フェイクニュース時代の科学リテラシー超入門

  • ディスカヴァー・トゥエンティワン (2024年12月25日発売)
3.29
  • (2)
  • (5)
  • (12)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 145
感想 : 14
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

本 ・本 (240ページ) / ISBN・EAN: 9784799330845

作品紹介・あらすじ

現代社会は、科学技術社会になりつつあります。
AIに関するニュースは日々流れ続けていて、いよいよ、AIの進化が私たちの仕事や生活に影響を及ぼし始めています。
また、2020年ごろから世界中を騒がせた新型コロナウイルスのパンデミックでは、
情報が錯綜する中でいったいどう判断すればいいのか、かなり迷った人が多かったのではないでしょうか。

この社会がどんなふうに動いていて、これからどうなっていくのかを知るためには、科学リテラシーが必須のスキルになります。
科学リテラシーがないと、ともすればフェイクニュースや陰謀論、ニセ専門家が流す間違った情報に惑わされてしまうんです。
もはや、科学リテラシーなしに、この玉石混交の情報があふれる、混沌とした社会を生き抜くことはできません。

自分で自分の身を守るため、非科学的な情報に惑わされず、
そして世の中のしくみを理解し、自分で正しいと思える判断を選んでいくためにも、科学リテラシーを養っていきましょう。

▼PICK UP
・「科学的に正しい」は、必殺技ではない
・メカニズムを解明するのが科学、うまくいくなら使ってみるのが医学
・医者だからといって、本当に専門家とは限らない
・健康食品で使われる「波動」はすべてインチキ
・自然につくられたものが良いと思ってしまうワケ
・「批判」的思考力で、陰謀論にたどり着くという罠
・結論ありきの情報収集をしてはいけない
・科学を学べば、どこまでが「科学」の話か判断できる

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 感情にとらわれず、自分で調べて考える、疑って物を見れるようにすることが科学的なアプローチであると理解した。よく知らない情報を鵜呑みにしてはいけないと感じさせられる。

  • 自分で考えて判断することが改めて大切と感じる。ただし、どの情報を信じるかというバイアスはどこまでも付きまとうだろう。

  • 子供に読ませたい本。私自身はいわゆる理系の人間で科学リテラシーは持っている方だと思っている。フェイクニュースを無闇に拡散したりしたこともないし、騙されて財産を失ったこともない。はず。メッセンジャーRNAとか遺伝子組み換えとか、新しいものが出てきて、ヨメが疑ったり敬遠すればするほど「理解が間違っているに違いない」と思い調べるクセがついているおかげだと思う笑。子供たちはさらに科学が進んで複雑で難しくなったものが氾濫した中で自分を守らなければならない。大変だと思う。自分が便利になるため、楽しむため、騙されないために、科学リテラシーを身につけてほしいと願う。みんなが科学リテラシーを身につければ世の中はもっと良い方向に向かい、無用な争いがなくなり、幸せになるのではないかと思う。

  • 西洋では、自然に対して論理的に物事を解明していく強い姿勢がありますが、日本の場合は自然を論理的に分析すると言うより、自然と一緒に生きる思想が強い

    0 100では社会うまく行かない
    ドイツ脱原発 冬場は足りないが、セーフティーネットになってる
    リスクはすぐに判断せず多面的に見て深く背景を知る

    専門家の肩書きを確認 テレビに出ているから専門家とは限らない

    科学は常に仮説

    マスコミ 意見を戦わせたいので陰謀論者が紛れ込む→まともでなくても検討の余地がある正当なものに見えてしまう

    陰謀論的なメンターの意見をうのみにしたり、頭の中の陰謀論的ストーリーに合う専門家の意見をピックアップしているだけ

    因果関係を正しく捉える A,B 別の要因C
    例 運動能力 勉強 ←教育熱心な親

    感情的な発信は信頼できない可能性高い

  • 選書番号:840

  • 「科学的根拠」という言葉の意味合いと、それを知ったうえでの物事の見方を学ぶことができる本です。
    インターネットが発達し、商品やサービスのうたう効能を自分で調べやすくなりましたが、それでも騙されてしまうような事例は多いようです。
    騙すつもりではなくても、過去に正しいと思われていたことが、その後の科学の進歩でそうではなかったことがわかったりもします。
    科学の出す結論はつねに「仮説」であり、常に反証される可能性があることを知っておきべきと著者は説きます。
    根拠を確認するのも大事ですが、間違いを証明する理論が出た際に、自分で情報を修正、アップデートする「科学リテラシー」が必要です。
    相関関係と因果関係を間違えやすいパターンなど、知っておくべきリテラシーの紹介もあります。
    ビジネスでも日常生活でも役に立つ内容ですので、多くの方にとって、知っておくべきことを得られる1冊ではないでしょうか。

