COLD HEART in NEWYORK (ビーボーイノベルズ) (B-BOY NOVELS)

著者 :
  • リブレ出版
4.17
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本棚登録 : 249
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784799715338

作品紹介・あらすじ

秋沢のことを本当に好きになってから二人甘い蜜月を過ごしていたが、ある日秋沢のスキャンダルが発覚。楠田が問い詰めると、彼は悪びれもせずに関係を持ったと口にした。それを悪いとも、そもそも浮気とも思っていない秋沢に楠田は耐えられず別れを切り出すが、彼の極端すぎる執着に楠田は…。好きだけど、愛しているけど、一緒にいられない-。COLDシリーズスピンオフ、書き下ろしも100ページ超収録!

感想・レビュー・書評

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  • BL芥川賞あげたい。木原音瀬は完全に一般文芸で勝負できる実力を持った作家であり、にも関わらずここには年下攻めの萌えも、BLがやりがちなレイプファンタジーに対するシリアスな視線もあり、最高だと思った。一般文芸でやれるけど、ずっと男同士書いててほしいなと思う。実力のあるBL作家が男女ものにシフトしているのを見ると(特に漫画は多い)、ああ世の中の異性愛がスタンダードみたいな風潮にカウンターカルチャーとしてのBLが妥協を強いられたんだ、みたいな気持ちになって悲しくなるんだけど、木原音瀬は講談社文庫を出してからもしっかり男同士で書く姿勢を崩さないでくれていて、すごく嬉しいです、一般文芸のヘテロ基本姿勢をこのままぶっ殺してほしいです。

  • 地獄絵図

  • 秋沢くんがもうひどくてひどくて、ひどい!!!と思いながらがんばって読んでたら、最終的に大好きなかんじになった瞬間に物語の幕がおりて「ここで終わるんかーーーーい?!?!?ひどいよーーー」とうなだれながら本を閉じました、ひどい……アフターストーリー何年後でもいいから読みたいです。

  • 秋沢のぶっ飛んだ思考が経過した歳月で常識化するとは思えないんですが最終的になんとか楠田のもとに戻ってこれてよかった・・のかどうか・・・(笑)

    なんにせよ人は変れると信じたくなりました。

  • TOKYO編でこれでいいの?後悔しないの楠田さんとNY編読みすすめるとあらら

  • やはり東京編は嵐の前の静けさだったらしい。ここからが木原さんの本領発揮…痛いです。痛いんだけど夢中でページを捲る手が止まらず一気読みでした。ニューヨーク編になってからも秋沢が殆ど成長していない思考回路なのはさすがw人間そんなに簡単に成長する訳はありません。ただ少しずつ引くことを覚えているのかなぁ 一途なのは変わらないしこのまま少しずつでも相手の気持ちが分かるようになっていってほしい。まだまだ時間はかかりそうだけど。救いはラスト楠田が怯えるでもなく本来の楠田に少し戻っていたことかな。いろんな意味で楠田も時間が止まったままだしそれが少しでも動きだしたらいいと願わずにいられないラストでした。
    木原さんの素晴らしさは続きが読みたいな…って思わせるラストでいつも終わっていること。決して到達点ではなくこれから愛が育まれていくやもしれぬ始まりで。だから全てのストーリーが尾を引くしいつまでも心に残るのだと思う。とりあえず今回も続き…続きが読みたい!

  • 痛いと評判のNEWYORK編。
    木原さんの痛さに慣れっこなので
    木原さんらしい作品だなぁ~と(笑)
    前編で秋沢の一途な気持ちに絆された正彦。
    でも木原さん正彦をどん底に突き落とします。
    秋沢は一途で自分の気持ちに正直だけど
    他人を思いやる事が出来ない、考えられない。
    常に自分の気持ちが一番で
    自分に都合の様に変換してしまう。
    相手の事を思いやれない行動はまさにストーカー。
    この秋沢が初めて正彦の気持ちを理解した時……

    ラスト、
    ここからが2人の本当のスタートライン何だろうね。
    あとがきに書いてあったようなストーリーを希望

  • ★をどうやってつければ良いのかすごく迷ったのですが話に引き込まれ、一気読みさせてもらえたので4つ。

    in Tokyo では秋沢にイライラしながらもまだマシな方かな~などと思っていたのにin New Yorkで怒り爆発。
    楠田、早く警察いって。誰か通報して、そればかり思ってた。
    秋沢視点になってもまったく同情できるところが無かった。仕事のシーンは読んでいて楽しい部分もあったけれど、恋愛部分はとにかく胸糞悪かった。
    自分の持つ普通・常識が全く通じないって怖いと改めて思った。
    楠田が幸せなら良いけれど秋沢はやめておけ・・・そう思ってしまいます。

