サイレント・ヴォイス 〜行動心理捜査官・楯岡絵麻 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 1880
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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800203281

作品紹介・あらすじ

警視庁捜査一課巡査部長で取調官の楯岡絵麻。行動心理学を用いて、相手の仕草や行動パターンから嘘を見破る手腕から、通称「エンマ様」と呼ばれる。幼馴染殺害の容疑がかけられた歯科医、人気俳優の夫を殺害したと自白する国民的女優、クレーマー殺害の容疑がかかる占い師、絵麻の同僚を被疑者に追い込んだ音大生…。取調室で絵麻が被疑者に向かい合うとき、事件の真相が浮かび上がる。

感想・レビュー・書評

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  • 美貌と行動心理学を駆使して、容疑者を自供に導く、〈エンマ様〉こと楯岡絵麻のシリーズ第1作。

    嘘をつくと現れる、なだめ行動。
    危険を察知したときの行動、3つのF。
    言葉以外の、ノンバーバル行動、ミラーリング。

    ささやかな兆候を見逃さず、容疑者の心理に迫っていくのが、面白かった。
    取り調べの短期決戦なところも、スピーディ。

    相棒の西野とのやり取りも、コミカル。

  • 佐藤青南さんの作品は「犬を盗む」を読んで面白かったので、これが2冊目だ。そして楯岡絵麻のシリーズのはじめでもある。題名にも興味がそそられる。

    大脳辺縁系と大脳新皮質、そして人間の心理としての逃避行動で犯人の真実を見抜いていく。
    マイクロジェスチャーを見逃さない能力に長けている。取り調べ専門のようだ。なにせ自供率100%という凄さだ。
    後輩の西野と主人公の楯岡絵麻のやりとりもワンパターンだが、アクセントになっている。

    幼児誘拐犯から始まり、歯医者、占い師、女優、自称音大院生の結婚詐欺師たちの真実を暴いていくのは爽快さも感じる。
    女優の時は、最後に意外な結末が待っていた。これは予測できなかったので面白かった。

    ローボールテクニックやドアインザフエイステクニックは、知らなかったので、試してみたくなる。
    どの短編も心理学に興味がある私には、津々であった。

  • 5話からなる連作短編で、取調室と打ち上げの居酒屋の場面だけで構成されるユニークな警察小説。
    主人公の館岡絵麻は被疑者の仕草や行動のパターンから相手の嘘を見抜き、完落ちさせる。
    彼女の相棒となり、記録係を務めるのが巨漢で28歳の西野圭介。
    このシリーズ、クセになりそう。

  • 皆さんも書かれていますが、すらすらと読んでしまいました。人間模様もあっさり目でディープな作品の後に丁度良い感じです。過去の事件も気になるので続編も買いました。

  • ドラマを見て気になって原作に戻ってきました。ドラマ版ではなかったエンマ様の過去の軸になっている事件もあり、続きが楽しみです

  • 「消防女子」「白バイガール」などお仕事ものが得意な作家さんの他の作品が気になり、読み始めることに…
    警察小説ではあるが、この作品の舞台はほぼ取調室。他の場面は事件が解決した後の居酒屋ぐらいしか出て来ない、と言うかなり異質な警察小説。捜査をする訳でもなく、ひたすら容疑者との心理戦を描く。
    それだけだと飽きてしまいそうだが、短編と言う形を取っているので、さくさくと読める。少し軽めのタッチなのも、心理戦の重さを軽減している感じがする。
    他のシリーズでは新人を主人公にしているので、このシリーズの主人公・絵麻が自称「永遠の28歳」の巡査部長なのも、個人的には興味深い。
    新しい形の小説に今後も楽しみ。

  • 行動心理捜査官というので、1つの事件を心理面からじっくり解いていくのかと思ったら、5つの事件を全部取調室だけで解いていった。それはそれですごい。シリーズで続編も出ているようなので、だんだん長い話も出てくるのかな(こういうタイプのシリーズ本はだいたい続編が続くと話の1本が大きくなるからね)。じっくりした話も読んでみたい。

  • ドラマも見ていたので原作もと思い購入。
    相手の仕草から嘘を見破り、真実を導き出す絵麻と西野のコンビを中心に進むストーリー。
    犯人との対決、とりわけ女性同士の対決は展開も熱く。第5章は身震いがしました。
    目が離せない展開の数々であっという間に既読。
    次のシリーズも読んでみます。

  • 荒唐無稽とは思いつつ、行動心理学を駆使し、取調室での被疑者のなだめ行動から事件を解決するという手法自体は斬新で面白い。それよりも楯岡絵麻シリーズ1作目ということもあり、事件の構図自体がなかなか良くできていて、そちらの方が評価できる。シリーズも10作ぐらいいってるのかな。順に読んでいこうと思っているが事件ネタが尽きないのか、そちらの方が心配になる。

  • ①YESか脳か、②近くて遠いディスタンス、③私はなんでも知っている、④名優は誰だ、⑤綺麗な薔薇は棘だらけ、テレビドラマで面白かつたので読んでみた。楯岡絵麻 - 栗山千明、西野圭介 - 白洲迅がイメージできてなかなか面白く読めた。シリーズものだから次巻が楽しみ!

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著者プロフィール

佐藤青南
一九七五年長崎県生まれ。「ある少女にまつわる殺人の告白」で第九回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し、二〇一一年同作でデビュー。一六年に『白バイガール』で第二回神奈川本大賞を受賞。ドラマ化された「行動心理捜査官・楯岡絵麻」シリーズ、「白バイガール」シリーズ、絶対音感刑事・鳴海桜子が活躍する『連弾』『人格者』『残奏』など、著作多数。近著に『犬を盗む』『ホワイ・ダニット 行動心理捜査官・楯岡絵麻』『ストラングラー 死刑囚の逆転』がある。

「2023年 『残奏』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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