異端のススメ

  • 宝島社
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  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800215437

作品紹介・あらすじ

学年でただ一人のエジプト留学。大手銀行を5カ月で退社-人と違うことを恐れるな!独自の人生を歩んできた二人に学ぶ「生きづらい現代」を勝ち抜く極意。

感想・レビュー・書評

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  • 2人とも王道ではない、異色の経歴の持ち主。
    この頃はまだ知事になっていない、政治家時代の対談。

    常に自分と周りと時代のタイミングを見計らって、皆が選ばない道を選んできたという人生。見切りをつけるのも早いなぁ…この行動力は見習いたい。でも、地頭が良いなら、どんな事も大抵はどうにかなってしまうのでは?

    口を揃えて、親の教育は大事だとか、親の教育には感謝だとか。
    『自業自得の自己責任。自分の責任は自分で取れ』と常々言われていたそうだ。
    改めて親としては何かしないといけなかったかなと反省。その割には具体的な事は書いていないかなと。

    『「やりたいこと」「やるべきこと」「やれること」と物事を3つに分ける。やりたいことは基本的にお金を払って趣味でやればいい。やるべきことはやるべきなんだから、これは好きだの嫌いだの言ってはいられない。
    仕事はやれることを選んでお金を払う人に対して責任を果たしていかなければならないという感覚。後は運がよかった』と林さん。なるほど、納得。

    小池さん、やっぱり批判的な事、あまり言わないね。
    常に何かに興味を持ち、突き詰めていく先に道が開ける。マイナーである事の安心感を得た感じ。

  • 異端か、正統か。それを決めるのは、時代以外の何者でもない。その時代に、どちらがマジョリティを占めたか、だけの話である。
    わが国は世界の中でも、高度のホモジニアス、同質社会と言われる。
    同質性が戦後日本の高度成長を牽引してきた。
    しかし、いったん流れが変われば、話は変わる。
    よい時はよいが、まずくなれば皆で奈落の底である。
    異端であることは、時代の先取りであり時代イノベーターである。

    本書の内容は異端の礼賛ではないですが、帯の示すとおり、生きづらい現代を生きるための極意を紹介しています。

    気になったことは以下です。

    ・アラブには資源が、石油が豊富なのだ。ただし、お金を彼らに払えば石油を買えると思ったらダメだ。そのうち売らないという事態が起こるかもしれない。
    ・ビスマルクの言葉に「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」というくだりがある
    ・留学生にその国の歴史を聞くと、だいたいちゃんと答えてくれる。
    ・ところが、日本人は、日本史をやっていないから知らない、と答える人が多い。
    ・大学教育を受けるレベルに自国の歴史をここまで知らない民族はいないんじゃないか。

    ・仕事は、できることを好きになれ、というモットーです。仕事に楽しみとか、生きがいとかを全くもとめません。

    ・林;やっているのはブログだけなんです。短いと上手に書けないタイプなので、ツィッターは切捨てました。ファイスブックについては、管理に手間がかかりそうなので
    ・そうやって消去法で絞り込んでいったんです。ある程度の長さをかけて、公開性があるほうがいいなあと、ブログに落ち着きました。

    ・戸籍みたいなかたちで、国民の管理をしているのは、先進国では日本ぐらいではないでしょうか。
    ・適用力より独創力。最近では、パソコンや携帯でメールのやり取りをしているければ、手書きの手紙が貴重になって見直されているようですね。

    ・情報化時代に向いている能力を持っている人以外が、不当に生きずらい時代になっていると思うんですね。

    ・男性の敵は男性ですが、おなじように、女性の敵は女性ですね。
    ・講演会などを行うと、女子のほうがきちんと話を聞いてくれるんですよ。それに比べて男子はとにかく姿勢が悪くて、あげく、寝てしまうような人もいる。

    ・カルロス・ゴーン、曰く。日本人は、戦略をきっちり実行することは抜群だけれど、戦略そのものを作るのが下手だと。
    ・ヨーロッパ人は戦略を作るにあたっては長けている。ただし、それを実行するのが下手だと。

