- Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
- / ISBN・EAN: 9784800211392
作品紹介・あらすじ
横浜市消防局湊消防署で唯一の女性消防士、高柳蘭。新米の蘭は食事作りや洗濯などの雑務に訓練、消火活動と多忙な日々を過ごす。ある日、毎日確認しているにもかかわらず、蘭の使用している空気呼吸器の空気残量が不足していることに気づく。やがて辞職を迫る脅迫状まで届き、蘭は同僚の犯行を訝り疑心暗鬼に陥る。ちょうどその頃、世界一周中の豪華客船が横浜に寄港することになり…。
感想・レビュー・書評
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久しぶりの佐藤青南さん。
もっとチャラけた感じかと勝手に思って読むのを先送りしてたけど、早く読めば良かった。
新人ゆえ?女性ゆえ?理不尽な事に耐えて頑張る蘭。火災現場の緊迫感や仲間との連携などなどほんと面白かった。
サイレントヴォイス・シリーズの面白さも改めて思い出した。また読み返してみようかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小説としてはよくある話だけど面白かったですね。
続編も読むつもりです。
テレビドラマにならないかな。
なったら観るんだけど。 -
著者初読み。
警察小説などを書いているのは知っていたけど、ブグログで目に留まったので、この作品を読んでみた。
結構、消防士が主人公の小説は読んでいるが、女性消防官が主人公の作品は初めて。
この前に樋口明雄の山岳救助犬シリーズを読んでいて、登場人物の描写が丁寧だったので、同じ隊のメンバーの説明が少し足りない感じがしたが、作品を読み終える頃にはちゃんと慣れた。
父親が救助現場で殉職し、その娘が消防官を目指すのはありきたりな話だし、主人公の蘭が誰も彼も疑ってかかっているのは、あまりいい印象はないが、とりあえず、続編は読んでみようと思う。 -
横浜市消防局湊消防署 浜方消防出張所に勤務する事になった新人・高柳 蘭。
優秀な消防士を父に持つ彼女の成長物語。
ドジで失敗ばかりの彼女は、周りの職員ともトラブルばかり。そんな中、現場で利用する『空気呼吸器』が何者かによって減圧されていた。空気のロスは、即、死に繋がる。
果たして、同僚の誰かが、蘭の命を狙っているのか?
様々な出場を果たし、救えない要救助者に落ち込む蘭。
そんな時、巨大な豪華客船『宝来号』の船舶火災が...
要救助者を救うため、蘭が取った手段とは?
最後に、五十嵐隊長の話(父の死の原因)には、胸が詰まる思いがします。ぜひ、一人前の消防士として、今後の活躍を! -
佐藤青南先生の『名前は知ってるけど内容わかってない仕事』の事件簿物は全部面白いな…。本当に。
今回は消防女子。
消防士として親と同じ道を進んだ蘭が現場を経験しながら成長していく様と、蘭を狙う魔の手の正体は誰か?というミステリーも載っかってくる。
佐藤青南先生は女の人を主人公にして、その主人公が成長していく様を描かせたら今の時代はトップ作家ではないでしょうか?
一つ一つの作品描くまでに調べ物多そうだなぁ…とそのことを想像するだけで、大変なことをやった上にエンターテイメント作品として世に送り出す佐藤先生の筆の力に感動します。
佐藤青南先生、全作品面白いので、気になる方はぜひ。 -
ふつうに楽しく読めました。所要時間は2時間ほど。
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横浜市消防局湊消防署で唯一の女性消防士、高柳蘭。新米の蘭は食事作りや洗濯などの雑務に訓練、消火活動と多忙な日々を過ごす。ある日、毎日確認しているにもかかわらず、蘭の使用している空気呼吸器の空気残量が不足していることに気づく。やがて辞職を迫る脅迫状まで届き、蘭は同僚の犯行を訝り疑心暗鬼に陥る。ちょうどその頃、世界一周中の豪華客船が横浜に寄港することになり…。
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消防士という 仕事がわかるとても良い小説◎
消防士さんの仕事は火を消すことじゃなくて命を救う仕事なんだなと知れてとても良かった。
命懸けで人命救助を行なう姿に涙が出ました。
「誰かが危険を冒さなきゃ、救えない命があるから」
「自分が不甲斐ないせいで、救える要救助者を死なせてしまったんじゃないか、もしあのときああしていれば、、、。出場の度に、いや毎日毎日そうやって自問自答するのが消防士ってものなんだ」
って言葉が印象的でした。 -
殉職した父を持つ女性新人消防士の話。
内容は想像の範囲内であるものの、文章が素直で読み易いから、面白く読めました。
次作が出ているそうなので、蘭の進化がたのしみです。
難を言えば、被災者たちの描写が本編とは浮いた雰囲気でイマイチかな。 -
新米消防士の女の子と、周りの人々のお話。
舞台がかなり特殊なので、それだけでも興味津々。
以前ビッグコミックオリジナルで連載していた
「火消し屋小町」が好きだった私は、
きっと好きなんじゃないかと衝動買い(^ ^;
結果は...いや、ばっちり期待以上で(^ ^
亡き父の後を追うように、母の反対を押し切って
消防士として働き始めた主人公。
職場は完全な縦社会で男社会でなので、
まずもって「新人として」の苦労があり、
「女子ならでは」の苦悩もある。
そこへ降ってわいた、誰かからの悪意ある嫌がらせ。
しかも、下手すると命に関わる悪意。
それに追い打ちを掛けるように届く脅迫状...
本書は、新人消防士の苦悩と成長というテーマと、
嫌がらせの「犯人探し」というミステリ性、
さらに度々登場する「火事の現場」の生々しさと、
とても「盛りだくさん」な内容となっている。
しかし、作者の「周到な筆」は、決して読者に
「ネタ多すぎ」とは感じさせない。
むしろ、エピソードごとに「え、これで終わり?」
くらいの印象を残しながら、本筋は進む。
登場人物のキャラクターはややステロタイプだが、
その分「分かりやすくて」非常にテンポよく流れる。
読み始めるとけっこう一気に読んでしまう(^ ^
続編もあるそうなので、期待大(^ ^