珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 9607
感想 : 1131
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800200723

作品紹介・あらすじ

京都の小路の一角に、ひっそりと店を構える珈琲店「タレーラン」。恋人と喧嘩した主人公は、偶然に導かれて入ったこの店で、運命の出会いを果たす。長年追い求めた理想の珈琲と、魅惑的な女性バリスタ・切間美星だ。美星の聡明な頭脳は、店に持ち込まれる日常の謎を、鮮やかに解き明かしていく。だが美星には、秘められた過去があり-。軽妙な会話とキャラが炸裂する鮮烈なデビュー作。

感想・レビュー・書評

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  • 可愛いキャラが大活躍! 珈琲を飲みながら読みたくなるライトミステリー #珈琲店タレーランの事件簿

    ■レビュー
    主人公、お爺ちゃんなど、可愛らしいキャラクターがいっぱい!

    何といっても主人公のバリスタの彼女がしっかり者で、思わず恋しちゃいそうです。また舞台も京都ということで、聞いたことのある地名やイベントなどがでてきて、めっちゃ旅情をそそりますね。

    まさにコーヒーを飲みながら読みたくなる、心身ともに癒される作品です。
    ただ気軽に読めると思いきや、実は綿密に書かれているところもあるので丁寧に読みましょう。

    各編に綴られるミステリーは、いわゆる日常の謎です。しかもどこにでもありそうなカフェを中心に事件が展開されるので、すごく身近に感じられるんですよね。
    この辺りはとても上手で、他のライト文芸ミステリーとはまた一味違った魅力が出せていますね。

    なおミステリーとしては全般的に小粒ではありますが、舐めているとしっかりやられちゃいますよ。

    ■推しポイント
    仕事がお休みの週末は、喫茶店で時間を過ごすことが多いです。

    明るく笑顔で挨拶してくれる店員さん、洗いざらしの錦のようにきれいな店内、お得で美味しいモーニングセット、そして何とも味わい深いコーヒー。
    そんな喫茶店で大好きなミステリーを読みふける時間が、私の一番幸せなひとときです。

    人生、大変なことや辛いことも多いですが、こんな作品を読むと、難しいことは忘れて京都にでも旅行にいきたくなっちゃいますね。そんな素敵な作品でした。

  • 「たいへんよく挽けました」
    今日も京都の静かな路地にある小さな純喫茶「タレーラン」で日常の謎が解かれていく。

    京都とコーヒーの豆知識がたっぷり盛り込まれた本作は、置いていかれる読者もいそうな印象を受けるものの、純喫茶「タレーラン」の切間美星が挽くコーヒーと謎解きは奥深い至高(思考)の逸品といえる。美星バリスタのコーヒーを求める主人公のアオヤマさんの視点で本作は進みますが、後半はどんでん返し過ぎて零れ落ちそうになりました。

    読者を選ぶ作品かと思いますが、コーヒーと京都に興味がある方は美星バリスタに惹かれてみては如何でしょうか。

  • この本を読んでいて、改めて痛感しました。
    ああ、私ってやっぱり、「地図の読めない女」の典型!
    空間把握能力を、おかあさんのおなかの中に置き忘れてきたんだわ!

    せっかく憧れの地、京都が舞台の物語なのに
    次々に出てくる通りやお店の配置がうまくイメージできなくて、主人公のアオヤマに
    「ああっ!そこでさらに電車に乗らないで。。。なおさらわからなくなるー!」
    なんて、心の中で必死に呼びかける始末。
    京都に土地勘のある方や、方向感覚がまともな方は、
    アオヤマと元カノの追いかけっこを思う存分楽しめるんだろうなぁ、とため息です。

    京都の街にひっそりと建つ、隠れ家的な珈琲店タレーラン。
    主人公のアオヤマが、ふと寄り道をしたその店で
    幼いころから夢見ていた珈琲に巡り会うところから物語は始まります。
    しかも夢の珈琲を淹れてくれたのが、渋いロマンスグレーのマスターとかじゃなくて
    もしかして自分より年下?!と思えるような美少女だったりするんだもの、
    驚きも喜びもひとしおでしょう。