    ・歴史教育が不十分であることは、人が高い志を持つことにおいて、悪い影響を与えているんではないでしょうか。
    ・他の国々の学生たちが、自国のことに誇りをもち、かつ歴史をとうとうとしゃべるのに比べて、日本人はほとんど日本を語らないというのですね。
    ・そこで恥ずかしさを感じて、そこから勉強をはじめるという人もいます。
    ・歴史は大事なんですよ。そのことを教えて人がいないことも、この国の不幸のような気がします。

    ・エジプトは信号が変わらなくても自分で勝ってに行きますね。いつも大混乱ですよ。
    ・日本人は全然車が来ないのに、じっと待つ。
    ・アラブ人からすれば信じられないと。だから日本人はすごいんです。

    ・チャーチルは、実際のところ、民主政治は最愛の政治形態だが、他のあらゆる政治形態よりはまし、といっている。
    ・どうも民主主義は、いちばん優れたシステムという誤解があると思うんですよ。

    ・やりたいこと、やるべきこと、やれること、と、ものごとを3つに分ける。
    ・人生に運が作用する部分も大きいですね。運が9割ではないでしょうか。

    ・日本軍が負けたのは、縦割りだからですね。情実人事の弊害も同じです。

    ・日本人って、ある意味で優しすぎるんだろうと思うんですね。優しすぎて、子どもに厳しいしつけをしなくなった。
    ・それは、子どもにとって、結局、マイナスであっても、プラスにはなりません。
    ・厳しくしつけることが、本当の優しさかもしれません。

    ・今の若い男子が優しいのは、自信が無いからだと思います。あと、忙しすぎるのではないのかな。

    ・人間、あの世に持っていけるものなんて何もない。だから、いらないものに埋もれて暮らしているのではないでしょうか。

    目次
    はじめに
    第1章 異端児時代
    第2章 社会でも異端
    第3章 異端がブレーク
    第4章 異端から見るネット社会
    第5章 異端たれ日本人
    第6章 「女性=異端」では困る時代
    第7章 異端児を生み出す教育論
    第8章 異端な改革論
    第9章 異端のススメ
    林修の歩み
    小池百合子の歩み
    おわりに

    ISBN:9784800215437
    出版社:宝島社
    判型:4-6
    ページ数:192ページ
    定価:1143円(本体)
    発行年月日:2013年12月
    発売日:2013年12月28日第1刷
    発売日:2016年11月15日第3刷

  • 考えが2人とも論理的で、しっかり的を射ていた。

    特に日本の英語教育が受験英語になりすぎた原因についての林先生の意見に納得した。

    『明治時代の名残。当時は欧米諸国に追いつくためには、洋書を的確に翻訳できる技術が必要だった。』(第5章)

    また、小池さんも政治家としての目線からの鋭い意見で、特に女性の社会進出についての考え(第8章)が素敵。

    学生の私でも考えさせられる一冊だった。

  • 東京都知事になる前の小池百合子さんと、「今でしょ!」のフレーズが大流行していた頃の林修先生の対談本。

    ”自分らしさを活かせて、ライバルも少ない「ブルー・オーシャン」を見つけて、そこで活躍しようぜ。ここぞという時には「レッド・オーシャン」でチャレンジしようぜ”という流れの対談だった。本のタイトルにも、見出しにもやたらと「異端」の文字が並んでいるが、言うほど異端ではないように感じた。
    小池さんと林先生ではなく、本の編集者が「異端」って言いたかっただけなのかも。

