江戸を読む技法 (宝島社新書)

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  • 宝島社
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784800223616

感想・レビュー・書評

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  • 30年5月5日読了。
    江戸という、比較的身近な時代でさえも 分からない事がどれだけ多いか。そして、テレビで見る時代劇の影響で、勘違いしたまま納得している事が随分ある事がわかった。
    参勤交代、江戸町奉行所の判決が出るまでの流れ。大名が幕府にお伺いをたてる書状の手順。また、江戸期の様々な事件、災害の実状。
    こういう専門家の本を読むことで、江戸期に一歩近づけた気がする。

  • 本書は、近世政治史研究の第一人者・山本博文博士が、丹念な史料探索によって、江戸時代の一般人像を現代に蘇らせた意欲作である。武士と現代サラリーマンは、何が共通していて何が異なるのか。本書を読めば、新たな視座が得られることだろう。歴史の教科書では、江戸時代を士農工商という身分制で説明してある。しかし、武士は支配階級、百姓・町人は被支配階級という捉え方は、短絡的で誤りであることがわかる。さらにまた、我々一般人が江戸時代の史料をひもとき読み込むための方法も紹介してある。本書で江戸を読む技法を身につければ、時代小説や大河ドラマが一〇〇倍楽しくなること請け合いだ。(2014年刊。本書は、1996年に文藝春秋から刊行され、2005年に新潮文庫となった『江戸時代を[探検]する』を増補・改訂したものである。)
    ・序  章 「徳川中心史観」にとらわれずに江戸を読もう
    ・第一章 武士とは何か
    ・第二章 武士の出世競争と藩の不況対策
    ・第三章 幕府を揺るがした大事件
    ・第四章 江戸時代の調べ方

    本書は、これまでの山本先生の著作のエッセンスが詰まった1冊である。読んでいると、まるで、歴史学の講義を受けているような感じがする。しかも読みやすく分かりやすいのが嬉しい。
    著者の文庫、新書については、概ねフォローしているつもりであるが、各章を読みながら、思いを馳せることが出来た。(逆に、人によってはネタに新鮮味が無いように感じる方もいるかもしれない)気になる点が一つ。大岡越前の石高について2700石(p75)と1700石(p125)の記述がある。校正ミスだと思われるのが残念。

    「徳川将軍家、大名家関係資料の調べ方」については、新潮文庫版を読んだときに、非常な衝撃を受けた。どの様な史料を調べれば良いかあらましが書かれているが、これらの史料集を個人の手で揃えることは困難で、とても素人の手には負えない。(金銭的な問題もあるが、既に絶版のものや入手困難なものも多い。専門的な史料を収拾するのは、公共図書館などの役割であるが、地域格差を感じずにはいられない。今後のネット環境の進化に期待したい。)

    江戸時代の事が知りたい方には格好の1冊でありオススメである。

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東京大学史料編纂所教授

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