    美少女(実は少女という歳でもなかったのだけれど)バリスタの美星は
    終盤近くまで、なんだかオトモダチになりにくいキャラクターだなぁ、という印象でした。
    身内と話すときの口調と、お客と話すときの口調との隔たりが
    接客業だから、では済まされないくらい大きすぎて
    一見さんはともかく、常連さんにはもうちょっと打ち解けてあげてよ、と思ったりして。

    その違和感が最後の事件にちゃんと結びつくとは、さすがの展開。
    でも、他のシリーズものほど続きが気にならないのは
    やっぱり私が、珈琲を飲むと夜眠れなくなる、ダメなオトナだからなのかな?
    エスプレッソにはたっぷりお砂糖を入れて飲むものだと知って
    ほぉほぉ、いいこと聞いちゃった♪ とほくほくしていたのに、ゲンキンな読者ですよね。

    • だいさん
      >ああ、私ってやっぱり、「地図の読めない女」の典型!

      おお!
      私も、よく道に迷います。
      (人生にも迷っていますが・・・)
      >ああ、私ってやっぱり、「地図の読めない女」の典型!

      おお!
      私も、よく道に迷います。
      (人生にも迷っていますが・・・)
      2013/05/23
    • まろんさん
      だいさん☆

      なんと、だいさんも迷子スキルの高い方でしたか!
      お仲間がいてとても心強いです♪
      初めてのお店に入ると、店を出た時、右に行くのか...
      だいさん☆

      なんと、だいさんも迷子スキルの高い方でしたか!
      お仲間がいてとても心強いです♪
      初めてのお店に入ると、店を出た時、右に行くのか左に行くのか
      わからなくなったりする私です・・・
      2013/05/25
  •  本書は推理小説ですが、殺人鬼が出てくるわけでもなく、刑事事件に発展することもありません。そのため、ライトに読める一冊になっています。

     本書の最大の魅力は「日常」にあるかと思います。登場人物は一癖も二癖もあるようなキャラクターでは無く、程良い個性を持つ人たちばかりです。また、舞台も京都の小さな喫茶店です。巻き起こる事件も彼氏の浮気問題や、サプライズの種明かしなど、明日自分のこと身に起こっても不思議で無いものばかりでした。日常に潜んだ謎を日常をヒントに解き明かしていくため、無意識のうちに自分であれこれ推理してしまいました。
     そんな日常の中にもハラハラドキドキの展開もあるので、小説としての展開力にも満足できました。 

  • ちょっと内容が薄かったかな・・・。( ;ω;) でも、好きな人は好きだと思う。

  • 作家さんのデビュー作品で日常の謎の連作短編小説ですね。
    ある雨の日にレトロな喫茶店と出会った主人公は自分の探し求めていたコーヒーの味を見つけた。喫茶店の名前はフランスの珈琲伯爵「タレーラン」の名前を冠したものだった。
    喫茶店の店主美星と運命的な出会いから物語は始まる。
    主人公の大和はワトソン役的で名探偵は美星。
    この作品は「このミス」の応募作品で受賞こそ逃したけれどなかなかの面白さでシリーズ七作目のヒット作品に成っていますね。
    キャラクターがとても生き生きしていて、謎解きも面白く、なにより人間模様が優しく描かれていてとても好感が持てます。
    この作家さんの作品はすでに数冊読んでファンに成っていますが、「タレーラン」は積ん読で読んで無かったのですが、昨日七作目を購入して早速第一巻から読んでみました。人気シリーズ間違いなしで面白く読了しました。

  • 主人公が、京都の小路の一角にて、
    ・珈琲店「タレーラン」
    ・女性バリスタ切間美星
    ・探し続けていた理想のコーヒー
    と出会う場面から始まります。

    美味しいコーヒーを嗜みながら、、、
    日常の些細な謎を解きながら、、、
    徐々に主人公と美星の距離が縮まっていく様子が描かれていますが、
    台詞回しや文章の運び方がかなり独特な感じがします。(私はちょっぴり読みづらかった…。)

