海鳥の眠るホテル (『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
3.23
  • (4)
  • (15)
  • (33)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 130
レビュー : 24
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800201867

作品紹介・あらすじ

恋人との関係に終止符を打ち、美術モデルのアルバイト先で出会った新垣と新たな関係を築こうとする千佳。新垣と行った廃墟で、何者かの気配を感じ-。認知症を患った妻・君枝の介護に専念すべくデザイナーの職を辞した靖史。君枝から目が離せなくなった靖史は…。人里離れた廃墟と化したホテルに棲む、記憶を失った男。ある朝、ホテルに一眼レフカメラを持った女性を見つけ、撮影を続ける彼女の後を追う。三人の記憶と現実が交差してひとつのファインダーに収まったとき、世界は、見事な反転を見せる。寂寥とした筆致が沁みわたる、ホラー・サスペンス。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 山奥の廃ホテルに寝泊まりし、迷い込んでくる若者に怯える男。美術学校でヌードモデルをしている女。認知症を発症した妻を世話する男性。それぞれの人生には実は接点があり、明らかになっていく。

    ていうか、あらすじ書きにくいわ。ミステリなんですかねこれ。ホラーと言うか、純文学というジャンルで読み始めたほうが良いし、読み終わってからもその印象は変わっていない。あとがきには「見事なサスペンス」と書かれているのも、首をかしげる。

    とまあ、純文学として読んだとして、結構早々に嫌な予感がするのは、視点をあっちこっちに移動すること。その上、その視点が飛んでいく先が、リアルな時間軸に乗っているものではないわけで、「ぼんやりした作品だった」というレビューが多くなるのも頷ける。

    なんとなく途中で、作者はひた隠しにしているが、こういうストーリーになるんだろうな、というとおりにストーリーは進んでいくため、それなりに読みやすい。

    が、面白いと言われたらどうかな?岡崎京子の「エンドオブワールド」の出来損ないという感じの話であり、典型的な☆2の作品であろう。

    宝島社もちょっとハズレ多いな。

  • カメラマンを目指す女性、若年性アルツハイマーの女性、廃墟ホテルに起居する日雇い男性。
    それぞれがバラバラのストーリーで、少しずつ摘み食いしながら並行する。イライラしながら我慢して読む。
    各スレッドが少しずつクロスする。
    カメラマンはアルツハイマー病の女性に父親を奪われ、日雇い男性はカメラマンに恋慕して襲う。カメラマンは幽霊になっていた。
    種明かしすると大したことじゃない。イライラもあまり解消しない。だからどうした?というカンジ。

  • 家族のが認知症かうつ病かで病院巡りしていた頃にたまたま読み始めてしまい、ものすごく後悔して封印してたのですが家族の症状が落ち着いて着たので意を決して読み終えました。

    それぞれの視点が最終的に交差する手法は鮮やかに思いましたが誰に感情移入したらいいか分からずのままでした。
    千佳のモデルの仕事仲間の女性の設定や発言が尖っている雰囲気があってのちのち大きくかかわってくるのかと思ったら生かされないままでしたし……。
    千佳が、年若い女性の命が無残に奪われてしまったことに切なさばかりが先立つ小説です。

    廃墟のホテルという設定が、すごくゾクゾクしました。
    シャッターを焚く度に昔のホテルが甦る気がする、という表現がとても繊細で良かったです。

  • 『完全なる首長竜の日』よりは読みやすくわかりやすかったかな。3つの視点からお話が進み最後に収束する構図は見事。最初の方はわかりにくいところもあったけどその疑問は話が続いていくにつれ解決していくかな。まさかあんな結末だとは思わなかったよ…。2012/668

  • 恋人と別れ美術モデルのアルバイト先で出会った
    新垣と新たな関係を築こうとする千佳。
    アルツハイマー病を患った妻の介護に
    専念すべく職を辞した靖史。
    廃墟と化したホテルに棲む記憶を失った男。
    三人の記憶と現実が交差する…

    完全なる首長竜~が気に入ったので
    読んでみたのですが、それぞれの登場人物が
    繋がっても「ええー!」という驚きというより
    「あ、そうなんだ…」と思うだけで
    しかもただ重くて悲しいだけだったという…

    あらすじに三人の記憶と現実が交差して
    ひとつのファインダーに収まった時
    見事な反転を見せる!とか書いてあるので
    期待しすぎてしまった…
    全体に登場人物が抱える事情がしんどくて…

    ただ、不思議な空気感というか雰囲気がある
    作家さんだな~と思います。
    昔の情景をゆっくりと物悲しく古い映画で
    流すようなシーンを描くのがうまいというか…
    廃墟が好きなので舞台が廃墟になったホテル
    なのも好みだったのかも。

  • 3人の登場人物の別々のお話が徐々に収斂していき最後には…。読み始めてすぐ、このミス大賞を受賞した「完全なる首長竜の日」と同じ臭いがして嫌な予感を覚えたのですが、アレよりはマシな出来ではありました。ただ、救いようのない結末には脱力です。

  • 裸婦モデルの千佳、アルツハイマーの妻を介護する靖史、廃墟に住むホームレスの3人のそれぞれの視点から語られる物語と、次第に明らかになっていく3人の関係に何とも言えない切なさが残りました。女性陣がみんな不憫です。

  • 登場人物の一人称で語られるので
    場面がコロコロ変わる
    こういうタイプの作品が好きなら
    まあ、面白いと言えるかもしれない

  • えぇ〜っと思う結末でした。
    誰もが悲しい。

全24件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1971年東京都生まれ。2010年『忍び外伝』で第2回朝日時代小説大賞、『完全なる首長竜の日』で第9回『このミステリーがすごい』」大賞を受賞し、デビュー。2013年『忍び秘伝』が第15回大藪春彦賞候補となる。他の著書に「鷹野鍼灸院の事件簿」シリーズ、『海鳥の眠るホテル』『機巧のイヴ』『思い出は満たされないまま』『ライプツィヒの犬』など。

「2017年 『決戦!賤ヶ岳』 で使われていた紹介文から引用しています。」

海鳥の眠るホテル (『このミス』大賞シリーズ)のその他の作品

乾緑郎の作品

海鳥の眠るホテル (『このミス』大賞シリーズ)を本棚に登録しているひと

ツイートする