ARUKUセンセ原作。前作「俺の人魚姫」で当て馬だった柏原の話です。
悠馬もチラッと登場。
あのドロドロした話から勝手に想像して、またドロドロの恋愛模様なのかなと思ったら、途中から壮大なファンタジーになっていてびっくりしました。
そしてあの柏原が副業?で「別れさせ屋」という汚い仕事に手を染めているなんて…とまた驚いたけど、これにはまあ理由がありました。
図書館司書をしている朽葉に罠を仕掛け、遺産相続人から外したいと資産家一族の女から仕事を依頼された柏原。
ターゲットは男だけど、杜松くんに迫っていた過去がある柏原なので大丈夫ですねw
暗くてダサい朽葉を簡単に騙せると思った柏原なのですが、思いがけず人生最初で最後の本気の恋に落ちてしまい…とても切なかったです。
だけど、あんなに軽薄だった彼が朽葉と出会ってからは人として男としてめざましく成長して、ほんとにカッコよくなっていって感動でした。
でも、もっと切なかったのは義梵かな。悲しくて切ないけど、朽葉への愛を貫き通した姿がすごすぎて…胸アツ。
たしかに薄幸い朽葉だけど、こんなにも愛してくれる相手に二度もめぐり逢うなんて、やがて別れが来るとしてもとても幸せなことですよね。
運命の相手に出会うこと、愛する人と幸せに生きたいと思うこと、そんな当たり前の願いについて、改めて深く考えさせられる話でした。
描き下ろし「50年後の今日」がよかったです!