    普通に読み進めていると、
    「あれ?何この展開!」と驚いてしまうような仕掛けがいくつも用意されているので、頭がこんがらがってしまいます(笑)

    コーヒー豆を挽きながら謎を解き明かす、というのが美星バリスタの基本的なスタイルですので、
    私も豆から挽いて、丁寧にコーヒーを淹れたくなりました。
    コーヒーミル、買おうかなぁ…(笑)

  • ん〜
    一話一話読みやすいし文章も上手いけど、
    漫画チックで
    少し軽薄に感じる主人公像は
    人を選ぶかも。

    まぁツッコミどころは多々あるけど
    河原町三条、祇園祭、八坂神社、五山の送り火、出町柳、賀茂川、
    実在する京都の名店イノダコーヒなど
    京都を知る人なら嬉しくなる描写は大きな魅力だし、

    珈琲は苦手な自分だけど(笑)
    カフェではなく喫茶店にこだわってる点で
    楽しく読むことができました。



    富小路通りと二条通りの交差点にある
    「純喫茶タレーラン」。

    偉大なる食通の政治家タレーランの名を冠した店名。

    重厚な扉と赤レンガの道と
    蔦が絡み合う魔女の棲み家のような佇まいの古びた喫茶店という設定が
    雰囲気あって引き込まれます。
    (異世界・京都が舞台だからこその
    リアリティがあります)


    主人公である
    22歳のコーヒー好きの青年、アオヤマ。

    謎解きが趣味の
    喫茶タレーランのバリスタ
    切間美星(きりま・みほし)23歳。
    (見た目は女子高生)

    美星の大叔父で
    絶品のアップルパイを作る
    タレーランのオーナー兼調理担当の
    藻川又次(もかわ・またじ)。
    (女好きで変な京都弁を使う)

    美星の過去を知る青年、
    胡内波和(こない・なみかず)。

    そしてシャム猫のシャルル。


    キャラが立った登場人物たちは
    ドラマ化したら
    誰がいいやろって
    思わず考えてしまいます(笑)


    アオヤマと美星に
    毎回もたらされる日常の謎。

    赤と緑の傘を
    間違えて持っていったのはなぜか?

    ブラックコーヒーを飲めない男の浮気調査、

    孤独な小学生が
    大人に牛乳をねだる理由とは?


    そして美星が
    謎を解く時のお決まりのポーズが
    手回し式のハンドミルでコリコリコリコリ、
    コーヒー豆を挽くのです(笑)
    (毎回の決めゼリフはちょっと恥ずかしい笑)


    そして容易には人を寄せ付けない
    心に砦を持つ
    美星バリスタの隠された秘密とは…
    (いやはや5章後半からの二転三転する怒涛の展開には騙されました汗)

    ゆったりと進む恋模様も絡めながら
    謎を提示し
    サクサクと読ませる技量は新人らしからぬ出来映え。


    晴れた日には
    レンタサイクルでも借りて
    珈琲牛乳でも飲みながら(笑)
    京の町をロケ地巡りしてみるかな〜(笑)

    • nobo0803さん
      円軌道の外さん、お久しぶりです。
      この本、京都在住の私には魅力たっぷりな本ですね。知ってる地名が出てくるとワクワクしてきそうです。
      それにし...
      円軌道の外さん、お久しぶりです。
      この本、京都在住の私には魅力たっぷりな本ですね。知ってる地名が出てくるとワクワクしてきそうです。
      それにしても、円軌道の外さん、珈琲苦手なんですね( ゚Д゚)
      すみません、私の勝手な想像でてっきりブラックコーヒーを飲んでそうなイメージだったもので、
      それに一番びっくりしてしまいました(;^ω^)

      ぜひぜひ、珈琲牛乳飲みながら京都のロケ地巡りしてください!
      私も、読んだ後には散策しようかな♫
      2013/05/09
    • 円軌道の外さん

      nobo0803さん、
      コメントありがとうございます!

      あっ、nobo0803さんは
      京都在住なんですね(驚)(^O^)
      ...

      nobo0803さん、
      コメントありがとうございます!