    【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】

    「100%安全ではないから、メカニズムがわかっていないから、といってすべてを使うのをやめると、科学技術というものが存在できなくなり、おそらく人間の社会は崩壊する。大事なのは、リスクをどう見積もるか。見積もりは定量的に、数値をもとに行うことには注意する。」
    「相関関係と因果関係を間違えやすいパターンは、単なる偶然の場合、因果の原因と結果を取り違えた場合、1つの原因が複数の結果を生んでいる場合、複数の原因から1つの結果が生じる場合の4つ。他のパターンは比較的見破れるが、原因が複数あるかもしれないと考えると、分析が難しい。」
    「人間が仮説を立て、検証し、また別の仮説をつくりだしていく以上、そこには人間の思考や価値観がどうしても反映される。人間の価値観が入り込んでいるからこそ、既存の考えにしばられない、新しい発見が生まれる。これはAIにはできないクリエイティブな部分。」

    【もう少し詳しい内容の覚え書き】

    ・科学的に正しい=最初から100%正しい、ではない。そうならば、科学の正しい知識を持つはずの専門家の間で意見が分かれることはない。正解があるなら、専門家同士で少し議論しあえば意見もすぐ一致するはずだが、そうではない。
    ・科学は常に反証が可能だが、自分の身の回りのことに置き換えた途端、「科学的に正しい」と言われたら100%の保証があって安心、とシンプルに思ってしまう。科学的根拠を確認して判断することも大事だが、間違いを証明する理論が出た際に、自分で情報を修正、アップデートする方が重要。
    ・科学技術時代になりつつある現代では、自分で自分の身を守るためにも、世の中のしくみを理解し、自分で正しいと思える判断をしていくためにも、科学リテラシーを養いたい。中学生レベルの理系の知識があればまったく問題ない。専門家任せにしないこと、深堀りして考えることも必要。

    ○「科学的」って何?
    ・科学の出す結論はつねに「仮説」。反証可能性があるということは、100%正しい理論、接待的な真実は原則存在しない。理論上、「正しくないかもしれない」という可能性から始まり、「実験してみよう」という人が出てきて実験した結果、反証できればその理論は覆る。
    ・医学はメカニズムがわからなくても、この薬や治療法でうまくいくなら実行しようと考える。技術も似ていて、しくみがわからなくても使えればよくて、事故が起こったら原因を取り除き、少しずつ改良していく。科学は、なぜ薬が効くのか、事故の根本の原因を追求するスタンス。
    ・100%安全ではないから、メカニズムがわかっていないから、といってすべてを使うのをやめると、科学技術というものが存在できなくなり、おそらく人間の社会は崩壊する。大事なのは、リスクをどう見積もるか。見積もりは定量的に、数値をもとに行うことには注意する。
    ・テレビに出ているから専門家とは限らない。本当にその分野の専門の人以外には、だれが専門家かは伝わりにくい。情報が正しいかを判断するには、まずはその専門家の肩書きをきちんと確認する。
    ・科学者も人間であり、合理的な部分と非合理的な部分があるのは当然。研究は合理的に組み立てていくが、実は偶然の産物や合理的でないことから、新しい発見が生まれることもある。人間らしいがゆえに、気づかないうちに心理的なバイアスに陥ったり、捏造に手を染めてしまうこともある。

