ノンフィクションの「巨人」佐野眞一が殺したジャーナリズム 大手出版社が沈黙しつづける盗用・剽窃問題の真相 (宝島NonfictionBooks)
- 宝島社 (2013年4月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800207647
感想・レビュー・書評
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文字通り、ノンフィクション界の巨人といわれる佐野眞一の盗作問題について、丹念に検証した一冊。
これを読む前に先に佐野の言い訳本『ノンフィクションは死なない』を読んでしまったので大筋は知っていたが、これを読む限りでは確かに佐野は色々な人の文章を盗用・剽窃していることを知った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
騙された!なんていうつもりはない。
いろいろあると思うが、東電OL殺人事件での彼の活躍は穢れていない。ここぞとばかりにコレを作った連中こそ、日和見主義者でジャーナリストの風上にもおけない。 -
盗作について、詳しく分かったことは今後のために有益。
ただ、これを金を出して買って読むことにどれ程の意味が社会的にあるのか?
買って読み終わった後に非常なむなしさが襲う。
記述もやたら同じようなことが書いてあるし。佐野氏を擁護するつもりは毛頭なく、早急にノンフィクション界から退場すべきとはおもうが、それは最初の数ページで理解できる。本にするために無理やりページ数を増やしたことが明白。
もしこれほどの分量を使わなければ盗作を明らかにできないなら、それは編集の無能さを表すだけにおもう。 -
ノンフィクションの巨匠、佐野眞一。無断盗用疑惑は以前から知っていたというか、週刊誌等でのお詫び文章は見たことがあったので、そのことに関しては驚かなかったが、これほどまで多かったとは。
それよりも、各出版社が彼に対してこれまで批判していなかったことのほうが驚き。
盗用したという対比表があるが、明らかにそうと思われるものも多いが、ちょっとこれは盗用というには厳しいんじゃないの??というのも多くあり、もうちょっと厳選して欲しかったなというのが正直なところ。 -
ノンフィクション界で有名な佐野眞一氏の盗作疑惑を徹底追求した本。
「ハシシタ主義」の連載も1回で終わってしまったが、これによって過去の盗作癖が暴かれてしまった感じを受けた。また内容も、対照表を見る限りえげつないと思った。書いている人も、ガジェット通信で対照表を作った方や、盗作された方、佐野氏が盗作を認め詫び状を送った方まで、取材されていると思う。
東電OL殺人事件など、実際に佐野眞一氏の著作後に正統性が確かめられたモノもあり、作風が好きだったのでそれなりにショックだが、佐野氏はノンフィクションの分野でも物語のように書くのが得意な面もあり、結局、自分の作風を優先してしまったように個人的には感じた。
晩節を汚さず -
ここまで来るとは、完全なパクリですね。ひどい。
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佐野氏の作品は、良く真実に迫っていると評価し、興奮して読んできただけに、本書が指摘するような事実があったとすれば、残念だ。
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ハードな本です。盗用された本人たちが、そして近い立場だった人たちが、対照表まで出して次々にその「事実」を明らかにしていきます。本文中にもありましたが、佐野氏は、引用や参考にしたものを読み込んでいるうちに自分で考えたような気になってしまうのかもしれません。
でも、「佐野眞一が殺したジャーナリズム」というよりも、それを知りつつ黙認したのなら「ジャーナリズムと佐野眞一が心中した」んじゃないのかな。ここまでやらんでもいいのでは、という気もしますが、兎にも角にも週刊誌業界は面白くも怖い。この後が無責任に楽しみです。 -
今こそ読まれるべき本であろう。前半は、ノンフィクションの「虚人」こと佐野眞一氏の盗用の数々がこれでもかと並べられ、後半になるに従い、佐野氏が「虚人」へと化ける構造を生み出した出版業界の歪んだ体質が、鋭く指摘されている。
しかし、出版社宛の質問状の結果を見ている限り、この本が宝島社からしか出版できなかったのもやむ無しという感じがして、(最底辺にいるが)同業他社としても、非常に虚しいというか、なんというか。