帝都探偵 謎解け乙女 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 297
感想 : 40
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800220806

作品紹介・あらすじ

シャロック・ホウムス(シャーロック・ホームズ)に憧れ、名探偵になることを宣言した女学生の菜富(なとみ)令嬢。お抱え俥夫の寛太は彼女の願いを叶えるべく、菜富の家庭教師をしている小早川と協力する-。死んだはずの友人から手紙が届く「死者からの手紙」事件や、未来人が帝都に現れた「未来より来たる男」など、ふたりは数々の難事件に挑むが…。大正時代の帝都を舞台に、乙女探偵が舞う!

感想・レビュー・書評

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  • 帝都に住む実業家の娘とお抱え車夫が探偵として事件を解決するもの。
    大正ロマンを感じさせるタイトルに惹かれて図書館で借りました。

    それに加えて表紙の画風から日常の謎系なのかな?と思ったらしっかりと事件を解決していてびっくりしました。

    しかもラストに近づけば近づくほど驚きの連続!
    中でも最後のお嬢様は思いもかけませんでした。
    思わず声も出ちゃいました。
    でも読み返せばきちんと伏線がありましたね。
    うまいこと紛れ込んでいます。

    この本はトップに入るほど素晴らしく面白かったです。
    続編を書いてほしいです!

  • 各章毎の謎解き自体は、あまり大したことはない。出来すぎたトリック。都合が良い印象のまま物語あ進んでいくが、それさえも著者は見据えた上での最終章、エピローグで語られるさらなるどんでん返し。エピローグを読み終わったあとで挿絵を見返すと、挿絵自体がヒントであったことを示唆していることに驚き。完成された物語だ。

  • ラノベ風味の大正時代のお嬢様とお付きの俥夫君の探偵話しかと思っていたら…!終盤は「そうか!」の連続で予想外によかった一冊。読み終えた後に思わず表紙を見直してしまいました。

  • 大正時代。ホームズに憧れて名探偵になると宣言したお嬢様と、その願いをかなえるべく協力するお抱え車夫の青年の物語。
    死者から来た手紙、密室から消えた像、未来人から頼まれた人探し…実際には車夫が考えた推理をお嬢様が「すべてお見通しなのです!」と披露するライトなミステリだが、最後に衝撃が待っていた。全体としてちょっと凝り過ぎとは思うが、終章はインパクト大。

  •  明治時代の東京を舞台にシャーロック・ホームズにあこがれるお嬢様と、そのお抱え車夫が様々な事件に挑む連作ミステリ。

     お嬢様の菜富と車夫の寛太とのやりとりが軽妙で
    よかったです。

     ホームズのように依頼人のの姿を一瞬見ただけで
    依頼人の仕事や依頼内容を当てようもするも今一つ
    当たらないお嬢様とそれを生暖かい目で見守りつつ、
    推理を働かせる寛太、二人の役割やキャラ設定が
    しっかりと割り当てられていたように思います。

     死んだはずの友人からの手紙や、未来から来たと
    語る男の人探しの依頼に密室状況下での放火殺人など
    各作品の謎は幅広かったです。

     ある程度先読みしながら読んだので、予想通りだな、と
    思うところもあったものの、最後の最後まで仕掛けが
    施されており、その伏線の細やかさは印象的でした。

  • 表紙が好みで購入。大正時代を舞台にしたミステリーと見せかけて可愛い恋のお話。読んでいてあちこちで感じていた小さな違和感が、最後に明かされた秘密で「そうだったのか!」とびっくり。二転三転する結末が上手い。 菜富お嬢様と寛太、可愛いカップル。できればこの後の二人の話を読みたい。

  • 財閥のお嬢様がシャーロックホームズに感化されて「名探偵になる!」と決意するところから始まります。それを聞かされた幼馴染み兼車夫が巻き込まれるのは当然のなり行き。事件そのものも分かりやすく、まぁこんなもんだよねぇ、なんかひっかかるまま残してたり都合のいい展開だったりするけどねぇ…と思ってましたら、ちゃんと理由がありました。
    さぁ驚け!というどんでん返しではなく、やっぱりそうか、というくらいではあります。ただ改めて言葉として出てくると、あれもそうか、これもそうか、と言及されないところにも仄めかしがあったことに気づきます。そこに大正時代の奥ゆかしさがある…とまでは言いませんが、しみじみと登場人物たちの優しさや強さが感じられ、前途多難な二人ではあるけれど、どんな形でも幸せになれるといいなと思えました。聖典ネタは読者サービスかと思ってたので、推理の根拠にされてしまったのには少々驚きましたが。気づかないふりしてたんじゃなかったのか…。
    このミス大賞だし、ありがちな設定だし、というだけで読まないでおくのはちょっと勿体無い。そこが一番のどんでん返しかもしれません。

  • シャーロック・ホームズに憧れ名探偵になることに決めた菜富。しかし、推理が的外れで俥夫の寛太が影武者として支える連作短編集。

    【死者から送られてきた手紙】【密室からの消失】【未来から来た男】など魅力的な謎に二転三転する展開は読み応え十分。終章のサプライズもこれまでの意味合いが全く異なるからくりで秀逸です。なかなかの良作だと思います。シリーズ化が困難な締め方でしたが、魅力的なキャラクターだったので何とか続編を出して欲しいです。

  • 衝撃のラストあり。面白い。

  • 各短編にあまり惹かれなかったので途中で読むのやめようかなーと思ったけど、「どんでん返しがある」というレビューを見てざっくり最終章まで読んだ。
    なるほどね、と思って色々確かめながら読み返したいと思ったけど、実際に読み返す程自分にはハマらなかった。

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著者プロフィール

1972年大阪府生まれ。公務員退職後、『パチプロ・コード』で第八回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞し2010年にデビュー。

「2017年 『散り行く花』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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