    基本的に友だちの少ない人生を歩み、大学生の頃は雀荘にいた、と話す林先生に強く興味を持った。

  • 「自分で生きていけ」「やれることはやりなさい」と同時に「失敗したらあなたのせい、責任は自分で取るものです」「自分で這い上がれ」という教育、高校でての東京行きは反対するがカイロ行きは賛成するような両親が小池百合子を形づくったのだなということ。林先生の、長銀を5ヶ月でやめて三年間、株と競馬の生活というのも知らなかったエピソード。”自信なんて、全部根拠のないもの。ある確率でうまくいくときもあるし、状況が変化するなかで、やはり使えなくなるものも出てくる。自信とはそういうものにすぎないと深く認識したうえで、それでも自信を持っていこう。”、"「仕事は、できることを好きになれ」。仕事に楽しみとか生きがいとかもとめない"といった趣旨の林先生の言葉も印象に。

  • 6/9(火)〜6/16(火) 異端のススメ

    ☆この本を読む目的
    「小池さんと林さんがどのような人生を歩み、どんな選択をしてきたか知る為」

    ☆この本の読了目標
    1.小池さんと林さんの道は一言で表すと?
    →自分はどうするべきか?
    2.異端のススメとは?

    ♪読了後結論
    1.小池さん→全体を俯瞰し、自分を客観視し、戦略を立てて行動してきた。
    林さん→とにかく負けないところを探す。自分にしか出来ないブルーオーシャンで勝ち続ける事。
    2.異端か正統なんて、その「時代」以外の何物でもない。その時代に、どちらかマジョリティを占めたかだけだ。日本は同質社会である。他の人と同じである事で心の安寧を見出している。
    皆と同じ事をしているのは安心だ。。
    だが、時代が変われば話は変わる。ただ「隣の人と同じ」である事はなんの保証にもならない。まずくならば、皆奈落の底。常に、異端は時代の先取りである。

    「優れるな、異なれ」

    1.異端児時代
    ・挑戦して、そして失敗しても、それは自分で責任を取ればいいだけの話。何にでもチャレンジして、新しい事や高いところに突き進んでいかなければ、後退あるのみ。
    みんなと同じ事をしていたら、安心かもしれないけど、奈落に落ちる時もみんな一緒。
    「自分で這い上がれ」

    2.社会でも異端
    全体を俯瞰してどちらにいくか。
    →自分はいったい何がしたいのだろう?自分の現在地を俯瞰して見て、どちらの方向にいきたいか決める。
    例えば、ホテルのバイキングを食べようとした時、手近な料理からお皿に載せてしまうと、後でこんな美味しいものがあった!と焦ってしまう。だから、全体を見る。戦争も同じ、周囲を一望し、全体の地形が分からん上で戦略をねる。孫氏の兵法と同じ。
    「敵を知らず己を知らざれば戦う毎に必ず殆うし、敵を知り己をしれば百戦殆からずや」

    ・愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ

  • (07.13.2017)

    自分が正しいと思う道に進む決断力、周りの目は気にせず自分の決断に自信を持ち、堂々と歩ける余裕。彼等のような生き方がしたいなと素直に思った。

  • 「やりたいこと」はお金を払って趣味でやればいい。「やるべきこと」は好きだの嫌いだの言ってられない。仕事は「やれること」を選ぶ。

  • 林先生は、競争できないところから撤退するという

  • ・出る杭は打たれる。出過ぎた杭は打たれない。
    ⇒出過ぎるぐらい結果を残すこと。

    ・仕事はやれることを選んで、お金を払う人に対して責任を果たして行かねばならない

    ・(戦争に負け、正しいと思っていたことが否定された)この困難な状況で、自身の欠如を裏返して、優しさにすり替えて子供に接した
    →ただ優しいだけではダメ、優しさには理由がいる。自信がないから、優しい事は逃げだ。

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著者プロフィール

1965年愛知県生まれ。東進ハイスクール、東進衛星予備校現代文講師。東京大学法学部卒業後、日本長期信用銀行に入行。その後5カ月で退社し、予備校講師となる。現在、東大特進コースなど難関大学向けの講義を中心に担当。テレビ番組のMCや講演など、予備校講師の枠を超えた活躍を続けている。

「2016年 『林修の仕事原論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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