    ○この情報、もしかして怪しい?
    ・科学的に説明されても、「感情」を消すことは難しいが、自身が科学的な知識や考え方を身につけることで、安心できるかもしれない。自分の出した結論を決して曲げなかったり、明確に間違いと専門家集団が結論付けたものを受け入れないことが、最も科学的な思考から離れている。
    ・自然のものが全部安全で、人工のものが安全でないとは必ずしもならない。科学的な工夫が、安定的な生産を実現してきた。自然派思考はある意味、科学が社会を発展させた上で成り立つもので、自然に作られた作物を買うと気分がいいという、個人レベルだからこそ可能な一種の贅沢。
    ・科学が発達した結果、専門家でない私たちの理解を超える。科学の力で社会が安全で便利になったとたん、科学叩きが始まるのはよくあること。科学を理解することが、社会のしくみを理解することにつながり、不安を減らせる。多くの科学叩きは、時間が経つと話題にならなくなる。
    ・相関関係と因果関係を間違えやすいパターンは、単なる偶然の場合、因果の原因と結果を取り違えた場合、1つの原因が複数の結果を生んでいる場合、複数の原因から1つの結果が生じる場合の4つ。他のパターンは比較的見破れるが、原因が複数あるかもしれないと考えると、分析が難しい。
    ・いつ黒い仮説が白い仮説に、白い仮説が黒い仮説になるかわからない。情報のアップデートを怠らないようにする。グラフの縦軸と横軸の数字設定を確認したり、アンケート結果の設問を確認したりすることは大事。「この情報はこのパターンでは?」と考えるくせをつけてみる。

    ○科学とどう付き合っていく?
    ・「科学」自体が、仮説と検証を繰り返していくものなので、科学の知識を増やすことで、同時に科学のプロセスも学べる。科学に関するニュースや記事を日常的に追っていくと、複数の仮説を提示して、実験や観察を繰り返して、その時点での結論を出していく過程が見られる。
    ・SNSを見ていると、自分が絶対に正しいと信じて疑わず、人の話に耳を貸さない人たちの存在が顕著。何か自分が判断を間違えた時に、認めて素直に修正するのが科学的思考力のある人。自分の意見を正当化する思考にはまると、見たい情報しか見なくなって、泥沼にどんどんはまっていく。
    ・人間が仮説を立て、検証し、また別の仮説をつくりだしていく以上、そこには人間の思考や価値観がどうしても反映される。人間の価値観が入り込んでいるからこそ、既存の考えにしばられない、新しい発見が生まれる。これはAIにはできないクリエイティブな部分。

  • 若干、説得力に欠ける内容。要は、自分で考え、疑う力を持てということなのか。

  • 科学はつねに反証可能である。科学以外は反証が可能とは限らない。神がいるかいないか、は反証できないので科学ではない。
    日本は、完成された形で科学を受け入れた。すぐに応用できた反面、本質的な部分が根付いていない可能性がある。
    科学の出す結論は、つねに仮説である。科学に100%はアリえない。
    子宮頸がんの副反応は、ワクチンを打たなくても起きていた。
    テレビは科学リテラシーが乏しい。NHKや新聞は科学環境部のようなところでチェックしている。
    医学は、メカニズムがわからなくても治ればいい、という考え方。全身麻酔の機序には論争があった。
    科学に競争原理を持ち込むと質の高い論文が減った。

    健康食品の波動はインチキ。
    医学で量子力学が使われているのはMRIだけ。
    水素水は、黒い仮説。
    自らの伝言、はインチキ。植物への話しかけはグレーゾーン。

    トリチウムは、三重水素がある水分子のこと。水と同じなので濾過できない。
    事故で死者数が多いのは水力発電。
    福島県で甲状腺がんが増えたのは、たくさん検査したから。小児甲状腺がんは治療しなくて良い場合がある。
    陰謀論には注意が必要。
    専門家を妄信するのも、全部疑うのもいけない。
    リスクを重く見がち、フィルターバブル、エコーチェンバーに注意する。
    因果関係と相関関係を区別する。
    警察官の数が増えると犯罪率が増える、は因果関係が逆。犯罪率が増えたから警察官の数を増やした。

    東京都福祉局のグラフは詐欺グラフと言われた。現在は修正済み。
    渡り鳥の目の中には量子センサーがあるのでは、という仮説がある。

  • 【配架場所】 図・2F総合教育院おすすめ文庫 
    【請求記号】 404||TA
    【OPACへのリンク】
    https://opac.lib.tut.ac.jp/opac/volume/472683

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

たけうち・かおる サイエンス作家。1960年生まれ。東京大学教養学部教養学科、同大学理学部物理学科卒業。マギル大学大学院博士課程修了(高エネルギー物理学専攻、理学博士)。フリースクール「YES International School」校長も務める。著書に『99・9%は仮説』(光文社新書)、訳書に『WHAT IS LIFE? 生命とは何か』(ポール・ナース著、ダイヤモンド社)などがある。

「2021年 『人と数学のあいだ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

竹内薫の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×