      あっ、nobo0803さんは
      京都在住なんですね(驚)(^O^)


      この小説はかなり詳しく京都の町並みやお店の場所を描いているので
      ロケ地巡りには
      もってこいなのです(笑)
      (仕事柄京都には何度となく行ってるけど、いまだに迷子になってしまいます汗)


      あはは(笑)
      いやぁ〜
      酒は大好きやけど
      コーヒー飲むと
      頭痛くなっちゃう
      お子ちゃまなので(^_^;)

      甘い甘いカフェオレか
      コーヒー牛乳しか
      ダメなんスよね〜(>_<)

      周りのみんなからも
      キャラじゃないって
      笑われてます(汗)


      てか京都案内して欲しいなぁ〜♪

      行きたい本屋が
      たくさんあるのです!


      2013/05/12
  • 京都の珈琲店を舞台に展開するライトなミステリ。
    読みやすいですね。

    恋人とケンカしてたまたま入った小路の一角のレトロな店。
    そこでアオヤマは、追い求めていた理想のコーヒーと、魅力的な女性バリスタ切間美星に出会う。
    美星の大叔父がオーナーで、美星は童顔で手伝いの学生のように見えたが、アオヤマよりも一つ年上。りっぱに店を仕切っていた。
    客とは距離を置いているほうだが、謎解きの才能があり、喋りだせば駄洒落も飛び出し、コーヒーについての薀蓄も止まらない。
    小さな謎を解きつつ、似た興味を持つ同士で、しだいに距離を縮めていくが‥?

    大叔父の藻川又次は見た目の渋さと違ってお調子者の老人だが、手作りのアップルパイは絶品。
    アオヤマの元カノ虎谷真美は柔道サークルの強者という変わった設定も。
    遠縁にあたる小須田リカなど、登場人物の名前は皆コーヒーがらみ。
    何だか変な名前になっちゃってる人もいるけど‥?

    ちょっとビブリア古書堂を連想させる設定。
    特に彼女に過去の問題があるあたり。
    それが終盤、意外な展開で面白くなったので、☆一つ増えました。

    まあ日常の謎系はいろいろあっても~気晴らしに肩がこらなくて、いいかなぁ。
    海外のコージーでも本屋や、紅茶やコーヒーがらみ、ありますから。
    あの激動の時代を生き抜いた政治家タレーランがコーヒーについて語っていたとは知らなかったというか(たぶん知っていたかも)、すっかり忘れてました。そういえば、コーヒーが普及した時代の人ですね。

  • コーヒーに関するうんちくやキャラクター設定は面白かったけど、「ミステリー要素」の部分では自分が読んだ感じ「裏の裏の裏をかいた」ような印象を持って、ちょっとややこしいしまどろっこしいし混乱した。
    京都に土地勘がある人が読んだらもっと楽しいかもしれない。私は全くないので、楽しみきれなかった感がある。

  • サブタイトルと「ビブリア」シリーズを思わせる表紙のイラストが気になって手に取ってみた。
    日常に潜む不可解な出来事を珈琲店「タレーラン」のバリスタ・美星さんが
    コーヒーミルをこりこりと回しながら考察し、「たいへんよく挽けました」と解き明かしていく。


    私自身、話の隅々まで気を配りながら読めていないせいもあり、
    作者のミスリードに安易に引っかかっていて
    「えっ、そっち!?」
    と思うこともしばしば。
    また逆に、結末が読めてしまうこともあった。
    けれど、殺人は起こらないし(少し人を傷つけるシーンはあるが)、
    香ばしいコーヒーの匂いを思い浮かべながら読むのは楽しい。


    さらに、京都にゆかりのある人にとっては、より一層楽しいのじゃないかな。
    通りの名前や地下鉄の駅、繁華街の混雑の様子
    懐かしい思い出や、今現在関わりのある人には、
    いきいきとした街の姿が目に浮かぶことでしょう。
    珈琲が出てくるシーンの描写は、コーヒー好きならたまらないかも。