  • 予想以上に糖度の高い前編から、一体どんな酷い展開が
    待ち構えてるのかと、ありとあらゆる想像を巡らせて
    読み始めた後編ですが……。

    いやぁ……予想の斜め上いきすぎてたわ。

    酷いなんてもんじゃなく、痛い。
    アイタッ、アイタタタッ!
    って感じで身も心も痛い。
    楠田が気の毒すぎて、前編でちょっと可愛いなと思った
    秋沢、じゃないアホ沢、楠田じゃないけどこいつ本当に
    死ねばいいのに、とまで思いました。
    普通のBLだと強姦輪姦された受って、怖がりつつも攻に
    お清めエッチされてめでたしめでたしなんですが、そこは
    やっぱり木原さんでした。
    そうよね、これが普通の反応なのよね、と妙に納得。
    とにかくこのアホ沢、いや、クズ沢か……?
    歴代クズ攻の中でもぶっとんでます。
    谷脇、廣末を越す私の中でのクズ攻認定トップの勢い。
    話が通じないを通り越して、まるで人形に話しかけてる
    気分になるくらいに、この男には自分が言ってることが
    通じないのです。
    そんな話が通じない、理解してもらえない、感情の振り幅が
    極端すぎて、言葉を間違えたら殺される……という男から、
    楠田はついに逃げ出してからの書き下ろし。

    ここまではアホ沢ざまぁ、と胸がすかーっとしてたんですが、
    視点がアホ沢になったと同時に……な、なんでしょう。
    なんでしょう、この胸苦しさ。
    今度はアホなのにアホ沢が可哀想なキモチになって
    しまいまして。
    完全にほだされてしまった私は、楠田の気持ちがわかって
    しまいました……。
    怖くて、怖くて、どうしようもないトラウマまで抱えても
    なお、勇気を振り絞った楠田に涙が。
    そして楠田の前に頭を垂れたアホ沢の、少しだけ変わった
    姿、そのうなじに涙を落とした楠田の姿、ラストのページが
    あまりにも美しくて、読み終わって余韻に浸りながら
    表紙を見ると涙腺が……。

    あとがきで木原さんが前編は甘口で後編は辛口とか言って
    ましたが、そんな甘いもんじゃないです。
    確かに前編は木原さんにしてはカレーの王子さまかって
    くらい甘いですよ。
    でもでも後編は、例えるなら本格インドカレー店の辛さ
    レベル100倍(激辛)だと思うんですよ。
    そのくらい痛苦しく見てられません。
    でも見てしまうこの不思議。見ずにいられません。


    このふたりが、というか秋沢がどんな風に少しずつ変わって
    いくのか、是非とも続編を希望したい。
    同人誌の方はまだ積んでますが、これから読みたいと
    思います。
    久しぶりに大満足したお話でした。
    インターバル走を限界まで走らされた気分。

    執着攻、ヤンデレはBLでは1ジャンルとして確立されてて、
    それを得意とする作家さんもいますが、このアホ沢は
    それを遥か凌駕するレベルのヤンデレ執着です。
    突き抜けてすぎてて背筋が寒くなります。
    好みが凄く分かれる話だとは思いますが、私はCOLD
    シリーズ全部本棚に並べてにやにやコースでした。

  • なんで、こんなどうしようもない男に惚れるのか
    イヤイヤ付き合ってたくせに
    こんなことになってんのか
    意味わかんない、と思った『~IN TOKYO』の続き。
    かくして無茶苦茶にされて
    相手が怖くなって死んだことにして逃げて
    それから、な『~IN NEWYORK』

    どう落としどころを見つけるんだろうと思ったけれど
    上手いな、と思った。
    楠田は秋沢をいつかは許せるのかもしれないと
    そういう期待を抱かせる終わり方は
    本音を言えばありえないだろう、だけど
    BL的にはまぁいいんじゃない。

    個人的には追いかける秋沢が、なんでなんでと
    自分に問いかける様が凄くよかった。
    それでもまだ不十分なんだよ、と思いつつも
    少しずつ変わろうとする秋沢がよかった。
    なのでこの本に前半のエグイ部分のある話よりも
    その結果楠田に逃げられ、さんざん避けられて
    好きなのに好きなのにと自分のことしか考えない
    秋沢が変わっていく『~IN NEWYORK』の方が
    私は好き。
    面白かったです。

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著者プロフィール

高知県生まれ。1995年「眠る兎」でデビュー。不器用でもどかしい恋愛感情を生々しくかつ鮮やかに描き、ボーイズラブ小説界で不動の人気を持つ。『箱の中』と続編『檻の外』は刊行時、「ダ・ヴィンチ」誌上にてボーイズラブ界の芥川賞作品と評され、話題となった。ほかの著書に『秘密』『さようなら、と君は手を振った』『月に笑う』『ラブセメタリー』『罪の名前』など多数。

「2022年 『コゴロシムラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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