現実はいつも対話から生まれる

  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799323564

感想・レビュー・書評

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  • 社会構成主義に興味があり、エントリー的な本を探して、
    この本にたどり着いた。
    結論から言うと、この本は社会構成主義のエントリー的立ち位置の本かもしれないが、
    それでも自分には難しすぎた。。
    自分の読解力のなさに愕然とするが、難しいものは難しい、笑。

    自分はビジネスバックグラウンドがあるので、
    どうしてもビジネスの視点から社会構成主義を見てしまう。
    そうすると、「自分のビジネスに生かせる点はどこか?」とか
    「どう活かすか?」という視点にこだわり過ぎる嫌いがある。
    そういう視点に固執してしまうなら、
    この本はあまり役立つ部分はないかもしれない。
    むしろ、「他者と働く」あたりが自分が読んできた本の中では、
    よりビジネスとのリンクを感じることができる。

    ※他者と働く
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4910063013#comment

    「他者と働く」やこの本から得たエッセンスは、
    (現状の自分の理解では)結局のところ、
    「正義の反対は別の正義」。
    この一言に凝縮されてくるような気がする。
    プラスアルファで自分がより高みを吸収するためには、
    自分自身のレベルアップが必要と痛感させられるような難しい本だった。

  • 〇社会構成主義とは
    私達が「現実だ」と思っていることは全て「社会的に構成されたもの」
    意味は関係性の中でつくりだされる
    ➡️多元主義の下、対話で世の中の問題も再構成できるのでは

    私ももとからこの社会構成主義で世界をみています
    そして対話やコミュニケーションを通じて、より多くの人が社会を創る主体になってほしいと思っています
    その具体的な方法がなにか、実践していくのはとても難しい
    学生のうちにたくさん考えて行動いて探究していきたいです

  • 「善」と「悪」、「正義」などの概念は、その人が所属するコミュニティにおいてのみ当てはまる、人為的に作られたもの。当てはまらない人を排他的に扱ったり、自分の正義を他のコミュニティにも押し付けようとするところから、軋轢が生じる。また、自分自身が他のコミュニティに触れることで、自分を今まで苦しめていた束縛から解放されることもある。AかB かで譲れない対立があるなら、押し付け合わずに新たなCを対話でみつけることが創造的解決。今まで漠然と感じていたことが言葉で説明されていて、すっきりした。

  • 英語からの日本語なので馴染みのない表現も多く、なかなか読み滑ってしまった。
    社会構成主義の主義や主張についてはさらうことが出来た。実践としての解像度を上げていきたい。

  • 社会構成主義の基礎的な本。
    読みやすく、分量も少ないため初心者向けである。
    新たな視点を得る方法として、考え方はとても共感できる。
    互いの認知をアップデートするには、互いの関係性を知る必要があり、個々人の物語を知る必要がある。
    事例の対話がわかりやすく、問題に対して話し合うのではなく、
    お互いのことを知ることから始めるというのが、とても本質的である。
    結局は、相手のことを知らないから、自分の物語で過去も現在も未来をも語ってしまうのだ。
    そのことに築けるこの社会構成主義は、様々な分野で使える汎用的な考え方だと言うことがわかる。

  • しきりと出てくるのは、この世に絶対的なことなどないが、それぞれの文化の中では真実であると言うこと。
    正直この考え方にはとてもしっくりきている。人それぞれが異なる思想を持っていて、異なる動機で異なる行動をする。それを受け入れられないとか、間違っているとかって言うのは簡単だけど、それってつまらないよなって思う。
    その行動や思想はどこからくるものなのか?その人の文化的背景はどんな世界を構成しているのか?そんなことを想像してみると、自然と対立ではなく、対話というコミュニケーションに変容していくのではないかなって思う。
    また、この思想の面白いところは、完全という存在を否定することから、他の思想との対立を交わしているってところ。全ての思想や営みに対して、それは真の意味での真実ではない、なぜなら真実などないから的なスタンスになるけど、構成主義はその押し付けにはならない。多様性を認めた上で振舞って、その限定的な真実を生かしていくっていうことなんだよね。
    この世に正解なんてないよ。なんてことは何度も言われてきているけど、むしろその世界でどのように構築してもいいってことだから、むしろワクワクしてきているけど、それって少数派なのかな。正解がないことに不安を覚えるのが普通の感覚なのかな。、。

    なお、コーチングにおいて大いに役立つ内容でもあった。文化に限らずその人の背景まで思いを馳せて話を聞くスタンス、その人の見え方っていうものがあって、それはその人によって作られている。個人主義に近いけど、この人がどのように構成していくかによって、世界の見え方は変わってくる。そして自分もそう。そのようなメタ的な構造を意識できることはコーチングマインドに近いものを感じるよね。

  • 簡単に読める。
    けど、なんか訳し方が変な感じがする。
    リズムが悪いのかな。違和感がある。

  • 重要な問いは、「私たちの言葉が真実か否か」ではなく、「そのような理解が加わることによって、私たちの人生に何が起こるのか」という問い。

    構成主義の視点では、「個人」ではなく、「関係性」が社会の基盤を構成する。この構成に足を踏み入れるこたによって、私たちは新しく、より有望な行動を生み出せるかもしれない。

    自分以外の人々がどのように生きて、どのように世界を構成するかについて理解すると、視野が広がり、自分の人生に対する評価が高まり、可能性が広がると論証されている。


    自分の物語は捉え直しによって、構成し直すことができる。どんな社会で誰と対話し合意するかでリアルが作られていく。
    自分一人で自分の人生を作っていっているのではない、ということを改めて認識。

  • 事実にしろ、言葉にしろたったひとつの真実や事実があることに執着しないようなものの見方がベース。人そのものではなく人と人との関係性に視点を向ける。パブリック・カンバセーション・プロジェクトはダイアログに向かう対話のやり方として使えそう。

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著者プロフィール

1957年イェール大学心理学部を卒業、1962年デューク大学心理学部で博士号を取得。ハーバード大学助教授を経て、1967年よりペンシルバニア州スワースモア大学心理学部の助教授、1971年より同教授。現在、同大学Senior Research Professor。社会構成主義の第一人者として数多くの著作を発表。多くの研究者や実践家と対話を重ね、社会構成主義の理論と実践を結集して社会に変化をもたらすために活動を続けている。邦訳に、『関係からはじまる』『あなたへの社会構成主義』『社会構成主義の理論と実践』『もう一つの社会心理学』(以上、ナカニシヤ出版)、『現実はいつも対話から生まれる』『ダイアローグ・マネジメント』(以上、Discover21)、他。

「2023年 『何のためのテスト?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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