    実際にある街を匂わせながら特定しない本も多いけれど、
    実在の固有名詞が出てくると、その街と登場人物が鮮やかに彩られて、いいなあと思う。

  • コーヒーに詳しくない私でも

    すごく 楽しめました。

    最後に ええ そうなのと 

    意外な 展開に 最後まで

    楽しめました。

    残念なのは 

    京都の 地理が わからなかったので

    面白さが 半減してしまったことです。

    シリーズ化しているので

    その後も 読んでみたいと思います。

  • 「ビブリア古書堂の事件手帖」の珈琲版といえなくもない。
    「日常のミステリー」+「甘酸っぱい恋愛」に苦味が加わる風味。
    好きですw

    お話は...
    京都の小路の一角に、ひっそりと店を構える珈琲店「タレーラン」。
    主人公のアオヤマは、偶然入ったこの店で、理想の珈琲と魅力的なバリスタ 切間美星と出逢った。
    彼女は、店に持ち込まれる日常の謎を、コリコリコリと解き明かしていく...その先に彼女自身が背負った暗闇とともに...

    第一章、第二章までは、日常の謎解きも場面の描き分けも拙さが残っていて、ビブリアに便乗しただけのものか...という失礼な感想が正直沸きあがった。

    しかし後半の三章は、ミステリー要素もビターになり、いいセリフも飛び交う。そしてスイーツな要素も入っている。
    いい感じ。

    登場するキャラ設定は好き。
    アオヤマのキャラもいい。
    美星が成長する感じもいい。
    登場する人物名がすべて珈琲豆がらみなのはおもしろいようでもあり、作品の品位を落としているようでもあり。
    コミックにすると良いテイストになるんでしょうね。

    「日常の謎」は北村薫ファンの私からすると、うーん...がんばれ!って感じ。
    2巻もあるようだけど、どういうミステリー展開してるのか気になる。

    「スイーツさ」は心地良い。
    またつまみたくなる甘さ加減です。
    はい、2巻もつまみます。

    本書は「このミス」大賞選考の隠し球でした。
    「このミス」大賞シリーズは、良い新人を発掘しつづけていて応援!

  • あきらかに「ラノベ」でしかないものを、「このミス大賞」関連として出版しないでほしい。
    たしかに「京都の隠れ家カフェ」「美人バリスタ探偵」「日常の謎と美味しいコーヒー」などの構成要素だけは売れセンだとは思いましたが、「このミステリーがすごい!」と銘打って、ミステリーとして全く凄くないっていうのはがっかり感もひとしおです。

    『ビブリア』みたいな作品に憧れて、京大ミス研の同人誌に書きました! っていう以上のものではない(商業出版でお金取れるレベルじゃない)ですよね。
    装丁が完全に『ビブリア』を想起させるようなものでありながら、内容が格段に落ちる劣化版というのは、売り方(戦略)もちょっとマイナスだと思います。出版社の姿勢として。

    京都のご当地ミステリーって解説にありましたが、京都に土地勘のある読者にしか解けないようなクイズが、ミステリーとして面白いでしょうか。内輪受けなら同人誌でやってください。
    また、せいぜい「クイズ」というレベル(しかもクイズとしても出来が悪い)のものを、登場人物にこねくりまわさせ、二転三転させて、「日常の謎」ふうに提示する昨今のコージーミステリーの低レベル化、もうやめたらどうでしょう。
    こんなの「日常の謎」としてひとくくりにしたら、北村薫や若竹七海が泣きますよ。

    解説には「謎解きの要素の薄さは出版時に改善された」「魅力あふれる登場人物」「充分な文章力」なんてことが書いてありましたが、悪い意味でため息が出るようです。
    登場人物は既存のラノベキャラを寄せ集めたみたいだし、文体は変(文体に文章力がついていってない)だし、謎解きは前述の通りだし、解説者にまで怒りを覚えるほどでした。

    せめてせめて、
    「んぐぁ。」
    コリコリコリコリ。
    「大変よく挽けました。」
    だけでもやめさせたほうが良かったと思いますよ、編集さん。
    小中学生だけに買わせたいのなら、ティーンズレーベルから出してね。

