ボランティアバスで行こう! (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)

著者 :
  • 宝島社
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本棚登録 : 279
レビュー : 45
  • Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800222855

作品紹介・あらすじ

東北で大地震が発生した。多くの支援活動が行われるなか、大学生の和磨は、バスをチャーターして援助活動に参加する「ボランティアバス」を主催することに。行方不明になった父親の痕跡を探す姉弟に出会う女子高校生の紗月。あることから逃亡するため、無理やりバスに乗り込んだ陣内など、さまざまな人がそれぞれの思惑を抱えてバスに乗り合わせるが…。驚きのラストが感動に変わる!

感想・レビュー・書評

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  • 読みやすい、ページ数も文体も手軽、文章もこなれていて簡易。一見よくある日常(とはいえないか)お手軽ミステリー短編集かと思わせておいて。

    一つ一つの短編は意外と小さな謎を解くことで終わっているが、最終章で巧妙に張り巡らされていた伏線を見事に回収している。なるほどそういう展開な…。

    謎解きの面白さを提供しつつ、「恩送り」という一貫したテーマを1冊通じて書きあげるのが上手い。遅ればせながら友井羊、要注目と感じたぞ。

  • こんなミステリーがあったのか・・・感動しました。

    東日本大震災で甚大な被害を被った架空の小さな街「山浦」
    そこへボランティアで向かう参加者と地元の人々との交流を描いた話
    話は6章に分かれていて
    「災害の映像を見て自分も何かしなくてはと思いました」と答えるが何か他に理油があって参加したと思われる「遠藤幸樹」

    被災地で知り合った姉弟の元父親探しを手伝う女子高生の「沙月」

    就職に役立つと安易な考えでボランティアバス運行の企画を立て参加者を集める主催者「大石和磨」

    ボランティア活動に参加したいが大石和磨に断られ、どうして断られたのかわからず理由を探す「潤一郎」

    昔の教え子が教師になったと知らせがきたが場所が山浦と気付き行方を探すこともかねてボランティアに参加した成子とその夫善治の老夫婦

    被災地の隣町で犯罪を犯し逃亡途中でボランティアバスを見つけ乗せてもらう事になった「陣内」

    それぞれがいろんな形で被災者と関わり自分の考え方などが変化していく
    半分くらい読んでる途中で
    ん?
    これってミステリー???
    と頭の中にハテナマークが沢山浮かび上がったが6章で話が微妙にズレていきエピローグで全体の話の真相が語られるとなるほどと話の繋がりに納得しました。
    感動するミステリーを読んだのは初めて。ボランティアの事情なども細かく書かれていたので感情移入もできました「まる」

  • この作者は題名は割と軽い感じなのに、中身は結構重い。「僕はお父さんを訴えます」は後半は触れると切れるようなヒリヒリした緊張感があった。
    この作品は極悪人が出てこない、日常の謎的な連作だけど、震災に対してのボランティア活動の心構えなど学ぶことが多かった。東北の震災の折に募金と日常品の提出しかできなかった自分にしてみれば、読んでいて心苦しくなった。
    最後の最後で時間のミステリーだったことに、気持ちいい騙された感。

  • 初めて読む作家さんの本です。
    災害ボランティアの連作短編。

    ボランティアしたことないし、震災後に神戸にも東北にも行っていない私ですが
    色々と気づかされることが多かったです。
    ボランティアバスに乗った面々が順に主人公になっていっていると思っていたのに
    最後に、してやられました。

  • 最後の最後にやられたー!って感じでした。

    ひとつひとつのエピソードはなんだかうまく行きすぎなような気もするし、
    トラブルが起こっても、なんとなくさらっと丸く収まってしまっている感は否めませんが。

    災害ボランティアについても、いろいろ考えさせられる内容でよかったと思います。

    与えるだけではない、もらうことも時には大事。

  • ボランティア活動を知るきっかけになる本ではないかと。
    一人一人の思いも丁寧に書かれていて、読んで良かったなと思えた。

  •  バスをチャーターして人を集め、被災地で援助活動に従事する、ボランティアバスを題材とした連作小説。
     主催者をはじめ、参加者の動機は多種多様だが、それぞれの背景と想いが交錯して、一つの長編小説としてまとまる構成が見事。
     章ごとに人物の視点を替えている点や、合間に挿入されるコラムも併せて、巧妙に構築された伏線となっている。
     日本は震災の多い国だからこそ、『震災』と聞いて何を、どれを連想するかを逆手にとり、誠実で利他的な国民性も絡めて、《恩送り》の概念に繋げた手腕は素晴らしい。
     筆致は訥々として軽妙だが、被災地における暗部や、ボランティア活動の問題点にも切り込んでおり、作品の奥行きは深い。
     如何なる出来事も、出逢いも、命も、祈りも、どれもが縁でもって繋がり、輪廻の環となる、――読み手をも含めて。
     そんな連帯感と、しみじみとした感動に浸れる良質な小説。

  • ボランティアに向かうそれぞれの人間模様という感じだが、揶揄することも賞賛することもなく、描くのは案外難しいだろう。最後も良かった。

  • 東日本大震災から8年が経過してこの作品に出会った。ボランティアのリアルに忠実に、短編集かと思いきや同じボランティアバスで出会った人たちを視点を変えながら描くことで意外な人物像が浮かんできたり、やられた!感がありました。また読み返します。

  • ボランティアバスに参加する人の動機が「被災者、被災地のために役に立ちたい」というより、本当に個人的なことでという感じがよかったです。季節ごとに大災害が起きていて、被災したことのないものにとっては「またか」と悪い意味で災害という言葉に慣れてきている気がしていますが、また立ち返る機会になりました。ボランティアのあり方も考えさせられました。

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著者プロフィール

2011年、『僕はお父さんを訴えます』で第10回『このミステリーがすごい!』大賞優秀賞を受賞してデビュー。14年、『ボランティアバスで行こう』が「SRの会」13年ベストミステリー国内第1位に選ばれる。著書に“スープ屋しずくの謎解き朝ごはん”“さえこ照ラス”両シリーズ、『映画化決定』など。

「2019年 『無実の君が裁かれる理由』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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