかったです。ただ、子育てに幸福学を結びつけるのはとても重要だとおもいます。

  • 幸福学の観点から、子育てについて記した本。
    幸せの4つの因子
    ・やってみよう!(自己実現と成長)
    ・ありがとう!(つながりと感謝)
    ・なんとかなる!(前向きと楽観)
    ・ありのままに!(独立と自分らしさ)
    に関しては勉強になった。定期的に会社の調査で流れてくるアンケート事項も、これに沿ったものだとわかった。

    参考にしたいのは、「怒りは本来生命を脅かす時に出るもの。お子さんを怒るときは、生命を脅かすようなことなのか?」といった文。

    他は、まぁ教育学専門の人の方が内容が濃いかな…という印象。
    子育てって、みんなやってるから経験則で書きがちだよねぇ…もう少しエビデンスを以て体系的に書いて欲しい派なので、ちょっと思ってたのとは違ったかも。

    でも幸福学に対しての興味は沸いた。

  • 自分的には当たり前の事が書いてあったように感じた。もっと真面目でこうしなくては!という考えが強い人向けに書かれた本なのだろう。

  • 子育ての一番の基本は「あなたが幸せでいること」だそうだ。つい、子どもや家族のことを考え、自分のことはおざなりにしてしまうが、何より自分の幸せを考えるべきなのかと思った。ただ、これはちゃんと子供のことを考えている人にあてはまる言葉だと思う。

    「幸せの4つの因子」とは、以下の4つ。
    ・やってみよう因子(自己実現と成長)
    ・ありがとう因子(つながりと感謝)
    ・なんとかなる因子(前向きと楽観)
    ・ありのままに因子(独立と自分らしさ)
    私自身には、なんとかなる因子が足りていないと思った。この意識をもっていきたい。

    大学4年生の息子さんが「僕はまだ何になれるかわからないけど、幸せになる自信だけはあるから、お父さん、お母さん、安心して」といった台詞が印象的。幸せになる自信がある。なんて素敵な言葉なんだろう。

    思春期の高校生の娘さんのお話しから、思春期はきっとくるのだと改めて思った。ひどい言い方をされたときは、冷静に同じ言い方をしてみるのが効果的らしい。親もついカッとなってしまうが、受け止められる心の余裕が理想。

    ほめることが見つからないときの素敵な言葉は、「あなたがいてくれてよかった」。ぜひ心をこめて使おうとのこと。これは、本当に良い言葉だと思った。何かあったら使いたい。

    ネガティブワードでなく、ポジティブワードを使う。

    そのほか、印象に残ったこと。
    ・私たちの生きるこの社会は、「自分」と「自分以外の他者」で構成されています。だから、 幸せの要因は、自分を好きになることと、相手を好きになること。この2つだけです。 自分のことを好きになると、何かをやってみようと思え(「やってみよう!」因子)、困難にもなんとかなると思え(「なんとかなる!」因子)、自分らしく生き生きと生きられます(「ありのままに!」因子)。相手のことを好きになることは、利他性や感謝と関係しますから、「ありがとう!」因子につながります。 自分を愛し、自分以外の人たちを愛することができれば、誰もがみな、幸せになれます。そして、自分以外の人が、身近な人から、世界中の生きとし生けるものにまで拡大すると、世界平和につながる。
    ・無理をしていわゆる「良い大学」に行ったからといって、良い人生になるわけではない ことは、たくさんの事例を見てきた私が一番よく知っています。 画一的な競争など、人生の無駄です。なるべく早く、そういう無駄な競争はやめて、本人の、本人らしい、本人だけの得意な点を見つけることに注力すべき
    ・成長の過程で、何ができたかとかできないとか、そういったことについての早い遅いはまったく関係ありません。 「その時」がきたらできますし、仮にできなかったとしても、「ああ、向いてないんだな」と思って、別のことにチャレンジすればいい
    ・ネガティブワードを言ってしまったら、その3倍はポジティブワードをいう。アメリカのポジティブ心理学者バーバラ・フレドリクソンの唱える、 ポジティブ感情とネガティブ感情の黄金比「3:1の法則」 に由来します。 フレドリクソンは、ネガティブな感情がゼロになるということはあり得ないとしたうえで、ポジティブな感情がネガティブな感情の3倍上回ることで物事が良い方向へいくと言っています
    ・ここで強く伝えたいのは、 子どもを信じること、これこそが親の最大かつ最高の役目 だということです。 何の見返りも求めず、ありのままの姿を愛し、信じ続けられるのは、親だけです。親が信じないで、誰が信じるのでしょう。
    ・笑うことで前頭前野の血液量が増加し、副交感神経が優位になります。すると、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌が促進される のです。 口角を上げるだけでもいいといわれることもありますが、 作り笑いではその効果は小さいようです。 作り笑いは不自然なので、見る人が見るとバレます。だから、口角を上げるというような形だけのアプローチではなく、まず楽しく幸せなことを考えてみてください。つられて口角が上がり、笑顔になったなら、本当のステキな笑顔

    行動指針
    ・なんとかなる因子を大切にする。
    ・ネガティブワードでなく、ポジティブワードを使う。ネガティブワードを言ってしまったら、その3倍はポジティブワードをいう。
    ・口角を上げて笑う。前頭前野の血液量が増加し、副交感神経が優位になる。

  • 前野氏の提唱する4つの幸福因子、
    そして親が幸せなら子供にも幸せが感染るからポジティブに
    という本。

    なんだろうな、なんか物足りない。
    イラストとか紙面構成とかかな。
    つまんない教育テレビみたくのっぺりしたかんじ。

    スキンシップを取るためには、ハグや握手やマッサージ、アルコールジェルやハンドクリームを塗るなどの方法があると。なるほど。

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著者プロフィール

慶應義塾大学SDM研究科教授・ウェルビーイングリサーチセンター長、一般社団法人ウェルビーイングデザイン代表理事。1962年山口県生まれ東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了、キヤノン入社。カリフォルニア大学バークレー校Visiting Industrial Fellow、慶應義塾大学理工学部専任講師、同助教授、同教授を経て2008年より現職。『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)、『ウェルビーイング』(前野マドカ氏との共著・日経文庫)など書著多数。

「2023年 『実践!ウェルビーイング診断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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