    まあ、この寒いサブタイトルを見て、「こりゃハズレだな」と判断できなかったこちらも痛恨のミスでした。

  • 一時期地元の珈琲店がつまらないチェーン店におされて姿を消してしまいましたが、最近小さなお店がまた増え始めてきた気がする。それぞれ特色があって楽しい。この作品のようなお店が増えたらもっと楽しい。珈琲店探しの楽しみが増えた。

  • ほのぼのとした謎解きかと思いきや…。
    終盤で急展開。
    でも最後は彼女の手のひらに転がされた感が微笑ましい作品でした。

  •  コーヒーが飲みたくなる、ミステリー小説でした。探偵は、キリマンジャロをもじったのか、切間美星。バリスタです。スケベなおじさんと珈琲店を経営しています。そこに、客としてやってきた僕が、この物語の主人公。短編形式で、色んな事件をクリアーしていきます。
     バリスタの推理力は、金田一か、もしくは、ポアロかというほどの頭脳。難題をいとも簡単に解決していきます。気がつくと、この珈琲店の住人のようになっていて、彼らの巻き込まれる事件に夢中になっていました。面白かったです。

    http://kafuka.doorblog.jp/archives/17716050.html

  • 図書館で。
    また可愛い女の子がちょっと特殊な才能もちって話か~と思いつつ読んでいたらコーヒーの薀蓄が結構面白くて謎解きよりもそちらを楽しく読みました。主人公二人は最後までよくわからない人たちだなぁと思いながら読みました。

    作者がミスリーディングを狙っている為なのでしょうが文章がわかりにくく、何を言ってるのかわからない、という点が結構ありました。特に二話。誰が誰と、どこにいて何をしているのか全然わからないため何が問題でどういう事件なのか終盤までよくわかりませんでした。そして仔猫には牛乳与えるのは良くないんだけどな~ おなか壊すし。そしてお話にアリガチですが餌与えただけじゃ動物は生きていけないのよね~、シモの世話とかどうすんだ、とか無人の建物に閉じ込めて子供が一人で面倒見てたとか無理あるでしょう、と思ったり。そろそろこういうテンプレ、無くならないかなぁ…。

    後、人物関係がナゾ。何で最初の話で主人公は元カノの友人に張り倒されなきゃいけないんだろう?とか。バリスタもあんな過去があったならおいそれとお客さんと親しくならないと思うだけど…結構親密度詰めるの早くないですかね?
    まあ、面白くないわけではなかったのですが色々と首を傾げる所もありました。続きは…まあ気になったらボチボチと。

  • 非常に読みやすい一冊。読み進めていく内に少しずつ違和感のような物を感じていたが、最後でそれがまとめて解消された。
    文章の組み立てが凄く上手い。

    あと主要キャラクターが何れも魅力的でした。
    続編があれば是非読んでみたいです。

  • 楽しく読めました。ただし、コーヒーを飲むシーンが多くて、胃が気持ち悪いムカムカの私にはキツかったです。胃が悪い方は、控えめに。
     あと、ちょっと小難しい発言多めです。小難か発言苦手なか方は、コーヒーを飲みながら読んでください。気持ちが落ち着きますよ。

  • 「夏を取り戻す」がとても面白かったので、未読だったデビュー作を手に取った。軽いタッチながら、二転三転する展開が大変面白い。シリーズ全作読んでみたい。

  • カフェもミステリーも好きだし、シリーズ化しているので、面白いのだろうと思い読んだが、合わなかった。
    ミステリーとして裏をかかれたというのでなく、場面や時間が切り替わっていることが単に伝わってこないことが多く、あれ?となることが多発した。
    ストーリーは面白い気がするのに、読みづらさで入ってこず残念。

  • 京都の片隅にある年季の入った木造平家の純喫茶「タレーラン」。
    恋人と喧嘩をしたアオヤマくんが出会った理想の珈琲と、バリスタの美星さん。
    傘が消えた謎、女子大生の恋人の浮気、牛乳を欲しがる小学生、先回りする元恋人。
    周りで起きた小さなミステリが、ラストに向けてだんだんと不穏な空気に。
    アオヤマくんの元恋人、ふつうに怖い。
    どこか切ない余韻の小さなミステリが最後にグサリとささって、ほんわかと着地した。
    まだまだ続くんだ。
    2人のこれからも気になるけど、ここで終わってもイイかなという気も。

  • 面白い! 初めて読んだコーヒーミステリー。
    京都のコーヒー店を舞台にしたお話。日常の中に潜むミステリーといったところでしょうか。派手さはありませんが、一つ一つがウィットにとんでいて面白い。
    語り手の青野大和とコーヒー店のバリスタ 切間美星との謎解きと恋の行方が秀逸でした。

  • 随所でビブリアの何番煎じな感はありますが、京都のカフェでコーヒー薀蓄ということで、おまけの4点。

    日常の謎で、初めはかなり緩い雰囲気でしたが、意外と偏執的な恋愛感情が絡んできて物騒な展開になります。
    ちょっと無理があるような気もしたけど、まぁまぁ雰囲気は悪くありません。
    おいしいコーヒーが飲みたくなります。

  • 最初の感想
    コーヒー飲みたくなった・・・
    もちろんミステリーとしても面白かった
    まぁ、舞台となった地域にあまり詳しくないので面白さが
    半減する場面もあったはあったけど・・・
    叙述トリックなどもあって最後まで楽しく読めました!
    というか・・・主人公?の元カノがどこまで彼に対し
    本気だったのか最後まで分からずじまい・・・
    う~む・・・僕が女心が分かっていないためなのだろうか・・・

  • このミスの隠し球作品。流れるような文章と、珈琲の蘊蓄の醸す日常ミステリ。文章が読みやすくて言葉運びが綺麗。グルメ・ミステリ、もしくはご当地ミステリにカテゴリされるのかもしれませんが、恋愛小説とも読めた。できれば、京都の地図や、アオヤマさんの自室の平面図があったら、判りやすくてもっとミステリっぽく読めたかも。番外編でいいので、続きがよみたい。

  • いつぞやのコノミス作品。
    話題だと噂に聞き、正直表紙は好みではないものの手に取ってみる。

    読んだ率直な感想としては2も読んでみたいかも、というくらいにはハマる。なんというか、登場人物は二十歳そこそこなんだけれど、読者層は全年齢対象な雰囲気が◯。ライト層も取り込める米澤穂信的な。

    ストーリーは短編同様に何個かの謎が生まれては解決して…の繰り返し。
    のつもりだったのに、まさか最後にアオヤマ氏もバリスタだとかなんとかに衝撃。しかも、その伏線がきちんと1話目から張られていたとは…。
    これは作者に一本取られました。

  • 登場人物のやりとりにクスッとさせられる場面もあり、さらっと楽しめた一冊。
    自宅近くにこんな理想的なコーヒーを出してくれる喫茶店があると素敵だなと思った。

  • 私を『日常の謎』系のミステリーにハマらせた、岡崎琢磨先生の傑作です。

    殺人事件のような殺伐としたことは一切起きませんがちゃんとどんでん返しを味わえます。
    登場人物が少ないので覚えやすく、またそれぞれ魅力的なのがいいですね。
    最後は思わず泣いてしまいました。

    これからミステリー小説を読み始めたいと言う人にまず読んでほしい作品です!!
    ミステリー入門と言えばやはり「十角館の殺人」がよく挙げられると思いますが初心者にはやや長く、登場人物もそこそこいるのでこちらの方が個人的にはオススメです!

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著者プロフィール

1986年福岡生まれ。京都大学法学部卒。2012年、第10回『このミステリーがすごい!』大賞隠し玉に選出された『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』でデビュー。翌年同作で第1回京都本大賞受賞、累計250万部を超える人気シリーズに。この他の著書に『夏を取り戻す』、『貴方のために綴る18の物語』、『Butterfly World 最後の六日間』など多数。

「2022年 『下北沢インディーズ ライブハウスの名探偵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡崎琢磨の作品

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